2020年01月23日

東京バレエ団 新制作『くるみ割り人形』12月15日

昨年の東バ新制作『くるみ』、3日目の感想です。なんとか3日間、UPしました。

東京バレエ団 新制作『くるみ割り人形』全2幕
2019年12月15日(日)14:00 東京文化会館

音楽:ピョートル・チャイコフスキー
台本:マリウス・プティパ(E.T.Aホフマンの童話に基づく)
改定演出/振付:斎藤友佳理
    (レフ・イワーノフ及びワシーリー・ワイノーネンに基づく)
舞台美術:アンドレイ・ボイテンコ
装置・衣装コンセプト:ニコライ・フョードロフ
装置:セルゲイ・グーセヴ、ナタリア・コズコ
照明デザイン:アレクサンドル・ナウーモフ
衣装デザイン画制作:オリガ・コロステリョーワ
衣装技術:ユリヤ・ベルリャーエワ

マーシャ:秋山瑛
くるみ割り王子:宮川新大
ドロッセルマイヤー:ブラウリオ・アルバレス
ピエロ:鳥海創
コロンビーヌ:涌田美紀
ムーア人:岡崎隼也

【第1幕】
マーシャの父:森川茉央
マーシャの母:政本絵美
弟のフリッツ:岸本夏未
ねずみの王様:杉山優一

【第2幕】
スペイン:三雲友里加、生方隆之介
アラビア:政本絵美、森川茉央
ロシア:加藤くるみ、池本祥真、昂師吏功
中国:中川美雪、海田一成
フランス:金子仁美、足立真里亜、樋口祐輝
花のワルツ(ソリスト):
  伝田陽美−岡ア 司、上田実歩−杉山優一
  浦由美子−南江祐生、菊池彩美−和田康佑

東京バレエ団が37年ぶりにリニューアルした『くるみ割り人形』、最終日は秋山瑛さんのマーシャ・デビューでした。とってもよかったです〜♪ デビューとは思えない堂々たる舞台。1幕のマーシャはさぞ可愛いだろうと思ってたら、本っ当に可愛かった♪  「可ー愛ーいぃ〜♪」とデレデレしてたら、今度はクラシック・チュチュで優雅に踊る姿に一気に心奪われました。つまり、すっかり魅了されたわけです(笑)。
彼女は演じることが好きなのかもしれないですね〜。例えば、フリッツにくるみ割り人形を壊されて泣くときと、宮川さん演じるくるみ割り王子がネズミの王様との戦いに倒れた姿に泣くときとで、演技が違っていたのが印象的でした。前者は子どもらしく「えーん、えん」という感じ。後者では心を痛めて泣いている様子が伝わってきて、こちらまで切なくなりました。

そして、宮川さんが優しげな王子でとってもよかったんですよ〜♪ サポートやリフトも丁寧で、入団した頃よりも、相手と踊るということが本当に上手くなった。偉そうな言い方してすみません。でも本当によかったんです。文句なしの王子でした。2人の雰囲気もよかったな〜。またこの2人で見たい!と思わせるものがありました。
もうGPDDでは、宮川さんの踊りが冴え渡っていました。ヴァリエーションは隙のない美しい仕上がり。ふんわり跳んで、音もなく着地。重力を感じさせないマネージュ。跳躍力があるので、ザンレール時の滞空時間が長く、そのため回転にも5番の着地にも余裕があります。もう清々しいことこの上ない。ピルエットのプレパレーション時の、美しい爪先も印象的でした。

しかし、初日の弾さんの着地もほぼ無音で感心したし、男女ともに以前に比べて格段に足音が静かになったな〜と。女子のコール・ドはもちろん、男子の着地もドスン系はいなくなったような気がします。これはやはり、友佳理さんが相当まめに指導してるんだろうな、と。男子に限って言えば、友佳理さんが芸監になる少し前くらいから、意識は変わってたのかな〜という気もします。松下さんとかの時代。あの時代、マラーホフやルグリが助言してくれたりしてましたもんね〜。友佳理さんも、松下さんに名言を残してるけど♪(忘れもしない「アームスに宇宙」)。

マーシャの演技としては、3人の中では秋山さんが一番幼さを演出していたと思います。まあ、実際に秋山さんが一番若いということもあるので、それぞれの年齢に合ったマーシャを表現していたと思いました。
その、愛らしいマーシャを演じたのち、ガラリと雰囲気を変え、美しく優雅で気品あるGPDDを披露した秋山さん。エピローグ、ベッドで目覚めたマーシャは、また幼い少女に戻っていたんです。すごい人かも〜。
ネズミと兵隊との戦いを、巨大化した椅子の上で見守るシーンは、川島さんや沖さんのほうが自然だったかもしれません。あそこは難しそうですよね〜。カメラの真ん中にはいないけど、物語に合わせてマーシャとして存在しなければならない。一瞬でも隙や迷いは見せられないし、やりすぎてもいけない。ああいうところは難しい場面だよな〜と思ってしまいます。いや、もちろん真ん中で踊るほうが難しいとは思うんですが、違う意味の難しさがあるよな、と。
  
アルバレスのドロッセルマイヤーは、コミカルを演じつつもエレガントな紳士で素敵。政本さんの母が美しかった〜♪ 政本さんはアラビアもとっても美しかったです。三雲さんのスペインがとてもよかった。三雲さんはリラの精やドリアードの女王などのイメージが強いけど、今回のスペインはすごくよかったので、これなら全然キトリも有りだなと思いました。子ども版『ドン・キ』からでもいいし、背が高いのでメルセデスだって素敵だと思います。2日目に三雲さんとアラビアを踊った生方さんが、ここでも三雲さんと組んでスペインに抜擢。よかったです〜。アラビアも好印象だったけど、スペインのほうがわかりやすくよかった。テクニックもあるし背も高い。長い手足が空間に気持ちよく広がります。ジャンプも高くて奇麗だった。ロシアの池本さんはやっぱりすごいし、昴師さんも魅力的♪ 中国の中川ー海田に癒され、金子ー足立のフランスにニヤニヤ、花のワルツにウットリ。
そして最後、少女に戻った秋山さんに驚嘆して、幕が下りました。 


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2020年01月18日

東京バレエ団 新制作『くるみ割り人形』12月14日

昨年の東バ新制作『くるみ』、初日に続いて2日目の感想です。場面転換は前回書いたので、今回は触れません〜。

東京バレエ団 新制作『くるみ割り人形』全2幕
2019年12月14日(土)14:00 東京文化会館

音楽:ピョートル・チャイコフスキー
台本:マリウス・プティパ(E.T.Aホフマンの童話に基づく)
改定演出/振付:斎藤友佳理
    (レフ・イワーノフ及びワシーリー・ワイノーネンに基づく)
舞台美術:アンドレイ・ボイテンコ
装置・衣装コンセプト:ニコライ・フョードロフ
装置:セルゲイ・グーセヴ、ナタリア・コズコ
照明デザイン:アレクサンドル・ナウーモフ
衣装デザイン画制作:オリガ・コロステリョーワ
衣装技術:ユリヤ・ベルリャーエワ

マーシャ:沖香菜子
くるみ割り王子:秋元康臣
ドロッセルマイヤー:柄本弾
ピエロ:樋口祐輝
コロンビーヌ:中川美雪
ムーア人:岡崎隼也

【第1幕】
マーシャの父:森川茉央
マーシャの母:奈良春夏
弟のフリッツ:岸本夏未
ねずみの王様:岡ア司

【第2幕】
スペイン:秋山瑛、池本祥真
アラビア:三雲友里加、生方隆之介
ロシア:伝田陽美、岡ア司、鳥海創
中国:涌田美紀、昂師吏功
フランス:金子仁美、足立真里亜、南江祐生
花のワルツ(ソリスト):
  政本絵美−森川茉央、加藤くるみ−和田康佑
  上田実歩−後藤健太朗、酒井伽純−山下湧吾

2日目もとっても楽しかったです♪ 素直で伸びやかで、飾らない、そんな沖さんの踊りと佇まいがとてもいい。何て言うか、本当に自然なんですよね。少女のマーシャを演じていても、演技はしているんだけど、そんな感じがしないというか。うまく言えないんだけど、自然にそこに存在しているんです。沖さんと秋元さんのペアは爽やかで清潔感があって、踊りもクリア。好ペアだな、と。

弾さんのドロッセルマイヤーはユーモアたっぷりに狂言回しを好演。演じることが好きな弾さんらしいなぁと♪ 他の2人と比べると、ちょっとコミカル度は高めかも。
フリッツの岸本さんがよかった〜。本当に少年のようでした。中川さんのコロンビーヌが、カーテンコールまでずっと可愛い♪ 秋山―池本のスペインもよい〜♪ もう池本さんは清々しいくらいキレッキレ。
若手の生方さんがアラビアに配役。アルバレスほどミステリアスなムードは出せないかもしれないけど、印象は悪くないです。因みに、翌日スペインを踊ったときのほうが「おお!」と思わせるものがありました。
伝田んさんのロシアは、勢いがあって明るくて好き。初日のロシアの男性陣は赤い衣装だったんですが、この日は青とオレンジでした。初日もズボンはオレンジだったのかも。上着の色が違ったようです。涌田ー昂師の中国がよかった。
フランスの金子さんと足立さんは、回転系も強くて、安定してクルクル回る。金子さんはポーズも美しくウットリだし、足立さんも可愛い♪ とりあえずフランスは3日間、眼福でした。南江さんは柔らかい雰囲気が◎。せかせかした感じがしなくていいな〜と。

初日の感想に場面転換や新しい演出などを書いてしまったら、感想がこれだけになってしまいました(苦笑)。
実は、初日は子ネズミの役割に気が付かなかったんです。2日目にして、子ネズミが盗んだスリッパを持って再登場することに気が付きました。で、3日目は、中央の出来事に集中していて、また子ネズミを見逃すという(笑)。今年の12月の再演のときに確認しなくては、と思ったんですが、1年経ったら忘れてそうですね(苦笑)。
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2020年01月15日

東京バレエ団 新制作『くるみ割り人形』12月13日

東京バレエ団 新制作『くるみ割り人形』全2幕
2019年12月13日(金)19:00 東京文化会館

音楽:ピョートル・チャイコフスキー
台本:マリウス・プティパ(E.T.Aホフマンの童話に基づく)
改定演出/振付:斎藤友佳理
    (レフ・イワーノフ及びワシーリー・ワイノーネンに基づく)
舞台美術:アンドレイ・ボイテンコ
装置・衣装コンセプト:ニコライ・フョードロフ
装置:セルゲイ・グーセヴ、ナタリア・コズコ
照明デザイン:アレクサンドル・ナウーモフ
衣装デザイン画制作:オリガ・コロステリョーワ
衣装技術:ユリヤ・ベルリャーエワ

マーシャ:川島麻実子
くるみ割り王子:柄本弾
ドロッセルマイヤー:森川茉央
ピエロ:鳥海創
コロンビーヌ:金子仁美
ムーア人:海田一成

【第1幕】
マーシャの父:永田雄大
マーシャの母:奈良春夏
弟のフリッツ:加藤くるみ
ねずみの王様:杉山優一

【第2幕】
スペイン:伝田陽美、宮川新大
アラビア:三雲友里加、ブラウリオ・アルバレス
ロシア:加藤くるみ、池本祥真、昂師吏功
中国:岸本夏未、岡崎隼也
フランス:中川美雪、工桃子、樋口祐輝
花のワルツ(ソリスト):
  政本絵美−岡ア 司、上田実歩−杉山優一
  浦由美子−南江祐生、菊池彩美−和田康佑

昨年の12月、東京バレエ団の新制作『くるみ割り人形』を3日間、見てまいりました。
振付のクレジット問題を未来に残さないという意味合いもあったらしい今回の新制作。主演のダンサーが1幕の少女から最後のグラン・パ・ド・ドゥまでを一貫して踊るという大好きなワイノーネン版をベースに、新たな演出を加え、衣装・装置は全て一新。なくなってしまって残念な演出部分もありましたが、見ごたえのある舞台に仕上がっていました。今年の12月には既に再演も決定しているので、もしかしたら更にブラッシュアップする可能性もあるのかな〜と。今回の新制作では、団員の岡崎隼也さんとブラウリオ・アルバレスも振付に加わったらしく、コレオグラフィック・プロジェクトでも作品を発表している2人が、こういう形で活躍できるのはとても素敵だなと思いました。

初日を踊ったのは川島さんと弾さんでした。念願の2人の舞台♪ アクロバティックなリフトも完璧。踊りも、交わす視線も、愛情と信頼感に溢れていて、とっても素敵でした。よく考えたら、「スプリング・アンド・フォール」や「イン・ザ・ナイト」で一緒に踊る姿は見ていますが、古典全幕って何気に初共演ですよね。これからも一緒に踊ってほしいな〜と思ってしまいました。

川島さんは1幕の少女マーシャもとっても自然。決してやりすぎず、それでいてちゃんと少女らしさも感じさせる役作り。心優しく、少し大人びた美しい少女もとても素敵だったけど、圧巻なのはグラン・パ・ド・ドゥでした。特にヴァリエーションでは、丁寧で繊細、キラキラした踊りはもちろん、視線の使い方や繊細に移り変わる表情まで本当に素晴らしかった。伸ばした指先へ投げる視線や、ふと落とした眼差しの美しさ。音楽や踊りの綾に乗せて移り変わる表情は、実に繊細で美しく、決して一言では言い表せない様々な機微を表現していました。微笑み一つをとっても決して1種類ではなく、時おり見せる憂いを帯びた表情もまた美しく、、、。あのヴァリエーションの時間は、なんて言うか、もう「川島劇場」でした。
弾さんとの息の合ったアダージオやコーダは幸福感に溢れ、自然と心が高揚するのを何とも心地よく感じました。
弾さんも伸び伸び、生き生き、そしてキラッキラの笑顔でとってもよかった♪ そして何と言っても頼りがいがある。サポートやリフトが安心なのはもちろん、その存在自体が頼りがいがあるというか。「そうそう! こういう弾さんが見たいのよ〜♪」という、まさにそんな弾さんでした。

奈良さんの母は美しいし、永田さんの父もジェントルで優しげ。金子さんの人形っぷりも可愛かった♪ 伝田さんと宮川さんのスペインはキレッキレ。こういう組み合わせもあったのか〜と。というか、宮川さんの幅が広がったのかもしれない。入団当初よりも、「対相手」の踊りがとてもよくなったので(偉そうですみません)。三雲さんとアルバレスのアラビアも美しい。アラビアは、新たに4人の女性ソリスト付きになっていました。メインの2人はエメラルド、4人の女性はトパーズの色合い。そして、ロシアの池本さんがすごい。もう笑っちゃうくらいすごかったです(♪)。連続開脚ジャンプとか、腕と脚の残像で何がどうなってるんだか、という(褒めてます)。そんな池本さんに飲まれていない昂師さんもすごいな、と。加藤さんも可愛いし、明るい3人で楽しかったです。中国は岸本さんと岡崎さんという鉄板の2人。フランスの中川ー工は、2人ともポーズが美しく、安定した踊り。そして可愛くて眼福♪ 樋口さんもよかったです〜。

新しい装置は、奥行きが印象的でした。雪の場面の両サイド幕は、木と木の間がくり貫かれていて、出捌けする雪の精たちの姿が木立の合間に見え隠れするのがとてもよかった。クリスマスツリーが大きくなる場面では、既にツリーのてっぺんが天井に届いているので、どうやってこれ以上大きくなるのだろう?と思ったら、部屋全体がニューっと伸びた! ツリーは確かに大きくなっているのに、いつまでも天井に着かなくて、「あれ?おかしいな?おかしいな?」と思って見ていたら、部屋も伸びていたという。ちょっと不思議な感覚に襲われて、面白かったです。

あとは簡単に、新しくなった演出を中心に場面進行などを。

【第1幕】

道行きの場面は幕前ではなく、紗幕の向こうに変更。紗幕には、降りしきる雪が映し出されています。新たに下手にマーシャの家の門があり、メイドの女性が出てきて掃き掃除を始めます。やがて、パーティーの客たちが上手から登場。遠くから駆け寄りメイドに抱き着く少女などもいて、「ああ、こうして毎年集まっているのだなぁ」などと、何気なく背景を感じさせるのが上手いな、と。
パーティーの場面では、新品の(?)靴を披露して踊る女性あり。伝田さんと奈良さんが担当。そのパートナーは腰の悪い老人。踊りすぎて「おっとっと、腰が、、、」という場面は健在。演じていたのは山田さん(♪)。
ドッロセルマイヤーは以前のジェントルマンな感じから、ややコミカルな演出に。替え玉を使って、あちこちから登場するという演出あり。今ツリーの後ろから顔を出したかと思ったら、上手から替え玉が後ろ姿で登場したり、という感じ。
人形たちは以前と変わらず。以前はドッロセルマイヤーが運んでいたムーア人が、自分で人形劇のBOXに戻る姿にちょっと笑った。

片づけをしていたドッロセルマイヤーが、くるみ割り人形とネズミの王様の人形を、何気なく人形劇のBOXの表に飾ります。誰だったか忘れてしまったんですが、何気なさを装いつつ、マーシャに気づいてほしくて置いたような演技をしたドッロセルマイヤーがいたんですよね。ドロッセルマイヤーが仕掛けたんだな〜ということがわかる。あれ、よかったな〜と。アルバレスだったかな〜。
くるみ割り人形に惹かれたマーシャは、「これが欲しい」とドッロセルマイヤーに訴えます。でも、「君は女の子の人形を持っているでしょ?」とドッロセルマイヤー。迷うマーシャを横目に見ながら、実はワクワクしながら待っているドッロセルマイヤー。女の子の人形ではなく、くるみ割り人形を選ぶマーシャ。
くるみ割り人形をダンサーが演じる演出はなくなってしまいました。あれ、結構好きだったんだけどな、、、。誰が演じるかも楽しみだったし、壊れた部分が直ったかと思ったら「グニャリ」と崩れてしまう演出とか好きでした。あと、人間が演じているせいか、クララ(当時)の優しさがより心に沁みた気がします。

パーティーが終わると再び道行きの場面のセットに戻り、マーシャの家の門を出て帰路につく人々の様子が描かれます。

場面が変わってマーシャの寝室。ちょっとだけ『ペトルーシュカ』のセットみたいと言うか、くの字型の天井の高いセットです。まだパーティーの余韻が覚めぬマーシャ。しかし、窓の外は何やら不穏な天候に、、。マーシャが眠りにつくと、ベッドの下から子ネズミが登場。マーシャがきちんと揃えて脱いだスリッパをポーンと蹴飛ばすいたずらっ子。しかも、片方のスリッパを持って行ってしまいます。この子ネズミが可愛かった♪ 目を覚ましたマーシャは、子ネズミの後を追ってリビングへ。

リビングに降りると、昼間の人形たちが現れ、ドロッセルマイヤーが登場し、という全体的な流れは同じ。クリスマスツリーが大きくなる場面では、ツリーと一緒に背景幕の部屋も上に伸びる演出が。暖炉や柱時計も上に伸びる形で大きくなります。イスも巨大化。昼間、乱暴なフリッツたちから逃げるように椅子に飛び乗って身を縮めたマーシャが、ネズミたちから逃げるときにも同じように椅子に飛び乗るという、演出が繋がっているのがよかった。イスは巨大化したけど、クッションはそのまま(笑)。クッションが大きくなっちゃったら、マーシャがブン回せないですもんね。
ネズミたちは暖炉から登場。兵隊たちは柱時計から登場。くるみ割り人形とネズミの王様の戦いが佳境を迎える中、さっきの子ネズミがスリッパを持って下手のほうから登場。舞台の前を横切って上手に抜けようとしたところを、上手にいたドロッセルマイヤーに「こら!」と怒られ、思わずスリッパを落としていきます。そのスリッパを使って、ネズミの王様をやっまつけるマーシャ。あの子ネズミに、ここで大事な役割があるとは。
くるみ割り人形が王子として顔を見せるシーンは、前のほうが感動的だったような気が。続くパ・ド・ドゥは相変わらず感動的で素敵。パ・ド・ドゥの最後、マーシャを頭上高くリフトして下手に退場するのも変わらず。力持ちな弾さんは、肘を曲げて少し低めにリフトした状態から、スーッと腕を伸ばしてゆっくりと最高到達点までリフト。まるで、マーシャの川島さんがそのまま上空へ昇っていくようで素敵でした。因みに秋元さんは一気にグッと頭上高くリフトして退場。宮川さんは、弾さんよりももっと低く、一旦自分の胸の前あたりにマーシャのを持ち上げます。つまり脇は締まっている状態。そこからスーッと持ち上げるパターン。弾さんのように中途半端な位置から持ち上げるよりは、力が要らないかも。あのやり方は上手いなと思いました。

雪の場面では雪は降らず。後半、背景幕の奥にだけ雪が降り始めます(ダンサーは踊らない部分です)。そして、ほとんどの踊りが終わったラスト、舞台上にも雪が舞い降り始めます。たくさんの雪が降るのも素敵だけど、ダンサーが滑らないかと心配になるので、これはこれでいいと思いました。雪がこんもり積もった木々が描かれたセットは、奥行きがあってとてもよかった。最初にも書いたんですが、サイド幕の木の間が切り取られていて、その隙間から雪の精たちが出捌けするのが見えるんです。妖精たちが森の中で戯れている様子を垣間見るようで、とても素敵でした。

【第2幕】

お菓子の国へ向かう船は、立派なゴンドラになっていました。マーシャとくるみ割り王子、コロンビーヌ、ピエロ、ムーア人が一つのゴンドラに。後からネズミたちの船が追ってきます。ネズミの王様が子分たちの頭を望遠鏡でポカスカ叩くのが好きだったんですが、ちょっと控えめなポカスカになってました。でも、急かしてた(笑)。紗幕の上手上空にお菓子の国が小さく描かれていて、これから向かうお菓子の国が遠くに見えている感じになっていました。マーシャたちを乗せたゴンドラは、袖の少し手前から上昇し始め、そのまま昇っていくように袖に消えます。ただ、下手サイドから見ていると、袖に入ったところで止まる様子が見えてしまいましたが(苦笑)。

各国の踊り手たちが、背景幕いっぱいに描かれたクリスマスツリーの小窓から顔を覗かせます。小窓もオーナメントの一部のよう。披露する順番に上に登っていきます。友佳理さんのイメージの中にあった、「クリスマスツリーの中を登っていく」というのは、これだったのか〜と。窓からマーシャに挨拶するのは、各国の踊り手の「替え玉」たちです。踊る順番が来ると窓から消え、すぐに舞台上に登場するという、替え玉を活かした演出になっていました。

お菓子の国まで追ってきたネズミたち。ネズミの王様を追って消える王子。以前の演出では、クララ一人を残して全員が捌けてしまいます。舞台にポツンと取り残され、泣き出すクララ。あの、途方もないポツン感。世界にたった一人取り残されたような切ないほどの孤独感がとても好きだったんですが、新制作ではコロンビーヌ、ピエロ、ムーア人が残り、マーシャを励まし続けます。あの「ポツン」がなくなってしまったのは残念。ネズミの王様を倒し、その証に王冠を剣に刺して戻ってくる王子。恭しくマーシャのスカートにキスをするのは変わらず。
各国の踊りの最中、マーシャと王子は上手で見守っています。捌けるときはマーシャたちに挨拶して上手に退場。

花のワルツになると、クリスマスツリーの背景が上がっていき、宮殿のバルコニー(庭園?)を描いたような背景幕が登場。わざわざ花のワルツでセットを変えるとは、手が掛かってるな〜と。終盤の、男女が交互に並んで前進しつつ、女性がポンっとジャンプするあの振付は、なくなっていました。いや、あの動き、ちょっと印象的だったもので。

そしてGPDDの後の大団円。最後に後ろ姿だけ見せたマーシャは替え玉(本人はエピローグのための着替えへ)。4人の男性にリフトされた王子にピンスポットが当たって、幕。2日目だか3日目だか、ピンスポットがずれて王子に当たらず、慌てて合わせるというプチ・ハプニングがありました。『ボレロ』の冒頭、毎回間違いなく片方の手の先にだけスポットを当てられる東バにしては、珍しいな〜と思ってしまいました。

エピローグ。目覚めたマーシャが、ベッドに置いてあったくるみ割り人形を手に取り、舞台中央で愛おしそうに抱きしめる姿で幕が下ります。


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2019年12月29日

東京バレエ団×勅使川原三郎『雲のなごり』/『セレナーデ』『春の祭典』10月27日

引き続き、駆け込み感想UPです。10月の東バのトリプル・ビル、2日目の感想をごく簡単ですが、、。

東京バレエ団創立55周年記念委嘱作品 世界初演『雲のなごり』
『セレナーデ』『春の祭典』
2019年10月27日(土)14:00 東京文化会館

『セレナーデ』
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー

沖香菜子、金子仁美、秋山瑛
宮川新大、ブラウリオ・アルバレス

三雲友里加、政本絵美、加藤くるみ、足立真里亜
伝田陽美、岸本夏未、涌田美紀、上田実歩、浦由美子、安西くるみ
榊優美枝、最上奈々、中沢恵理子、鈴木理央、菊池彩美、工桃子、長谷川琴音
和田康佑、岡ア司、鳥海創、南江祐生

『雲のなごり』
演出・振付・照明・美術:勅使川原三郎
音楽:武満徹
   「地平線のドーリア」
   「ノスタルジア ーアンドレイ・タルコフスキーの追想にー」
演出助手:佐東利穂子

沖香菜子、三雲友里加
柄本弾、秋元康臣、池本祥真、岡崎隼也
佐東利穂子(KARAS)

ソロ・ヴァイオリン:戸澤哲夫

『春の祭典』
振付:モーリス・ベジャール
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー

生贄:秋元康臣
2人のリーダー:森川茉央、ブラウリオ・アルバレス
2人の若者:岡崎隼也、海田一成
生贄:奈良春夏
4人の若い娘:沖香菜子、岸本夏未、金子仁美、秋山瑛

指揮:ベンジャミン・ポープ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

まずは何と言っても、この3演目を生オケで見られる贅沢さに感動した2日間でした。

『セレナーデ』

全員が音楽! なんとも心地よい時間でした。初演からずっとシングル・キャストで上演されていましたが、今回初めてセカンド・キャストが披露されました。沖さん、金子さん、秋山さんという、大好きな3人! 楽しくないわけがない♪ 伸びやかで清廉な沖さん。秘めた情熱の発露が美しく感動的な金子さん。チャーミングで、音楽を上手くとらえる秋山さん。3人ともとってもよかったです。ただ、こうして見てみると、ファースト・キャストの女性陣が本当に個性が違う3人であることに改めて気づかされます。いや、今回の3人が似ているというわけではないんです。ちょっとサイズ感は似てるけど、個性は全然違います。でも、それでもなお、ファースト・キャストの個性の違いに驚くし、改めて配役の妙というものを感じたりしました。
宮川さんも美しい踊りでとってもよかったし、アルバレスは固定なのが頷ける安定感のある佇まいでした。

『雲のなごり』

2回目になると、見るほうも少し落ち着くというか、見る姿勢が整うみたいなところがあるな〜と思いました。それが良いのか悪いのかはわかりませんが、増える楽しみは確かにあります。

この日もプレトークがありました。舞踊評論家の岡見さえさんのお話はとても面白かったんですが、内容とは別に、思ったことがありました。岡見さんは、用意してきた原稿(メモ?)を見ながらお話されてたんですが、ちょっと何と言うか、淡々と「読んでる」感があって、そうすると、なかなかこちらの心には「入って」こないものだな〜と思ってしまいました。いや、だから悪いというわけではないんです。緊張して話せないこともあるだろうし、年代や作品名など、間違えちゃいけないこともあるし。私なんて、学生時代、教室でクラスメイトの前で発表するだけで声が震えてた女なので、偉そうなことは言えないです。まあ、単位落としてたので、クラスメイトと言っても2学年下の子たちですが、、、。それに、私とは逆に、そのほうが頭に入ってくるという人もいるのかもしれませんよね。
人に伝えるということについても考えさせられた2日間でした。

『春の祭典』

秋元さんはやっぱりすごいな〜と。今回、3演目全てに出演したわけですが、どれを見ても思わず「やっぱりすごい」と思ってしまいます。どちらかというとクラシック作品のイメージが強いんですが、「雲のなごり」で生き生きとしていた姿も印象的だったし、生贄もすごくよかったです。
私の中で、秋元さんにあまり弱いイメージがないので、生贄はどうかな〜と思っていたんですが、そんな心配は無用でした。逞しい身体と抜群の踊り。そこに生贄の痛々しさが加わって、本当に見事でした。というか、秋元さんだけ違う次元にいるんじゃないかというくらい熱量が半端なく、振り切ってました。まるで制御不能のように振り切っているけど、高い身体能力と技術で抜群に制御されている。コントロールできなくて踊りが乱れるのではなく、コントロールされたうえでの揺らぎというか。例えば少し乱れたり、表情が歪んだときに、どこまでが素で、どこまでが確信犯なのか、その境界線をわからなくさせるような、見事な踊りでした。格好いい役を踊る秋元さんはもちろんだけど、格好つけない秋元さんも格好いいなと思ってしまいました。あんなに自分を投げ出して踊る姿、初めて見たかもしれません。次に踊るときは、もっとすごいんだろうな〜。

そして、奈良さんの生贄はやっぱりとても好きです。強さや優しさ、弱さや恐れ、そして背負うものの覚悟や葛藤、あらゆるものを内に秘めた美しさがあります。それなのに、余計なものは何もなくてシンプル。いや、だからこそフラットになれるのかなと思ったりしました。
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東京バレエ団×勅使川原三郎『雲のなごり』/『セレナーデ』『春の祭典』10月26日

少しでも年内に感想を上げたい!ということで、駆け込み感想UPです。今年も全然感想書けなかったな〜、、、。とりあえず、10月の東バのトリプル・ビルの感想を書いたので、残しておきたいと思います〜。

東京バレエ団創立55周年記念委嘱作品 世界初演『雲のなごり』
『セレナーデ』『春の祭典』
2019年10月26日(土)14:00 東京文化会館

『セレナーデ』
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー

上野水香、川島麻実子、中川美雪
秋元康臣、ブラウリオ・アルバレス

三雲友里加、金子仁美、涌田美紀、上田実歩、浦由美子、安西くるみ
榊優美枝、足立真里亜、最上奈々、中沢恵理子、菊池彩美、酒井伽純、工桃子
和田康佑、岡ア司、鳥海創、南江祐生

『雲のなごり』
演出・振付・照明・美術:勅使川原三郎
音楽:武満徹
   「地平線のドーリア」
   「ノスタルジア ーアンドレイ・タルコフスキーの追想にー」
演出助手:佐東利穂子

沖香菜子、三雲友里加
柄本弾、秋元康臣、池本祥真、岡崎隼也
佐東利穂子(KARAS)

ソロ・ヴァイオリン:戸澤哲夫

『春の祭典』
振付:モーリス・ベジャール
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー

生贄:樋口祐輝
2人のリーダー:柄本弾、ブラウリオ・アルバレス
2人の若者:岡崎隼也、杉山優一
生贄:伝田陽美
4人の若い娘:沖香菜子、岸本夏未、金子仁美、秋山瑛

指揮:ベンジャミン・ポープ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

10月、東京バレエ団による世界初演、勅使川原三郎振付『雲のなごり』を含むトリプル・ビルを見ました。いやぁ、よかった〜。すごくいい公演でした。磨きがかかってこの上なく美しい『セレナーデ』、1回では消化しきれないけど、ひたすらに格好よく、ダンサーの動きに目が釘付けな『雲のなごり』、そして何度見ても大好きな『春の祭典』。しかも、それらをすべてオーケストラの演奏で見られるという、なんとも贅沢な公演でした。

『セレナーデ』

『セレナーデ』は、幕開きの美しさにいつも心打たれます。「掴みはOKとはこのことか」という素晴らしい幕開き。名作は、必ずと言っていい程幕開きから心を掴むような気がします。音楽の美しさと、月明かりの明るい夜に佇んでいるような女性群舞の静謐さ、ぴったりと揃った動き。一斉にポワントをパカっと開く瞬間がとても好きだったりします。全員のポワントが床を擦る音が、一つに聞こえるほどの一体感。彼女たちの流れに逆らうように登場するソリストの女性。揺らぐチュチュが、見えない空気まで感じさせる、、、。もう、どのシーンもひたすらに美しく、ただただ作品に身をゆだねる幸せを味わってまいりました。群舞はすごく揃ってるんだけど、無機質ではないんですよね。それこそ全ての音符が繋がって音楽を奏でているように、有機的に音楽を表現していたように思います。
物語はないはずなのに、様々な感情が漂う不思議、、、。川島さんの美しさが、それを一層助長させているような気がします。もう本当に、毎度同じことばかり言ってるんですが、見るたびに深化しているのではないかと思うほど、この日も神々しい程に美しかったです。髪をほどいた後の、どこか懐かしさや切なさを感じさせる美しさも印象的です。ナチュラルで軽やかな空気を運んでくる中川さんも、やっぱり素敵♪ 彼女がこの作品のファースト・キャストに選ばれたことが本当に嬉しいし、彼女にしか出せない空気をちゃんと持っているなぁと思いました。秋元さんも相変わらず正確で美しい踊りと、完璧なサポート。アルバレスも安定の佇まいでした。
川島さんが3人の男性にリフトされるラスト(1人の肩の上に立ち、あとの2人が足を支える)。両腕を広げ、前に倒れるように身体を反らせ、一筋の道を進んでいくような幕切れのリフトは、いつもより安定感がり、川島さんも思い切り身体を倒せているように見えました。

『雲のなごり』

勅使川原三郎さん振付の『雲のなごり』もとてもよかったです。なんていうか、格好よかった〜。勅使川原さんの美意識が隅々まで行き渡っているのを感じる舞台でした。音楽、装置、移り行く照明の美しさ、衣装の色合いの妙。そして思わず釘付けになるダンサーたちの動き。初めて見るコンテ作品って、思わず意味を考えてしまうんですよね。ただただ作品に身を委ねることのなんと難しいこと、、、。でも、意味を考えることも、また楽しかったりすんですけど。1回で消化するのは難しかったけど、もしかしたら、それはダンサーも同じなのかもしれません。初めて本番の舞台に乗せることで理解できることや発見があるのかもしれない。大切に育ててほしい作品だなと思いました。

衣装の色は、佐東さんが白、沖さんがピンク、三雲さんがベージュ(黄色?)。弾さんが黒、岡崎さんが紺、秋本さんがこげ茶、池本さんが黄土色でした。女性陣は3人とも長いワイドパンツ。男性陣は弾さんと岡崎さんが足首までのパンツ、秋本さんと池本さんは膝丈のタイツでした。男性陣の色合いが好きだったな〜。

佐東さんと沖さんは板付き。三方向を幕で囲まれたセットで、袖がありません。あとのダンサーはどこから出てくるんだろうと思ったら、舞台の一番手前の袖から出てきて、幕に沿うように舞台に入っていきました。舞台は四角い照明で切り取られていて、幕沿いは照明が当たっておらず、四角い影の通路ができています。中央で踊っていないときは、その照明の当たっていない幕沿いに立って待機していたり、行ったり来たりを繰り返していました。あの動きにも、ちゃんと規則性というか、決まりがあるんだろうなぁ、と。
板付きの佐東さんと沖さんの踊りは、同じ振付なのに、本当に個性が違うことに驚きます。佐東さんは流石としか言いようがない。バレエがベースの沖さんの滑らかな動きも新鮮な輝き。その違いが本当に面白かった。沖さんの新しい面を見ることができた気がします。

この日はプレトークがあったんですが、小沼純一さんが、最後にとても素敵なことを仰っていました。人と音楽、人と空気との関りは人それぞれ違うし、一人一人が持っている時間も違う。今回の武満さんの音楽は、いわゆるカウントでリズムを取るようなものではないかもしれない。だからこそ人それぞれの呼吸で聞くことになる。だからこそ違いが生まれるし、そうやって人とずれているということが、人が生きているということに繋がるのではないか、というようなことを仰っていて、正にそのことを感じる舞台でした。それは、山海塾でも同じだなぁ、と。因みに小沼さんは山海塾のアフタートークも行っています。
  「人とずれていることが、人が生きているということ」
なんて素敵な言葉なんだ、と。
音楽畑の人間ではないので(バレエ畑と言うほどバレエも詳しくないけど)、小沼氏のプレトークはとても面白かったし、ためになりました。その小沼氏の語る音楽と舞踊の関わりもすごく腑に落ちたし。ストラヴィンスキーと武満徹さんの話とか、へぇ〜♪と。ストラヴィンスキーが日本に来たときに、武満さんの『弦楽のためのレクイエム』(1957年)を聞いて絶賛した話なんて、全然知らなかったのでワクワクしました。
プレトークが鑑賞の助けになるという、いい経験をしました。

公演前に急遽出演が決まった岡崎さんですが、プログラムに名前がなかったので、本当にギリギリで決まったんだな、と。もしかしたらアンダーで練習していたのかもしれないし、アシスタント的に参加していたのかもしれないけど、それにしても馴染みすぎ♪ 流石の表現力でした。
秋元さんがすごくよかったです。踊り出すと一気に空気が変わる鮮烈さ。中央に出て踊り始めるときの、滑らかだけど鮮やかなスイッチオンが印象的でした。

そして、当たり前かもしれないけど、佐東さんの動きが流石すぎました。細かなステップを踏みながら中央に出てきてソロを踊り始めたときに感じた高揚感。「おぉぉぉ〜」と心の中で震えました。これか、と。今後、国内外で上演する際、佐東さんのパートをどうするのかということが、ひたすら気になります。佐東さんが参加してくれるのか、アンダーの女性がいるのか、そこに岡崎さんが入ったりは、、、、しないですかね(苦笑)。

『春の祭典』

何度見てもやっぱり好き。冒頭の男性群舞ではいつもワクワクします。俊敏な動き一つ一つにキレがあり、全体に緊張感のある空気が行き渡っていてとてもよかった。続く女性陣の場面の、生贄を中心とした「共同体」感もとてもいい。全体的には、うまく言えないんだけど、優しいというか、しなやかなハルサイでした。野性味よりは一体感。何が正解かはわからないんだけど。終盤、白い背景幕がスパーン!と降りてくるところは毎回ワクワクします。
生贄の日本デビューだった樋口さんも、とてもよかったです。あの、弱さの中に秘めた精悍さや、失われない目の輝きなどは、生贄にぴったりだなぁ、と。まあ、生贄の数だけ個性があるので、何がピッタリかはわからないわけですが、、。ただ、東バの正統な流れを汲んだ生贄という気がしました。
そして、伝田さんの生贄がもう素晴らしくて〜♪ 前回もすごくよかったけど、格段に自分のものにしたなぁという印象でした。しなやかで力強く、瑞々しい。もし、次に女性の『ボレロ』が誕生するとしたら、伝田さんか?と思ってしまいました。
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2019年10月23日

<フェリ、ボッレ&フレンズ>Bプログラム 8月3日

8月、『フェリ、ボッレ&フレンズ』のBプログラムを見ました。今更ですが、雑感を。

<フェリ、ボッレ&フレンズ>【Bプログラム】
2019年8月3日(土)18:00 文京シビックホール

ー第1部ー

『バーンスタイン組曲』
振付・装置デザイン:ジョン・ノイマイヤー
音楽:レナード・バーンスタイン
(ラインハルト・ヴォルフによるニューヨークの写真、
ケン・ヘイマン、ルース・オーキン、ホワイトストーンによるポートレイトを使用)
衣装:ジョルジオ・アルマーニ

  「ア・リトル・ビット・イン・ラヴ」
  シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・トルーシュ、カーステン・ユング、

  「ロング・ノート・ラグ」
  アレクサンドル・トルーシュ、カーステン・ユング

  「ロンリー・タウン」
  アレッサンドラ・フェリ、マルク・フベーテ、アレクサンドル・リアブコ

  「シンプル・ソング」
  アレクサンドル・リアブコ、アレクサンドル・トルーシュ

『リベルタンゴ』
振付:高岸直樹
音楽:アストル・ピアソラ

  上野水香、マルセロ・ゴメス

『オルフェウス』よりパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
   ハインリヒ・ビーバー、ピーター・プレグヴァド、アンディ・パートリッジ

  シルヴィア・アッツォーニ、ロベルト・ボッレ

※作中のモノローグはライナー・マリア・リルケの詩編"Orpheus. Euridice. Hermes"による

ー第2部ー

『TWO』
振付:ラッセル・マリファント
音楽:アンディ・カウトン
照明デザイン:マイケル・ハルウ

  ロベルト・ボッレ

『アモローサ』
振付:リカルド・グラツィアーノ
音楽:アントニオ・ヴィヴァルディ

  シルヴィア・アッツォーニ、マルセロ・ゴメス

『作品100〜モーリスのために』
振付・演出:ジョン・ノイマイヤー
音楽:サイモン&ガーファンクル

  ロベルト・ボッレ、アレクサンドル・リアブコ

ー第3部ー

『フラトレス』(『ドゥーゼ』より)
振付・装置・照明・衣装:ジョン・ノイマイヤー
音楽:アルヴォ・ペルト

  アレッサンドラ・フェリ
  アレクサンドル・トルーシュ、カレン・アザチャン
  マルク・フベーテ、カーステン・ユング

何気に”ノイマイヤー・ガラ”だったな、と。作品はもちろん、カンパニーの来日公演でしか見られないようなハンブルクのダンサーを見られたのも、とても嬉しかったです。「フラトレス」のカーテンコールにはノイマイヤーも登場。「フラトレス」は45分間、たっぷりと見せてくれました。ガラ向きの作品かと問われれば、そうではないかもしれないけど、私としては非常に興味深く、大満足でした。

幕開きから『バーンスタイン組曲』で、アッツォーニ、リアブコ、そして日本ではなかなかお目にかかれないユング、トルーシュ、『ニジンスキー』の黄金の奴隷の記憶も新しいマルク・フベーテなど、ハンブルクの面々が登場して、テンションが上がりました。フェリも相変わらず美しい。
何故か『リベルタンゴ』だけ、上演前に2人のリハーサルの様子を映したモノクロの紹介映像が流れました。タンゴを踊るゴメスはセクシーで、ステップも鮮やかで、超絶格好いい♪
『オルフェウス』は、バレエ・フェスでアッツォーニとリアブコが踊ったのを見たんですが、まるで別の作品のようでした。リアブコは苦悩する芸術家。ボッレはもっとピュアなイメージ。どちらが良い、悪いということではなく、本当に違う作品のような印象でした。私としてはリアブコが好みだけど、それは単に私がリアブコを好き過ぎるのかもしれません(苦笑)。でも、ノイマイヤーはこのオルフェウスをボッレに振り付けているので、ボッレのイメージが正解なんだろうな〜とか、あれこれ考えてしまいました。

ギエムのイメージが強烈な(というか日本ではギエムしか踊ってないはず?)、マリファント振付の『TWO』。これまたどちらが正解かはわからないんだけど、やはりギエムのパフォーマンスが強烈としか言いようがない。というか、ギエムがどうしても作品を自分のほうに引き寄せてしまうのかもしれません。ひたすらシャープで格闘家か修行僧のようにストイックなギエムに対して、ボッレはもっと柔らかで大らかなイメージ。どちらが良い、悪いというわけではなく、これもまた個性だな、と。
『アモローサ』。アッツォーニもゴメスも、ともに誰とでもいい踊りを見せることができるダンサーだと思っているんですが、その2人が一緒に踊るのはとても新鮮でした。
『作品100〜モーリスのために』。これはもう駄目です。泣きます。ボッレの屈託のなさが胸を打った。リアブコが素晴らしいのは言うまでもなく。これ、BBLでもレパートリーにしてくれないかしら。

そして『フラトレス』。あまりの深遠さに言葉を失いました。深い水の中をどこまでもどこまで降りていくように、ゆっくりと心の奥深くまで辿り着かんとするような作品。音楽は鳴っているのに、私の感覚は、水の中で音が籠って聞こえないみたいに、不思議な静寂に包まれていました。まるで、「シーン」という効果音が聞こえてくるかのよう。ノイマイヤーによると、「時間もない肉体もない世界」を表現しているとのこと。ああ、あの不思議な感覚はそれだったのか、と。時間も空気も止まっていて、まるで精神だけが漂っているような実体のなさ。身体表現であるバレエが、その身体の表現によって実体を感じさせないって、もうどんだけすごいの、、、、。いつもは走ることによって空気を動かし、感情を動かすノイマイヤーですが、「フラトレス」においては走っても走ってもリアルではないというか、彼らがどこの地平、どこの時空を走っているのかわからないような、そんな不思議な世界観でした。
リフトされるフェリの美しいこと。そして、4人のノイマイヤー・ダンサーの熱演も素晴らしかったです。ガラ向きではないかもしれないけど、日本にこの作品を持ってきてくれたことに感謝です。
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2019年10月20日

吉田都引退公演『Last Dance』8月8日

8月に行われた吉田都さんの引退公演『Last Dance』の感想を書きました。

吉田都引退公演『Last Dance』
2019年8月8日(木)18:30 新国立劇場オペラパレス

第1部(60分)

『シンデレラ』第3幕から
  振付:フレデリック・アシュトン
  音楽:プロコフィエフ
出演:吉田都

『Flowers of the Forest』から”Scottish Dances”
  振付:デヴィッド・ビントレー
  音楽:アーノルド
出演:池田武志、渡辺恭子、石川聖人、石山沙央理、塩谷綾菜、谷遼

『タランテラ』
  振付:ジョージ・バランシン
  音楽:ゴットシャルク(ケイ編曲)
出演:ミーガン・グレース・ヒンキス、ヴァレンティーノ・ズケッティ

『アナスタシア』第2幕から
  振付:ケネス・マクミラン
  音楽:チャイコフスキー
出演:平田桃子、ジェームズ・ヘイ

『誕生日の贈り物ーBirthday Offeringー』から抜粋
  振付:フレデリック・アシュトン
  音楽:グラズノフ(アーヴィング編曲)
出演:
吉田都、フェデリコ・ボネッリ/島添亮子、福岡雄大/米沢唯、井澤駿
渡辺恭子、池田武志/永橋あゆみ、三木雄馬/沖香菜子、秋元康臣
阿部裕恵、水井駿介

ー休憩(20分)ー

第2部(75分)

『白鳥の湖』第4幕から
  振付:ピータ・ライト
  音楽:チャイコフスキー
出演:吉田都、フェデリコ・ボネッリ

『ドン・キホーテ』グラン・パ・ド・ドゥ
  振付:マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴルスキー
  音楽:ミンクス
出演:米沢唯、秋元康臣

『リーズの結婚』第2幕から
  振付:フレデリック・アシュトン
  音楽:エロール(ランチベリー編曲)
出演:ミーガン・グレース・ヒンキス、ヴァレンティーノ・ズケッティ

『シルヴィア』第3幕から
  振付:デヴィッド・ビントレー
  音楽:ドリーブ
出演:小野絢子、福岡雄大

『くるみ割り人形』グラン・パ・ド・ドゥ
  振付:ピータ・ライト(レフ・イワノフ版に基づく)
  音楽:チャイコフスキー
出演:ヤスミン・ナグディ、平野亮一

『ミラー・ウォーカーズ』から
  振付:ピータ・ライト
  音楽:チャイコフスキー
出演:吉田都、イレク・ムハメドフ

8月、吉田都引退公演『Last Dance』に行ってまいりました。とっても素敵な時間でした。あの時間、空間をすべて、そのまま真空にして大切に閉じ込めておきたいような、そしてときどき蓋を開けたら幸せな気持ちになれるような、そんな舞台でした。実際、本当にそんな宝物になると思います。
「シンデレラ」では少女のように可憐で、トゥシューズを抱きしめる場面は都さん自身の人生が重なるようで感慨深く、「誕生日の贈り物」では誰よりも美しく軽やかで正確な、歌うようなステップを堪能。「白鳥の湖」では、水面に生まれた波紋が広がるように会場を包み込み、悲しみを湛えたオデットは繊細で、至極の美しさでした。ボネッリとのパートナーシップを久しぶりに見られたのも本当に嬉しかったです。私が初めて都さんを見たスタダンの『くるみ』でパートナーを務めたボネッリが、本当に嬉しそうに踊る姿が思い出されました。
私は都さんのパ・ド・ブレがとても好きで(それだけじゃないけど)、初めてパ・ド・ブレに意味があるんだということを知ったのも、都さんの踊りを見たときだったな〜というのを、「シンデレラ」を見ながら思い出したりしていました。

ムハメドフと踊った「ミラー・ウォーカーズ」は、彼女の舞踊人生がすべて結晶した、そして一瞬一瞬に踊る喜びを噛み締めるようなダンスでした。白い衣装で踊る都さんは華奢で、まるで少女のよう。繊細で美しい踊りは然ることながら、都さんが本当に美しい表情をしていて、あの表情がすべてを物語っているようで感無量でした。
「ミラー・ウォーカーズ」は初見だったので、作品がどこで終わるのか全くわからない状態で見ていました。普段、素晴らしい上演を見ていると、「ああ、終わらないでほしい!」と思うんですが、ほとんどの場合、どこで終わるかわかってるんですよね。でも、今回のように、いつ終わるかわからない作品に対して「終わらないで!終わらないで!」と願う気持ちは、いつもとは違うドキドキがあり、まるでそれさえも都さんからのプレゼントであるかのようなキラキラした時間でした。でもそれは、きっと意図したことではなくて、2人に縁があって、そして今の2人が最高のパフォーマンスを披露できるものをと考える中で選ばれたのが「ミラー・ウォーカーズ」だったのだと思うんです。ただ、終着点が見えないのは未来に向かって開けているような感じがして、ムハメドフの完璧なサポートで宙高く舞う都さんを見ていたら、いつまでも続くんじゃないかという希望がありました。実際、都さんがあまりに完璧で美しかったので、これで終わりだなんて実感がなかった、、、。
ニジンスキーが、跳躍の頂点で袖に消えたので、そのまま飛んでいくように見えたように(山岸凉子「牧神の午後」より)、完璧な美しさのまま幕を下ろした都さんも、そのまま踊り続けているんじゃないかと思えてなりません。目を閉じれば、いつでも私の中で踊っているように、、、。
本当に、最高のLast Danceでした。

「Flowers of the Forest」は初めて見ました。素敵な作品ですね〜♪ 流石、ビントレー。男性陣の酔っぱらいダンスなどもあり、とても楽しく見ました。スタダンのダンサーさんたちも皆素敵。
ヒンキスとズケッティは、「タランテラ」では弾むような踊りと細やかなステップで楽しい時間を演出。2人とも、高度なテクニックを披露しながらも雑さがないのがいいです。「リーズの結婚」はとってもキュートに甘やかな雰囲気で楽しませてくれました。
「アナスタシア」の平田桃子さんが素敵でした〜♪ 一切の無駄のない、優雅な踊りで作品を豊かに表現。1演目しか見られないのが残念でした。パートナーのジェームズ・ヘイも、とても丁寧にサポートしていて印象的でした。

「誕生日の贈り物」はもう、豪華。こんな豪華な「誕生日の贈り物」を見ることは、一生ないのでは?と思ってしまいました。島添さんと福岡さんの組み合わせは珍しいと思うんですが、なかなか素敵でした。島添さんがスゥッと視線を上げるだけで何とも言えない詩情が生まれます。
米沢さんと秋元さんの『ドン・キ』は白い衣装。2人とも踊れる、踊れる。もうブラボーでした。団は違えど、雰囲気もよかったです。それにしても米沢さんのフェッテがすごい。あんな扇子の使い方、今まで見たことないんですけど〜!というフェッテで、びっくりでした。しかもすべてが余裕で格好よかった。米沢さんも小野さんも、新国の女性陣は男前というかなんというか(すごく褒めてます)、女性だけど思わず「格好いい〜」と思ってしまいました。2人とももちろん細いんだけど、心配になるくらい華奢ではないんですよね。米沢さんは衣装でわからなかったけど、小野さんの逞しすぎない全身の奇麗な筋肉に感心しきりで見入ってしまいました。これは踊れるはずだ、と。
その小野さんと福岡さんのビントレー版『シルヴィア』も、風格のあるパフォーマンスでとっても素敵でした。

ヤスミン・ナグディと平野さんの『くるみ』がもう本っ当に素敵でした♪ 平野さんは私の中で、あまり古典の王子のイメージがなかったんですが、とんでもない! ものすごく素敵♪ 威厳に満ちて厳格な、バレエへの敬意に溢れた踊りと、パートナーに与える安心感。そして、ナグディのオープンで明るい佇まいと、チャーミングな笑顔。美しく正確な踊り。『くるみ』のパ・ド・ドゥはこうでなければという、素晴らしいパフォーマンスでした。

最後の2演目、小野さんと福岡さんの『シルヴィア』と、続くナグディと平野さんの『くるみ』は、もう本当に、胸が熱くなるような素晴らしいパフォーマンスで(もちろん、それまですべて素晴らしかったけど)、最後の都さんの演目に向けて否応なしに期待が高まるような最高のステージを作り上げてくれました。
その盛り上がりから一転、都さんの最後の演目を待つ会場の空気が静まり返る中、メッセージ映像が流れます。大原永子さん、デヴィッド・ビントレー、ケヴィン・オヘア、そしてサピーター・ライト。もう、泣かせないでよ〜。敬意と親愛に満ちたメッセージに、演目を見る前から泣いてしまいました。
誰もが都さんの姿を目に焼き付けようとする空気が会場を満たす中、絶対にこの時間を忘れたくないと思いながら見ていました。
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2019年09月27日

東京バレエ団<サマー・バレエ・コンサート>8月24日 15:30

8月の東京バレエ団<サマー・バレエ・コンサート>の感想を書きました。

東京バレエ団<サマー・バレエ・コンサート>
2019年8月24日(土)15:30
会場:めぐろパーシモンホール

ー第1部ー

〜ワガノワ生誕140年記念〜
「ディアナとアクテオン」
ディアナ:吉江絵璃奈
アクテオン:池本祥真
安西くるみ、最上奈々、鈴木理央、瓜生遥花
工桃子、長谷川琴音、本村明日香、前川琴音

『眠れる森の美女』より”ローズ・アダージオ”
オーロラ姫:金子仁美
四人の王子:後藤健太朗、鳥海創、昂師吏功、山下湧吾

『海賊』より”パ・ド・トロワ”
メドーラ:川島麻実子
コンラッド:秋元康臣
アリ:宮川新大

ー第2部ー

<Choreographic Project W>
「理由」
振付:岡崎隼也
沖香菜子、伝田陽美、政本絵美、加藤くるみ

「夜叉」
振付:ブラウリオ・アルバレス
中川美雪、池本祥真
酒井伽純、長谷川琴音、花形悠月、松永千里
山田眞央、岡ア司、昂師吏功、南江祐生

『ライモンダ』より
上野水香、柄本弾
奈良春夏−ブラウリオ・アルバレス、岸本夏未−樋口祐輝
三雲友里加−和田康佑、金子仁美−山下湧吾、上田実歩−杉山優一
榊優美枝−鳥海創、菊池彩美−岡ア司、中島理子−後藤健太朗

〜フィナーレ〜
構成・振付: 岡崎隼也

東京バレエ団<サマー・バレエ・コンサート>は、15:30の公演を見ました。とっても楽しかったです〜♪ 楽しすぎて口元が緩みっぱなしでした♪

「ディアナとアクテオン」
幕が上がると、大きな額縁の装置の中でポーズをするダンサーたちのシルエットが。順に額縁の中から出てきて踊ります。神話の登場人物たちが絵画の中から抜け出して踊り始めたようで、とても効果的でした。吉江さんの安定感のあるポワントと回転は、やはりすごい。少しグラつきそうになっても、ポワントでグッと堪える力があります。筋力なのか体幹なのかわからないけど、頼もしいな、と。ポーズもクリアで美しいし、全体にチャーミングな魅力があり、「先が楽しみじゃ♪」とホクホクしました。
池本さんもすごかったです〜♪ アクテオンのあの象徴的な跳躍で、あんなに体を反らせる人、初めて見たかも(♪)。

『眠れる森の美女』より”ローズ・アダージオ”
金子仁美さんのオーロラ姫が絶品でした。子どものための全幕で見たときも感激したけど、ガラでも物語を表現することができる人なんだなぁ、と。彼女の踊りにはバレエに対する情熱があって、それが見るものを引き付けて止まない魅力の一つだと思っています。もちろん、ポーズの一つ一つも美しく、オーロラ姫としての輝きもあって、ただただ(ニヤニヤと)見つめるばかりの幸せな時間でした。プロムナードでは、一回一回きちんと腕を上げてから王子の手を取り、そしてちゃんと王子たちと視線を交わします。その瞬間の、得も言われぬ幸せなこと、、、。ローズアダージオで涙が出るのは、そのダンサーが好きだからだな、と。

四人の王子は、鳥海さんが狂おしいほどに胸熱なジェントルマンを好演。もう本当に、思わず手を伸ばしそうなほどに狂おしく、それでいてオーロラ姫が近づくと、決して近づきすぎず、一歩下がってレベランスをするという紳士っぷり。これはベジャール版『くるみ割り人形』のタキシード隊に打って付けな人材が現れたなと思いながらニヤニヤしてしまいました。

『海賊』より”パ・ド・トロワ”
プリンシパル陣による豪華な上演を堪能しました。もう、秋元さんと宮川さんはスーパー踊れるし、川島さんの上質な美しさは輝きを増すばかりだし、幸せ以外の何ものでもありませんでした♪ 宮川さんの浮遊感のある跳躍は絶品です。

<Choreographic Project W>
「理由」 振付:岡崎隼也
白いロングワンピースを着た4人の女性と、4脚の椅子が用いられた作品。『ロミジュリ』の音楽も印象的な、美しい作品でした。岡崎さんの作品には清潔感があるな〜と。

<Choreographic Project W>
「夜叉」 振付:ブラウリオ・アルバレス
アルバレスは、こういうストーリー性のある和テイストの作品も創るんだな〜と。髪を振り乱して踊る中川さんが、美しくて格好よかった〜。彼女に捕らわれていく男を演じた池本さんも、マッチョで格好よかったです。

『ライモンダ』より
楽しかったです〜。どのペアも見たくて、完全に目が足りませんでした♪ 全ペアが一斉に女性を肩にリフトする場面では、こういう場面でヒヤヒヤした時代もあったよな〜などと思いながら見てしまいました。松下さんの頃からでしょうか、サポート・リフトもできる男性陣が増えたような気がします。弾さんはとても素敵だったけど、今度は川島さんとの「ライモンダ」も見てみたいな〜と思ってしまいました。
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2019年09月22日

東京バレエ団『ドン・キホーテの夢』8月25日11:30

ツイート貼り付け感想です。8月の東バの『ドン・キホーテの夢』、午前の部。最後にちょこっと補足もあります〜。

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』
2019年8月25日(日)11:30

【主な配役】

キトリ/ドゥルシネア姫:秋山瑛
バジル:池本祥真
ドン・キホーテ:木村和夫
サンチョ・パンサ:海田一成
ガマーシュ:山田眞央
ロレンツォ:永田雄大
エスパーダ:ブラウリオ・アルバレス
キューピッド:工桃子

ロシナンテ(馬):鳥海創、星野司佐
お嫁さん馬:昂師吏功、安井悠馬
二人のキトリの友人:涌田美紀、足立真里亜
闘牛士:
  和田康佑、樋口祐輝、宮崎大樹、岡ア司、後藤健太朗、南江祐生

協力:東京バレエ学校
特別出演(ロシナンテの声):ウラジーミル・ワシーリエフ

太字 は当日変更があったキャストです。

森川茉央さんが怪我のため降板。おそらく森川さんは闘牛士を踊る予定で、宮崎さんがドン・キホーテだったのではないか、と。木村さんのドン・キホーテが2回も見られたのは嬉しいけど、宮崎さんのドン・キホーテも見てみたかったです〜。

【ツイッターより】

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』11:30の公演が終了。楽しかった〜! 秋山キトリも池本バジルも最っ高♪ 池本さんは昨日のアクテオンよりもっと弾けてた。指先までバジル! クールなアリも格好いいけど、笑顔のバジルも素敵♪
キトリの秋山さんは、愛らしい佇まいとチャキチャキな踊りが相まって、幸福感が半端ない♪ 彼女の踊りにはパッションがあって、踊ることが幸せという空気が出ている。ユカリューシャはそういうところもとても見ているんじゃないかな〜という気がします。

捌けようとするバジルを引き留めてタンバリンを差し出す涌田さん(キトリの友人)の女っぷりが格好よかった。あれを受け取らなかったら漢じゃない(♪)。そして、絶妙な間を取って受け取る池本バジルがまた格好いい♪
ジプシーの樋口さんの海老反りが半端ない。最後にジプシーの踊りに加わった池本バジルの連続ジャンプが、明らかに群を抜いて高くて綺麗。

モブの後ろの方でまめに子役たちのお世話をしている中嶋さんがツボ。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

ちょこっと補足。

もう本当に、秋山さんと池本さんがフレッシュで、それでいて2人とも技術が安定していて、この上なく楽しかったです。今回面白いな〜と思ったのは、キトリを踊った秋山さんと伝田さんの個性の妙。愛らしい雰囲気が印象的な秋山さんは、チャキチャキで気風のいいキトリを演じていて、普段どちらかというと強い役を演じることが多い伝田さんは、粋の中にも大人っぽさや女性らしさを感じるキトリでした。そういえば、河谷まりあさんがキトリやその友人を踊ったときも、普段の愛らしい雰囲気からは想像していなかった熱い舞台を演じていたのを思い出しました。伝田さんと同様、強い女性の役が多い奈良さんも、『春の祭典』の生贄で見せるふとした弱さや柔らかな女性らしさが印象的です。表面的なものだけでは推し量れない個性の妙が面白いな〜と思いながら見ていました。

アルバレスのエスパーダは、秋元さんや宮川さんのようにキレキレかと言えばそうではないけど、とにかくセクシー。そのエスパーダに骨抜きになり、しばしその場に棒立ちになる足立さん(キトリの友人)が面白すぎた。それまでパタパタしてた扇子をスーッと閉じるタイミングもいい。
おそらく初役の工さんのキューピッドも、それを感じさせない踊り。サンチョの海田さんは可愛いし(声もいい)、永田さんのロレンツオには毎度のように癒されます。木村さんのキホーテの「ノー!!」の雄たけびを忘れていて、またビックリしてしまいました(笑)。あれ、他のキホーテもやるんだろうか、、、。
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2019年09月21日

東京バレエ団『ドン・キホーテの夢』8月25日 14:30

公演の感想が全然書けないので、ツイート貼り付け作戦に切り替えました。あとで何か確認したいときに、ツイートだけでもまとまってると助かるので、、。まずは東バの夏の子ども『ドン・キ』です。午前/午後と鑑賞。とりあえず午後の感想を張り付けたんですが、2公演見た後なので、両方の感想が混じってたりします。

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』
2019年8月25日(日)14:30
会場:めぐろパーシモンホール

【主な配役】
キトリ/ドゥルシネア姫:伝田陽美
バジル:柄本弾
ドン・キホーテ:木村和夫
サンチョ・パンサ:岡崎隼也
ガマーシュ:樋口祐輝
ロレンツォ:竹本悠一郎
エスパーダ:宮川新大
キューピッド:足立真里亜

ロシナンテ(馬):岡ア司、芹澤創
お嫁さん馬:山下湧吾、安井悠馬
二人のキトリの友人:岸本夏未、加藤くるみ
闘牛士:
  杉山優一、ブラウリオ・アルバレス、和田康佑、宮崎大樹、後藤健太朗、鳥海創

太字 は当日変更があったキャストです。

協力:東京バレエ学校
特別出演(ロシナンテの声):ウラジーミル・ワシーリエフ

森川茉央さんが怪我のため降板。ドン・キホーテ役が森川さんから木村さんに変更になったと思われます。

【ツイッターより】

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』14:30の公演が終了。伝田キトリと柄本バジル、とってもよかった! 応援している年月が違うせいか、午後の部のアダージオではジ〜ンとしてしまった、、、。ドン・キのGPDDで涙する幸せを噛み締めました(結局いつも泣いている)。
伝田―柄本というエンターテナーな2人が真ん中なので、楽しくないわけがない。特に弾さんはその辺は流石だな、と。狂言自殺の場面では、子どもたちから笑いを勝ち取っていた♪
柄本バジルの弾けるような笑顔と、芝居っ気たっぷりにくるくると変わる豊かな表情。そしてあの、真ん中を踊る人の存在感。自然で縦横無尽、何をやってもそれが弾さんのバジルになる。もう本当、流石でした。
伝田キトリのバネのある踊りと柔軟で強靭なポワント。それでいて、音もなく滑るように柔らかく舞台を踏むステップ。明るさと、どこかしっとりとした落ち着きと優しさのある素敵なキトリでした。

東バ子ドン・キ。山田さんのガマーシュは、登場一番手鏡で自分のお顔をチェックして、うんうんと小さく頷く。本当は自分に自信がないのかな?と思うと更に憎めない。樋口さんのガマーシュは同じ場面で鏡の中の自分に投げキッス。こちらは自信大有り(笑)で、どちらも面白い♪
プロローグ、サンチョが登場人物を紹介する場面で、「悪い奴ではないけどちょ〜っと嫌味」と紹介された樋口ガマーシュは、宝石箱から取り出したネックレスを、「ほーれほれ、ほーれほれ」となかなかロレンツォに渡さないという嫌味な演技がいい♪
竹本ロレンツォもとてもいい。それでもやはり永田ロレンツォには癒されてしまいます。もはや名人芸。岡崎さんのサンチョも然り。ロシナンテの扱いも慣れたもの♪ 海田さん(サンチョ)はなかなかいい声だな〜と。午後の部のロシナンテが、ときどき絶妙なタイミングでパカっと口を開けるのが可愛かった。

鳥海さんがヤバい(いい意味で)。ライサンダーのときから芝居っ気あるかも〜とは思ってたんですが、この2日間で私のツボに入り始めた(笑)。ローズアダージオでの胸熱な王子も、子ドン・キの闘牛士でのキザな様子も、どちらもよかった♪
午後のエスパーダ宮川さんはキレッキレの美しい踊りで、前日のアリも含め絶好調。午前のアルバレスはセクシーなエスパーダ。そんなアルバレスに見つめられて骨抜きになり、扇子をスーッと閉じていつまでも立ち尽くす足立さん(キトリの友人)も何気に役者♪
そんな足立さん、やっぱり彼女のキューピッドはいいな〜♪と。細やかなステップにも余裕があり、アチチュードも鮮やか。

午前の部で、涌田さん(キトリの友人)が池本バジルにタンバリンを渡す際の遣り取りがとても格好よかったんですが、午後は午後で違う面白さで楽しませてくれました。
岸本さん(キトリの友人)がタンバリンを差し出すも、首を横に振って受け取らない弾バジル。「もう!」「ほーら!」と差し出すも受け取らないという遣り取りを2〜3回繰り返してようやく踊るという、とっても楽しい場面に♪ 子ドン・キだからできるのかもしれないけど、その関係性がいいな♪と。
モブが声を出すのはいつからだっけ。野営地でのエスパーダのソロで、ジプシーたちがタンバリンを叩くのは今回からのような気がするんだけど、違うかな。エスパーダが踊りの中で打ち損じたりするのを補う効果はあるなぁ、と。宮川エスパーダはスパンスパン打ち鳴らしてたけど♪
午前の部のセギディーリャに岡崎さんがいたんですが(青系の衣装)、もう格好よすぎて釘付け。午後の部のセギディーリャでは最前列の女性陣が中川、涌田、金子という豪華さ♪
既に記憶が曖昧なんだけど、、、。秋山さんのグラン・フェテは扇子有りで、シングル―シングル―ダブル。ダブルのときに扇子を開いていたような。伝田さんは扇子なし。やはり前半はダブルを入れて。2人とも後半はシングルだったと記憶。違ったらすみません。
伝田さんのドゥルシネア姫。片足のポワント移動のとき、キ・ホーテの木村さんが手を取るというサポート付きだったのが新鮮だった。

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posted by uno at 12:37| Comment(0) | バレエ公演2019 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする