2017年01月04日

東京バレエ団『くるみ割り人形』2016年12月23日【柏崎】

東バ『くるみ』、柏崎公演の感想です。

東京バレエ団『くるみ割り人形』全2幕
2016年12月23日(金・祝) 柏崎市文化会館アルフォーレ


クララ: 渡辺理恵
くるみ割り王子: 柄本弾

【第1幕】
クララの父: 森川茉央
クララの母: 奈良春夏
兄フリッツ: 吉川留衣
くるみ割り人形: 中村瑛人
ドロッセルマイヤー:ブラウリオ・アルバレス
ピエロ: 山本達史
コロンビーヌ: 中川美雪
ムーア人: 海田一成
ねずみの王様: 永田雄大

【第2幕】
スペイン: 二瓶加奈子−宮川新大
アラビア: 三雲友里加−松野乃知
中国: 岸本夏未−吉田蓮
ロシア: 伝田陽美−入戸野伊織
フランス: 金子仁美−秋山瑛−岸本秀雄
花のワルツ(ソリスト):
  小川ふみ、加藤くるみ、崔美実、川淵瞳
  森川茉央、杉山優一、永田雄大、和田康佑

指揮: 井田勝大
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


クララを踊る予定だった河谷さんが妊娠のため降板し、渡辺理恵さんがクララを踊りました。とってもよかったです〜♪ 河谷さんの降板はとても残念だったけど、理恵さんのクララが実現したのはよかったと思います。とにかく可愛い! 予想以上の可愛さでした♪ やっぱり大人っぽいクララなのかな〜と想像して臨んだんですが、ピュアな少女そのものでした。このまま成長しないんじゃないかという、不思議な儚さと透明感があり、萩尾(望都)さんの漫画じゃないけど、神様が少女の時を止めたような、そんなファンタジーを感じさせる少女でした。子どもらしい元気な表現や幼さを残した仕草なども似合っていて、お兄さんのフリッツからくるみ割り人形を守るときの「ダメダメ!」という仕草や、人形たちと一緒にネズミを怖がる様子など、本当に可愛かった。シャイで引っ込み思案なクララが、大好きなくるみ割り人形のために勇気を出して頑張るという感じが滲み出ていて、とても心惹かれるクララでした。

そして、理恵さんのラインの美しさ。特に膝から下の美しいラインはウットリするほどです。その美しいラインから生み出される柔らかく優しいパは、思わず見入ってしまうほど心躍るものがありました。そしてまた、そんな彼女のアラベスクの美しいこと。特に、壊れたくるみ割り人形をドロッセルマイヤーが元の椅子まで運ぶ場面で最初に見せたアラベスクは、ハッとするほど美しくて、「今すぐもう一度見たい!」と思わせるアラベスクでした。あの瞬間がもう一度味わいたくて、彼女のアラベスクを心待ちにしてしまいました。柔らかく丁寧な踊りは、時おり慎重さも感じさせますが、ラインの美しさも相まって、伸びやかで詩情がありました。

理恵さんのクララがシャイで引っ込み思案に感じられたのは、もしかしたらご本人の個性も関係しているのかな〜と思ったりしました。川島さんや沖さんに比べると、決して押し出しの強いほうではないと思うんです。どちらも個性だし、どちらも好きです。ただ、その押し出しの強くない部分が、自信の無さから来ているのなら勿体無いな、と。今回、ふとしたところで踵が落ちてしまう場面が2度ありました。1幕の王子とのパ・ド・ドゥと、2幕のグラン・パ・ド・ドゥのヴァリエーションです。何気ないステップ(なんて存在しないのかもしれないけど)で踵が落ちてしまうのが、技術的なことではなく、精神的な部分と関係があるのなら、勿体無いなと思ったんです。あくまで私の想像ですし、決して理恵さんを批判しているわけではないです。彼女の個性があのシャイなクララに繋がっていたのだとしたら、それは私にとってはとても素敵なことだったので。

弾さんの王子もとてもよかったです。少し困り眉で優しく微笑む弾さんは、パートナーを見る目がとても優しい。パートナーによっては女性のほうが強く見えてしまう弾さんですが、理恵さんが相手だとそういうこともないんだなぁ、と。女性が強く見えちゃうときの弾さんもいいんですけどね(笑)。シムキンも秋元さんもすごくよかったけど、親しみを感じるのは弾さんの舞台かもしれません。それは単純に若手の頃から応援してるからだと思うんですが、それだけではないような気もします。弾さんの朗らかな雰囲気が舞台を優しく包んでいました。それは弾さんだけでなく、理恵さんと2人で生み出していた空気かもしれません。2人の柔らかな雰囲気が作り出す、心温まる舞台でした。最近は組むことが少なかったので、また一緒に何か踊ってほしいです。

ドロッセルマイヤーはブルウリオ・アルバレスでした。プログラムに名前があったので気になっていたんですが、柏崎で見られるとは思いませんでした。あれはズルいよ〜♪  格好よすぎました! しなやかな身のこなし。そして、白い手袋をした手が軽やかに、そして魅惑的に動きます。つい引き寄せられて、目で追ってしまうような手の動き。「ハーメルンの笛吹き男」じゃないけど、子どもたちが付いて行ってしまうのって、ああいう雰囲気なのかな〜と思ったりして。子どもたちを惹き付けて離さない、不思議な魅力がありました。狂言回し的な役が合っているのかもしれません。今年の12月はベジャール版の『くるみ割り人形』が上演されるので、アルバレスの「M...」も素敵かもしれないな〜と思ってしまいました。
人形たちが踊っている間も、パーティー客の夫婦に挨拶に行って、ご婦人の手にキスをしたり、座っている子どもの隣にしゃがみこみ、子どもの目線まで下りて声をかけたりと、お芝居も丁寧で細やかでした。
まぁでも、一言で言うなら、とにかく格好よかったです♪

人形たちも各国の踊り手たちも、みんなとてもよかったです。雑にまとめてすみません(汗)。でも本当に、充実した舞台だったと思います。今回、東京×2回と柏崎×1回の3公演を見たわけですが、若い力がどんどん出てきているなぁと感じました。メンバーは常に流動的に変わっていくけど、今のダンサーたちもみんな大好きだなぁと思いながら見ていました。

一つ気になったことが。冒頭の道行きの場面が、夕焼けのようなオレンジ色の照明に変わっていました。東京公演までは薄暗い夜の設定だったと思うんですが、違ったでしょうか? ちょっと自信がないんですが、、、。パーティーが終った帰り道は、従来どおりの照明でした。
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2016年12月30日

東京バレエ団『くるみ割り人形』2016年12月17日

東バ『くるみ』の感想です。

東京バレエ団『くるみ割り人形』全2幕
2016年12月17日(土)14:00 東京文化会館

【主な配役】

クララ:川島麻実子
くるみ割り王子:秋元康臣

【第1幕】
クララの父:森川茉央
クララの母:奈良春夏
兄フリッツ:吉川留衣
くるみ割り人形:高橋慈生
ドロッセルマイヤー:柄本弾
ピエロ:樋口祐輝
コロンビーヌ:中川美雪
ムーア人:井福俊太郎
ねずみの王様:永田雄大

【第2幕】
スペイン:秋山瑛−入戸野伊織
アラビア:三雲友里加−松野乃知
中国:岸本夏未−吉田蓮
ロシア: 二瓶加奈子−宮川新大
フランス:中川美雪−足立真里亜−山本達史
花のワルツ(ソリスト):
  伝田陽美、小川ふみ、崔美実、川淵瞳
  杉山優一、岸本秀雄、ブラウリオ・アルバレス、和田康佑

指揮: 井田勝大
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


東京バレエ団『くるみ割り人形』2日目は、川島さんと秋元さんでした。川島さんはクララ・デビュー。秋元さんも東バで『くるみ』を踊るのは初めてです。とっても楽しかったです〜♪ 初日も楽しかったけど、やっぱり団員のみの公演で、しかも川島さんのクララ・デビューとなったこの日の幸福感は初日以上でした。

川島さんのクララが可愛かったです♪ ちょっとだけ大人っぽいクララでしたが、子どもらしい仕草や演技は無理がなく自然でした。子どもから少女へ成長する端境期にいるようで、そんなクララも彼女らしくていいなと思いました。沖さんは無邪気で愛らしいクララだったし、柏崎の渡辺さんはこのまま成長しないんじゃないかという、ファンタジーのような不思議な透明感と儚さがありました。それぞれのクララがあってよかったです。
川島さんの演技は、動きや仕草の一つ一つまでとても丁寧に積み上げられていて、上手くいえないんですが、よく考え抜かれ練り上げられている感じがするのに、舞台ではそれが自然に出ている感じがするんです。彼女の演技や踊りがここまで丁寧で明確な意思をもって発せられるようになったのは、やはりマラーホフ版『眠り』を踊ったときからではないでしょうか。間違いなく彼女のターニングポイントの一つだと思います。なんと言っても、あれ以来どの作品でも輝いてるんです。毎回、予想を上回る主演オーラをまとって登場する彼女には驚かされます。
 
弾さんのドロッセルマイヤーは若くてエネルギッシュ。怪しげな雰囲気はそれほどなくて、どちらかというと陽性のドロッセルマイヤーです。コロンビーヌの中川さんはどこかユーモラスで、とても可愛い。ムーア人のグラン・ピルエットって、最後を慌てて音楽に合わせる感じが多くないですか? きっと、より多く回転しようという気合の表れなんだと思うんですが。井福さんは音楽にピッタリと合わせて終ったので、とても気持ちがよかったです。最後の1回転でやや減速してピタッと合わせていました。私的にはこの日のブラボーの一つでした。高橋慈生さんは、これまでにないシャープで機敏なくるみ割り人形。
パーティー客の中に岸本(秀)さんがいて、私的に眼福。アルバレスも素敵でした。飲み物を取りに行ってパートナーの崔さんに渡したりと、ジェントルマンな演技が様になります。

顔を上げた瞬間、秋元さんもちゃんと王子でした。キラキラというよりは、威厳のある佇まいで、流石の主演オーラ。振る舞いはスマートだし、サポートもリフトも上手いし、テクニックもあるし。テクニックはあってもドスンドスンうるさいとか、細部が雑とか、一人よがりとか、そんなこともないし。今のところ私的に「きゃ〜♪」ではないけど、欠点なんて見つからないなぁと思ってしまいました。

この日とても印象的だったのは、くるみ割り人形が王子に変身した後の、2人の最初のパ・ド・ドゥのラストです。王子がクララを頭上高くリフトしたまま退場するんですが、クララの川島さんが本当に風に乗って舞い上がり、高みへと飛んでいくようだったんです。きっと、2人のタイミングが完璧で、秋元さんにパワーがあるから川島さんも安心して身体を伸ばせたのだと思います。

秋山さんと入戸野さんのスペインもよかったです。2人同時のピルエットは、最後までバッチリ揃ってました。アラビアの三雲さんと松野さんは美しい2人。二瓶さんのロシアも明るくてキュート。宮川さんも生き生きと。宮川さんのトゥールザンレールが綺麗なのは、ジャンプ力があるからかも。ジャンプが高いと滞空時間が長くなり、2回転に余裕が生まれ、綺麗に正面を向いて5番で着地できるのではないかと思いました。それだけではないと思うけど。
フランスの足立さんは、子ども『ドン・キ』のキューピッドが印象的だったダンサーです。小柄ですが安定感のあるいい踊り。山本達史さんの雰囲気がなんか変わった〜! 髪型変えた? 髪の色、明るくした? 道化(ブルメイステル版)の印象があったので、いきなりの王子路線にビックリしました。有りだと思います〜♪

初日もよかったんですが、この日の花のワルツはとってもよかったです。GPDDの迎えるのに相応しいというか、花のワルツの感動からGPDDに入る流れがすごくよかったんです。場面にはちゃんとそこに存在する意味があって、すべては繋がっているんだなと思いました。そして、ソリストの4組に物語を感じたんです。花のワルツにストーリーはないわけですが、視線を交わす2人の間に物語の登場人物のような関係性が見える瞬間がありました。私的に、岸本ー杉山ー和田ーアルバレスの並びがウットリだったというのもありますが(♪)。アルバレスの腕が印象的でした。長いからだけではなく、柔らかな腕の運びに思わず見入ってしまうほど。一瞬、アームスの中に宇宙を感じた気がして、ハッとしました。「アームスの中に宇宙」は、友佳理さんが当時団員だった松下裕次さんに言った言葉なんですが、今でも忘れられない名言です。その「アームスに宇宙」が一瞬見えた気がしたんです。

そしてグラン・パ・ド・ドゥ。クラシック・チュチュで登場した川島さんの典雅な佇まい。クララの川島さんも可愛いんですが、グラン・パ・ド・ドゥでビシッと登場した川島さんは、プリンシパルに相応しい風格と輝きをまとっていて、本当に素敵でした。しっとりと踊るアダージオの川島さんにウットリ。クラシックチュチュで踊るときに醸し出す、最近の川島さんのあの典雅な空気感がとても好きです。
秋元さんとの息もピッタリ。ユニゾンが美しいというだけでなく、同じ空間で呼吸をしている、そんな感じがしたんです。2人で空間を支配していました。沖さんとシムキンのキラキラ感とは別の、大人のキラキラ感がありました。
アダージオの中で、舞台の中央で女性を頭上高くリフトして静止する見せ場があるんですが、秋元さんの安定感のあるサポートも然ることながら、リフトされた川島さんの美しさに感激しました。秋元さんの頭上で序盤は目を伏せていた川島さんが、スッと視線を上げた瞬間の輝き。そして、広げた両腕の完璧なシンメトリー。もうなんだか圧倒されました。

クララだけ退場し、花のワルツの男性陣に王子がリフトされる場面(暗闇の中に王子だけ青白い照明で照らし出されます)。おそらく男性4人で持ち上げてると思うんですが、秋元さんがちょっとだけグラっとしているのを見て、タイミングの問題とか色々あるからそれだけではないと思いますが、やっぱりシムキンのほうが軽そうだよな〜と思ったりしました。
posted by uno at 14:51| Comment(2) | バレエ公演2016 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月22日

東京バレエ団『くるみ割り人形』2016年12月16日

東京バレエ団『くるみ割り人形』全2幕
2016年12月16日(金)19:00 東京文化会館

【主な配役】
ララ: 沖香菜子
くるみ割り王子: ダニール・シムキン

【第1幕】
クララの父: 永田雄大
クララの母: 奈良春夏
兄フリッツ: 岸本夏未
くるみ割り人形:中村祐司
ドロッセルマイヤー:木村和夫
ピエロ:山本達史
コロンビーヌ:中島理子
ムーア人:吉田蓮
ねずみの王様:森川茉央

【第2幕】
スペイン:二瓶加奈子−宮川新大
アラビア:崔美実−ブラウリオ・アルバレス
中国:岸本夏未−岡崎隼也
ロシア:伝田陽美−入戸野伊織
フランス:中川美雪−秋山瑛−岸本秀雄
花のワルツ(ソリスト):
  吉川留衣、三雲友里加、政本絵美、加藤くるみ
  森川茉央、杉山優一、松野乃知、永田雄大

指揮: 井田勝大
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団



東京バレエ団『くるみ割り人形』、東京公演の初日に行ってまいりました。前回から導入されたプロジェクションマッピングも、なかなか効果的だなぁと思いながら鑑賞。それにしても、東バの『くるみ』の第2幕の装置って、壁画っぽいよなぁと。ところどころお菓子っぽいものも描かれてはいるんだけど、有機的な壁画に見えて、古き良きロシアっぽいな〜と。装置のニコラ・ベノワは、ディアギレフのロシア・バレエ団で舞台装置を多く手掛けたアレクサンドル・ベノワの息子とのことで(公式HPより)、私が古き良きロシアと思ったのは、ディアギレフのロシア・バレエ団のイメージだったんだな、と。古さは感じるけど、貴重ならば変えないでほしくもあります。東バのファンとしては愛着がなくもないし。プロジェクション・マッピングだけでなく、何かほかの方法でブラッシュアップできないかな〜と。2幕の冒頭で登場する船は、花を飾って新しくしましたよね。幕ものの装置は難しいかもしれないけど、少しずつ変えられるものはあるかもしれません。私としては、クリスマスツリーを新しくしてくれたら嬉しいな〜、と。

シムキンは東バの『くるみ』は小出さんと踊って以来2度目。沖さんはゲストと全幕を踊るのは初めてのはずです。キラキラして微笑ましい2人に、ニヤニヤしっぱなしでした♪ 沖さんはやっぱり可愛いですね〜♪ 久々に見たシムキンは精悍になってました。初めて組むとは思えないほど息もピッタリで違和感がなかったし、きちんと視線を交わしながら踊る様子も印象的でした。
シムキンは魔法のように足音がしません。特に1幕では、私が感じた限りでは一瞬も音がしませんでした。跳躍は空中でフワッと浮き上がるようだし、回転はペース配分を自在に操れるほど余裕。音のない着地と、特有の軽さを持つ彼なら、マラーホフが踊っていた『コート』を踊ってみてほしいなぁと一瞬思いました。
沖さんも素晴らしかったです。子どものための『ねむり』で初主演したときから舞台度胸があるなと感じていたんですが、初めてのゲストとの舞台にも臆することなく堂々と自分を表現していて、すごいなぁと。技術面でも、常に安定して出せるというのはすごいと思いました。彼女に関しては、あまり調子の悪いときというのを見たことがない気がします。伸びやかで丁寧な踊りが気持ちよかったです。

去年は『くるみ』を見なかったので、前奏が始まっただけでワクワクしました。この時期に『くるみ』を見ることができるのは、やっぱりいいものだなぁと。
「パーティーの準備中にネズミが現れて大騒動」的な場面がプロジェクション・マッピングで映し出され、道行きへと移っていきます。ドロッセルマイヤーの木村さんは、くるみ割り人形を逆さまに抱えていました。そのほうが「くるりんぱ」と出しやすいのかな?と。
1幕の沖さんは無邪気さが自然で、少女のようで本当に可愛らしい。岸本さんのフリッツがとってもよかったです。ウィッグ、変わりました? 岸本さんが似合いすぎてただけかな。やや明るい髪色で、サラサラとよく揺れます。フリッツだけ踊るたびにサラサラ揺れるのがリアリティがあって、やっぱり揺れない髪って違和感があるんだなぁと思ったりしました。それにしても、どこがどうとは言えないんだけど、男の子役のダンサーたちが以前よりも男の子っぽかったのが印象的でした。ちょとした仕草や姿勢の違いだったりするんでしょうか。そこまでも友佳理さんの指導のおかげなんだとしたら驚きです。

永田さんの父が素敵でした〜♪ 奈良さんの母も美しい。ドロッセルマイヤーの木村さんは、もう見られるだけで感謝。目隠しを取ってクララたちにガッカリされたときの、「おやおや」みたいな表情が素敵でした♪ ピエロ、コロンビーヌ、ムーア人の3人もよかったです。3人とも回転が安定しているので、より人形っぽくてよかったのかな〜と。中村さんのくるみ割り人形が、なんか可愛くて癒される、、、。壊れてしまったくるみ割り人形をドロッセルマイヤーが抱えて運ぶときに、ドロッセルマイヤーの動きに合わせて腕をぶら〜んぶら〜んと揺らしていたのがよかったです。

12時を告げる鐘の音が、以前は高い「チーン」という音だったのが、「ボーン」という低い音に変わったような気がするんですが、いつからでしょうか、、。柱時計の音っぽくてよかったんですが、ちょっとだけアジアを感じてしまいました、、。
ねずみの王様がでかい(笑)。森川さんの王様は大きいのはわかってたんですが、それでも笑いました。ネズミの被り物の分もあるから、いつもより余計に大きかったです。担ぐネズミ2匹も大変そう(苦笑)。女性コール・ドの兵隊たちは、相変わらずよく揃ってました。クララが投げたスリッパはネズミの王様に命中。

くるみ割り人形から変身した王子が顔を上げる場面は、拍手したいけどオペラグラスで見たくもあり、いつも葛藤します。シムキンは、私的に「きゃ〜♪」というタイプではないんですが、ちゃんとキラキラした王子でした。恥ずかしがって逃げ出そうとするクララを通せんぼして、「ダメダメ♪」と首を横に振るピエロが優しい。そして、パ・ド・ドゥを踊る2人を見つめながら、そ〜っと消えていく3人は、最後に両手で大きなキスを送ります。3人の人形たちは、クララと一緒に怖がったり、彼女を励まし応援して、優しく導き、見守りながらそっと消えていきます。あの3人の存在がとてもいいんですよね、、。

雪の場面から男性のコール・ドが消えました! びっくりした〜。あのちょっと不思議な被り物をした男性たちです。いつから消えたのか自信がないんですが、おそらく今回からではないか、と。理由はわかりませんが、もし男性の人数が足りなくて、納得のいく踊りを見せられないのならば、こういう選択も有りではないか、と。また男性が揃ったときに復活させてもいいわけだし。いや、あくまで想像ですけど。
雪のコール・ドの女性たちはとってもよかったです〜♪ 全員で一斉に回転するところもぴったりと揃っていて、拍手したくなりました。
何気にテクニック満載の雪の場面の王子。シムキンは本当に足音がしなくて、それだけで幸福感を感じることができます。マネージュもフワリと軽くて高くて、とても綺麗でした。

舟に乗って不思議の国へ向うクララたち。海はプロジェクションマッピングで表現されます。追いかけてくるネズミたち。「もっと急げ」と手下たちの頭を望遠鏡でポカスカ、ポカスカ叩くネズミの王様。三角巾をしている左腕は、クララのスリッパで打撃を受けた隙に、王子に剣で突かれた傷かな?と。紗幕の向こうでパネルと持っていたスタッフが数人、バラバラと退場していくのがもうちょっと見えないといいなと思いました。

不思議の国へ到着したクララたちを各国の踊り手たちが出迎えます。しかし、ネズミの王様がしつこく追ってくる。ネズミの王様を追って退場する王子と、各国の踊り手たち。舞台に一人残されたクララは、寂しさと不安から顔を覆って泣き出してしまいます。華やかな舞台にポツンと一人、肩を丸めて泣くクララの姿は、ほんの一瞬なんですが大きな孤独が漂い、胸に迫る場面でもあります。そして、皆が戻ってきたときの安堵感。王子はネズミの王様の王冠をクララに捧げ、彼女のスカートに恭しくキスをします。ネズミの王様、あんなに立派な王冠被ってなかったけどね(笑)。

スペインの二瓶さんと宮川さんは2人ともキレのある踊り。二瓶さんは、リラの精のような役も今回のスペインも、どちらも素敵です。2人揃ってピルエットをする場面では、中盤でやや2人のユニゾンが崩れてしまいましたが、最後は合わせていました。
アラビアの崔さんとアルバレスが素敵でした♪ 崔さんは妖艶。半眼の眼差しと微笑が印象的でした。アルバレスは身体が柔らかい。脚がよく上がるとかではなく、身体全体が柔らかく滑らかな印象。そして、アラビア風にポーズするときの、顎をスッと斜め上に上げた首のラインと横顔の美しいこと♪ 女性と重なって踊る場面で、前にいる崔さんがポーズを決めるたびに、うしろでアルバレスが首をすっと斜めに上げるのが美しくて、そんな細やかさも素敵だなぁと思いました。崔さんとアルバレスは翌日のパーティーの客や花のワルツでも組んでいましたね。とてもいい組み合わせで、上の人ってよく見てるんだな〜などと思ってしまいました。
岸本さんと岡崎さんの安定の中国はキュートで、素直に楽しい気持ちになります。伝田さんのロシアも大好き。本当に明るい気持ちになる。入戸野さんの気合十分の踊りも最近好きです。連続の開脚ジャンプでは、毎回180度以上の開脚を披露して見事でした。
フランスの3人もよかったです。前回くらいから中川さんは認識できるようになりました♪ 彼女も見ていると幸せな気持ちになれるダンサーなんですよね〜。どうしてって言われると難しいんですが、、。夏ごろから抜擢され始めた秋山さんは、小柄でキュート。踊りもしっかりしていて安心して見ていられます。そして岸本(秀)さんも素敵でした〜。彼も本当に着地が柔らかで、シムキンの次に足音がしなかったのは間違いなく岸本さんでした。また王子も見たい。
花のワルツは全体的な安定感が増したような気がします。女性陣は全員ふんわりと優雅で美しいし、男性陣のリフトもフワッと持ち上げていてよかった。ソリストの8人が並ぶところで、助っ人の男子が一人真ん中に入るんですが、役目を終えて戻るときに、優雅にステップを踏みながら戻るところが妙に好きです(今回は確か古道さんだったような気が、、)。

クララだけラストのために早着替えに退場。王子だけ幕の向こうで待機している姿を思い浮かべると、ちょっと面白いな、と。男性陣にリフトされた王子が照らし出されて、本編の幕が降ります。掲げられたときのシムキンの堂々とした佇まいが印象に残りました。
そしてラスト、夢から覚めたクララがくるみ割り人形を抱きしめる場面では、本当に愛しそうに人形に頬を寄せる沖さんが素敵で、とてもいい幕切れでした。

カーテンコールでは、沖さんとシムキンの2人がレベランスする場面で、シムキンが沖さんの手にキスを送る場面もあり(2回)、彼にとってもいい舞台だったのかな〜と、ちょっと嬉しくなりました。
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2016年12月01日

東京バレエ団『ザ・カブキ』10月16日

東バ『カブキ』、16日の感想です。どんどん記憶が薄れてしまっているので、もう本当にサクっと、、、。

佐々木忠次追悼公演
モーリス・ベジャール振付『ザ・カブキ』(全2幕)
2016年10月16日(日)14:00 新国立劇場 中劇場

由良之助:柄本弾
直義:森川茉央
塩冶判官:岸本秀雄
顔世御前:奈良春夏
力弥:井福俊太郎
高師直:木村和夫
伴内:岡崎隼也
勘平:松野乃知
おかる:吉川留衣
現代の勘平:和田康佑
現代のおかる:岸本夏未
石堂:宮崎大樹
薬師寺:永田雄大
定九郎:杉山優一
遊女:三雲友里加
与市兵衛:山田眞央
おかや:伝田陽美
お才:矢島まい
ヴァリエーション1:杉山優一
ヴァリエーション2:入戸野伊織

この日も含め、私が通った3日間とも、熱のこもったいい舞台でした。今回、弾さんはこの役を自分のものにしたなという感じを強く受けました。本懐を遂げ、切腹をしたあとの最初のカーテンコールで、ピラミッドの頂点に立っていた弾さんは、間違いなく由良之助でした。
1幕ラストのソロは、14日のほうがスタミナは持続してたかもしれません。まあ、4日間で3回踊ってますから、、。しかし、討ち入りはこの日のほうが勢いがあったような気がします。「もう転んでもいい!」くらいの気迫がありました。そういうときって、限界まで身体を使って踊っている感じがして、ダンサーの肉体がものすごい力を宿しているのを感じます。少し踊りが乱れたり、バランスを崩したとしても、何かが守っている感じがして、絶対に失敗はしないなっていう確信が見る側にもあります。ときどき言われる「降りてきてる」という感じって、この守られている感じに近いのかなぁ、なんて。そういうとき、ベジャールさんはダンサーの中に「光」を見ていたのかもしれないなと、思ったりしました。

そしてなんと言っても奈良さんの顔世です。よかったな〜。奈良さんの顔世が一番女性らしくて人間らしい気がします。討ち入りの前、波と流されていく場面は胸に迫り、込み上げるものがありました。あの場面がいいと、続く討ち入りがより強く胸に響きます。見る側の集中が途切れずに、高まった気持ちのまま討ち入りへと雪崩れ込むことができる。意味があって繋がってるんだなぁと感じる瞬間でもあります。

今回も3日間、本当に楽しくて、好きなバレエ団があるというのは幸せなことだなぁと、またいつものように思ってしまいました。そして、この『カブキ』はやはり踊り継いでいってほしいなと、強く感じました。もうほとんどがベジャールさんに直接指導を受けたことのないダンサーになっているわけですが、例えば高橋慈生さんが伴内を踊りたいと思っていたというのを知ったりすると、若いダンサーにとっても魅力的な作品・役柄であるということは嬉しいことだなと思いました。時代が変わって、踊るダンサーが変われば、作品の空気感が変わることもあるかもしれないけど、この作品の面白さはきっと変わらないと思います。
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2016年11月16日

東京バレエ団『ザ・カブキ』10月15日

佐々木忠次追悼公演
モーリス・ベジャール振付『ザ・カブキ』全2幕
2016年10月15日(土)14:00 新国立劇場 中劇場

由良之助:秋元康臣
直義:永田雄大
塩冶判官:松野乃知
顔世御前:渡辺理恵
力弥:中村瑛人
高師直:森川茉央
伴内:高橋慈生
勘平:入戸野伊織
おかる:沖香菜子
現代の勘平:樋口祐輝
現代のおかる:三雲友里加
石堂:古道貴大
薬師寺:安田峻介
定九郎:吉田 蓮
遊女:吉川留衣
与市兵衛:山田眞央
おかや:伝田陽美
お才:政本絵美
ヴァリエーション1:岡崎隼也
ヴァリエーション2:宮川新大

15日(土)の感想です。一つ前の記事に14日(金)の感想もUPしてあります。16日(日)まで一気にUPしようと思ったんですが、志半ばで挫折、、。そのうちUPするかも、です。どんどん記憶が薄れて、日を追う毎に感想が短くなってます(苦笑)。


この日は秋元さんの「第7代目 由良之助」のデビューでした。いやいや、やってくれるだろうとは思ってましたけど、これほど完璧な由良之助デビューになるとは思いませんでした。いや、完璧は言い過ぎかもしれません。まだまだ細かな拾える部分はあったと思うし、これから踊り込めば、さらに「由良之助」になっていくだろうと思います。
それにしても、あんなにスタミナの切れない1幕ラストのソロは初めて見たかも。それでも後半、照明が赤くなるあたりから、少し口が開いてきたり、フッと漏れる息が聞こえたりして、そこがまたなんかグッときたりしました。やっぱり、生身の人間を感じられる瞬間は面白い。
秋元さんは初めからリーダーの風格を感じさせる由良之助で、やはりどちらかというと高岸さんタイプなのかな、と。夏に『スプリング・アンド・フォール』を見たときに、ふと高岸さんが重なる瞬間があったんですよね。そのときは単純にシルエットとか雰囲気だったと思うんですが、もしかしたらご本人のポジティブな内面性が出ているのかもしれません。いや、ポジティブだというのは単なる想像ですが。
最初のソロからフルスロットルな踊りで格好良かったです。失礼ながら初めて、秋元さんてハンサムなのね〜(♪)と思いました。ただ、本当に素敵だったし踊りも素晴らしかったんだけど、どこか少し違うものになっていたような気もします。それは、変な言い方かもしれないけど、あまりにも踊れているからなのかなぁと思ったりもしました。秋元さんの踊りは本当に流麗で美しくて、コントロール力があるので無駄がなく、細部まで神経の行き届いた丁寧な踊りです。本当に、惚れ惚れと感心しながら見てしまいます。でも、たとえ完璧に踊ったとして、それがイコール由良之助ではないのかもしれません。単にまだベジャール作品が馴染んでいないだけなのかもしれないですね。これが初ベジャールなわけですから、当たり前なのかもしれません。
最初は未完成だったかもしれないけど、由良之助とともに成長してきた弾さんと違い、秋元さんのように遜色なく踊れるところから由良之助にどう変貌していくか、そういう挑戦もあるんだ、と。

渡辺さんの顔世もよかったです。静の存在感というか。桜の枝を持って舞台を横切る、ただそれだけだから難しいと想像するんですが、きちんと重みがありました。友佳理さんや美佳さんが演じていたときのような、ちょっと怖さのある、あの少し異様な空気に近づいていたような気がします。弾さんも理恵さんも、回数を重ねて確実に進化しているんだな、と。

判官の松野さんは、あの困り顔のせいかやっぱりちょっとナヨっとしてるんだけど、でもシュっともしてるんですよね。スタイルがいいし踊りが綺麗で清潔感もあるので、とてもスマートな判官でした。切腹の場面では、照明の効果もあるのか、目の下に暗い影ができて、悲壮感や絶望が滲み出ているようで印象的でした。それにしても、松野さんが着るとあのスウェットが一瞬オシャレに見えるから不思議だ(笑)。

高橋慈生さんの伴内は初役でした。とってもよかったです〜。気合の入った初役というのは見ていて清々しいです。ご本人のインスタグラムによると、伴内はずっとやりたかった役だそうで、なるほどな、と。まさにそんな気合の入りようでした。「やってやるぞ」と「踊ってて(演じてて)幸せ」という気持ちが混在して、存在感を放っていました。踊りもよかった。
そして、高橋さんは摺り足が上手だったような気がします。実は、「現代の東京」のラストで、由良之助が刀を持って下手に退場する場面で、秋元さんの摺り足がちょっと微妙だったんですよね、、。そこから摺り足が気になってしまったんですが、高橋さんは上手に見えた。正しい摺り足はよくわからないんですが、上手だなと思う人は、爪先があまり上がっていなかったような気がします。

沖さんのおかるがよかったな〜。これまでおかるを演じてきたダンサーに多かった、可愛らしい系列にはいるんだけど、不思議と何とも言えない色気がありました。なんか、上手く言えないんだけど、格好いいなって思ってしまった。
入戸野さんの勘平もよかったです。精悍さと頼りなさがいい感じに混在。おかるの故郷に落ちてからの、絶望感や無力感の漂う姿も印象的でした。

中村瑛人さんの力弥は可愛くて一生懸命で完全応援モード♪ 一力茶屋での踊りもよかったです。政本さんのお才も美しかった♪ ヴァリエーション2の宮川さんは爽快。ヴァリエーション1の岡崎さんは、目がすごくよかった。1はなかなか波に乗るのが難しそうだな、やっぱり。岡崎さんは今回とてもいい目をしていたのが印象的でした。こういうときにもっと何か踊らせてあげたいなぁ、と。

駄目ですね〜。やっぱり。1ヶ月以上も経つと、どんどん記憶が薄れてしまいますね。結局、Twitterでつぶやいたことを膨らませた程度の感想になってしまいました。

私的に2日目だったこの日、妙に感じたのは、「やっぱりベジャールってすごい」ということでした。いや、いまさら何をっていう感じですが、やっぱりすごいなって。ダンサーたちもみんなすごくよかったけど、ベジャールのすごさを改めて感じた公演でした。
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東京バレエ団『ザ・カブキ』10月14日

佐々木忠次追悼公演
モーリス・ベジャール振付 『ザ・カブキ』全2幕
2016年10月14日(金)19:00 新国立劇場 中劇場

由良之助:柄本弾
直義:森川茉央
塩冶判官:岸本秀雄
顔世御前:上野水香
力弥:井福俊太郎
高師直:木村和夫
伴内:岡崎隼也
勘平:宮川新大
おかる:川島麻実子
現代の勘平:和田康佑
現代のおかる:岸本夏未
石堂:宮崎大樹
薬師寺:永田雄大
定九郎:杉山優一
遊女:吉川留衣
与市兵衛:山田眞央
おかや:伝田陽美
お才:矢島まい
ヴァリエーション1:杉山優一
ヴァリエーション2:入戸野伊織

東京バレエ団『ザ・カブキ』の感想を書きました。私は10月14日(金)・15日(土)・16日(日)と鑑賞。3日間ともとってもいい公演で、カーテンコールも毎回熱気がありました。秋元さんのデビューには大きな拍手が送られたし、弾さんはすっかり認められたなという感じを受けました。もう、「よくぞやってくれた!」という感じではなく、期待を受ける立場にあって期待に応える、堂々たる佇まいでした。

とりあえず14日(金)の感想を。

由良之助の弾さんがすごくよかったです。「現代の東京」で踊り始めた瞬間、思わずハッとするほどの存在感を放っていました。踊りは完全に弾さんと一体化しているようで、振付を踊っているという感覚ではなく、まるで自然に動いているようでした。ああ、ついに踊り始めると空気が変わるということろまできたんだなぁ、と。まだどの作品でもそうとは限らないかもしれません。でも、由良之助に関しては、そのステージへ上がったような気がします。
今回、不思議と軽やかさが印象的でした。もちろん、力強くて伸びやかでもあるんですが、以前よりも軽やかな印象を受けたんです。それは、何か余計なものが取り払われて、心も身体もクリアで自信に満ちていたからではないでしょうか。弾さんは弾さんの由良之助を見つけたのではないかと思いました。

高岸さんは最初からリーダー然とした由良之助だったし、後藤さんは迷いや不安を持ったナイーヴな若者でした。弾さんの由良之助は、その両方を持ち合わせているような気がします。高岸さんのように最初からリーダーではないけど、一目は置かれている若者で、後藤さんのような繊細さを持ちながらも、それには気付かないようにしている。ある意味、正しく「現代の若者」だったような気がします。

そして、とても説得力のある由良之助でした。現代の若者がひょんなことからタイムスリップをし、様々な出来事や人物に出会い共感していく中で、徐々に由良之助と重なっていく。そういった過程にとても説得力があったんです。

踊りは力強く伸びやか。最後まで集中が途切れず、無駄のない、クリアで研ぎ澄まされた踊りでした。もともと身体は柔らかいほうではないと思うんですが、見せ方も上手くなったんだと思います。もちろん鍛錬もあると思いますが。体格も恵まれてるし、パワフルな踊りは男らしいんですが、とても柔らかで繊細な面もあるんです。弾さんの持つ内面の柔らかさとか優しさとか、そういうものが関係あるのかな〜と思ったりしました。
でも、ただ上手に踊れば感動するというわけではなくて、踊る弾さんは間違いなく由良之助だったし、そこで由良之助が踊ることに説得力がありました。

「現代の東京」、上手で踊られる幕開きのソロは、伴内のキャストが交代で担当。14日・16日は高橋慈生さん、15日は岡崎さんでした。そして、判官の亡霊は今回も出番のない由良之助が担当。まだ秋元さんの佇まいに慣れていないので迷ったんですが(お面をつけているので顔はわからない)、秋元さんだったはずです。
いつも思うんですが、「兜納め」の幕開きで最初に踊る直義って、すごく難しいんじゃないかなぁ、と。過去の人間としてあの衣裳で最初に踊る役なんですよね。世界観を作るのが難しそうです。そして、踊るというより歩く、いる、というのがほとんどなので、難しい役だよなぁ、と。

誤解を恐れずに言えば、顔世の水香さんはいい意味でいつもより存在感がなかった。終ってから考えてみたら、水香さんのこういうところちょっと苦手だなという部分が印象に残らなかったので、私にとっては本当にいい意味なんですが。「何を踊っても水香さん」という主張が控えめで、抑えた表情など、とてもよかったと思います。

岡崎さんの伴内がすごくよかったです〜♪ 初役ではないんですが、今回はとても印象的でした。なんと言っても色気があって格好よかった♪ そして、要所要所でちゃんと舞台を締めていました。おかると勘平が故郷に落ちていく場面で、踊り終えた伴内が、はだけた襟をスッと直してから客席の方を見るところがあるんですが、これが格好いいんですよ〜♪ 岡崎さんには、また定九郎も踊ってほしいです。

これまで、おかる役は小柄だったり、どちらかというと可愛らしい雰囲気の女性が演じることが多かったので、大人っぽい綺麗タイプの川島さんのおかるは新鮮でした。これも有りだなぁ、と。艶っぽくてよかったです。初役とは思えない堂に入ったところは本当に流石です。
宮川さんの勘平は悪くはなかったんだけど、なんとなくちょっと違うかな〜という気がしてしまった、、、。どこがどうとは言えないんだけど、本当になんとなく、、、。単にベジャールに慣れていないだかなのかぁ。「山崎街道」での脱け殻っぷりはよかったです。
発表されたときは意外だったんですが、杉山さんの定九郎もよかったです〜。岸本さんと2人で「爽やか」を担当することもある杉山さんですが、やはりちょっとダークサイドの役が来るのね〜、と。大御所の飯田さんや松下さんの好演を思うと、「頑張れ〜」と応援したくなる感じもありましたが、とてもよかったと思います。でも、こちらを極めるのもいいけど、勘平とかも踊ってほしい気もします。いや、いっそのことダークサイドの師直を踊ってみてほしい気もする。

木村さんの師直は、もう最高でした〜♪。はぁ〜格好よかったー。また見ることができて本当に感謝です。もう今後、木村さん以上の師直は現れないんじゃないかと思ってしまったのは、ファンの贔屓目でしょうか。当たり前かもしれないけど、木村さん一人、格というか、次元が違いました。踊りのキレや美しさ、存在感はもちろんなんですが、役柄の解釈や浸透力は圧倒的です。そして、木村さんの目も印象的でした。目が語る、語る。師直という人物の考えていることや感情が、雄弁に語られていました。そういえば、ロットバルトや中国の役人など、どちらかというとダークサイドの役って、視線の演技が重要だったりしますよね。でも、誰がやっても同じように印象に残るわけではないんですよね。そこに感情が息づいているからこそ、惹きつけられるのだと思います。様々な、本当に様々なものが積み重なって作り上げられた存在感の厚さは圧倒的でした。

岸本さんの塩冶判官もよかったです。切腹の場面は狂気には寄らずに、抑えた表現をしていたと思います。平野さんの怪演(褒めてます)が強烈だったので、抑えた表現に見えてしまうのかも(苦笑)。いや、どうしてもあれを思い出してしまうんですよね〜。岸本さんは本当に真っ直ぐでいい目をしてるなぁ、と。佇まいは柔らかいけど、彼は男らしいんですよね〜。そのギャップがまた素敵なのかもしれない。真っ直ぐで男らしい、いい塩冶判官でした。
切腹の場面で、「由良之助はまだか」と力弥に尋ねる判官。2度目に力弥が首を横に振った後、覚悟を決めたかのように目が据わったのが印象的でした。三方を掴み、スッと自分の身体の下に持っていく動作の静けさが強い意思を感じさせて印象的でした。

吉川さんの遊女は美しかったし、現代のおかると勘平もよかった。和田さん、素敵。和田さん目掛けてダイブする、岸本(夏)さんの飛び込みっぷりの良さ。伝田さんのおかやの、容赦ない老けメイク(笑)。矢島さんのお才の、人生の経験値の高そうな女将感。そして、毎度のことながら猪が可愛い。あのチープさがいいんですよね〜。歌舞伎の舞台でもあんな感じの猪が出てくるのかな? 勘平が切腹したあと、他の登場人物たちと一緒にストップモーションしてるのがまた可愛い♪

そして、やっぱり討ち入りのシーンは何度見てもワクワクします。音楽もすごいし、終幕に向けて畳み掛けるベールの振付もすごい。弾さんの、気迫漲る由良之助然とした佇まいも立派でした。最近思うんですが、ヴァリエーション1はもしかしたら難しいんじゃないかなぁ、と。2のほうが跳躍が多かったりしてテクニックがはっきりしているような気がします。そのヴァリエーション2を気合たっぷりに踊る入戸野さん。そういうところ、嫌いじゃないです。

由良之助が首を持って登場すると、出口を求める魂のように狂おしく飛び跳ねていた四十七士は鎮まり、判官の亡霊が首をスッと受け取るのと同時に、解放されていきます。その解放されていく彼らと、始まる涅槃の音楽が相まって、それまで緊張と高揚で満たされていた私の心もスーっと解放されていくのを感じます。そして、由良之助のソロから始まる美しい涅槃の場面が、じんわりと浸透してくる。解放されていくとき、岸本さんがいい表情をしていたのが印象的でした。

スッと手のひらで目を隠す、あの由良之助の振付から始まる涅槃の場面は本当に美しくて、それまでの緊張が一気に解放されたこともあり、やや恍惚というか、こちらまで何か浄化されたような心地で見つめてしまいます。弾さんの、横に広げたときの柔らかな腕も印象的でした。舞台をUの字に囲んだ四十七士たちが、2人、3人と加わり、徐々に踊りが広がっていく様子に、ちょっと『ボレロ』を思い出しました。ある程度の群舞が加わってきた辺りから、美しさに力強さが加わって格好いい。そして、手前両サイドの2人が客席に背を向けて、つまり中央の由良之助のほうを見る形で加わるところが、また格好よくて好きなんです。最後に由良之助を囲んで円を作って踊るところで、さらに2人加わったと思います。

そして、新入団のアルバレスですが、やはり気になって探しちゃいました。冒頭の現代の東京、血判、討ち入りと、各場面に出演していましたね〜。全然違和感ない(笑)。髪の色が違和感ないからなのか、本当に馴染んでてちょっと笑っちゃいました。いや、もしかしたら外見的なことではなく、彼が真摯に取り組んでいたからこそ馴染んでいたのかもしれませんね。背も高いし綺麗なお顔をしてるし、何よりいい目をしていたので、先が楽しみになりました。彼にとって、東バでの最初の作品が日本を題材にした、東バにしか上演できない『カブキ』だったというのは、よかったんじゃないかな〜と思いました。縁はないけど大好きだという日本に来て、東バ初の外国人ダンサーとして踏む最初の舞台。今どんな気持ちなんだろうな〜なんて、思いながら見ていました。
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2016年09月20日

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』8月21日 11:30/14:30

1ヶ月前になりますが、東京バレエ団の子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』、目黒公演に行ってまいりました。午前と午後の感想をまとめて書いてしまいます〜。

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』
2016年8月21日(日) めぐろパーシモンホール

【11:30】
キトリ/ドゥルシネア姫:沖香菜子
バジル:宮川新大
ドン・キホーテ:安田峻介
サンチョ・パンサ: 中村瑛人
ガマーシュ:山田眞央
ロレンツォ:竹本悠一郎
エスパーダ:森川茉央
キューピッド:足立真里亜

ロシナンテ馬:河上知輝、樋口祐輝
お嫁さん馬:海田一成、高橋慈生
二人のキトリの友人:岸本夏未、秋山瑛
闘牛士:杉山優一、松野乃知、岸本秀雄、吉田蓮、宮崎大樹、古道貴大

【14:30】
キトリ/ドゥルシネア姫:川島麻実子
バジル:秋元康臣
ドン・キホーテ:木村和夫
サンチョ・パンサ:氷室友
ガマーシュ:岡崎隼也
ロレンツォ:永田雄大
エスパーダ:岸本秀雄
キューピッド:森田理紗

ロシナンテ:山田眞央、八幡恵介
お嫁さん馬:中村瑛人、山本達史
二人のキトリの友人:金子仁美、中川美雪
闘牛士:森川茉央、杉山優一、吉田蓮、入戸野伊織、和田康佑、安楽葵


午前が沖&宮川、午後が川島&秋元でした。いやいや、秋元さんに関しては、すごい人が入ってきたな〜と、もう笑ってしまいました(いい意味で)。午前の宮川さんも踊れる人なんだけど(「踊れる人」って変な表現ですけど)、秋元さんを見ると、やはり1ステージ違うな、と。入団当初の感じでは、秋元さんより宮川さんのほうが先に東バに馴染むかなと思ったんですが、この日の公演を見た限りでは秋元さんのほうが馴染んでたような気がします。プリンシパル入団だったので、少し構えて見ていた部分もあるんですが、ステージ上の秋元さんを見る限り、とてもいいダンサーだと思いました。

宮川さんは沖さんの安定感に救われている部分もあったと思うし、川島さんは秋元さんのテクニックニ引き上げられた感がありました。<夏祭りガラ>の『パキータ』でも感じたんですが、宮川さんの目下の課題はサポート・リフトかもな〜という気がしました。本当、偉そうにすみません、、、。決して下手ではないんです。ただ、例えば片手リフトから女性を下ろすときに、男性の胸の辺りに女性がボンっと当たってから下りるなど、スムーズさに欠けたりする。それは精度ではなくて、パワー不足なのかもしれません。今回初めて、腰の辺りが結構細いんだなぁと思ったんですよね。
川島さんに関しては、もちろん本人の技術があってこそだけど、相手の技術や勢いに引っ張られて、より研ぎ澄まされた踊りができることってあると思うんですよね。そして踊りだけでなく、すごく自信を持って演じているような、気持ちの上での安定感も印象的でした。
沖&宮川は元気で明るいキトリとバジル、川島&秋元はしっとり大人のキトリとバジルでした。


あとは場面転換を中心に。

サンチョの中村さんは、「おいらのご主人の名前は? せ〜の!」「ドン・キホーテ〜!」と言わせておいて、「ブッブー、残念でした〜。」のあとに、「ごめんね(汗)」と申し訳なさそうに言っちゃうあたりが優しいというか、ご本人の人柄なのかな〜と。「おいらは字が読めないんだけど」というわりには、やたらと諺が好きなサンチョ。「言い出しまさぁ〜」って(笑)、スペインじゃなくて江戸の風か吹いてる。ロシナンテの名前まで答えられる会場。「お前すっかり人気者だなぁ」とサンチョ。通路を下りてくる際には子どもたちに触られまくるロシナンテ♪(大人だって触りたい、、、)。「うまくいけばおいらには島を一つくれるかも」というサンチョを頭で横殴り(笑)。

バルセロナの街の場面は、勢いがあってすごくよかった。短縮版だけど、ちゃんと賑わいと群舞による高揚感がありました。
エスパーダのソロ。下手にいるキトリの友人の岸本(夏)さんに視線をロックオンして踊るエスパーダ。見つめられてウットリ〜♪な岸本さんが面白い。そんな2人の様子を見て、岸本さんの後ろで、やきもちを妬いて拗ねた顔してウロウロしている秋山さんが、また可愛い。ついに岸本さんの前に出てきてアピール。その後も、下手に来たときにはバシッと岸本さんに視線を投げる森川エスパーダでした。
午後の中川さん(キトリの友人)に至っては、エスパーダの格好よさに腰が砕けてペタンと座り込む始末(笑)@酒場。さらに、ガマーシュにアピールするもロレンツォに追い払われて(1幕)、大人があんなに思いっきり顔を膨らませるかっていうくらいの膨れっ面をする中川さんが可愛い。扇子で顔を隠してキトリのふりをするもロレンツォにバレてしまったときの(酒場)、「ニッ」というコミカルな表情も含め、なんだか妙に面白くて可愛かったです。
キトリに言い寄るガマーシュを、友人2人が布を使って引き留める場面では、本気で駆け回るガマーシュに本気で振り回されているかのような岸本さんの、演技と素の中間みたいな表情が可愛かったです。

夜営地の幕前、魚をロシナンテの口にやや乱暴に突っ込むと、骨だけになって出てくる。これは前回と同じ。全国公演ではここでご当地ネタを入れてきてましたね。「さんまは目黒に限る」「お後がよろしいようで〜。それはそうと」って、どれがどうだよ(笑)、と。自分、無知で全然よくわかってなかったんですが、「目黒の秋刀魚」という落語からきてたんですね。夜営地の明かりを見つけてそちらへ向う。焚き火を片付けて〜と、前足で催促するロシナンテ。

ジプシーたち、午前の部は松野さんが印象に残りました。午後の部はどうしても入戸野さんのエビ反りに目が行ってしまう、、。人形的の後、嵐が来ると、「大変だ〜」という感じで上手から駆け込んでくるジプシーたち。一人ずつ走ってきて、思い思いの跳躍を披露する場面で、でんぐり返しする杉山さんって!
風車に突進したドン・キホーテの身代わり人形は、今回は思い切り高くポーンと投げ込まれました。
ドン・キホーテはロシナンテにしがみつくようにして、サンチョとともに幕前に登場。サンチョは人を呼びに、ロシナンテは水を探しに向います。

夢の場面の冒頭、紗幕の向こうにキトリ(の衣裳を着た替え玉)とドゥルシネア姫が左右から登場し、中央で重なると、キトリがスッと背後に消えてドゥルシネアに入れ替わるという演出がなされました。前回はなかった気がします。
キューピッドの足立さんは、流し目にドキッとする瞬間があり、ちょっと気になる存在でした。大の大人があの衣裳でラブリーに演じるという、倒錯的なエロスが久々に出ていた気がする。それが正解かどうかはわからないけど。
夢の場面の終盤で、ロシナンテが登場。「何故ここにお前が!?」と、夢(ドリアードたち)と現実(馬)が交錯し、頭を抱えるキホーテ老人。そこへお嫁さん馬も登場。白馬のお嫁さん馬は、ここが初登場でした。ドリアードたちが退場。ロシナンテは残り、お嫁さん馬は上手に退場していきます。ロシナンテとキホーテを残して紗幕が下りる。
現実に戻り、幕前。サンチョが巨大な体温計でキホーテの熱を測るとき、目盛りは客席側を向いていたほうがいいと思うんだけど、あれは敢えてなのかな?と思ったら、午後の氷室さんはちゃんと目盛りを客席側に向けてた。さすが。

休憩明け、暗い客席に懐中電灯をもったロレンツォとガマーシュが中扉から登場。懐中電灯を顎に当てて顔を照らす、怪談の定番ネタに、子ども大ウケ。
バケツを持ってきて、倒れているドン・キホーテにバシャーと水をかけるサンチョ。水がわりの水色の布が出てきます。サンチョとキホーテは下手に退場。そこへ、上手からお嫁さん馬が登場。彼女の登場に、シピーンと背筋が伸びるロシナンテ。そうか、さっき夢の場で会った彼女は幻影だけど、ここで出会った彼女は現実なんですよね。2人でクルクル回転して、確か上手へ退場。

酒場の場面の終盤、ゆっくりとした音楽に変わると、ロシナンテとリンダが上手から下手へゆっくりと通りすぎていきます。ロシナンテは花束をくわえています。そしてラスト、舞台の奥(酒場の外の通り)をロシナンテとリンダが今度は下手から上手へ歩いていく。そのとき花束はリンダの口に♪ プロポーズが成功したということかな(笑)。

狂言自殺の最中、群舞の一人(男性)が皆にカンパを募っています。午後の部で気が付いたんだけど、バジルの自殺が狂言だとわかったキトリが、父親に結婚を認めてもらうための持参金として、カンパをお願いしていました。頼まれた彼は「まかせとけ!」とばかりに、一人ひとり声をかける。皆も快くコインを次々に入れていく。キホーテに説得と、みんなのおかげで集まったお金で、ロレンツォは2人の結婚を認めます。最後にはお金をもらって大喜びのロレンツォは、お金の袋に頬擦りしながら退場していきました(笑)。

最後の結婚式への場面転換。結婚式へ向う登場人物たちが、幕前を下手から上手に歩いていきます。最初にキトリとバジルが、そしてロレンツォ、ガマーシュ、キホーテと続き、最後にサンチョ(確か)。スローモーションのような、アニメのような、不思議なジャンプで通り過ぎるキホーテ老人。安田さんもやってたんだけど、木村さんのほうが空中で一瞬止まるような、映像を見ているような不思議さがありました。

グランパ・ド・ドゥも終わり幕が下りると、幕前にサンチョ、キホーテ、ガマーシュが残されます。あそこでガマーシュが残る意味がいまだにわからないんだけど、キトリにふられたガマーシュもまた「何かを探して旅を続ける者」という括りなんだろうかと、勝手に想像。
やっと家に帰れると思ったサンチョ。しかし、主人のキホーテはまた新たなたびに出発する様子です。先に退場するキホーテとガマーシュ。サンチョが「おい、ロシナンテ、早く来いよ」と言うと、上手からヴェールを着けたお嫁さん馬とともに登場。イチャイチャする2人(♪)。「なんだ〜、そういうことかぁ」とサンチョ。仲睦まじく駆け足で退場する2人。午前の中村サンチョは、一度上手に退場しそうになってから、「あ!ロシナンテ忘れちゃった♪(テヘ♪)」という感じでロシナンテを呼びます。これ、可愛かった♪ しかも、あえて少し棒読み口調で言うあたりが面白かったです。

フィナーレ、紗幕が上がるとロシナンテとリンダが先頭で行進しながらお出迎え。一旦捌けます。最初に登場したファンダンゴたちが客席へ下りてくる。最後に馬の中の人たちも左右に登場して、幕。続くカーテンコールでは、馬の中の人たちが順にテクニックを披露。彼らに光が当てられるのは嬉しい。やっぱり安田キホーテは弾けてなかったです(笑)。午後の木村キホーテは例のダンス。そして、テクニックを披露し終わった馬の中の人の一人の首根っこをガシッ(笑)。そのあとお互い礼儀正しくお辞儀。まるで、長い全国公演中、お疲れ様でしたと言っているようで面白かったです。
午後のカーテンコールでは、もう一人、馬の中の人の格好(おそろいのTシャツに馬の足)をした人物が、上手から下手へ駆け抜ける。あれ?弾さん?と思ったら、再び下手から上手へ、バイバイをするように大きく腕を振りながら駆け抜ける。なにやってんだよ〜(笑)。しかも最後は上手の暗幕からちょこっと顔を出して楽しそうに手をふってました。愛されてるんですね〜(♪)。
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2016年08月29日

東京バレエ団<夏祭りガラ> 8月20日

2日目の感想です。

東京バレエ団<夏祭りガラ>
2016年8月20日(土)13:00 めぐろパーシモンホール

『パキータ』
振付:マリウス・プティパ
音楽:レオン・ミンクス

プリンシパル:三雲友里加、松野乃知
ヴァリエーション1:金子仁美
ヴァリエーション2:秋山瑛
ヴァリエーション3:二瓶加奈子
ソリスト:岸本夏未、矢島まい、小川ふみ、金子仁美、中川美雪、川淵瞳

『スプリング・アンド・フォール』
振付:ジョン・ノイマイヤー
楽:アントニン・ドヴォルザーク

川島麻実子−柄本 弾
吉川留衣、二瓶加奈子、矢島まい、小川ふみ、金子仁美、中川美雪
宮川新大、森川茉央、安田峻介、吉田蓮、入戸野伊織、中村祐司、和田康佑、安楽葵、樋口祐輝

『ボレロ』
振付:モーリス・ベジャール
音楽:モーリス・ラヴェル

上野水香
杉山優一、岸本秀雄、森川茉央、永田雄大


『パキータ』

主演ペアの雰囲気は初日よりもよかったと思います〜。三雲さんと松野さんは、2年前の子ども版『ねむり』熊谷公演で共演したのを見ました。結構いい組み合わせかもしれない。三雲さんはどんどん成長してるな〜、と。役が付き始めたときから、印象的だったのは安定感かも。見ていてハラハラするということがないんです。いつも安定した踊りを見せられるというのは、大事だよなぁ、と。華も貫禄も増してきて、以前より踊りも大きく見えます。流石に「真ん中」感は初日の奈良さんのほうがあったと思います〜。
グラン・フェッテは前半にダブルを入れて、後半はシングルで。余裕があり足も上がっていてよかったんだけど、フィニッシュで少し乱れてしまいました。初日の奈良さんも同じだったので、回転の最後を綺麗にまとめるのって難しいのかもしれないな〜と思いました。
松野さんは、なんかしっくりきました。サポートも上手だし、柔らかな身体を生かした伸びやかで丁寧な踊りで、押し出しが強すぎずふんわりした佇まい。初日の宮川さんは、踊りも存在感もシャープだよな〜、と。松野さんがしっくりきたのは、ゲスト感が漂っていないからかもしれません。

ヴァリエーションの3人もとてもよかったんだけど、初日のインパクトが強かったな〜、と。とは言え、金子さんも二瓶さんも安定したいい踊り。第2ヴァリエーションの秋山さんを意識して見るのは初めて。チャーミングで華のある佇まい。踊りも申し分なく、他にも見てみたいと思わせる魅力はありました。翌日の『ドン・キ』ではキトリの友人を演じていたんですが、生き生きとしたお芝居も印象に残りました。

『スプリング・アンド・フォール

この日も男性陣は比較的安定していたけど、初日のほうが一人ひとりが印象的だったかも。初日はバランスがよかったのかな〜という気も。
川島さんと弾さんの『スプリング〜』は、国内では今回が初披露でした。よかったです〜♪ 川島さんがとっても綺麗でした。ゆっくりと登場してスッと踊り出した瞬間に、ふわ〜っと世界が色づくような、世界観を作り出すのが上手いんだな〜と思いました。これまでに、イメージにピッタリな役だけでなく、未知数の役も踊りこなしてきている川島さん。なんだか格好いいなぁ、と。

弾さんもよかったです〜。瑞々しくて躍動的で、それでいてウェットな影の部分も持っている。その両方があるからこそ甘美なのかもしれません。弾さんは古典より現代作品のときのほうが危うさが感じられて、それがいい方向に表現として出ているかもしれない。未完の青年の瑞々しさがありました(踊りが未完という意味ではありません)。やっぱり、弾さんの『ギリシャの踊り』も見たいな〜。全国ツアーで踊っているんですが、私は見逃しているので、、。
これまで、弾さんはどちらかというと高岸さん寄りとういか、太陽のような人かな〜と思っていたんですが、前日の秋元さんのほうが高岸さんに近いかもしれない。実は、秋元さんを見ながら、ふと高岸さんが重なる瞬間があったんです。しかし、太陽といえば高岸さんが基準になるなんて、やっぱり大将の存在は大きかったんだなぁ、と(笑)。今、自然に「大将」って書いたんだけど、そういえば高岸さんのこと大将って呼んでたな〜と懐かしくなりました。水香さんが移籍してからは彼女と踊ることが多くて、それはそれで残念だったな、、、と。話が逸れました、すみません。

『ボレロ』

もともと得意ではなかった水香さんですが、東バに移籍して見る機会が増え、「上野水香」と呼び捨てにしていたのが「上野さん」に変わり、今では「水香さん」と呼ぶまでになりました。「いいな」と思うことも増えたけど、「こういう部分は今でも得意じゃないな」と思うこともあります。『ボレロ』はその得意じゃないほうに入ってしまうんです、すみません〜、、、。ときどき芝居っぽさを感じてしまうんですよね。何が『ボレロ』の正解なのかはわからないし、私が芝居っぽいと思う部分も、実際はそうではないのかもしれません。決して悪くはなかったです。ただ、私の中の水香さんランキングでは最上位ではないというだけで。カーテンコールは何度も続きとっても盛り上がったし、スタオベしてる方もいらっしゃったので、評判はいいのだと思います〜。
あ、あともう一つだけ。まだ「髪」を味方につけていないような気がします。揺れる髪まで振付の一部に感じるような、揺れる髪が動きをさらに印象付けたりする、そんな瞬間がまだ私には感じられなかったような気がしました。あくまで私には、です。
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2016年08月25日

東京バレエ団<夏祭りガラ> 8月19日

東京バレエ団<夏祭りガラ>に行ってまいりました。とっても楽しかったです〜♪。演目も豪華でよかった。ますは初日の感想です。

東京バレエ団<夏祭りガラ>
2016年8月19日(金)19:00 めぐろパーシモンホール

『パキータ』
振付:マリウス・プティパ   音楽:レオン・ミンクス

プリンシパル:奈良春夏、宮川新大
ヴァリエーション1:中川美雪
ヴァリエーション2:伝田陽美
ヴァリエーション3:崔美実
ソリスト:吉川留依、伝田陽美、二瓶加奈子、政本絵美、加藤くるみ、崔美実

『スプリング・アンド・フォール』
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:アントニン・ドヴォルザーク

沖香菜子−秋元康臣
渡辺理恵、岸本夏未、三雲友里加、金子仁美、川淵瞳、浦由美子
杉山優一、岸本秀雄、岡崎隼也、松野乃知、安田峻介
中村祐司、和田康佑、安楽葵、樋口祐輝

『ボレロ』
振付:モーリス・ベジャール
音楽:モーリス・ラヴェル

柄本弾
杉山優一、岸本秀雄、森川茉央、永田雄大


『パキータ』

久々の上演となった『パキータ』。プログラムの写真は荒井さんと後藤晴雄さんでした。まあ、そんなこと言ったら、『ドン・キ』はいつまでも吉岡さんと木村さんの写真使ってるけど(笑)。
華やかでとてもよかったです。女性陣の充実が印象的でした。特に、ヴァリエーションを踊った3人の伸びやかな踊りが素晴らしかったです。ヴァリエーション1の中川美雪さんは、空間を大きく切り取る伸びやかで丁寧な踊り。明るくて幸福感のある佇まいも印象的で、こんないい踊りするんだ〜と、ちょっと嬉しい驚き。インターバル無しの連続ジュテで登場する第2ヴァリエーション。伝田さんの高さとバネのある跳躍は見事でした。彼女のバネのある強そうな踊りは、見ていて気持ちがいいです。おそらく身体能力が高いだけじゃなく、コントロールする力もあるんだと思います。だから、彼女のコンテンポラリーは印象に残るのかもしれません。そして伝田さんって、存在感があるんですよね。ヴァリエーション3の崔さんは、小顔でスタイルも美しく、登場しただけで華やかな人。彼女も伸びやかで、しかも音楽を上手に捉えた緩急のある踊りがとても素敵です。心地良い「溜め」があるんですよね。その緩急を生かした、安定したポワントワークが印象的でした。あの、片方のポワントで前進してくるところとか、ただ音に正確なだけじゃなく、「溜め」を作る絶妙な音取りでした。

そして、何と言っても奈良さんです。大人っぽくて堂々としてキラキラして、とっても素敵でした。やはり周囲の女性陣と、歴然と存在感が違います。ちゃんと「真ん中」感がある。プリンシパルを先頭に女性全員で踊る場面などは、まさに中央にいる奈良さんが全員を引っ張っていて、格好良かったです。
宮川さんは、跳躍の高さ、回転軸の安定、爪先の美しさなど、存分に発揮。ただ、奈良さんと踊ることでの相乗効果みたいなものは薄かったかもしれない。相性バッチリという感じではありませんでした。というか、もしかしたら宮川さんの目下の課題はサポート・リフトかもしれない。偉そうにすみません、、、。いや、決して下手なほうではないんです。むしろ東バの中では上手なほうかもしれない。ただ、ブルメイステル版『白鳥』で松野さんと一緒にパ・ド・カトルを踊ったときも、松野さんのほうがサポートは上手だな〜と思った覚えがあります。あれだけ踊れるのだから、やはり女性を輝かせることもできたらいいなぁと、偉そうに思ったんでした。

『スプリング・アンド・フォール』

秋元さんは腕が長いのかな。シルエットで始まる冒頭、中央に立つ秋元さんは腕が長く、美しかったんです。シルエットだけなんだけど、地に足がついてる感じがしたというか、存在感があった。秋元さんだとわかってるからかもしれないけど。やっぱり、「踊れる」って強いな〜と思いました。表現できるものが広がりますよね。技術だけじゃ表現できないものもあるけど、技術がなければ表現できないものもある。ゆっくりと照明が当たり、スッと踊り出す冒頭から情感もあってとてもよかったんだけど、作品が進むにつれ、徐々に踊りのほうの印象が強くなった感じがしました。「上手いな〜」と感心しながら見ている自分がいたというか。とはいえ、あれだけ踊れて、サポート・リフトも完璧だと、雑念なく見られるとも言える。沖さんも踊りやすかったのではないでしょうか。
正直、秋元さんのノイマイヤーってどうなんだろうと、見る前は不安だったんですが、私はよかったと思います。また見たいと素直に思いました。ただ、ノイマイヤー的かと言われると、わかりません。そもそも自分、ノイマイヤー的というのがわからないかもしれない。恥ずかしながら、振付語彙とかってよくわからないんです。そんな私でも、アッツォーニとリアブコを見ると「ああ、ノイマイヤーだなぁ」と思う。結局、私にとっては、私の心の琴線に触れるかどうかというのが大きいのかもしれません。そして、心の琴線に触れたということは、それはある程度「ノイマイヤーだな〜」と思っていいのではないかなと、勝手に解釈してます。

そんな私ですが、ノイマイヤーを踊る沖さんはとても素敵だな〜と思います。伸びやかで軽やかで、音楽的で、若くて元気なイメージのある彼女なのに、切なくなるような懐かしさも表現している。もともと、東バの女性陣はノイマイヤーに向いている気がしているんですが、そんな中でも沖さんや岸本(夏)さんは何故か印象に残ります。2日目のキャストに入っている吉川留衣さんも素敵だな〜と思う。「どこが」と言われると、「なんとなく」としか答えられないんだけど、、、。

そんな感じで、いつも女性陣が印象的な『スプリング・アンド・フォール』なんですが、今回は男性陣もよかったです。男性は複雑なサポート・リフトが多く、スピーディーにフォーメーションを変える場面などもあるので、どうしてもバタバタ感が漂うことが多かったんですが、今回は比較的よかったと思います。何より、みんな違う個性があって、全員が印象に残りました。杉山さんと岸本(秀)さんは言うまでもなく。2人とも爽やかなんだけど、方向性が違って面白いです。現代作品の中でふと「いい動きだな」と思うのは岡崎さんだし、さらに小柄に見えた中村さんは、ストーリーのないこの作品の中でもキャラクターを感じる存在感。柔らかな松野さん、男らしい和田さん、大人な安田さん、安楽さんもよかったし、樋口さんは存在を示した感がありました。
複雑な動きの多い男性のパートは、踊り込んだほうがバタバタ感はなくなると思うんですが、なかなか同じメンバーが実際の舞台で踊る機会というのが少なくて、残念だなぁと思います。

『ボレロ』

初舞台は小雨の降る野外だったので、室内では初披露でした。やはり前半はやや慎重に踊っている印象。中盤以降は迫力も増し、汗で光る上半身も美しく、リズムのパワーも加わって、徐々に惹き付けられます。後半の弾さんの、パワフルでも振付はぶれないように丁寧に踊る姿勢が、私はとても好きです。『ボレロ』の終盤は仕方なく動きが乱れることもあるだろうし、極限状態が魅力的に映ることもあるけど、今の弾さんにはあの丁寧さは大事なんじゃないかなぁ、と。今はまだ発展途上だと思うんです。振付をきちんと踊る中で、自分らしさを探っている途中ではないかと。今はまだ自分らしさを付け足すときではなく、見つけるために真摯に作品に向き合っているんだと思います。これからもっともっと深めていってほしいな〜、と。もっと爆発してほしいという気持ちもなくないんですけどね。
カーテンコールで、ソリストの2人(杉山ー岸本)が卓上の弾さんを迎えに行くと、やっと笑顔がこぼれたのが印象的でした。カーテンコールで並ぶと、弾さんの肉体美は群を抜いているなぁ、と。
ツートップの杉山さんと岸本さんがいいですよね〜♪ しばらくはこれでいくのかな。
posted by uno at 13:02| Comment(2) | バレエ公演2016 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月12日

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』【越谷】7月24日

昨日、11日(木・祝)の長野公演で全国公演を終え、残すは東京公演のみとなった東バの『ドン・キホーテの夢』。私は、埼玉は越谷の公演を見てまいりました。

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』 【越谷】
2016年7月24日(日)15:00 サンシティホール
  
キトリ/ドゥルシネア姫:河谷まりあ
バジル:柄本弾
ドン・キホーテ:木村和夫
サンチョパンサ:竹下虎志
ガマーシュ:山田眞央
ロレンツォ:永田雄大
エスパーダ:森川茉央
キューピッド:森田理紗

ロシナンテ(馬):河上知輝、樋口祐輝
お嫁さん馬:中村瑛人、山本達史
二人のキトリの友人:吉川留衣、岸本夏未
闘牛士:杉山優一、吉田蓮、入戸野伊織、和田康佑、宮崎大樹、安楽葵

越谷は全国ツアーの2箇所目となる公演でした。子ども版とはいえ、河谷まりあさんのキトリデビューです。もう、文句なしに楽しかったです! 河谷さんは思ってた以上に女優バレリーナかもしれない。演技派というよりは、物語の中に息づいているという意味で。だから彼女がノイマイヤーに選ばれたのかもしれません。やっぱり、ノイマイヤー版『ロミオとジュリエット』、河谷さんで再演してほしいです。
お芝居も踊りも堂々としていて、すべてが自然で、知らなければデビューとはわからないと思いました。存在感もあるし、しかも踊ると身体が大きく見えるんです。彼女のいいところは、自然なところかもしれません。隠しているものがないというか。だから嫌味がない。心も身体もオープンで、とても素敵だと思いました。テクニック的にはまだ惜しいところもあるかもしれません。それでも、あんなに踊れるとはちょっと予想以上でしたが。その、まだ惜しいところがあってもなお、魅力を感じずにはいられません。彼女が人を惹きつけるのは、彼女自身がオープンであることで、すべてを受け入れる大きさがあるのではないかと思いました。ちょっと大袈裟かな(苦笑)。もちろん、あの愛らしい雰囲気と、意外に芯の強そうなところ、そしてあの笑顔。それらもとても魅力的です。そう、なんとも楽しそうに笑うんです。そんな彼女の踊りを見ていると、なんだか幸せな気持ちになります。見ている人を幸せな気持ちにさせる踊りって、上手に踊ることよりも難しいんじゃないかと思ったりしました。
河谷さんって、例えば吉岡さんの、誰と踊っても相手を生かして自分も殺さないところとか、小出さんの物語の中を生きられるところ、そして友佳理さんの「踊ることが好き」という情熱とか、私が彼女たちに魅了されていた様々な要素を持ち合わせているような気がします。

バジルの弾さんもやっぱり好きです〜♪ すっかり頼もしくなって、パートナリングの面でも安心感があります。登場からトップスピードで楽しませてくれました。踊りも然ることながら、やっぱり弾さんは弾さんだから好きなのかな〜、と。昔から、何故か応援したくなる雰囲気を持ってるんですよね。ロットバルトで悔し泣きしそうだったときもそうですが、例えば舞台上ですべてが上手く運ばなかったとしても、何か引っかかるものがあって、次のチャンスを待ちたいと思ってしまうようなところがありました。

2人の雰囲気もよかったです。しっかり者で気風のいいキトリと、明るくておおらかなバジルは、2人とも笑顔が明るい。べたべたした感じはしないんだけど、仲が良さそうで、自然な2人。そう、2人とも自然で、そしてある種の清潔感があるからいやらしさがない。そんな応援したくなる2人の舞台を見ながら、変な表現かもしれないけど、これは人に嫌われない舞台、敵を作らない舞台だなと思いました。2人とも、結構大人なのかもしれない。特に河谷さんはすごく内面の成熟した人なんじゃないかなぁと思いました。
グラン・パ・ド・ドゥの後、確かピルエット競争も終った後に、河谷さんのキトリがバジルの弾さんの首にピョンっと抱きついて、弾さんがクルクル回るというなんとも可愛らしい場面も♪ あれは決まった振付なんだっけ? なんとも可愛かったです♪

河谷さん、群舞で踊っている頃はわからなかったんですが、愛らしい雰囲気でありながら、役柄を踊ると芯の強さを感じさせることに驚きます。それは、元気な街娘のキトリでも、ほんわかお姫様のオーロラでも、忍ぶエフィーでも、きちんと彼女の意思が感じられるんです。演じることが好きなのかもしれない。
キトリのときはカラリと明るく気風がいい。ドリアードの女王はホンワカした雰囲気でくるのかと思ったら、キリリとして威厳を感じさせる佇まいで、凛として輝いていました。また早くクラシックチュチュの彼女も見たくなった。

サンチョ・パンサの竹下さんがよかったです〜♪ 台詞もあるのにお見事でした。落ち着いていて言葉もハッキリしているので聞き取りやすいし、子どもも親しみやすそうな可愛らしい声だった。緊張もかんじさせなかったし、すごいな〜、と。いや〜、とにかく可愛かったです♪ 
子ども版の進行役の場合、踊り以外の資質が大事だと思うんですが、やはり普段のキャラクターも見て選ばれているんでしょうか? 我々は舞台での姿しか見ていないので、こんな資質があったのね〜と驚かされます。

キューピッドの森田さんは初役ながら(本当のデビューは横須賀ですが)落ち着いた踊り。可愛らしいし、足が長くて甲も綺麗でした。安定の永田さんのロレンツォは、なんかもう私にとっては癒しの存在です。キトリの友人も安定の吉川−岸本。酒場の場面で、エスパーダにウットリ〜♪な岸本さんが面白かった。
森川さんのエスパーダ。酒場の場面ソロが、子ども版では1幕で踊られます。このソロは昨年より随分よかったんですが、その後はちょっと心許なかったな〜、、、。
闘牛士とジプシーは同じ6人(のはず、、)。こういうとき、気を吐いているのはやっぱり入戸野さん(笑)。ジプシーのエビ反りでは、頭と爪先がくっつきそうでした。

カーテンコールは、一部のダンサーが客席に下りてき賑やかに。舞台上では昨年に引き続き、木村キホーテが楽しく踊りまくります(笑)。さらに今回は、ロシナンテに向かって「行くぞ♪ 行くぞ♪」みたいな感じで挑発するように近づいていって、首根っこにガシッと抱きつく木村キホーテ。なんなんだよ、もう〜(笑)。非常に楽しそうでありました♪ ロシナンテとお嫁さん馬の中の人たちも顔を見せてくれるのが嬉しい。中の人の一人、樋口さん(たぶん)がピルエットを披露する場面も。客席に下りてきたファンダンゴの男子が、小さな女の子に恭しくひざまずいて握手していて、徹底してるな〜♪と。薄暗いし遠くてわからなかったんだけど、和田さんだったかな? 
どの場面か忘れたんですが、ロシナンテが捌け口を捉え損ねて暗幕にぶつかり、係の人が袖口で誘導してて、なんか和みました。あと、お嫁さん馬に出会ったときに、シピーンって姿勢がよくなるのが可愛い。結局、何をやっても可愛いロシナンテです。


あとは展開だけ簡単に。初演から構成はほとんど変わっていなかったと思います。最近、記憶力がなくて、、、。目黒でまた確認します。

プロローグ、客席の中扉からサンチョ・パンサとロシナンテが登場。ロシナンテの返答は、イエスのときは「ピンポーン」、ノーのときは「ブッブー」です。サンチョが解説をしている間、ロシナンテはゆっくりゆっくり通路の段差を下りてきます。そして、ツイッターのほうで教えてもらわなければ気付かなかったかもしれないんですが、ステージに顎を乗せて、なんかクタ〜っとしてるのが可愛いんですよ〜♪ 
舞台ではサンチョの解説に合わせて、キホーテ(正確にはキハーナ)と、バジルとキトリのエピソードが語られ、キハーナが旅立つまでの経緯を説明。なかなか重い腰を上げないロシナンテにサンチョが、「お前にもいいことがあるかもしれないぞ。お嫁さんとか♪」的なことを言うと、急にシピーンと姿勢を伸ばして、サンチョを置いてさっさと行こうとするロシナンテ。メイドが2人登場して、旅立ちの前のバタバタ感を演出(していたんだと思う)。その籠からニンジンを拝借してロシナンテにくわえさせるも、落ちてしまったのをサンチョが拾って退場。落ちたのはアクシデントかな? いよいよ音楽が始まり、本編へ。

野営地設置中の幕前では、サンチョとロシナンテが小芝居を。じゃばらのポンプをロシナンテが足で踏んで火を起こし、焚き火で腹ごしらえ。どうやらここでご当地ネタを入れることになったようで、この日は越谷のゆるキャラ(?)のサブレ(だったかな)が登場。そのご当地お菓子をロシナンテに優しく「あ〜ん」するふりをして、喉の奥にぶっ込むという小ネタも。そして転換の準備が整うと、焚き火セットを「早く片付けて〜」とばかりに、前足で蹴飛ばすお茶目なロシナンテでした。

今回も、風車に突進して行ったキホーテの身代わり人形は、袖からスタッフがポーンと投げ込みます。まあまあ上手く投げ込んでたんじゃないか、と。ここで転換のため暗転。暗闇の中でサンチョの声だけが聞こえます。「風車を巨人と間違えて突撃するなんて〜」とういような説明的な台詞があり、「はぁ〜、どうしよう、だんなさま〜」などと言いながら、幕前に出てきます。ロシナンテに水を探してくるように言い、サンチョは人を呼びに行くことに。キホーテを残して、夢の場の幕が上がります。

夢の場の最後に、何故かロシナンテが登場(乱入?)。初演のときも驚いたけど、わかっていてもやっぱり仰け反りそうになる(笑)。キホーテ老人も、ドリアードたちとロシナンテを何度も交互に見て、もう半ばパニック(笑)。あれかしら、夢を見ているときに、だんだんこれは夢だとわかってきて、現実と夢が混ざり合っているような、そんな感じなのかしら(違うか)。

再び幕前。倒れているキホーテのもとにサンチョとロシナンテが戻ってきます。サンチョに「水はあったか」と聞かれたロシナンテの返答は、確か「ブッブー」の否定音。巨大な体温計でキホーテの熱を測ったり。水もない、人もいない、キホーテの熱は下がらない、途方に暮れたサンチョの、「せめて、せめて、15分の休憩を下さい〜」で実際の休憩へ。

2幕は酒場から。狂言自殺を経て無事に結ばれる2人。酒場の場面の最後にロシナンテの恋人、お嫁さん馬が初登場したと思うんだけど、ここじゃなかったかしら。自分の記憶力のなさにがっかりします、本当、、、。そして、結婚式までの転換で、サンチョとロシナンテ、そしてお嫁さん馬のやりとりがあったはず。「行くぞ」って言ってるのになかなか動こうとしないロシナンテ。その後ろからお嫁さん馬が現れて、サンチョも「な〜んだ、そういうことか〜♪」と。ロシナンテとお嫁さん馬がくるくる回るのはどこだっけな〜、、、。
結婚式の幕が上がる前に、道行き。ロレンツォやガマーシュ、サンチョに続き、キホーテ老人がスローモーションのような、アニメのような(「カリオストロの城」のルパンというか)ジュテで横切ります。

そして結婚式。メルセデスはいないけどエスパーダの踊りはあるので、少しだけ違和感があると思ったのは私だけ? キトリの二人の友人のヴァリエーションは無し。衣裳も1幕のままです。友人のヴァリエーションは挟まないけど、グラン・パ・ド・ドゥから幕切れまでの流れはほぼ省略無しではないかと思います。河谷さんのグラン・フェッテは、前半はシングル−シングル−ダブルで、後半はオール・シングル。繋ぎの部分で踵が落ちてしまいましたが、ダブルを入れてくるとは思わなかったのでちょっと「おぉ」という感じでした。その後の全国公演では成功してたらいいな〜と。完全に応援モードです。
posted by uno at 14:57| Comment(0) | バレエ公演2016 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする