2019年10月23日

<フェリ、ボッレ&フレンズ>Bプログラム 8月3日

8月、『フェリ、ボッレ&フレンズ』のBプログラムを見ました。今更ですが、雑感を。

<フェリ、ボッレ&フレンズ>【Bプログラム】
2019年8月3日(土)18:00 文京シビックホール

ー第1部ー

『バーンスタイン組曲』
振付・装置デザイン:ジョン・ノイマイヤー
音楽:レナード・バーンスタイン
(ラインハルト・ヴォルフによるニューヨークの写真、
ケン・ヘイマン、ルース・オーキン、ホワイトストーンによるポートレイトを使用)
衣装:ジョルジオ・アルマーニ

  「ア・リトル・ビット・イン・ラヴ」
  シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・トルーシュ、カーステン・ユング、

  「ロング・ノート・ラグ」
  アレクサンドル・トルーシュ、カーステン・ユング

  「ロンリー・タウン」
  アレッサンドラ・フェリ、マルク・フベーテ、アレクサンドル・リアブコ

  「シンプル・ソング」
  アレクサンドル・リアブコ、アレクサンドル・トルーシュ

『リベルタンゴ』
振付:高岸直樹
音楽:アストル・ピアソラ

  上野水香、マルセロ・ゴメス

『オルフェウス』よりパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
   ハインリヒ・ビーバー、ピーター・プレグヴァド、アンディ・パートリッジ

  シルヴィア・アッツォーニ、ロベルト・ボッレ

※作中のモノローグはライナー・マリア・リルケの詩編"Orpheus. Euridice. Hermes"による

ー第2部ー

『TWO』
振付:ラッセル・マリファント
音楽:アンディ・カウトン
照明デザイン:マイケル・ハルウ

  ロベルト・ボッレ

『アモローサ』
振付:リカルド・グラツィアーノ
音楽:アントニオ・ヴィヴァルディ

  シルヴィア・アッツォーニ、マルセロ・ゴメス

『作品100〜モーリスのために』
振付・演出:ジョン・ノイマイヤー
音楽:サイモン&ガーファンクル

  ロベルト・ボッレ、アレクサンドル・リアブコ

ー第3部ー

『フラトレス』(『ドゥーゼ』より)
振付・装置・照明・衣装:ジョン・ノイマイヤー
音楽:アルヴォ・ペルト

  アレッサンドラ・フェリ
  アレクサンドル・トルーシュ、カレン・アザチャン
  マルク・フベーテ、カーステン・ユング

何気に”ノイマイヤー・ガラ”だったな、と。作品はもちろん、カンパニーの来日公演でしか見られないようなハンブルクのダンサーを見られたのも、とても嬉しかったです。「フラトレス」のカーテンコールにはノイマイヤーも登場。「フラトレス」は45分間、たっぷりと見せてくれました。ガラ向きの作品かと問われれば、そうではないかもしれないけど、私としては非常に興味深く、大満足でした。

幕開きから『バーンスタイン組曲』で、アッツォーニ、リアブコ、そして日本ではなかなかお目にかかれないユング、トルーシュ、『ニジンスキー』の黄金の奴隷の記憶も新しいマルク・フベーテなど、ハンブルクの面々が登場して、テンションが上がりました。フェリも相変わらず美しい。
何故か『リベルタンゴ』だけ、上演前に2人のリハーサルの様子を映したモノクロの紹介映像が流れました。タンゴを踊るゴメスはセクシーで、ステップも鮮やかで、超絶格好いい♪
『オルフェウス』は、バレエ・フェスでアッツォーニとリアブコが踊ったのを見たんですが、まるで別の作品のようでした。リアブコは苦悩する芸術家。ボッレはもっとピュアなイメージ。どちらが良い、悪いということではなく、本当に違う作品のような印象でした。私としてはリアブコが好みだけど、それは単に私がリアブコを好き過ぎるのかもしれません(苦笑)。でも、ノイマイヤーはこのオルフェウスをボッレに振り付けているので、ボッレのイメージが正解なんだろうな〜とか、あれこれ考えてしまいました。

ギエムのイメージが強烈な(というか日本ではギエムしか踊ってないはず?)、マリファント振付の『TWO』。これまたどちらが正解かはわからないんだけど、やはりギエムのパフォーマンスが強烈としか言いようがない。というか、ギエムがどうしても作品を自分のほうに引き寄せてしまうのかもしれません。ひたすらシャープで格闘家か修行僧のようにストイックなギエムに対して、ボッレはもっと柔らかで大らかなイメージ。どちらが良い、悪いというわけではなく、これもまた個性だな、と。
『アモローサ』。アッツォーニもゴメスも、ともに誰とでもいい踊りを見せることができるダンサーだと思っているんですが、その2人が一緒に踊るのはとても新鮮でした。
『作品100〜モーリスのために』。これはもう駄目です。泣きます。ボッレの屈託のなさが胸を打った。リアブコが素晴らしいのは言うまでもなく。これ、BBLでもレパートリーにしてくれないかしら。

そして『フラトレス』。あまりの深遠さに言葉を失いました。深い水の中をどこまでもどこまで降りていくように、ゆっくりと心の奥深くまで辿り着かんとするような作品。音楽は鳴っているのに、私の感覚は、水の中で音が籠って聞こえないみたいに、不思議な静寂に包まれていました。まるで、「シーン」という効果音が聞こえてくるかのよう。ノイマイヤーによると、「時間もない肉体もない世界」を表現しているとのこと。ああ、あの不思議な感覚はそれだったのか、と。時間も空気も止まっていて、まるで精神だけが漂っているような実体のなさ。身体表現であるバレエが、その身体の表現によって実体を感じさせないって、もうどんだけすごいの、、、、。いつもは走ることによって空気を動かし、感情を動かすノイマイヤーですが、「フラトレス」においては走っても走ってもリアルではないというか、彼らがどこの地平、どこの時空を走っているのかわからないような、そんな不思議な世界観でした。
リフトされるフェリの美しいこと。そして、4人のノイマイヤー・ダンサーの熱演も素晴らしかったです。ガラ向きではないかもしれないけど、日本にこの作品を持ってきてくれたことに感謝です。
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2019年10月20日

吉田都引退公演『Last Dance』8月8日

8月に行われた吉田都さんの引退公演『Last Dance』の感想を書きました。

吉田都引退公演『Last Dance』
2019年8月8日(木)18:30 新国立劇場オペラパレス

第1部(60分)

『シンデレラ』第3幕から
  振付:フレデリック・アシュトン
  音楽:プロコフィエフ
出演:吉田都

『Flowers of the Forest』から”Scottish Dances”
  振付:デヴィッド・ビントレー
  音楽:アーノルド
出演:池田武志、渡辺恭子、石川聖人、石山沙央理、塩谷綾菜、谷遼

『タランテラ』
  振付:ジョージ・バランシン
  音楽:ゴットシャルク(ケイ編曲)
出演:ミーガン・グレース・ヒンキス、ヴァレンティーノ・ズケッティ

『アナスタシア』第2幕から
  振付:ケネス・マクミラン
  音楽:チャイコフスキー
出演:平田桃子、ジェームズ・ヘイ

『誕生日の贈り物ーBirthday Offeringー』から抜粋
  振付:フレデリック・アシュトン
  音楽:グラズノフ(アーヴィング編曲)
出演:
吉田都、フェデリコ・ボネッリ/島添亮子、福岡雄大/米沢唯、井澤駿
渡辺恭子、池田武志/永橋あゆみ、三木雄馬/沖香菜子、秋元康臣
阿部裕恵、水井駿介

ー休憩(20分)ー

第2部(75分)

『白鳥の湖』第4幕から
  振付:ピータ・ライト
  音楽:チャイコフスキー
出演:吉田都、フェデリコ・ボネッリ

『ドン・キホーテ』グラン・パ・ド・ドゥ
  振付:マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴルスキー
  音楽:ミンクス
出演:米沢唯、秋元康臣

『リーズの結婚』第2幕から
  振付:フレデリック・アシュトン
  音楽:エロール(ランチベリー編曲)
出演:ミーガン・グレース・ヒンキス、ヴァレンティーノ・ズケッティ

『シルヴィア』第3幕から
  振付:デヴィッド・ビントレー
  音楽:ドリーブ
出演:小野絢子、福岡雄大

『くるみ割り人形』グラン・パ・ド・ドゥ
  振付:ピータ・ライト(レフ・イワノフ版に基づく)
  音楽:チャイコフスキー
出演:ヤスミン・ナグディ、平野亮一

『ミラー・ウォーカーズ』から
  振付:ピータ・ライト
  音楽:チャイコフスキー
出演:吉田都、イレク・ムハメドフ

8月、吉田都引退公演『Last Dance』に行ってまいりました。とっても素敵な時間でした。あの時間、空間をすべて、そのまま真空にして大切に閉じ込めておきたいような、そしてときどき蓋を開けたら幸せな気持ちになれるような、そんな舞台でした。実際、本当にそんな宝物になると思います。
「シンデレラ」では少女のように可憐で、トゥシューズを抱きしめる場面は都さん自身の人生が重なるようで感慨深く、「誕生日の贈り物」では誰よりも美しく軽やかで正確な、歌うようなステップを堪能。「白鳥の湖」では、水面に生まれた波紋が広がるように会場を包み込み、悲しみを湛えたオデットは繊細で、至極の美しさでした。ボネッリとのパートナーシップを久しぶりに見られたのも本当に嬉しかったです。私が初めて都さんを見たスタダンの『くるみ』でパートナーを務めたボネッリが、本当に嬉しそうに踊る姿が思い出されました。
私は都さんのパ・ド・ブレがとても好きで(それだけじゃないけど)、初めてパ・ド・ブレに意味があるんだということを知ったのも、都さんの踊りを見たときだったな〜というのを、「シンデレラ」を見ながら思い出したりしていました。

ムハメドフと踊った「ミラー・ウォーカーズ」は、彼女の舞踊人生がすべて結晶した、そして一瞬一瞬に踊る喜びを噛み締めるようなダンスでした。白い衣装で踊る都さんは華奢で、まるで少女のよう。繊細で美しい踊りは然ることながら、都さんが本当に美しい表情をしていて、あの表情がすべてを物語っているようで感無量でした。
「ミラー・ウォーカーズ」は初見だったので、作品がどこで終わるのか全くわからない状態で見ていました。普段、素晴らしい上演を見ていると、「ああ、終わらないでほしい!」と思うんですが、ほとんどの場合、どこで終わるかわかってるんですよね。でも、今回のように、いつ終わるかわからない作品に対して「終わらないで!終わらないで!」と願う気持ちは、いつもとは違うドキドキがあり、まるでそれさえも都さんからのプレゼントであるかのようなキラキラした時間でした。でもそれは、きっと意図したことではなくて、2人に縁があって、そして今の2人が最高のパフォーマンスを披露できるものをと考える中で選ばれたのが「ミラー・ウォーカーズ」だったのだと思うんです。ただ、終着点が見えないのは未来に向かって開けているような感じがして、ムハメドフの完璧なサポートで宙高く舞う都さんを見ていたら、いつまでも続くんじゃないかという希望がありました。実際、都さんがあまりに完璧で美しかったので、これで終わりだなんて実感がなかった、、、。
ニジンスキーが、跳躍の頂点で袖に消えたので、そのまま飛んでいくように見えたように(山岸凉子「牧神の午後」より)、完璧な美しさのまま幕を下ろした都さんも、そのまま踊り続けているんじゃないかと思えてなりません。目を閉じれば、いつでも私の中で踊っているように、、、。
本当に、最高のLast Danceでした。

「Flowers of the Forest」は初めて見ました。素敵な作品ですね〜♪ 流石、ビントレー。男性陣の酔っぱらいダンスなどもあり、とても楽しく見ました。スタダンのダンサーさんたちも皆素敵。
ヒンキスとズケッティは、「タランテラ」では弾むような踊りと細やかなステップで楽しい時間を演出。2人とも、高度なテクニックを披露しながらも雑さがないのがいいです。「リーズの結婚」はとってもキュートに甘やかな雰囲気で楽しませてくれました。
「アナスタシア」の平田桃子さんが素敵でした〜♪ 一切の無駄のない、優雅な踊りで作品を豊かに表現。1演目しか見られないのが残念でした。パートナーのジェームズ・ヘイも、とても丁寧にサポートしていて印象的でした。

「誕生日の贈り物」はもう、豪華。こんな豪華な「誕生日の贈り物」を見ることは、一生ないのでは?と思ってしまいました。島添さんと福岡さんの組み合わせは珍しいと思うんですが、なかなか素敵でした。島添さんがスゥッと視線を上げるだけで何とも言えない詩情が生まれます。
米沢さんと秋元さんの『ドン・キ』は白い衣装。2人とも踊れる、踊れる。もうブラボーでした。団は違えど、雰囲気もよかったです。それにしても米沢さんのフェッテがすごい。あんな扇子の使い方、今まで見たことないんですけど〜!というフェッテで、びっくりでした。しかもすべてが余裕で格好よかった。米沢さんも小野さんも、新国の女性陣は男前というかなんというか(すごく褒めてます)、女性だけど思わず「格好いい〜」と思ってしまいました。2人とももちろん細いんだけど、心配になるくらい華奢ではないんですよね。米沢さんは衣装でわからなかったけど、小野さんの逞しすぎない全身の奇麗な筋肉に感心しきりで見入ってしまいました。これは踊れるはずだ、と。
その小野さんと福岡さんのビントレー版『シルヴィア』も、風格のあるパフォーマンスでとっても素敵でした。

ヤスミン・ナグディと平野さんの『くるみ』がもう本っ当に素敵でした♪ 平野さんは私の中で、あまり古典の王子のイメージがなかったんですが、とんでもない! ものすごく素敵♪ 威厳に満ちて厳格な、バレエへの敬意に溢れた踊りと、パートナーに与える安心感。そして、ナグディのオープンで明るい佇まいと、チャーミングな笑顔。美しく正確な踊り。『くるみ』のパ・ド・ドゥはこうでなければという、素晴らしいパフォーマンスでした。

最後の2演目、小野さんと福岡さんの『シルヴィア』と、続くナグディと平野さんの『くるみ』は、もう本当に、胸が熱くなるような素晴らしいパフォーマンスで(もちろん、それまですべて素晴らしかったけど)、最後の都さんの演目に向けて否応なしに期待が高まるような最高のステージを作り上げてくれました。
その盛り上がりから一転、都さんの最後の演目を待つ会場の空気が静まり返る中、メッセージ映像が流れます。大原永子さん、デヴィッド・ビントレー、ケヴィン・オヘア、そしてサピーター・ライト。もう、泣かせないでよ〜。敬意と親愛に満ちたメッセージに、演目を見る前から泣いてしまいました。
誰もが都さんの姿を目に焼き付けようとする空気が会場を満たす中、絶対にこの時間を忘れたくないと思いながら見ていました。
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2019年09月27日

東京バレエ団<サマー・バレエ・コンサート>8月24日 15:30

8月の東京バレエ団<サマー・バレエ・コンサート>の感想を書きました。

東京バレエ団<サマー・バレエ・コンサート>
2019年8月24日(土)15:30
会場:めぐろパーシモンホール

ー第1部ー

〜ワガノワ生誕140年記念〜
「ディアナとアクテオン」
ディアナ:吉江絵璃奈
アクテオン:池本祥真
安西くるみ、最上奈々、鈴木理央、瓜生遥花
工桃子、長谷川琴音、本村明日香、前川琴音

『眠れる森の美女』より”ローズ・アダージオ”
オーロラ姫:金子仁美
四人の王子:後藤健太朗、鳥海創、昂師吏功、山下湧吾

『海賊』より”パ・ド・トロワ”
メドーラ:川島麻実子
コンラッド:秋元康臣
アリ:宮川新大

ー第2部ー

<Choreographic Project W>
「理由」
振付:岡崎隼也
沖香菜子、伝田陽美、政本絵美、加藤くるみ

「夜叉」
振付:ブラウリオ・アルバレス
中川美雪、池本祥真
酒井伽純、長谷川琴音、花形悠月、松永千里
山田眞央、岡ア司、昂師吏功、南江祐生

『ライモンダ』より
上野水香、柄本弾
奈良春夏−ブラウリオ・アルバレス、岸本夏未−樋口祐輝
三雲友里加−和田康佑、金子仁美−山下湧吾、上田実歩−杉山優一
榊優美枝−鳥海創、菊池彩美−岡ア司、中島理子−後藤健太朗

〜フィナーレ〜
構成・振付: 岡崎隼也

東京バレエ団<サマー・バレエ・コンサート>は、15:30の公演を見ました。とっても楽しかったです〜♪ 楽しすぎて口元が緩みっぱなしでした♪

「ディアナとアクテオン」
幕が上がると、大きな額縁の装置の中でポーズをするダンサーたちのシルエットが。順に額縁の中から出てきて踊ります。神話の登場人物たちが絵画の中から抜け出して踊り始めたようで、とても効果的でした。吉江さんの安定感のあるポワントと回転は、やはりすごい。少しグラつきそうになっても、ポワントでグッと堪える力があります。筋力なのか体幹なのかわからないけど、頼もしいな、と。ポーズもクリアで美しいし、全体にチャーミングな魅力があり、「先が楽しみじゃ♪」とホクホクしました。
池本さんもすごかったです〜♪ アクテオンのあの象徴的な跳躍で、あんなに体を反らせる人、初めて見たかも(♪)。

『眠れる森の美女』より”ローズ・アダージオ”
金子仁美さんのオーロラ姫が絶品でした。子どものための全幕で見たときも感激したけど、ガラでも物語を表現することができる人なんだなぁ、と。彼女の踊りにはバレエに対する情熱があって、それが見るものを引き付けて止まない魅力の一つだと思っています。もちろん、ポーズの一つ一つも美しく、オーロラ姫としての輝きもあって、ただただ(ニヤニヤと)見つめるばかりの幸せな時間でした。プロムナードでは、一回一回きちんと腕を上げてから王子の手を取り、そしてちゃんと王子たちと視線を交わします。その瞬間の、得も言われぬ幸せなこと、、、。ローズアダージオで涙が出るのは、そのダンサーが好きだからだな、と。

四人の王子は、鳥海さんが狂おしいほどに胸熱なジェントルマンを好演。もう本当に、思わず手を伸ばしそうなほどに狂おしく、それでいてオーロラ姫が近づくと、決して近づきすぎず、一歩下がってレベランスをするという紳士っぷり。これはベジャール版『くるみ割り人形』のタキシード隊に打って付けな人材が現れたなと思いながらニヤニヤしてしまいました。

『海賊』より”パ・ド・トロワ”
プリンシパル陣による豪華な上演を堪能しました。もう、秋元さんと宮川さんはスーパー踊れるし、川島さんの上質な美しさは輝きを増すばかりだし、幸せ以外の何ものでもありませんでした♪ 宮川さんの浮遊感のある跳躍は絶品です。

<Choreographic Project W>
「理由」 振付:岡崎隼也
白いロングワンピースを着た4人の女性と、4脚の椅子が用いられた作品。『ロミジュリ』の音楽も印象的な、美しい作品でした。岡崎さんの作品には清潔感があるな〜と。

<Choreographic Project W>
「夜叉」 振付:ブラウリオ・アルバレス
アルバレスは、こういうストーリー性のある和テイストの作品も創るんだな〜と。髪を振り乱して踊る中川さんが、美しくて格好よかった〜。彼女に捕らわれていく男を演じた池本さんも、マッチョで格好よかったです。

『ライモンダ』より
楽しかったです〜。どのペアも見たくて、完全に目が足りませんでした♪ 全ペアが一斉に女性を肩にリフトする場面では、こういう場面でヒヤヒヤした時代もあったよな〜などと思いながら見てしまいました。松下さんの頃からでしょうか、サポート・リフトもできる男性陣が増えたような気がします。弾さんはとても素敵だったけど、今度は川島さんとの「ライモンダ」も見てみたいな〜と思ってしまいました。
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2019年09月22日

東京バレエ団『ドン・キホーテの夢』8月25日11:30

ツイート貼り付け感想です。8月の東バの『ドン・キホーテの夢』、午前の部。最後にちょこっと補足もあります〜。

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』
2019年8月25日(日)11:30

【主な配役】

キトリ/ドゥルシネア姫:秋山瑛
バジル:池本祥真
ドン・キホーテ:木村和夫
サンチョ・パンサ:海田一成
ガマーシュ:山田眞央
ロレンツォ:永田雄大
エスパーダ:ブラウリオ・アルバレス
キューピッド:工桃子

ロシナンテ(馬):鳥海創、星野司佐
お嫁さん馬:昂師吏功、安井悠馬
二人のキトリの友人:涌田美紀、足立真里亜
闘牛士:
  和田康佑、樋口祐輝、宮崎大樹、岡ア司、後藤健太朗、南江祐生

協力:東京バレエ学校
特別出演(ロシナンテの声):ウラジーミル・ワシーリエフ

太字 は当日変更があったキャストです。

森川茉央さんが怪我のため降板。おそらく森川さんは闘牛士を踊る予定で、宮崎さんがドン・キホーテだったのではないか、と。木村さんのドン・キホーテが2回も見られたのは嬉しいけど、宮崎さんのドン・キホーテも見てみたかったです〜。

【ツイッターより】

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』11:30の公演が終了。楽しかった〜! 秋山キトリも池本バジルも最っ高♪ 池本さんは昨日のアクテオンよりもっと弾けてた。指先までバジル! クールなアリも格好いいけど、笑顔のバジルも素敵♪
キトリの秋山さんは、愛らしい佇まいとチャキチャキな踊りが相まって、幸福感が半端ない♪ 彼女の踊りにはパッションがあって、踊ることが幸せという空気が出ている。ユカリューシャはそういうところもとても見ているんじゃないかな〜という気がします。

捌けようとするバジルを引き留めてタンバリンを差し出す涌田さん(キトリの友人)の女っぷりが格好よかった。あれを受け取らなかったら漢じゃない(♪)。そして、絶妙な間を取って受け取る池本バジルがまた格好いい♪
ジプシーの樋口さんの海老反りが半端ない。最後にジプシーの踊りに加わった池本バジルの連続ジャンプが、明らかに群を抜いて高くて綺麗。

モブの後ろの方でまめに子役たちのお世話をしている中嶋さんがツボ。

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ちょこっと補足。

もう本当に、秋山さんと池本さんがフレッシュで、それでいて2人とも技術が安定していて、この上なく楽しかったです。今回面白いな〜と思ったのは、キトリを踊った秋山さんと伝田さんの個性の妙。愛らしい雰囲気が印象的な秋山さんは、チャキチャキで気風のいいキトリを演じていて、普段どちらかというと強い役を演じることが多い伝田さんは、粋の中にも大人っぽさや女性らしさを感じるキトリでした。そういえば、河谷まりあさんがキトリやその友人を踊ったときも、普段の愛らしい雰囲気からは想像していなかった熱い舞台を演じていたのを思い出しました。伝田さんと同様、強い女性の役が多い奈良さんも、『春の祭典』の生贄で見せるふとした弱さや柔らかな女性らしさが印象的です。表面的なものだけでは推し量れない個性の妙が面白いな〜と思いながら見ていました。

アルバレスのエスパーダは、秋元さんや宮川さんのようにキレキレかと言えばそうではないけど、とにかくセクシー。そのエスパーダに骨抜きになり、しばしその場に棒立ちになる足立さん(キトリの友人)が面白すぎた。それまでパタパタしてた扇子をスーッと閉じるタイミングもいい。
おそらく初役の工さんのキューピッドも、それを感じさせない踊り。サンチョの海田さんは可愛いし(声もいい)、永田さんのロレンツオには毎度のように癒されます。木村さんのキホーテの「ノー!!」の雄たけびを忘れていて、またビックリしてしまいました(笑)。あれ、他のキホーテもやるんだろうか、、、。
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2019年09月21日

東京バレエ団『ドン・キホーテの夢』8月25日 14:30

公演の感想が全然書けないので、ツイート貼り付け作戦に切り替えました。あとで何か確認したいときに、ツイートだけでもまとまってると助かるので、、。まずは東バの夏の子ども『ドン・キ』です。午前/午後と鑑賞。とりあえず午後の感想を張り付けたんですが、2公演見た後なので、両方の感想が混じってたりします。

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』
2019年8月25日(日)14:30
会場:めぐろパーシモンホール

【主な配役】
キトリ/ドゥルシネア姫:伝田陽美
バジル:柄本弾
ドン・キホーテ:木村和夫
サンチョ・パンサ:岡崎隼也
ガマーシュ:樋口祐輝
ロレンツォ:竹本悠一郎
エスパーダ:宮川新大
キューピッド:足立真里亜

ロシナンテ(馬):岡ア司、芹澤創
お嫁さん馬:山下湧吾、安井悠馬
二人のキトリの友人:岸本夏未、加藤くるみ
闘牛士:
  杉山優一、ブラウリオ・アルバレス、和田康佑、宮崎大樹、後藤健太朗、鳥海創

太字 は当日変更があったキャストです。

協力:東京バレエ学校
特別出演(ロシナンテの声):ウラジーミル・ワシーリエフ

森川茉央さんが怪我のため降板。ドン・キホーテ役が森川さんから木村さんに変更になったと思われます。

【ツイッターより】

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』14:30の公演が終了。伝田キトリと柄本バジル、とってもよかった! 応援している年月が違うせいか、午後の部のアダージオではジ〜ンとしてしまった、、、。ドン・キのGPDDで涙する幸せを噛み締めました(結局いつも泣いている)。
伝田―柄本というエンターテナーな2人が真ん中なので、楽しくないわけがない。特に弾さんはその辺は流石だな、と。狂言自殺の場面では、子どもたちから笑いを勝ち取っていた♪
柄本バジルの弾けるような笑顔と、芝居っ気たっぷりにくるくると変わる豊かな表情。そしてあの、真ん中を踊る人の存在感。自然で縦横無尽、何をやってもそれが弾さんのバジルになる。もう本当、流石でした。
伝田キトリのバネのある踊りと柔軟で強靭なポワント。それでいて、音もなく滑るように柔らかく舞台を踏むステップ。明るさと、どこかしっとりとした落ち着きと優しさのある素敵なキトリでした。

東バ子ドン・キ。山田さんのガマーシュは、登場一番手鏡で自分のお顔をチェックして、うんうんと小さく頷く。本当は自分に自信がないのかな?と思うと更に憎めない。樋口さんのガマーシュは同じ場面で鏡の中の自分に投げキッス。こちらは自信大有り(笑)で、どちらも面白い♪
プロローグ、サンチョが登場人物を紹介する場面で、「悪い奴ではないけどちょ〜っと嫌味」と紹介された樋口ガマーシュは、宝石箱から取り出したネックレスを、「ほーれほれ、ほーれほれ」となかなかロレンツォに渡さないという嫌味な演技がいい♪
竹本ロレンツォもとてもいい。それでもやはり永田ロレンツォには癒されてしまいます。もはや名人芸。岡崎さんのサンチョも然り。ロシナンテの扱いも慣れたもの♪ 海田さん(サンチョ)はなかなかいい声だな〜と。午後の部のロシナンテが、ときどき絶妙なタイミングでパカっと口を開けるのが可愛かった。

鳥海さんがヤバい(いい意味で)。ライサンダーのときから芝居っ気あるかも〜とは思ってたんですが、この2日間で私のツボに入り始めた(笑)。ローズアダージオでの胸熱な王子も、子ドン・キの闘牛士でのキザな様子も、どちらもよかった♪
午後のエスパーダ宮川さんはキレッキレの美しい踊りで、前日のアリも含め絶好調。午前のアルバレスはセクシーなエスパーダ。そんなアルバレスに見つめられて骨抜きになり、扇子をスーッと閉じていつまでも立ち尽くす足立さん(キトリの友人)も何気に役者♪
そんな足立さん、やっぱり彼女のキューピッドはいいな〜♪と。細やかなステップにも余裕があり、アチチュードも鮮やか。

午前の部で、涌田さん(キトリの友人)が池本バジルにタンバリンを渡す際の遣り取りがとても格好よかったんですが、午後は午後で違う面白さで楽しませてくれました。
岸本さん(キトリの友人)がタンバリンを差し出すも、首を横に振って受け取らない弾バジル。「もう!」「ほーら!」と差し出すも受け取らないという遣り取りを2〜3回繰り返してようやく踊るという、とっても楽しい場面に♪ 子ドン・キだからできるのかもしれないけど、その関係性がいいな♪と。
モブが声を出すのはいつからだっけ。野営地でのエスパーダのソロで、ジプシーたちがタンバリンを叩くのは今回からのような気がするんだけど、違うかな。エスパーダが踊りの中で打ち損じたりするのを補う効果はあるなぁ、と。宮川エスパーダはスパンスパン打ち鳴らしてたけど♪
午前の部のセギディーリャに岡崎さんがいたんですが(青系の衣装)、もう格好よすぎて釘付け。午後の部のセギディーリャでは最前列の女性陣が中川、涌田、金子という豪華さ♪
既に記憶が曖昧なんだけど、、、。秋山さんのグラン・フェテは扇子有りで、シングル―シングル―ダブル。ダブルのときに扇子を開いていたような。伝田さんは扇子なし。やはり前半はダブルを入れて。2人とも後半はシングルだったと記憶。違ったらすみません。
伝田さんのドゥルシネア姫。片足のポワント移動のとき、キ・ホーテの木村さんが手を取るというサポート付きだったのが新鮮だった。

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2019年08月06日

感想blogを更新しました(東バ『白鳥の湖』4月28日)

4月の東バ『白鳥の湖』の感想を書いたので、感想blogのほうにUPしました。

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2019年07月24日

英国ロイヤル・バレエ団『ドン・キホーテ』6月23日

1ヶ月以上経ってしまいましたが、ロイヤル『ドン・キ』の感想を書いたのでUPしておきます〜。

英国ロイヤル・バレエ団『ドン・キホーテ』全3幕
2019年6月23日(日)13:00 東京文化会館

改定振付:カルロス・アコスタ/マリウス・プティパの原版に基づく
音楽:ルトヴィク・ミンクス
編曲:マーティン・イエーツ
美術ティム・ハットリー
照明デザイン:ヒュー・ヴァンストーン

【主な配役】
ドン・キホーテ:ギャリー・エイヴィス
サンチョ・パンサ(従者):フィリップ・モズリー
ロレンツォ(宿屋の主人):クリストファー・サンダース
キトリ(ロレンツォの娘):ローレン・カスバートソン
バジル(床屋の青年):マシュー・ボール
ガマーシュ(裕福な貴族):トーマス・ホワイトヘッド
エスパーダ(闘牛士):リース・クラーク
メルセデス(街の踊り子):クレア・カルヴァート
キトリの友人たち:ロマニー・パイダク、金子扶生
ジプシー(ソリスト):イツィアール・メンディザバル、ルカス・ビヨンボウ・ブランズロッド
ドリアードの女王:崔由姫
アムール(キューピッド):メーガン・グレース・ヒンキス
ドゥルシネア姫(第1幕):オリヴィア・カウリー
ファンダンゴ(ソリスト):ヘレン・クロフォード、ニコル・エドモンズ

街人たち、闘牛士たち、ジプシーたち、森の精たち:英国ロイヤル・バレエ団/他

指揮:マーティン・イエーツ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ギター演奏(舞台):
  デイヴィッド・バッキンガム、トーマス・エリス
  フォーブス・ヘンダーソン、ナイジェル・ウッドハウス


英国ロイヤル・バレエ団日本公演『ドン・キホーテ』の公演を見ました。今回は『ドン・キ』1回だけ。カスバートソンとマシュー・ボールの回です。

いや〜、楽しかったです。アコスタ版を見るのは初めてでした。「これがマイ・ベスト!」というわけではないけど、特に嫌いでもないです。人形劇のカットは有りだと思うし、何よりよかったのは、ガマーシュにお嫁さんが見つかることです。何そのハッピーエンド、知らなかったんですけど〜♪ 確かにそこ、気が付いていませんでした。「やられた〜♪」という、なんとも嬉しい悔しさ。相変わらず勉強不足なんですが、他にもありましたっけ? ガマーシュにお嫁さんが見つかるヴァージョンなんて。アコスタは、長年『ドン・キ』を踊りながら、ガマーシュのことが気になっていたんでしょうか。アコスタの優しい演出に、図らずも感激してしまいました。

今のロイヤルの女性プリンシパルでは一番好きなカスバートソンと、一番気になる若手プリンシパルのマシュー・ボール。私にとってはこれ以上ない組み合わせでした。2人とも美しくて、掛け合いはチャーミング。『ドン・キ』の幸福感を存分に感じさせてくれました。
マシュー・ボールは期待通りの麗しさ。そして、予想以上に背が高かった。カスバートソンと身長のバランスも、品のあるエレガントな雰囲気も合っていたと思います。爽やかで、格好いいけど可愛くて、心くすぐるバジル。踊りの見せ場ではサービス精神もあり、それが嫌みがなくて好印象。なんていうか、いい子なんだろうな〜♪と思ってしまいました。

ローレン・カスバートソンは、もうその佇まいから好きなダンサーなので、登場しただけで込み上げるものがありました。そういうダンサーがいるって、幸せなことだなぁと。「好きなダンサー」って、見ていて「幸せな気持ちになるダンサー」のことなんだなって、当たり前のことを改めて感じた舞台でした。
とは言え、彼女を見るならキトリじゃなくても、、、と思う部分もあったんですが、全然そんなくとはなく、キトリもとっても似合っていました。美しくて明るくてチャーミングで、どこにいても何をしていても眩しくて、彼女が舞台の中心であることは間違いがない。気が強いところも可愛いんだけど、それよりも大らかさというか、すべてを受け止めるような器の大きさが印象的でした。それは、彼女の持つ大人の魅力だったのかなと。プリンシパルとしての存在感、そして舞台を引っ張る力は圧倒的で、彼女が輝くからこそ、周囲も舞台全体も輝く。それができるのが、プリンシパルなのかなと思いながら見ていました。
それにしても、やはりドゥルシネア姫のときのカスバートソンの美しいこと、、、。もう本当に、気品のある佇まいと、時折見せる伏し目がちな眼差し、そしてクラシックチュチュで典雅に踊る姿にウットリでした。空を切るジュテも軽やかで美しかったです。
3幕グラン・パ・ド・ドゥのグラン・フェテでは、ダブルと、確かトリプルも入れていたような。回転の後半は、1回転ごとに正面の向きを変えるフェッテ(名前がわからない)を披露。あれって、1.25回転ずつしてるんでしょうか? てっきりテクニック系の人ではないと思っていたんですが、そんなことないんですね〜。
まぁでも、キトリでもドゥルシネアでも、カスバートソンには品があって、そこが彼女の好きなところだな、と。

一つ大事なことを。物語のかなり終盤だったと思うんですが、舞台の中央で起こっていることを上手で見ている場面で、カスバートソンが背伸びして後ろからボールにギュッと抱きついて、ボールの肩に顎をちょこんと乗せたのが超絶可愛かった。あれが演出じゃないとしたら、可愛すぎます(♪)。

プロローグはドン・キホーテの部屋。極端に遠近法を用いたセットです。上手側にテーブル、下手側に天蓋付きベッド。舞台上の両サイド、緞帳よりも前に、照明が2つずつ置かれているのが、会場に入ったときから気になっていたんですが、プロローグで悪魔(?)の影を大きく映すのに使われていました。部屋の正面の扉やテーブルの下、ベッドの中から、三角帽子のKKKの黒バージョンみたいな人たちがワラワラと登場。両サイドの照明の効果で、ドン・キホーテよりも巨大な影が壁に映し出されます。彼らの実体が登場する前、巨大な影だけが映し出されたんだけど、あれはどこから映していたんだろうか、、、。
ドゥルシネア姫の幻影は、白いロマンチックチュチュに白いヴェール姿。ドン・キホーテは旅立ちを決意します。サンチョ・パンサが鶏を盗んで追いかけられてくる。テーブルクロスの中に隠れるも、お尻丸出しという一ネタ有り(笑)。
ドン・キホーテの旅支度を手伝うサンチョが、天蓋付きベッドの柱をバキっともぎ取った!! ヘニャっと崩れる天蓋、、、。び、びっくりした〜(笑)。絶対に立派な装置だと思ってたから、思わず声が出そうになるほどビックリしました。こういう新鮮な驚きって、初回しか味わえないんですよね〜。もう本当に愉快な気持ちになりました。舞台が進行しても、ちゃんと柱を持っていたのも楽しい♪

白い建物にオレンジ色の屋根。そして、真っ青な空。コントラストがはっきりしているせいか、空の存在感が印象的でした。下手側、手前から2つ目の装置がスライドして舞台に出てきたと思ったら、ガマーシュの家でした。玄関の扉が開いてガマーシュ登場。鍵を植木鉢に入れたような気がしたんだけど、気のせいかな。しかも、後でやんちゃボーイズがガマーシュの家の方へ入っていたんだけど、泥棒してないよね(笑)。ガマーシュがキトリに帽子を脱がされるシーンはなく。そういえば、お付きもいなかった。

闘牛士は3×3の6人。エスパーダのリース・クラークがデカい!! こんなに長身のダンサーとは知りませんでした。華奢でもないので、かなり存在感があります。体格がいいので、キレッキレで軽やかな踊りとうわけではないかもしれないけど、マント捌きもお見事だったし、なかなか格好良かったです。

ドン・キホーテとサンチョ・パンサの登場シーン。両袖の舞台装置がスライドするようにスススーっと動いて、道を作り出します。上手の装置は奥に行くほど舞台に侵入してきて、下手側は手前の装置のほうが舞台に侵入してくることで、下手奥から舞台の中央まで、道ができるんです。うまく言えない、、、。その道を歩いて、馬に乗ったドン・キホーテと、サンチョ・パンサが登場。馬は藁(?)で作られているわりには、筋肉の形までわりとリアルな馬。4輪の台車に乗っているんですが、それを押すスタッフの足も、藁で隠してあるので、なんか足が混雑してるぞ(笑)と。サンチョの音痴なトランペットのシーンは有り。胴上げは、布などは使わずに、男性陣が普通に胴上げしてました。サンチョを演じたフィリップ・モズリーが、ダンサーたちより年齢は上だし、たぶん本当にポッチャリ体型なので、からかわれて動き回るシーンでは顔が真っ赤になっていて、ちょっと心配しちゃいました。
ロレンツォのクリストファー・サンダースは長身で存在感のある人。一見怖そうだけど、よく見ると優しそう。フワフワのちょいロン毛で体格もいいので、ちょっとブルーザー・ブロディのようでした。
ギャリー・エイヴィスのドン・キホーテがとっても素敵でした。トリッキーさは控えめだけど、こうと思ったら猪突猛進な夢見る老紳士という感じ。そして、透き通るような大きなブルーの瞳がとっても奇麗でした。
バジルとキトリの友人の2人が一緒に踊るシーンがなかったな〜と(あの場面、わりと好き)。キトリの友人の金子扶生さんも素敵でした。踊りも佇まいも、華やかで存在感があります。大きく空間を切り取る踊りは、鮮やかで美しい。3幕でクラシックチュチュで出て来てくれるのを期待していたんですが、段々スカートの衣装のままで、ちょっと残念でした。というわけで、グラン・パ・ド・ドゥに挿入されるキトリの友人たちのヴァリエーションもなし。

2幕はジプシーの野営地から。風車は遠くに小さく見えていて、あれで大丈夫か?と。幕開きにキトリとバジルのパ・ド・ドゥがあるヴァージョン。どこかで聞いたことある音楽だったんだけど、『ラ・バヤ』でしょうか?(その辺、疎い)。人形劇は無し。その代わり(?)、焚火を囲んで戯れながら、ギターに合わせて踊ったりという場面がありました。なんだか、苦楽を共にしてきたジプシーたちの親密さが窺えるようで、ちょっと素敵でした。ギター奏者が4人出てきて、ジプシーたちと一緒に焚火を囲みます(舞台下手)。オーケストラと舞台上のギター奏者が一緒に演奏。ギターの音色がとても美しかったです。その間、ドン・キホーテの様子が変わり始める。上手側のスペースで、何やら不穏な空気を感じ、見えない敵と戦わんとしています。風車小さいけど、、、と思ってたら、巨大な風車となって迫ってきました。なるほど、最初から大きいより、巨大化したほうが何かしらの魔力的なものを感じるし、それがドン・キホーテだけに見えている幻想という感じもして、いいなと。

夢の場は、ガーベラの様な巨大な花が描かれた紗幕が立体的に重ねられ、奥行きのある空間に。花びらの、ベルベットの様な質感が印象的でした。色違いの衣装は、立体的な小花が全面に施されているので、ダンサーによっては胴回りが太く見えてしまうという面もありましたが、とても可愛らしい衣装でした。因みにキューピッドもクラシックチュチュ。
ドリアードの女王のユフィさんもよかったです。ヴァリエーションの最後、ピルエットから、軸足じゃないほうの足をスッとたたんで膝をついてポーズするまで、1mmのブレもなかった。ああいう瞬間って、本当に幸せな気持ちになります。

3幕は酒場から。キトリまでテーブルに乗って踊っちゃうヴァージョンは初めて見たような(それほどたくさん見てないくせに言ってますけど)。「いやいや、嫁入り前の娘が〜(汗)」と思ってしまった私は、女性に女らしさを求める前時代的な残念な人間なんだろうか、、、とか余計なことを考えながら見てしまいました。
狂言自殺は、実行する前にバジルがキトリに耳打ちして教えてあげるパターン。テーブルに上がり、髭剃り用のナイフで胸を突き刺すふりをしてバタンっと倒れると、その反動(かどうかわからないけど)で片方の足がピーンと上がってしまうバジル。「ダメダメ」と何度キトリが戻しても、またピーンと上がってしまいます。
ドン・キホーテの力添えもあり、ロレンツォに2人の仲を認めてもらいます。納得いかないガマーシュがドン・キホーテに決闘を挑むという場面。もちろんドン・キホーテには敵わないわけなんですが、その後に予期せぬ展開が。「お前さんは、ほら、あの娘と結婚しなさい。ほれほれ、指輪持ってるだろ」みたいなアクションをするドン・キホーテ。慌ててポケットを探して指輪を取り出し、娘さんにプロポーズ。「え?え?私?」みたいな感じだけどまんざらでもない様子でプロポーズを受ける女性。なんだか最初から尻に敷かれそうな雰囲気ではあるけれど、幸せそうだからいいか♪、と。女性がガマーシュのほっぺにチュッてしようとしたら、ガマーシュが女性のほうをクルッと向いたので、お口にチュッとなってしまったのが、本当にサプライズっぽくて可愛かったんだけど、ああいう演出なんでしょうか。

ファンダンゴも格好良かったし、何より『ドン・キ』のグラン・パ・ド・ドゥの音楽が始まると本当にワクワクします。先にも書いたんですが、キトリの友人たちは段々スカートの衣装のままで登場。合間のヴァリエーションはありませんでした(私が東バのワシーリエフ版を見すぎなのか?)。そういえば、グラン・パ・ド・ドゥの最中に、群衆から掛け声が入りました。それまでも賑やかな場面などで、場を盛り上げるような掛け声が取り入れられていたんですが、確かキトリのヴァリエーション中にいきなり女性の「フォー!」みたいな掛け声から始まったので、ちょっとびっくりしたのを覚えています。
最後はどうだったっけ、、、。また馬が登場して、ドン・キホーテとサンチョ・パンサが旅立つのを皆で見送ったような気がするんですが、ちょっと記憶が曖昧です。昔はもっと覚えてたんだけどな〜。年齢のせいじゃなく、すぐに感想を書かないのがいけないのかもしれませんね。とにかく、とっても楽しかったのは覚えているので、それでいいかな、と。
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2019年04月15日

東京バレエ団『海賊』初演 2019年3月16日

東バ『海賊』2日目もツイート貼り付けでいきます〜。因みに3日目は見ていません。

〜東京バレエ団 創立55周年記念シリーズ1〜
東京バレエ団『海賊』ープロローグ付 全3幕ー
2019年3月16日(土)14:00 東京文化会館

振付:アンナ=マリー・ホームズ
(マリウス・プティパ、コンスタンチン・セルゲイエフに基づく)
音楽:
  アドルフ・アダン、チェーザレ・プーニ、レオ・ドリーブ
  リッカルド・ドリゴ、ペーター・フォン・オルデンブルグ
編曲:ケヴィン・ガリエ
装置・衣装:ルイザ・スピナテッリ
装置・衣装協力:ミラノ・スカラ座

メドーラ:沖香菜子
コンラッド:秋本康臣
アリ:池本祥真
ギュルナーラ:伝田陽美
ランケデム:宮川新大
ビルバント:井福俊太郎
アメイ(ビルバントの恋人):岸本夏未
パシャ:岡崎隼也
パシャの従者:永田雄大

【第1幕】 賑やかな市場
海賊たち:
  杉山優一、ブラウリオ・ルバレス、和田康佑、宮崎大樹
  山田眞央、後藤健太朗、昂師吏功、山下湧吾
海賊の女性たち:
  中川美雪、秋山瑛、浦由美子、涌田美紀
  菊池彩美、酒井伽純、瓜生遥花、工桃子
オダリスク
  ヴァリエーション1:金子仁美
  ヴァリエーション2:榊優美枝
  ヴァリエーション3:吉江絵璃奈

【第2幕】 海賊が潜む洞窟
海賊たち、海賊の女性たち:
  海田一成ー安西くるみ、後藤健太朗ー中川美雪
  昂師吏功ー上田実歩、山下湧吾ー秋山瑛

【第3幕】 パシャの宮殿
薔薇:
  二瓶加奈子、政本絵美、金子仁美、中川美雪、涌田美紀、安西くるみ
花のソリスト:
  加藤くるみ、上田実歩、浦由美子、榊優美枝、菊池彩美、酒井伽純

指揮:ケン・シェ
演奏:東京ニューシティ管弦楽団
協力:東京バレエ学校

【ツイッターより↓↓↓】

東バ『海賊』2日目終了。なんかすーごい楽しかったんですけどー♪♪ もうニヤニヤしっぱなしで、笑ったまま顔が固まってた(笑)。沖さん可愛いー。秋元さん格好いいー。見つめ合う2人は熱々♪ でも爽やかで品がある。
沖さんが本当に可愛くて、軽やかでキラキラと光が溢れるような踊り、美しいポーズ、そして清廉な佇まい。嫌味のないキュートさに、パシャじゃなくてもやられます(♪)。
伝田さんのギュルナーラも格好よかった〜。昨日の川島さんに続き、伝田さんも身体が語る。ヴェールを被って登場し、両腕をバッと広げた瞬間、悲劇的な状況にありながらも運命に負けない強さを感じました。踊りは力強くも軽やかで、夢みたいに足音がしない。
そして何なのー♪ 金子−榊−吉江のオダリスクの、あのキラキラした3人は! カテコでもずっとキラキラしてた。
宮川さんはランケデムもよかったな〜。ビルバントの井福さんもキレキレの踊りでヒールを好演。コンラッドを陥れたのはよくないかもしれないけど、基本的には男気の溢れる人なのではないかと。
秋元さんも王子のときとは違うワイルドな雰囲気で格好よかった。力強い踊りは細部までビシッと隙がなくて、ワイルドだけど美しさは失わない。あと、髪、揺れるよね〜♪
東バ『海賊』。なんと言っても池本さんのアリがすごかったです〜。瞬発力は然ることながら、それと背中合わせの一瞬の静止の間すら美しい、しなやかな踊り。跳躍の高さ、回転の技術、すべて隙がなかった。ジュテのときの、後ろの脚の高さが印象的でした。
アリの池本さん、今日一番の熱狂的な拍手を受けていたんだけど、ご本人は至って控えめなのが印象的。もうさっさと引っ込んじゃうの。控えめすぎて、もうちょっと拍手させて〜と思ってしまうほど。

『海賊』は余計なことは考えない、華やかで楽しいスペクタクルなんだけど、最後はどうやらメドーラとコンラッドしか助からないらしいのが悲しいんですよね〜、、、。ギュルナーラとアリもどこかに辿り着いて、生きていないかな〜なんて。
私は甘ったれなんで、全員助かってほしいな〜。浜に辿り着いたメドーラとコンラッドの元に、アリがギュルナーラを助けつつ合流して、他の海賊たちもなんとか浜に辿り着いて、船はなくなったけどまた皆でここから始めよう、みたいな。

昨日の東バ『海賊』。アリの池本さん、高い技術はもちろん、躍動的な踊りの中に潜む「静」も印象的。高い技術と身体能力に裏打ちされた余裕が、無駄な動きを省いて、まるで助走など必要ないみたいにジャンプや回転を繰り出します。それはアリとしての踊り方だったではないかな、と。
(続き)アリの池本さん。余裕があるから間の取り方も美しくて、ダイナミックな踊りの中に時折見せる不敵な静けさが印象的でした。着地したとき、スッと斜め横顔を見せるあたりがまた格好いい。チャーミングな道化やパックも踊る方なので、今回はアリという役柄を意識した踊り方だったのだろうな〜、と。

東バの『海賊』、主演の4人は早い段階で発表する必要があったので、オーディションではなくホームズさんとの遣り取りで決めたが、それ以外の役は志願者たちによるオーディションで決めたとのこと。
で、さっき東バのインスタを見に行ったら、パシャを演じた岡崎さんが「実はこの作品の中で一番演じたかった役柄だった」と語っていて、どうりで生き生きしてはずだ♪と。 志願者だったのね〜。じゃ、じゃあ、木村さんも、、、?
東バ『海賊』。岸本さんのアメイがもう可愛い♪ 東京ダブルキャストの奈良さんとキャラは違うけど、同じ役でも違っていいんだなと。それって素敵だな〜と。加藤くるみさんのアメイ(西宮)も気になる。

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2019年04月14日

東京バレエ団『海賊』初演 2019年3月15日

もう全然感想を書く自信がないので、またしても自分のツイートをそのまま貼り付けます〜。

〜東京バレエ団 創立55周年記念シリーズ1〜
東京バレエ団『海賊』ープロローグ付 全3幕ー
2019年3月15日(金)19:00 東京文化会館

振付:アンナ=マリー・ホームズ
(マリウス・プティパ、コンスタンチン・セルゲイエフに基づく)
音楽:
  アドルフ・アダン、チェーザレ・プーニ、レオ・ドリーブ
  リッカルド・ドリゴ、ペーター・フォン・オルデンブルグ
編曲:ケヴィン・ガリエ
装置・衣装:ルイザ・スピナテッリ
装置・衣装協力:ミラノ・スカラ座

メドーラ:上野水香
コンラッド:柄本弾
アリ:宮川新大
ギュルナーラ:川島麻実子
ランケデム:池本祥真
ビルバント:金指承太郎
アメイ(ビルバントの恋人):奈良春夏
パシャ:木村和夫
パシャの従者:ブラウリオ・アルバレス

【第1幕】 賑やかな市場
海賊たち:
  岡崎隼也、森川茉央、永田雄大、樋口祐輝
  海田一成、岡ア司、鳥海創、昂師吏功
海賊の女性たち:
  岸本夏未、金子仁美、加藤くるみ、上田実歩
  安西くるみ、榊優美枝、最上奈々、鈴木理央
オダリスク
  ヴァリエーション1:涌田美紀
  ヴァリエーション2:二瓶加奈子
  ヴァリエーション3:吉江絵璃奈

【第2幕】 海賊が潜む洞窟
海賊たち、海賊の女性たち:
  森川茉央ー榊優美枝、中嶋智哉ー菊池彩美
  岡ア司ー加藤くるみ、オスカー・ラーニャー岸本夏未

【第3幕】 パシャの宮殿
薔薇:
  三雲友里加、加藤くるみ、中川美雪、秋山瑛、涌田美紀、安西くるみ
花のソリスト:
  政本絵美、上田実歩、浦由美子、榊優美枝、菊池彩美、酒井伽純

指揮:ケン・シェ
演奏:東京ニューシティ管弦楽団
協力:東京バレエ学校

東京バレエ団初演『海賊』全幕の、初日と2日目の公演を見てまいりました。とっても楽しかったです〜♪ 同じアンナ=マリー・ホームズ版でも、ENBが日本公演で上演したものとは演出が少し違うんですね。というより、あれはロホのこだわりの演出だったのかな〜という気がします。まずセットが違うので、2階の窓からメドーラがコンラッドに薔薇の花を投げるシーンなどもありませんでした。東バでは、コンラッドはバザールでメドーラに一目ぼれすることになっているけど、ENBでは恋人のメドーラを助けるためにバザールへ向かうという設定になっていました(プログラム確認)。カンパニーに合わせた上演になっているんですね。

主演陣はもちろん、役付きの人も、そうでない人も、皆が生き生きしていたし、全員で同じ目標に向かって同じモチベーションを持ち、作品を作り上げてきたことが感じられる素晴らしい舞台でした。初演のバタバタ感とかはそれほどなくて、もちろんいい緊張感はあるんだけど、それはピリピリしたものではなく高揚感に感じられたし、完成度の高さに思わず初演の初日だということを忘れるほどでした。とても成熟した上演だったと思います。2日目はもっと盛り上がったので(私的に)、3日目まで見たら、更に楽しかったのかもしれません。

ここから先はツイートの貼り付けです。

【ツイッターより↓↓↓】

東京バレエ団『海賊』初日を見てきました。楽しかった〜♪ ギュルナーラの川島さんが情感豊かな踊りで美しかった。登場の瞬間、ヴェールで表情が見えなくても、全身が語っていたのが印象的。
東バ『海賊』。宮川さんのアリ、ジャンプが高い! そして着地がしなやか。すごいことをやっているように感じさせない、力みのない美しい踊りでした。
東バ『海賊』。しかし、メドーラにもらった赤い花を、踊りのためとはいえポーンと袖に投げちゃうコンラッドって(笑)。ENBではあの花は二人の愛の象徴になっていたような気がするんだけど。同じマリー・ホームズ版でも少しずつ違うんだな〜と。

昨日の東バ『海賊』。ランケデムの池本さんも素敵でした〜♪ 幕開きから「おぉ♪」と思わせる、しなやかに上がる脚。柔軟な身体から繰り出される跳躍はどれもしなやかで高さがあり、見ていて気持ちがいい。表情含め、お芝居もよかったです〜。
ビルバントの金指さんがとってもよかったです〜♪ いい芝居してた。ビルバント、大事。カテコで一度整列した後、役付きのダンサーが順に前に出てレベランスするとき、恋人役の奈良さんのエスコートに愛があってとてもよかった♪ 奈良さんも素敵でした〜♪
昨日の東バ『海賊』。オダリスクの3人もよかった。涌田さんの安定感のある小気味良い踊り。二瓶さんのスラリとした肢体が美しい繊細な舞い。吉江さんはポワントと回転の安定感がすごい。なんかこう、若さ溢れるというか、勢いがありました。ちょっと大物感が漂っていたかも。
そして、木村さんのパシャが可愛いかった♪ また新しい木村さんを見られたことが嬉しかったです。ご本人も楽しんでいたのではないかと(♪)。
パシャの従者のアルバレスは、ガマーシュのお付き並みの甲斐甲斐しさ。岡崎(パシャ)・永田(従者)のペアも楽しみ♪
気になったので確認したら、ENBの『海賊』ではやはり赤い薔薇は2人の愛の象徴として描かれていた。だからこそメドーラは、罠とは知らず喜んで薔薇を受け取ったのではないかと。覚えてないけど、ENBの2幕では赤い薔薇を使ってたんじゃないかな〜。東バは白い花でした。

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2019年03月10日

日本バレエ協会『白鳥の湖』2月9日

都民芸術フェスティバル参加公演、日本バレエ協会『白鳥の湖』を見ました。

2019都民芸術フェスティバル参加公演
日本バレエ協会『白鳥の湖』全幕
2019年2月9日(土)18:00 東京文化会館

オデット/オディール:佐久間奈緒
ジークフリード王子:厚地康雄
ロットバルト:ソン・イ
道化:高橋真之
王妃:テーラー麻衣
ヴォルフガング:小林貫太

パ・ド・トロワ:寺田亜沙子、平尾麻実、江本拓
小さな白鳥:染谷知香、長尾美音、渡辺幸、渡久地真理子
大きな白鳥:岩根日向子、大木満里奈、大山裕子、吉田まい

スペイン:
  小野田奈緒、亀田晴美、中村彩子
  五十嵐耕司、川村海生命、ジョン・ヘンリー・リード
チャルダス(ソリスト):橋元結花、貫渡竹暁
ナポリ(ソリスト):馬場彩、荒井成也
マズルカ(ソリスト):
  安藤明代、小林由枝、大長亜希子、深山圭子
  吉瀬智弘、小山憲、廣瀬陽、米倉佑飛

篠原聖一さんによる改定振付版の初演だったわけですが、いやぁ〜面白かったです。全体は比較的オーソドックスというか、奇をてらったこともなく見易いです。ただ一点、ロットバルトに独自の解釈を施した、こだわりの演出となっていました。
まあ言っても『白鳥』だし、プログラムのあらすじは読まなくても大丈夫だろうと、フラットな気持ちで楽しもうと思っていたら、プレトークで篠原さんが全部言っちゃいました(苦笑)。でも、聞いておいてよかったかも。予備知識なしであそこまで理解できたかどうか、自信がありません。
篠原さん曰く、始まりは「何故ロットバルトは悪魔になったのか」ということ。確かに。何故オデットは白鳥になったのかが描かれる版はあるけど、それ以前にどうしてロットバルトは悪魔になったのかを描いた版は、私の知る限り、なかったかもしれません。その疑問に気付いたとき、篠原さんはワクワクしたんじゃないだろうか、と。誰もが知る物語の、まだ誰も見つけていない、もしくは手を出していない部分をクローズアップして掘り下げる。いかにドラマチックに、それでいて共感を得られる説得性を持たせられるか。様々な名版、決定版、個性版が溢れる中で、それは困難であると同時に、恐ろしくワクワクするような作業なんじゃないかと思いました。

ロットバルトにはオディールという娘がいたのですが、流行りの病で17歳で亡くなってしまいます。悲しみに暮れたロットバルトは悪魔に身を捧げ、オディールを蘇らせます。そして、同じ歳の娘たちを白鳥におとしめる、、、。プロローグは、オディールの亡骸の前でロットバルトが悲しみに悶える場面から始まります。白髪ロン毛のロットバルトが妙に格好よかったんですが、あれは娘の死のショックで白髪になってしまったという設定だったのだろうな、と。ロットバルトが悪魔に祈りを捧げると、やがてオディールがむっくりと起き上がります。蘇ったばかりでまだボ〜っとしている様子の(って、蘇ったことないから想像だけど)オディールを抱きしめるロットバルト。あの、オディールの「人ならざる者」の空気感がどことなくホラーでよかった。そして、そんな娘を愛おしそうに抱きしめるロットバルトが切ない、、。

それにしても、なんて物悲しいストーリーなんだろう、と。悪魔に魂を捧げ、愛する人を蘇らせる物語は数多あれど、必ずと言っていい程、蘇った愛する人は決して元のその人ではない。それでももう一度会いたいと思う。もうプロローグから泣きそうでしたよ、、、。

オディールの生前から、高貴の誉れ高いジークフリード王子に愛する娘を嫁がせたいと考えていたというロットバルト。ということは、王子を騙すために舞踏会に現れたのではなく、本当にオディールと王子を結婚させるべく現れたんだな、と。2幕の幕切れには、高い岩場から王子を見つめるロットバルトの傍らに、娘オディールも姿を現します。まるで、2人の本当の戦いがここから始まるのだと語っているようで、印象的な幕切れでした。

王子はオディールを花嫁に選び、真っ赤なバラの花束を捧げます。「本当に愛を誓うな?」とロットバルトが王子に詰め寄った瞬間、オデットの幻影が現れ、王子は過ちに気付きます。通常ならそこで、「してやったり」と高笑いするはずのオディールが、困惑の表情を見せるのがとても印象的でした。そうですよね、王子を騙すことが目的ではなく、選んでもらうことが目的だったのだから。そして、自分が愛を誓ったのはオデットだと王子が叫ぶと、「ひどいわ!」と言わんばかりに王子から受け取った花束を床に投げ捨てます。バッと床に広がった真っ赤な花は、ロットバルトとオディールの破れた心を表しているようでした。
計画は敗れ、走り去るロットバルトとオディール。悪魔に魂を捧げた父と、死者から蘇った娘だけど、なんだか気の毒で、思わず彼らに感情移入しそうになる幕切れでした。

相変わらずサラサラのロン毛のロットバルトは3幕では黒髪で、どことなくチャイナファンタジーな衣装も相まって、えらく格好よかったです。なんて言うんでしょう、中国のアクション・ファンタジー映画に出てきそうな出で立ちだったんですよね〜。あれを高岸さんがどう着こなしたのか、見てみたかったです。
それにしても、簡単にロットバルトを玉座に座らせ、仲良く談笑している王妃って、不思議ですよね。そこには何か複雑なサイドストーリーが、、、、ないか。

ラスト。オデットは王子を許すも、死を選びます。王子も後を追い、湖に身を投げる。もがき苦しむロットバルトを、白鳥の群れがジリジリと追い詰めます。あれは、ロットバルトの姿を群舞で隠すためにも必要な演出だったのだな、と。白鳥の群れがロットバルトを覆い隠すと、ロットバルトは宙に舞い上がり、その身体は空中分解してスパーン!と四方に飛び散ります。もちろん、人形。釣り上げた人形を四方からワイヤーで引っ張ることで引き裂くという演出は、ちょっと残酷で面白かったです。欲を言えばもう少し人形がリアルだったら、もっと怖くてよかったかもな〜と。
白鳥の群れの向こうにオディールも姿を現し、やはり息絶えます。彼女にとっては、これが幸せだったんじゃないかと思いました。真の意味での幸せは、父親には訪れないわけで、その苦しむ姿を見続けるのは、彼女にとっても辛く苦しい、終わりの見えない日々だったのではないかと思ってしまいました。
力尽きた白鳥たちの頭上を、オデットと王子が天に昇っていく姿が描かれます。これは佐久間さんと厚地さん、ご本人による宙吊り。下手から上手上空へと昇っていきました。

佐久間奈緒さんが本当に素敵でした。BRBを退団したこともあり、日本で佐久間さんの全幕を見るのは更に更に貴重な機会となってしまいました。また日本で全幕を踊ってくれたことに感謝しかありません。
衰えぬ確かなテクニック。すべてが自然で、これ見よがしではなく、それでいて彼女の自分への厳しさが窺えるような厳格な踊り。隅々まで妥協のない踊りは、柔らかな雰囲気とは裏腹に彼女のストイックさを感じさせて、毎度感動してしまいます。踊りも、表現力も、妥協のない確かな積み重ねが、こうして深い感動を呼ぶのだなと思いました。
佐久間さんは不思議な人で、派手な演技や、殊更にドラマチックな表現をしている感じはしないんですが(すべての役を見ているわけではないですが)、いつの間にか彼女の演技に心を捉えられてしまうんです。佐久間さんも「女優バレリーナ」と言われることがあるらしいんですが(今回のプログラムにも書かれていました)、フェリとかとは違うんですよね。グイグイくる感じではなくて、優しく降り積もるような感じなんです。知らぬ間にサラサラ、サラサラと降ってきていたものが、いつしか心をいっぱいに満たしてしまう。そして気が付くと彼女の描く人物に心をつかまれ、深い感動を覚えます。そしてまたその感動を味わいたくて、彼女の舞台に足を運んでしまうんです。
彼女の存在にはどこか懐かしさのようなものもあって、それも思わず心をつかまれてしまう一因かもしれません。

厚地さんも素敵でした〜。いや〜、王子でした♪ まずは何といっても長身でスタイルがいい! 大袈裟じゃなく、日本のバレエ団に長身の外国人ダンサーが出演しているかのような雰囲気すらありました。しかしそれよりも素晴らしいのは、あのエレガントな佇まいです。何をしていても、何処にいても、常に高貴な雰囲気をまとっているのが印象的でした。もう彼の周囲だけ空気が違った。王子を踊る資質を持った人なんだな〜と思いました。
そんな王子な厚地さんですが、飾らない自然体なところが素敵なんですよね〜。エレガントなんだけど、空気が柔らかくて親しみやすくもあるんです。ご本人の人柄なのか、おっとりした朗らかな佇まいで、それがまた王子の育ちの良さを感じさせる効果もあったのではないか、と。踊りも大らかで優しげ。なんて言うか、明るい気持ちにさせてくれるんですよね〜。悪役とか踊ったらどうなるんだろう?と思ってしまいました。スタイルいいから、格好いいかもな〜。

2幕では、グラン・アダージオを通して、オデットと王子の愛が確実に深まっていくのがものすごくよかったです。その深まっていくきっかけが、どの仕草なのか、どの瞬間なのか、はっきりとはわからないんです。でも間違いなく確実に深まっていく。そして気が付くともう後戻りできないくらい、互いの存在が深く入り込んでいるのを感じる。それと同時に、見ている私も深く心を捉えられていきます。なんて言うかこう、間違えて上りのエレベーターに乗ってしまって、次の階で降りようと思ってボタンを押すんだけど間に合わなくて、またその次の階もボタンを押すけど間に合わなくて、どんどん上って行ってしまう感じというか。最後、2人がヒシっと抱き合った姿の美しさ、そして尊さは、感動的でした。

道化の高橋真之さんもとってもよかったです〜。もうキレッキレのテクニックと、驚異の無音着地の人。特に、まるで床に足が着いていないかのように重力を感じさせない、空飛ぶようなマネージュが印象的でした。

おそらく普段から一緒に踊っているメンバーではないと思うんですが、白鳥の群舞は揃っていたし、民族舞踊はみんな迫力があって格好よかったし、とても楽しかったです。因みにスペインだけロットバルトの仲間のような演出でした。
ヴォルフガングの小林寛太さんも久々に見ましたが、やっぱり素敵でした〜♪
posted by uno at 13:10| Comment(0) | バレエ公演2019 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする