2019年11月08日

山海塾『Arc 薄明・薄暮』世界初演 2019年3月23日・24日【北九州】

今年の3月に北九州で世界初演した山海塾の『ARC  薄明・薄暮』が、いよいよ来年の1月にびわ湖ホールで国内2回目の上演を迎えます。初演のときは『Arc』だったんですが、どうやら『ARC』に落ち着いたようです。びわ湖ホールからチケットも届き、タイトルの入った国内版チラシも入手。当日、折れてないチラシが手に入るといいんだけど、、。2度目の『ARC』を見る前に、初演時の感想を残しておきたいと思い、今更ですが自分のツイートと、当日の場面転換メモをUPしたいと思います。ほとんど自分用です、、、。最後にちょっとだけ補足もあります。

山海塾 新作世界初演『Arc 薄明・薄暮』
2019年3月23日(土)18:00/24日(日)14:00
北九州芸術劇場 中劇場

演出・振付・デザイン:天児牛大
音楽:加古隆、YAS−KAZ、吉川洋一郎

舞踏手:
蟬丸、竹内晶、市原昭仁、松岡大、石井則仁、百木俊介、岩本大紀、高瀬誠

【Twitterより】

昨日、山海塾<新作>『Arc 薄明・薄暮』世界初演の初日を見てきました。天児さんが踊らないことを前提に創作された初めての作品だったわけですが、いつも通り素晴らしくもあり、何か新しくもあり、間違いなく天児さんの問いが存在しながらも新しい世界が広がっていました。
山海塾『Arc(アーク)』。舞台の両サイドにあった巨大なリングは、舞台進行とともに移動し、舞台の中央で交差すると、最終景では完全な円になります。その完全な円の前で8人が踊る最終景は、言葉を失う壮大さ。
山海塾『Arc』最終景。完全なる円の前で、蟬丸さんを中心に踊る3人(竹内-市原)と、その周囲を踊りながら廻る5人。そこに何かが生まれ始めるのを感じます。大袈裟じゃなく、何か真理のようなものが生まれる瞬間を目撃しているようで、その壮大さに圧倒されました。
天児さんの、変わらないどころか深まっいく、自らの問いに耳を傾けるという創作の姿勢と、その世界を表現する舞踏手たち、どちらも素晴らしかったです。
山海塾『Arc』。最初の蟬丸さんのソロが終わって、上手に捌ける蟬丸さんと入れ替わるように5人の舞踏手が下手にヌッと現れるところが好き。
初日のカーテンコールには天児さんが登場。出ていらっしゃらないんじゃないかと思っていたので、大感激でした。右手を上げて拍手に応える姿はいつも通りでした。

山海塾『Arc』2日目終了。すべての景が均等に印象的でした。これまでなら天児さんが踊ったであろうソロ2つは蟬丸さんが担当。蟬丸さんのソロ、素敵すぎました、、、。
山海塾『Arc』。若手組の群舞の景がいつも結構好きなので、今回の2景(5人)もすごくよかった。やはりあの一斉にヌッと現れる登場からして掴まれる。4景(4人)の衣装が素敵。卵のピアスはいつもの白ではなく、衣装の一部と同じような青い卵。
山海塾『Arc』。「交差」と名付けられた2つの景は、竹内さんと市原さんの2人のシーン。2人の場面って珍しい気が。緑(竹内)と赤(市原)の衣装も印象的。それぞれにソロもあって見応えあり。
山海塾『Arc』。そしてやはり圧巻の最終景。舞台背後の巨大な輪「アーク」と、繰り返される回転と周回の踊り。なんだか、まるで宇宙の起源を見ているような思いがしました。
山海塾『Arc』。最後のカーテンコールが終わって客出し用の照明が点る瞬間、光を受けた金属製のリングが最初にフワッと光るのが印象的でした。

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以下は当日メモした場面転換です。

【当日メモ】

T.あなたの星に降る時雨
蟬丸さん、ソロ。下手から登場。中央に立ち、スッと腕を差し出した姿の格好いいこと!! 加古さんの音楽も相まって泣きそうになる。というか、泣いた。

U.海際(みぎわ)にて
上手に消える蟬丸さんと入れ替わりに、下手に5人がヌッと一斉に現れる。ゾワっとした。あの入り方、すごくいい。縦に並んだ状態で上手・下手を移動しつつ踊る。

V.交差・あなたの過去は私の未来
下手の手前に竹内さん(緑)、上手奥に市原さん(赤)。対角線上を歩いてきて、中央ですれ違う。市原さんがスッと横に動いて、竹内さんの背後に入り背中合わせになる。竹内さんはそのまま進行方向に捌けていき、市原さんのソロ。一度捌けた竹内さんが下手奥に登場。再び対角線上を歩き、中央ですれ違う。今度は竹内さんがスッと移動して、市原さんの背後に入り背中合わせになる。そして竹内さんのソロ。

W.静かなおもて
衣装が素敵。いつもの卵のピアスは白ではなく、青(?)。白いドレスのスカート部分に、青い和紙のような装飾が施されたデザイン。

X.三つの双
蟬丸さんのソロ。赤の衣装。オブジェに触れそうで触れない、緊張感がある。

Y.交差・遡行
再び、竹内・市原。短めのシーン。

Z.薄暮へ
百木、松岡、石井、、、の順で、クラゲのように回転しながら出てくる5人。腰を折り、腕を丸く広げて回転する姿は、深海の生物のようであり、それそれが一つの宇宙のようにも見える。残りの3人(蟬丸・竹内・市原)も白い衣装に着替えて登場。舞台中央の3人の周囲を、5人が踊りながら周る。竹内ー市原の間をすり抜けるようにして、蟬丸さんが8の字に踊る。踊る3人の周囲を、回転しながら周る5人。背後には完全なリング。あまりの壮大さに、言葉を失った。

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蟬丸さんの2つ目のソロ「X.三つの双」。私のメモには「赤の衣装」と書かれているんですが、公式がUPした映像を見ると、どうやら青い衣装なんですよね。私が書き間違えたのか、衣装の色が変わったのか、とても気になります。山海塾は一度創作した作品を変えたりするイメージがないので、やっぱり私の間違いなのかな〜。

当時のツイートの中で、盛んに「リング、リング」と言っているんですが、正確にはあれは「アーク(弧)」です。巨大なリングの一部分のように見える金属製のアークが舞台の左右にあります。舞台の進行とともにゆっくりと中央に移動し、近づいていく2つのアーク。中央ですれ違い、そのまま進んでいくと、最終景で完全な円になるんです。
国内版のチラシはW景。ちょうどアークが重なり始めるシーンです。

ところで、T景のタイトル「あなたの星に降る時雨」が、なんだか少女漫画のタイトルにありそうだな〜なんて思ってしまいました。陸奥A子さんの漫画とかにありそう。何とも言えない切なさみたいなものがあって、今までにないロマンチックなタイトルだったので、印象的でした。

2日目に開催されたアフタートークの様子もまとめてあります。 → こちら
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2019年10月30日

山海塾の北九州公演は『ひびき』のリ・クリエーションです。

北九州芸術劇場のサイトに山海塾の公演情報が出ました。北九州市芸術文化振興財団の事業概要では3月となっていたんですが、2月でした。よかった〜。東バの『ラ・シル』と重ならなかった。というわけで昨日、安心して東バ『ラ・シル』のチケットをアッサンブレ先行発売で取りました。よかった、よかった。

北九州の演目は、『遥か彼方からのーひびき』のリ・クリエーションです。『ひびき』きたー♪♪ 見たい演目の一つでした。2006年、相模大野のグリーンホールで上演されたんですが、チケットを取っていたにもかかわらず、体調を崩して見に行けなかったんです。その後、国内では上演していないはず。あのとき見に行けていれば、天児さんが踊る『ひびき』を見ることができたんですが、、、。天児さんや丸さんが踊る『ひびき』を見られなかったことは残念ですが、でもリ・クリエーションはとっても楽しみです。だってそれは、山海塾が続いていくということでもありますものね。

来年はBBLの日本公演もあるし、全国公演があるなら遠征もしたいし、山海塾の東京公演も通いたいし、北九州はパスしようかな〜と思っていたんですが、演目を聞いたらやっぱり行きたくなってしまいました。実際の舞台を見るまでは買うのを我慢していた『ひびき』のDVDも、ようやく買えそうです。

チケットクラブQの先行発売が12月14日(土)からです。チケットクラブQは、2020年の4月にリニューアルをすることになっていて、現在のサービスは2020年3月で終了となります。現在も入会・更新は可能だけど、会員期限は2020年3月末ということになってます。私も今年の8月ごろに更新したんですが、有効期限は2020年3月31日となっていました。山海塾の公演以外で行くことはないと思うので、たまっているポイントを使ってしまいたい、、。

北九州が『ひびき』のリ・クリエーションを上演するということは、来年の東京公演は『ARC』と『ひびき』かな。

■ 山海塾『遥か彼方からのーひびき』リ・クリエーション【北九州】

2020年2月23日(日)14:00
会場:北九州芸術劇場 中劇場

演出・振付・デザイン:天児牛大
音楽:加古隆、吉川洋一郎
演出助手:
舞踏手:竹内晶、市原昭仁、松岡大、石井則仁、百木俊介、岩本大紀、高瀬誠

全席指定
一般:4,500円
ユース:2,500円
高校生〔的〕チケット:1,500円

チケットクラブQ先行予約:12月14日(土)
一般発売:12月22日(日)

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2019年09月30日

山海塾『ARC 薄明・薄暮』大津公演の情報が出ました。

山海塾の次の国内公演、『ARC 薄明・薄暮』大津公演の情報がびわ湖ホールのサイトに出ました。遠征を考えている身としては、気になるのは開演時間と、アフタートークの有無です。開演時間は予想通り14時。今回もポストパフォーマンス・トークが開催されます。大津で昼公演なら全然日帰りで行けるんだけど、1泊してこようかな〜と。琵琶湖周辺は色々あって迷うんだけど、とりあえず石山寺に行ってみたい。15:15終演予定でアフタートークがあるとなると、公演後は難しいかな。なんて、まだチケットも取ってないのに妄想が広がります〜。びわ湖ホールのチケットサービスの利用登録はしておきました。友の会は有料なのでやめておいた、、。

■ 山海塾『ARC 薄明・薄暮』 【大津】

2020年1月25日(土)14:00 (15:15終演予定)
会場:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホール

演出・振付・デザイン:天児牛大
舞台美術:中西夏之「着陸と着水」より
音楽:加古隆、YAS−KAZ、吉川洋一郎
舞踏手:丸、竹内晶、市原昭仁、松岡大、石井則仁、百木俊介、岩本大紀、高瀬誠
共同プロデュース:パリ市立劇場、北九州芸術劇場、山海塾
初演:2019年3月 北九州芸術劇場

☆終演後、丸(舞踏手)、吉川洋一郎(作曲家)によるポストパフォーマンス・トークを開催
 聞き手:坪池栄子

一般:4,500円
青少年(25歳未満):3,000円
【チケット発売】
友の会:10月25日(金)
一般:10月27日(日)

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2019年08月07日

【2020年3月】北九州芸術劇場にて山海塾の公演。

北九州市芸術文化振興財団のサイトにて、令和元年度の事業概要が更新されました。2020年の3月に北九州芸術劇場で山海塾の公演が予定されています。よかった〜。今年の3月が『Arc〜薄明・薄暮』の世界初演だったので、次はレパートリーの中からの再演ということになりますね。何を上演してくれるのか、楽しみで仕方ないです〜♪ その頃の自分が何事もなく無事に見に行ける状態だといいんですけどね(苦笑)。
最近上演した演目を調べてみました。

2019年 『Arc〜薄明・薄暮』【世界初演】
2018年 『卵熱』【リ・クリエーション初演】
2017年 『とばり』
2016年 『金柑少年』
2015年 『めぐり』【世界初演】
2014年 『かげみ』
2013年 『うむすな』【日本初演】
2012年 『うつし』【日本初演】
2011年 『から・み』【日本初演】
2009年 『卵熱』
2008年 『とばり』【日本初演】
とまあ、こんな感じなんですが、今回は何になりますかね〜。
私的には、まだ見たことがない『ひびき』とか、久しぶりに『とき』なども見たいんですが、天児さんのソロをどうするかという問題があるので、上演のし易さでは『うつし』、『めぐり』などでしょうか。『うつし』はもともと天児さんは出演しないし、『めぐり』は蟬丸さんがソロを踊るヴァージョンで上演済みです。リ・クリエーションの『卵熱』と『金柑少年』は、比較的最近上演したばかりなんですよね〜。私は見たばかりでも全然構わないんだけど。『金柑少年』は長谷川さんが抜けて新しい配役になると思うので、それを見てみたいような、見てみたくないような、、、。現在既に天児さん不在で上演している作品なのか、新たなリ・クリエーションが創作されるのか、気になるところです。
しかし、来年5月のBBLのために節約しなきゃいけないのに、山海塾の大津と北九州も行こうとしてるなんて、大丈夫かしら、自分。山海塾の東京公演だってあるし。ん〜、、、。
あとは、東バの『ラ・シルフィード』と重ならないことを祈るばかりです。

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2019年05月06日

山海塾『Arc』アフタトーク【北九州】(2019.3.24)

3月の北九州芸術劇場での山海塾『Arc 薄明・薄暮』世界初演、2日目に開催されたアフタートークに参加してまいりました。聞き手は坪池栄子さん、話し手は吉川洋一郎さんと丸さんです。忘れないうちにまとめておこうと思います。

自分の走り書きを頼りに書いていますので、台詞などは正確なものではないです(中には正確に書き取ったものもあるけど)。こんなニュアンスの話という感じで読んでいただけたらと思います。

蟬丸さんが登場するまでは、坪池さんと吉川さんのお2人で進行します。
今回の舞台美術は、画家の中西夏之さんの「着陸と着水」シリーズのコンセプトから立ち上げたとのことで、まずはその辺りの話から。坪池さんによると、1995年の中西さんの集大成とも言える個展からの作品もあるとのこと。1995年の個展は、神奈川県立近代美術館で開催された「着陸と着水:舞台空間から絵画場へ 中西夏之展」のことだと思われます。舞台のサイズなどもあるので、全く同じものが使われていたという意味だったかどうかはわかりません。そこはやはり、コンセプトを借りた、という感じなのだと思います。
今回の作品を見ながら、中西さんの初期の作品「コンパクトオブジェ」のことを思ったという坪池さん。曰く、卵の中に世界が閉じ込められているような作品とのこと。例えば、国立国際美術館(大阪)所蔵の→これ などでしょうか。透明の卵形の球体の中に、様々なものが閉じ込められています。時間ごと閉じ込めたように感じるのは、懐中時計に影響されているだけかしら、、。今回の『Arc』を見て、天児さんが、これまで自分がやってきたことを客観視して作った感があるのでは?と思ったという坪池さん。作品を客観的に捉える視点と、世界を俯瞰するような中西さんのコンパクト・オブジェが重なったのかもしれません。

そして音楽の話へ。
全ての音楽をオリジナルで作成している山海塾。どういう音楽にするかということは、3ヵ月くらい前から天児さんと話し始めるとのこと。今回は景ごとに少しだけ音楽を解説してくれました。ただ、どこまで話すかということは、やはり天児さんに確認する部分もあるそうで、テーマにしろ意味にしろ、説明はせず見る側に委ねる天児さんですから、すべてを聞けないのは仕方ないな、と。
【1景】は加古隆さん。加古さんがピアノで作曲してきたものを、吉川さんがフルートなどにアレンジしていったとこのこと。
【2景】の音楽については、ドビュッシーの「ラ・メール(海)」のスコアの表紙に『富嶽三十六景〜神奈川沖浪裏』の浮世絵が使われているそうなんですが、その浮世絵と、ドビュッシーの「海」をイメージしてみようという話を、2か月前くらいに天児さんとされたとのこと。ドビュッシーの「海」のスコアの表紙に、あの有名な波の浮世絵が使われているなんて、お恥ずかしながら知りませんでした。
【4景】は、舞台装置の2つのアーク(弧)がちょうど交差するシーン。巨大な弓と弓をこすり合わせるようなイメージで、こすれ合う音で作りたいと思ったとのこと。
【5景】は、『かげみ』で使った音楽を再アレンジしたとのこと。なるほど〜。だからなんか聞いたことある感じだったんだな〜と。お客さんの中には、『かげみ』の音楽だとわかった方もいらっしゃいました。
【7景】。吉川さんと天児さんは一緒にお茶を飲んだりすることもあるそうで、その中で、プログレッシブ・ロックなどが再び脚光を浴び始めているという話になり、アナログシンセサイザーを使った曲を作ってみたとのことでした。

蟬丸さんも登場し、今回の舞台装置のコンセプトとなった、中西夏之さんのお話に。
蟬丸さんは、中西さんのアシスタントをしていたことがあるそう。中西さんのアトリエが稽古場の近くにあり、中西さんがアシスタントを欲しがっているから行ってこいと、天児さんに言われたとのこと。山海塾の舞台装置のために中西さんのもとを訪れるのは、もう少し後のことだそうです。アシスタントといっても、「中西さんの独り言に、私が相槌をうつ係なのかな〜」という感じだったという蟬丸さん(会場・笑)。
蟬丸さん曰く、中西さんはかなり神経質な人で、それは作品に関してだけでなく、食べるものや、人との関わりにもそういった面が見られたそうです。とはいえ、蜷川幸雄さんや寺山修司さんと同世代だったという中西さんも、当時は前衛芸術運動のトップランナーで、かなり破天荒な面もあったとのこと。とくに街中でのパフォーマンスなどは、そうだったらしい。因みに中西さんは、土方巽さんの舞台の仕事もしたことがあったそうです。

因みに、仲西さんの「着陸と着水」のコンセプトから立ち上げた今回の舞台装置がどういうものだったかというと、天児さんが北九州芸術劇場の情報誌「Q」の中で仰っていたのは、「二重の舞台」「二つの鏡」「二つの弧」という三つのダブルです。舞台上に敷かれていた2枚の四角い舞台は、少しずれていることで二重であることがわかります。その装置と実際の舞台の床。その「二重」の意味もあったのでしょうか。二つの鏡は、おそらく天井から吊るされていた三角形の鏡のことだと思われます。開演前、回転している二つの鏡が照明を反射して、舞台上を光の線がスーッと走るのが印象的でした。二つの弧は、舞台後方の上手・下手に設置された巨大な金属製の装置です。
2枚の四角い舞台がずれることによって、下の装置の角が三角形に出現するんですが、その部分に何やらモコモコと半円を伏せたような突起があります。あまりに滑らかなので硬質のものかと思ったら、いつもの白い砂が丁寧に丸く盛られていました。等間隔に盛られた砂の間に、これまた等間隔に小さな鉄球が置かれています。緊張感がありつつも、整然としていて心落ち着くような、不思議な光景です。

どういう意味があるかわからないけど、とても印象的な鉄球と砂。それは「これこれこうだから、こうなるんだ」という結果ではなく、「過程」が大事なんだと、蟬丸さん。確かに、人の手で静かに丁寧に進められる作業は、想像するだけでピンと張りつめた空気と静謐さが漂います。実際の作業はそれどころじゃなく大変かもしれないけど、、、。でも、「結果ではなく過程が大事」という蟬丸さんの言葉は、とても説得力がありました。
因みに、中西さんのコンセプトを忠実に再現してはいるが、鉄球の大きさなどは元の作品と同じにはできないので、変えているそう。確かに、美術館に展示するのと、舞台で見せるのとでは、まったく違いますものね。

天児さんが出演しない前提で作られた初めての作品だったわけですが、演出家がずっとお客さんの目線で見ることができるので、「単純に作品のクオリティが上がると思います」と蟬丸さん。「ここがこうだから、こうでなくてはならない」といったところが、イメージではなく、目で見たもので再構築ができる、と。今回、見終わった後に、すべての景が均等に印象的だったな〜と私が感じたのは、そのことと無関係ではないのかもしれません。

最後に、山海塾の舞台を映像で残すことについて。
15〜16年前に初めて、北九州での『とき』の舞台を撮影してもいいと天児さんからOKが出たんだそう。しかし、撮影したものを見た天児さんは「これは駄目だ。発売できないな」と。次の『かげみ』も試みるが、「駄目だな」と2連敗、、、。あのイマジカを連れてきて撮影しているのに許可が出ない。映像的に格好いい画(え)を撮ってしまうんだそうです。例えば指先とか。確かに、指先のクローズアップは格好いいですよね。でもそれだと、空間込みの意味合いが伝わらない、と天児さん。天児さんが手を伸ばしたその先に円盤があるとしたら、その繋がりが大事なわけで、空間込みで伝わらないといけないんだ、と。
それを聞いてハッとしたというか。実際の舞台を見ている私は、空間込みで見ていただろうか、と。ちょっと考えされられるものがありました。
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2019年03月27日

山海塾<新作>『Arc 薄明・薄暮』世界初演を見てきました。


昨日、北九州から帰ってきました。23日(土)、24日(日)に北九州芸術劇場にて山海塾の新作『Arc 薄明・薄暮』の世界初演を見てまいりました。山海塾の新作が世界初演される際は、会場でパンフレットをもらうまでタイトルはわかりません。チラシには「クリエイション」とだけ書かれています。パリで世界初演を迎えると、日本で初演される際にはタイトルが判明しているんですが、前回の『めぐり』に続き北九州が世界初演だったので、今回もドキドキしながら初日の会場へと向かいました。そして、手渡されたパンフレットに目を落とすと、、、、。
『Arc』!!!
まさかのアルファベット表記に、平仮名3文字で予想していた私は、もう笑っちゃうくらい予想を外されました。これは予想できるわけがない。
正式な読み方は「アーク はくめい・はくぼ」とのこと。Arcは「弧」という意味です(調べた)。
最初から天児さんが踊らないことを前提に振り付けされた初めての作品だったわけですが、いつも通り素晴らしかったし、何か新しくもありました。今回、すべての景が均等に印象的だったことも、心に残りました。もしかして、天児さんが外からすべてを見ていることも関係しているのかな〜と思ったり。常に自分の中の疑問に耳を傾け、創作を続けてきた天児さん。その天児さんが出演していなくても、間違いなくその問いは作品の中に存在していたし、その上で新しい世界が広がっていたように感じました。天児さんの、自らの問いに耳を傾けるという創作姿勢が、変わらないどころか深まっていることに感動したし、またその世界を表現する舞踏手たちにも感動を覚えずにはいられませんでした。

そして、初日のカーテンコールには天児さんが登場されました。出ていらっしゃらないんじゃないかと思っていたので、大感激でした。もう感涙、、、。右手を上げて拍手に応える姿はいつも通りでした。

次の日本公演は2020年。1月のびわ湖ホールの『Arc』、そして5月に『Arc』東京公演が予定されています。

公演が行われた北九州芸術劇場中劇場のロビーから、小倉城がよく見えます。

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2019年01月12日

山海塾<新作>のチケ取り。

3月の山海塾<新作>世界初演、北九州公演のチケットを取りました。今日の10時からチケットクラブQの先行予約でした。緊張した〜。山海塾のチケットを取るのが一番緊張するかも。無事にまあまあ好みの席を確保。さて♪ 遠征の計画をあれこれ立てなければ♪

新作ということで、タイトルは未定です。初日の会場でパンフレットをもらうまでわかりません。会場に入ってパンフレットに視線を落とす、あの一瞬の緊張感。世界で最初に新作を見るという喜びを再び味わえるのが楽しみでなりません。

先日届いた北九州芸術劇場の情報紙「Q」に掲載されていた天児さんのインタビューに、ちょこっとだけ新作のヒントがありました。今回は舞台美術が大きく違ってくるだろうとのこと。『縄文頌』と『おもて』の舞台でそのオブジェを使用した、画家の中西夏之さんのコンセプトを借りて美術を作ろうと思っているのだそうです。中西さんとは、天児さんが演出を手掛けたリヨン国立オペラ座のオペラ『三人姉妹』でも舞台美術をお願いした縁があるとのこと。今、天児さんの中に浮かんでいる言葉は「三つのダブル」。二重の舞台、二つの鏡、二つの弧。うほ〜♪ 楽しみすぎます〜♪

少し前に出演者の情報も更新されました。天児さんは出演されません、、、。蟬丸さんのお名前はありました。よかった〜。そして、高瀬誠さんという新しい舞踏手の方が。検索したら、蟬丸さんの黒藤院の公演にお名前がありました。どんな踊り手さんなのか気になります〜。
ポストパフォーマンストークの情報も更新されています。2日目の日曜日の終演後に開催。聞き手は坪池栄子さん、話し手は蟬丸さんと吉川洋一郎さんです。

■ 山海塾<新作>【北九州】

2019年
3月23日(土)18:00
3月24日(日)14:00 ☆ポストパフォーマンストークあり

演出・振付・デザイン:天児牛大
音楽:加古隆、YASーKAZ、吉川洋一郎
舞踏手:蟬丸、竹内晶、市原昭仁、松岡大、石井則仁、百木俊介、岩本大紀、高瀬誠

全席指定
一般:4,500円
ユース:2,500円(24歳以下)
高校生〔的〕チケット:1,500円

一般発売:1月20日(日)10:00

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2018年09月20日

山海塾<新作>世界初演の公演情報が出ました。【北九州】

北九州芸術劇場のHPに、山海塾の公演情報が出ました。来年3月に新作の世界初演があります。日程は→こちらでわかっていたんですが、開演時間と先行予約の日程がわかると助かります。遠征の予定も立てられるし、どこで何を食べようかな〜とう妄想もより楽しくなる♪ 先行予約の日のお休みも死守せねば。

とりあえず、演出・振付・デザインは天児さんですが、舞踏手に関してはまだ何も書かれていません。4月に同新作の上演が決定しているシャンゼリゼ劇場のサイトでは、舞踏手は蟬丸さん、岩下さん、竹内さん、市原さん、松岡さん、石井さん、百木さんの7人になっていて、天児さんは含まれていません。天児さんはもう、新作には出演しないかもしれないですね、、。それ以前の作品に関しても体調次第という感じなんでしょうか。もし天児さんが出演しないのであれば、天児さん不在の新作は初めてということになるでしょうか。『うつし』は過去の作品のオムニバスだし、『金柑少年』と『卵熱』はリ・クリエーションなので。どういう感じになるのか、ものすごく気になります。気になるけど、どういう形になっても楽しみです。

パリ公演は4月29日〜5月4日まで。シャンゼリゼ劇場にて。

■ 山海塾<新作>世界初演 【北九州】

2019年
3月23日(土)18:00
3月24日(日)14:00
会場:北九州芸術劇場 中劇場

全席指定
一般:4,500円
ユース(24歳以下):2,500円
高校生〔的〕チケット:1,500円

チケットクラブQ先行予約:2019年1月12日(土)10:00
一般発売:2019年1月20日(日)10:00

演出・振付・デザイン:天児牛大
音楽:加古隆、YAS−KAZ、吉川洋一郎

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2018年07月09日

山海塾<新作>パリ公演/シュレーター監督『舞台リハーサル』2回目。

2019年の山海塾<新作>パリ公演の情報が出たそうです(ツイッター情報)。ワールドプレミアとなる北九州芸術劇場の情報はまだ出ていません。前回も9月ごろに情報が出たので、またその頃かな〜と。日程だけでも知りたい、、、。パリ公演はシャンゼリゼ劇場にて、4月29日・30日、5月2日・3日・4日のようです。市立劇場はまだリニューアル工事中だと思われます。

振付は天児さんですが、舞踏手に天児さんの名前はないですね。そして長谷川さんの名前もありません。実は、9月のイタリア公演『めぐり』の舞踏手の中に長谷川さんの名前があったので喜んでいたんですが、後日見たら修正されていました、、。そうだよね、、、。イタリアの『めぐり』は天児さんを除いた8人で上演されるようです。岩本さんがin。ということは、新国のときのように蝉丸さんが天児さんのソロを踊るんでしょうか。8人揃えば、蝉丸さんはソロに専念できますよね。新国のときは次のソロのためにサーっとアンサンブルを抜けたりしていたので。実際にはどういう上演になるのか、とても気になります。

以前、何かのインタビューで天児さんが、舞踏手がやめる際には、1年前くらいに伝えてもらうというようなことを仰っていたと記憶しています。限られたメンバーで活動しているので、いきなり誰か欠けるのは厳しいですよね。その間、旧作には出演するけど、おそらく新作には出演しなくなるのだと思います。長谷川さんが『めぐり』に出なかったときから「これはヤバいかも、、、」とは思っていたんですが、やはり来るべき時が来たようです。山海塾に限らず、バレエだって、いつも「これが最後かもしれない」と覚悟していなければいけないのに、やめてしまってから覚悟が足りなかったと嘆く私は、本当に学習能力がないというか、進歩しない人間です、、、。
舞踏手の石井さんが、今度『金柑少年』の配置換えがあり、自分が「闇の手」のシーンを踊るのはこれが最後だと、先月の東京公演の際に仰っていたので(インスタで)、冒頭の「金柑少年」と逆さ吊りは石井さんになるのかな〜と。長谷川さんはもう、踊りはやらないんですかね、、。

本来なら今年の3月に発表されるはずだった新作が、来年の3月に変更になったわけですが、気になるのは世田谷パブリックシアターのラインナップです。新作の年に、新作と旧作を合わせて上演している世田パブさんは、今年はおそらく予定を変更して、『卵熱』と『金柑少年』を上演したと思われます。ということは、2019年度のラインナップに山海塾は入っていないと思うんですよね〜。後からでもラインナップに組み込む余地があるのか(主催じゃなくて提携公演だと思うけど)、そこまではしないのか、とっても気になります〜。

年内の予定が公式サイトに出ています。

『あわせ鏡のはざまで―うつし』
2018年9月1日(日)19:30 ファルツバウ劇場

『海の静寂 陸(オカ)の賑わい―めぐり』
2018年9月4日(日)20:30 ザンドナイ劇場


アテネ・フランセ文化センターで開催されていた「ファスビンダーとシュレーターがとらえた舞台芸術」にて、2回目の『舞台リハーサル』(ヴェルナー・シュレーター監督)を6月30日(土)に見てまいりました。東バの『白鳥』を上野で見た後、お茶の水へ。どうしてももう一度、あの天児さんを見ておきたかったんです。

初回(6月23日)の感想は→こちら

やっぱり素敵でした〜。少し記憶違いのところもありまして、初回の感想で書いた、豆太郎がモゾモゾしている場面はなくて、羽化(と私が勝手に呼んでいる)した後に大きく踊り出す前の、腰を落として左右にステップを踏む場面がアップで捉えられていました。そこがね〜、えらく格好いいんですよ〜。絶対に無理なのはわかってるけど、シュレーター監督が撮影した『金柑少年』全編を見てみたいです。というか、山海塾が持っている天児さんの『金柑少年』の映像(ナンシーじゃないかもしれないけど)、出してくれないですかね〜。私としては今の『金柑少年』の映像も出してほしいけど。

大野一雄さんが日本でインタビューに答えている中で、マリア・カラスについて、「マリア・カラスの中には物悲しい美しさが充満していると思う」と仰っていたのが印象的でした。

そして、エンドロールの最後の言葉、正確には「限りなき愛と敬意を込めてピナ・バウシュに捧ぐ」でした。「カフェ・ミュラー」の男女がギュッと抱き合ったところでエンドロールに入ります。この日、6月30日はピナ・バウシュの命日だったんですよね。あの終わり方にはちょっと込み上げるものがありました、、。
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2018年06月25日

ヴェルナー・シュレーター監督『舞台リハーサル』(1980)@アテネ・フランセ文化センター

アテネ・フランセ文化センターで開催されている「ファスビンダーとシュレーターがとらえた舞台芸術」にて、ヴェルナー・シュレータ監督の『舞台リハーサル』を見てきました。1980年のナンシー国際演劇祭のドキュメンタリーです。大野一雄さん、ピナ・バウシュ、山海塾の演劇祭での映像が見られるということで、出かけてまいりました。

1980年のナンシー国際演劇祭といえば、その年に渡仏した山海塾が『金柑少年』をヨーロッパ初演した演劇祭です。天児さんの『重力との対話』や吉川洋一郎さんの『オピネルと孔雀の日』でももちろん触れられていて、もう私としては「ぅえぇぇぇぇ!!! あの伝説のナンシー国際演劇祭の『金柑少年』の映像が見られるのぉぉぉぉ!?」と大興奮で出かけて行ったわけです。

作品は独特です〜。映画は全く詳しくないんですが、シュレーター監督は結構独特な映画を撮られているようで、このドキュメンタリーも独特でした〜。でも、嫌いじゃないというか、まったく馴染みのない世界観ではありませんでした。耽美とういか退廃的というか観念的というか。舞台映像を断片的に挟みながら、インタビューなども交え、まるでコラージュのように独自の視点で描かれています。そしてクローズアップが多い。インタビューの顔面アップはもちろん、舞台映像もクローズアップが多く、演者の呼吸を感じるような臨場感と、手触りを感じるような生きた映像にドキドキしました。背景が少ないということは、それだけ情報が少なくなり、自ずと思考は被写体の内面へと入り込むというか、監督の視線や思考の中に入り込んで見ているような感覚にもなりました。

始めに断っておきますと、舞台映像は断片的で短く、当時の上演をじっくり見られるわけではありません。インタビューや作品がコラージュのように組み立てられていきます。作品の音楽とは別の音楽が重ねられていたりもします。なので、そこを大いに期待して行くと、ちょっと違うかもしれません。ただ、少しでもいいから当時の舞台映像が見たい!とういのであれば、おすすめです。

とにかく『金柑少年』を踊る当時30歳の天児さんが美しかったです〜。しかも大画面で、クローズアップ。あの場面、あんな風に視線を動かしていたんだなぁとか、あのとき白目むいてるんだなぁなど、微細な視線の動きまで捉えていて、その狂気と色気を含んだ瞳に釘付けになりました。
孔雀を抱く天児さんが閉じていた瞳をゆっくりと開き、赤い輪のパネルの前で孔雀の首をクイっと傾けると、孔雀のほうへ視線を移動します。短いシーンながらその存在感は強烈です。今見てもあれだけ強烈なんだから、当時あの天児さんを見た海外の人たちにはもっと衝撃だったんじゃないだろうか、と。金柑少年が背中から倒れる場面、モグモグ→ニヤ〜っとする姿や、抱えていた孔雀を解き放つ瞬間、豆太郎が音楽に合わせ身体を揺らし、やがてズダンと落ちる場面、そして羽化する前のモゾモゾする様子(白塗りがボロボロ剥がれてたりします)。さらに豆太郎後のスカートを翻して踊る場面は圧巻。スカートの前がはだけていて、今よりも生足(ふんどし付近まで)が見える感じで踊っていたんだな〜と。天児さん以外では、「秘楽」の場面で互いの顔や身体に赤と青の色を塗り合う蟬丸さんと緒方さん。そして格闘する2人。同じく「秘楽」の場面で、何やら妖しく微笑む高田さん。滑川さんがあまり映らなかったな〜と。後姿は映ってたかな。あと、「闇の手」の場面も少し。
そして「金属性の飛鳥」の逆さ吊りの場面。まさかの股間のクローズアップから入りました(苦笑)。回転する天児さんの股間がクローズアップされます。そして、胸の前で手をクロスし、回転する顔のアップへ。天児さんが、うっすらと瞳を開けているのが印象的でした。しかも、現在よりも回転速度が速い気がしました。もうそれこそ高速でブンブン回ってる印象。もしかしたらアップで映しているからそう見えるだけかもしれないんですが、たぶん速かったと思うんですよね〜。できればカーテンコールを少しでも映してくれたら嬉しかったんですが、それはありませんでした。
『金柑少年』が上演される日の昼間に『処理場』というパフォーマンスを行ったらしいんですが、その映像も一瞬だけありました。ほら貝の横で仰向けでパフォーマンスをする天児さんが少しだけ映ります。

ピナ・バウシュは『カフェ・ミュラー』を上演。舞台の映像はそれほど多くないかも。抱き合う男女の身体をもう一人の男が動かして抱っこをさせる。男が立ち去ると、女性は男性の腕からズルっと落ち、また抱き合う。先ほどの男が戻ってきてまた抱きかかえさせるも、立ち去ると落ち、男が戻ってきて、、、というのを繰り返す。やがて男女は男がいなくても同じ動きを繰り返すという場面が何度か出てきました。確かに、2006年の日本公演で見たときも、あの場面は印象的でした。『カフェ・ミュラー』を舞台側から(向こうに観客が映っている)映した映像も印象的でした。他のアーティストの場面では、袖から映している映像もありました。
ピナが踊っているシーンは少なくて、それよりもピナの表情をアップで捉えた映像が多く使われていました。その美しさ、、、。ちょっと言葉では言い表せない美しさでした。今まで透明感という言葉を軽々しく使っていた自分を恥じましたよ、、。透明感という言葉では全然足りないくらい、本当に美しかったです。
エンドロールの最後に、「限りなき愛と尊敬とともにピナ・バウシュに捧ぐ」と出てきます。ちょっと正確ではないと思うんですが、大体こんな感じだったはず。そうなんです、当時シュレーター監督はこの映画をピナに捧げているんです。あの美しさは、それ故だったのかな〜と思ったりしました。シュレーター監督の瞳に映っていたピナを、私も垣間見たような気持ちになりました。

大野一雄さんの踊っている映像は比較的多かったかも。川縁などの野外で踊る様子や、舞台で踊る姿も捉えられています。自然の中で踊る姿も、舞台で踊る様子も、そして最後に黒いパンツ一枚で出てくる姿も、もうどれも感動的で、思わず涙がこぼれました。観客と思しき女性から受け取った花束を持って踊る姿も印象的。少しだけ、日本語でインタビューに答えるシーンがあります。野外に座ってインタビューに答えているんですが、あのインタビュアーがシュレーター監督なんだろうか? 因みに大野一雄さんは当時74歳。ということは、私が大野さんの舞台を見たときは90歳前後だったのかな? 実家に帰らないと自分が何年に見たのか正確にはわからないんですが、おそらくそれくらいじゃないかと。もっと見ておけばよかったと後悔してます。終演後のロビーで握手をしてもらったのは、忘れられない思い出です。

大野さん、ピナ、山海塾しかわからなかったので、他のアーティストも知っていれば、もっと楽しめたのかもしれません。でも、少しでも天児さんが踊る『金柑少年』を見たかった私としては、大満足でした。途中から空調が寒くて辛かったけど、、。上映会は今週の土曜日にもう一度あります。


posted by uno at 23:52| Comment(0) | 山海塾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする