2016年01月22日

東京バレエバレエ団『ドン・キホーテ』【横浜】10月31日

東バの『ドン・キ』(横浜)の感想がどうしても書き終わりそうにないので、とりあえず途中だけどUPすることにしました。そうでもしないと、書いた部分までお蔵入りになる、、、。
この日はキューピッドの松倉さんが怪我のため降板して、キャストの変更がありました。

東京バレエ団『ドン・キホーテ』全2幕プロローグ付5場
2015年10月31日(土)14:00 神奈川県民ホール

【主な配役】

キトリ/ドゥルシネア姫:沖香菜子
バジル:梅澤紘貴
ドン・キホーテ:木村和夫
サンチョ・パンサ:氷室友
ガマーシュ:岡崎隼也
メルセデス:川島麻実子
エスパーダ:秋元康臣
ロレンツォ:永田雄大

【第1幕】
2人のキトリの友人:河谷まりあ - 二瓶加奈子
闘牛士:
  森川茉央、杉山優一、宮川新大、安田峻介
  松野乃知、原田祥博、岸本秀雄、宮崎大樹
若いジプシーの娘:奈良春夏
ドリアードの女王:三雲友里加
3人のドリアード:伝田陽美、政本絵美、崔美実
4人のドリアード:村上美香、岸本夏未、河合眞里、金子仁美
キューピッド:松倉真玲吉田早織

【第1幕】
ヴァリエーション1:河谷まりあ
ヴァリエーション2:二瓶加奈子

協力: 東京バレエ学校

指揮: 井田勝大
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

もう、と〜っても楽しかったです♪ 主演、ソリスト陣も皆よかったし、全員が緊張感を持って臨んでいるのが感じられました。集中はしてるんだけど余計な肩の力は入っていないというか、演じているダンサーたちが楽しそうなのがよかった。本当に、一体となって“とにかく楽しい『ドン・キ』”を作り上げていて、もう感激で胸がいっぱいのカーテンコールでした。

岩国で全幕主演を果たした沖&梅澤ペアが、ようやく首都圏で全幕お披露目となりました。因みに同ペアで8月に子ども版『ドン・キホーテの夢』、ベイサイド・バレエで1幕は踊っています。さらに梅澤さんは水香さんのガラで少しだけバジルを披露しました。岩国のデビューも忘れ難いけど、この日の2人も本当に素敵でした。
とてもスレンダーな梅澤さんですが、片手リフトや、一瞬両手を離すリフトなども、バンバン決めてくれます。サポートも優しくて丁寧。フワッと浮遊感があるのにシャープな跳躍。スピードと軸のぶれない安定感のある回転。ゆっくりと減速して正面でぴったりポーズする余裕もあります。高速の綺麗なシェネや、大きなマネージュなど、随所で魅せてくれました。ついに揺れる前髪まで味方に付け始めたな(♪)、と。本人の中ではきっとまだ不安だったり自信がない部分はあると思うんですが、それでも以前とは目に宿る力が違います。

沖さんは可愛い〜♪ チャーミングで表情豊かで溌剌として、生き生きとしたキトリを全身で表現していました。彼女も物語の中を生きることができる人だなぁ、と。クリアで、安定感のある軽やかな踊りは、違和感なくスッと受け入れることができます。見ていて、「あ、今のところ気になるな」と思う瞬間があまりないというか。スカートを揺らすキュートなキトリも、白のクラシックチュチュでキラキラしたドゥルシネアも、どちらも素敵でした。ドゥルシネアのときの清潔感のある佇まいは印象的。

2人の掛け合いも本当に息が合ってる。チャーミングで爽やかな、嫌味のない2人の熱々っぷりに、思わず笑顔になります。あぁそうか、バルセロナの街の人たちも、きっとこういう気持ちなんだな、と。彼らのことを微笑ましく見つめ、祝福し、なんだかんだと手助けしてあげたいと思う。だから、河谷さん演じるキトリの友人も、自分と踊りつつキトリに気を取られているバジルに対して怒るでもなく、「あらあら」と少し笑って肩をすくめてみせる。主演のダンサーを中心にまとまった舞台は、キトリとバジルを中心に進行する物語と重なるようでした。

そして、エスパーダです。プリンシパルとして入団した秋元康臣さんの初登場でした。秋元さんが東バに入団してからというもの、私のblogの検索ワードの常に上位に秋元さんの名前があります。やはり注目されてるんですね。で、その秋元さんですが、素敵でした〜。いやぁ、存在感ある。それは、まだ馴染んでないからとかではなくて、むしろ違和感なかったほうだと思います。あれならすぐに馴染むかもなぁ。彼の経歴から言えばプリンシパルで入団するのは当然とはいえ、実際に見たら納得のスターオーラでした。
私はおそらく初めて彼を見たんですが、思ってたより身長もあるし、身体つきもしっかりして厚みがある。そして、私が言うまでもないとは思いますが、すーごい踊れる〜。何て言うか、踊りに迫力がありました。体格のせいか(というほどマッチョではないけど)、テクニックか、オーラか、エスパーダ仕様なのか、理由はわかりませんが(あるいは全部か)、バシバシ風圧が来るような躍りでした。
格好良く踊るのがなかなか難しそうな酒場のソロですが、秋元さんはバッチリ踊りこなしていたと思います。余裕とさえ感じさせる不安のない踊りというのは、やはり清々しいものだなぁ、と。木村さんよりは、どちらかというと高岸さん寄りかな〜。踊りではなく、イメージが。

秋元さんと宮川さんの参入のせいか、闘牛士たちの気合いが違ったような気がします。いい意味で、「俺が、俺が」っていう主張の強さが感じられた。より高く、より格好良く、より良い踊りをしようという気概が感じられたというか。そして、その自己主張のおかげなのか、ダンサー自身の個性が役の個性にも繋がって、「闘牛士たち」という一括りではなく、それぞれが違う性格を持った登場人物に見えました。
宮川さんが既に馴染んでいることに、思わず笑ってしまった。闘牛士仲間や街の人たちと、ごく自然に、楽しげに絡んでました。サン・チョを即席トランポリンに乗せる係も担当(杉山さんと)。因みにキトリの2人の友人と踊っていたのは岸本さんと原田さん。パートナーは、二瓶ー岸本、河谷ー原田。河谷さんと原田さんの並びに、思わず子ども版『ねむり』の楽しかったのを思い出してしまった。松野さんも存在感を発揮していて、安心しました。
ジプシーも同様、気合い十分。バジルとエスパーダを先頭にジプシーたちが踊る場面は迫力があり、よく拍手が起こる場面ではあるんですが、この日も大きな拍手が送られました。

とりあえずこれだけ〜。
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2016年01月21日

<シルヴィ・ギエム ファイナル>【横浜】12月30日

<シルヴィ・ギエム ファイナル>【横浜】
2015年12月30日(木)16:00 神奈川県民ホール 大ホール

『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』
振付:ウィリアム・フォーサイス
音楽:トム・ウィレムス(レスリー・スタックとの共同制作)
演出・照明・衣裳:ウィリアム・フォーサイス
振付指導:キャサリン・ベネッツ

川島麻実子、渡辺理恵、秋元康臣
河合眞里、崔美実、高橋慈生、伝田陽美、松野乃知、吉川留衣

『TWO』
振付:ラッセル・マリファント
音楽:アンディ・カウトン 
照明デザイン:マイケル・ハルズ  

シルヴィ・ギエム

『ドリーム・タイム』
振付・演出 :イリ・キリアン
振付助手:エルケ・シェパース
音楽:武満徹 オーケストラのための「夢の時」(1981)
装置デザイン:ジョン・F. マクファーレン
衣裳デザイン:ジョン・F. マクファーレン
照明デザイン:イリ・キリアン(コンセプト)、ヨープ・カボルト(製作)
技術監督、装置・照明改訂:ケース・チェッベス

吉岡美佳、乾友子、小川ふみ
木村和夫、梅澤紘貴

『ボレロ』
振付:モーリス・ベジャール
音楽:モーリス・ラヴェル

シルヴィ・ギエム
森川茉央、杉山優一、永田雄大、岸本秀雄


とりあえず、自分のツイート貼り付けました。もう、自分用のメモみたいなもんなんですが、、、。「あのとき、なんて書いたっけな〜」と思ったときに、ツイートを遡るのは大変なので。

【ツイッターより】

シルヴィ・ギエム ファイナル横浜公演終了。いい公演だった…。円卓を降り、客席に背を向けてスクリーンに映し出された写真を見るギエムは、腕で涙を拭っていたようでした。彼女の晴れやかな笑顔とキラキラと光る瞳はきっと忘れません。
昨日のギエム・ファイナルでは入り口でペンライトが配られ、カーテンコールで使用するというサプライズ演出がありました。そのペンライトが終演後も消えずにバッグの中で光っていて、それがついに消えたときには、なんだか寂しさを覚えました。
東バの50周年、そして今回と、最近のギエムの『ボレロ』には、私は何故か叱咤激励されているような気持ちになります。「しっかりしなさい」と励まされているような気がする。私自身がそう思っているからかもしれないけど。
ペンライトは係りの合図で一斉に点灯することになっていたんだけど、緞帳が一旦閉まったところでちらほら点き初めて、結局合図を待たずにほぼ一斉に点灯してしまった。でも、あのタイミング皆が点けなければ、微妙な状態で緞帳が上がってしまったと思うので、仕方なかったのかな、と。
それとも、前方席の人には合図が見えていて、そこから雪崩式に点灯するのが狙いだったとか? 結局どんな合図が予定されていたのか、ちょっと気になります。
カーテンコールでは花束を渡す人が大勢。数十人はいたんじゃないだろうか。一人一人と握手して受けとるギエム。持ちきれなくなったギエムを見ながら、助けに行こうかどうしようか迷っている杉山さんが微笑ましかった。結局ギエムにお願いされて受け取りにいってた。
その後はソリストが順に受け取りにいって、円卓の上に置いていき、気が付けは円卓は花束でいっぱいに。花束を受け取りにいくのは決まっていたわけではないと思うんですが、ソリストたちは何故か一人ずつ順に受け取りに行ったんですよね。暗黙の流れなのかな。
背後のスクリーンに、ギエムへのメッセージと、彼女のこれまでの舞台写真が写し出されると、ギエムも円卓を降り客席に背を向けてそれをじっと見ていました。腕で涙を拭っているようだった。写真は彼女が日本で踊った演目を年代順に。BGMのエック振付『Bye』の音楽がまた感動的でした。

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少しだけ補足。
というわけで、翌日のジルベスターコンサートが本当のラストでしたが、私にとってはこれが最後の公演でした。なんとなく、ギエムは復帰しないような気がしているので、彼女が踊る姿を見るのは本当に本当に最後なのかもしれない、、、。泣かずに済むかなと思ったんですが、カーテンコールでこれまでのギエムの軌跡が写真で紹介されると、涙腺崩壊。『Bye』の音楽、ベートーヴェンのピアノ・ソナタがまた心に響きました。もちろん音楽自体も素敵なんだけど、それが『Bye』の音楽であったからです。ギエムのキャリアの終盤に、エックがこの『Bye』を振付けてくれたことは奇跡だな、と。それは偶然の奇跡ではなくて、必然の奇跡と言えるのではないか、と。そうやって彼女は、たくさんの奇跡を見せてくれた。彼女のキャリア、その選択、そして出会い、すべての様々なものが生み出した必然の奇跡を、今までたくさん見せてくれました。残念ながら私は、彼女の舞踊人生の半分も見ていません。それでも、彼女は私のバレエ(鑑賞)人生のスターです。
瞳を潤ませながらも、いつもどおりの親密感のある笑顔と颯爽とした佇まいでカーテンコールに応えるギエムは相変わらず格好良くて、その姿を焼き付けようとただただ見つめるだけでした。

水香さんの出演予定によると、横浜の『イン・ザ・ミドル』は水香チームになっていたんですが、川島チームが踊りました。私が見るのは東京の2日目以来でしたが、さらによくなってた! どこがって、上手く言えないんですが、作品全体の印象がよりクリアになった。それはきっと、舞台を踏むごとに作品が身体に浸透して、全員の精度が上がったからじゃないだろうか、と。きっと一人一人、一つ一つの精度が上がって、全体が上がったのではないかと思います。
ラストのパ・ド・ドゥでは、徐々に緊張感が増していって、いつしか何も考えずに見入っていると、スパーンとカットアウトで突き放される。東京の2日目で見たときも、川島さんと秋元さんのパ・ド・ドゥは、ラストに向けて緊張感が高まっていく様子が印象的だったけど、最終日は見事でした。あの、唐突に突き放される妙な心地よさは、高まった緊張感があってこそです。

相模大野の感想で書いた『ドリーム・タイム』の舞台装置について、少し記憶違いが。舞台後方に銀色っぽい紗幕が下がっていて、舞台には両サイドを残して白い床が敷かれています。その白い床が後方でめくれ上がっている。え〜っとつまり、、、白い絨毯を手前から奥にコロコロ〜と敷いた感じ?で、その絨毯の最後がクルっと丸まっていて、少し立ち上がっている感じです。銀の紗幕も下が少しめくれ上がるので、舞台の奥のほうにどこかに通ずる出口がある感じというか。あ〜、上手く言えなくてすみません。作品の冒頭でスーっとめくれ上がった紗幕が、最後にまたスーっと下りて来るので(確か)、どこかの入り口(もしくは出口)が開いて、最後にまた閉じていくような、不思議な世界観がありました。

流れとしては、冒頭の女性3人の踊りは無音。乾さんと梅澤さんのパ・ド・ドゥ辺りから音楽が入る。続いて美佳さんのソロがあって、小川さんと木村さんのパ・ド・ドゥ。梅澤さんのソロの後、美佳さん、木村さん、梅澤さんのトロワ。最後は再び女性3人に戻って、紗幕の下にうずくまって、幕。こういう感じだったと思います。
木村さんと美佳さんは、もう素敵なのは言うまでもなく。こういう作品は、テクニックも大事だけど、やはり詩情が大切だなぁ、と。踊りにつられてスカートが翻るだけで、何か語りかけてきたり、フッと腕を広げただけで、そこに世界が広がったり。そういう胸打つ瞬間を、私たちは待っているんだな、と。そして、乾さんの美しさも忘れがたい。

『ドリーム・タイム』の演に寄せてのイリ・キリアンからのメッセージがとても素敵だったので、貼っておこうと思います。
→ NBS 振付家イリ・キリアン 「ドリーム・タイム」再演に寄せて
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2016年01月17日

シュツットガルト・バレエ団<シュツットガルトの奇跡>11月18日

今更ですが、昨年のシュツットガルト・バレエ団<シュツットガルトの奇跡>の感想です。
今回のシュツットガルトの公演は、私はこのガラ公演だけ鑑賞。演目数16。知らない作品も多く、攻めのプログラムだなぁと格好良く思う反面、実のところ楽しめるか少し不安もあったんですが、と〜っても楽しかったです。興味深い、意欲的なプログラム、ダンサーたちの質の高いパフォーマンス。ガラ公演はこうでなくっちゃと思わせるものでした。3部構成の約3時間、飽きる瞬間なくあっという間でした。

シュツットガルト・バレエ団 <シュツットガルトの奇跡>
2015年11月18日(木)18:30 東京文化会館

【第1部】
『ボリショイに捧ぐ』
振付:ジョン・クランコ 
音楽:アレクサンドル・グラズノフ 
アリシア・アマトリアン、コンスタンティン・アレン

明るい照明。白いシンプルなレオタード。超絶リフトも淀みなく軽やかに舞う2人。その姿は実に晴れやかで、短い作品ながらとても印象的。羽が生えたように軽やかなアマトリアン。リフトの際、助走をつけてパートナーに飛び乗る姿にも、力みのないフワフワとした空気が漂います。小顔で長身、均整のとれた身体と長く美しい脚をしたアレン。踊りは柔らかく丁寧で、品のある佇まいが高感度大。ダンサーってなんて眩しくて美しいんだろうと思いながら見ていました。

『Ssss..』よりソロ
振付:エドワード・クルグ 
音楽:フレデリック・ショパン
衣裳・装置:トーマス・ミカ
照明:エドワード・クルグ
パブロ・フォン・シュテルネンフェルス
ピアノ: アラステア・バナーマン

とてもいいソロでした。舞台上、上手にグランドピアノ。月光の下で踊られているようなソロ。腕の細かな振付を実に流麗に踊るシュテルネンフェルス。そのムーヴメントと、彼が作り出す深遠な世界にとても惹き込まれた。作品もよかったけど、シュテルネンフェルスにとても惹かれました。他の作品も見てみたいです。カーテンコールで男性の野太いブラボーが飛んだのも印象的。

『リトル・モンスターズ』
振付:デミス・ヴォルピ 
音楽:エルヴィス・プレスリー
衣裳:カタリーナ・シュリップ
エリサ・バデネス、ダニエル・カマルゴ

エルヴィス・プレスリーの曲に乗せて、男女の関係が描かれるパ・ド・ドゥ。男性は黒のショートパンツのみ。女性は黒のパンツに上半身はベージュのレオタード。重なり合って立つ2人。前に立つカマルゴに隠れて、バデネスの姿はほとんど見えない。やがて彼女の腕だけが現れ、絡みつく様に踊り出す。複雑なサポートも流れるように自然で重力を感じさせない。右腕で抱えたバデネスの身体をクルリと回転させてキャッチするサポートなどが印象的。最後、舞台は左右真っ二つに照明で区切られ、女性が上手の奥に消えていき、続いて下手のカマルゴも背後の闇に消えていく。男女は決して相いれない世界にいるのかな、と思わせた。カマルゴもとてもきれいなダンサーで、汗に光る上半身が美しかったです。

『In 2』
振付:ファビオ・アドリジオ 
音楽:フィリップ・グラス
ミリアム・カセロヴァ、ロマン・ノヴィツキー
ピアノ : カテリーネ・シュミット

部分的に透け感のある、デザイン性のある黒のレオタード。舞台上の上手にグランドピアノ。静けさの中にも内面のエネルギーを感じるような、美しいパ・ド・ドゥ。振付のファビオ・アドリジオは現役のシュツットガルトのダンサーとのこと。

『心室』
振付:イツィク・ガリリ 
音楽:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
衣裳・照明:イツィク・ガリリ
フリーデマン・フォーゲル、ジェイソン・レイリー
ピアノ: アリーナ・ゴドゥノフ

無音の中、上手奥のスポットライトの中で見つめ合う2人。ピアニストはオーケストラピットの中で舞台に背を向けて座っていて、どうやってタイミングを取るんだろうと思ったら、ピアニストの目線の高さにモニターが設置されていて、彼女は終始そのモニターを確認しながら弾いていました。レイリーがそっとフォーゲルの頬に手を伸ばす。触れるのかと思った瞬間、頬を打つようにしてフォーゲルの身体を横に倒す。しなやかな動きで倒れるフォーゲル。平手打ちというよりは、触れてから押すという感じ。近づいては離れ、抱擁をすり抜け、拒絶しては追いかけ、足元にしがみつき、、、。繰り返される親愛と対立。対立しつつも、決して離れることはできないように思えたのは、冒頭の平手打ちがそうであるように、対立の中にも柔らかさ、優しさがあったからかも。二人の動きはとてもしなやかで、淀みなく流れるムーヴメントは、スローモーションのように細部まで完璧にコントロールされているようでした。

『バイト』
振付:カタジェナ・コジルスカ 
音楽:ガブリエル・プロコフィエフ
アンナ・オサチェンコ、コンスタンティン・アレン

緞帳が上がると、舞台いっぱいのスモークに天井から幾筋かのスポットライトが差し込む、深い地底のような不思議な世界が出現。ゴールドベージュのレオタードも、原始的なような未来的なような雰囲気で、どこか異世界。いや、たぶん異世界を表現しているわけじゃないと思うんですが、スモークとメタリックなレオタードのせいで、不思議な世界観を醸し出していました。で、私はそれが面白かった。2人の踊りは研ぎ澄まされていて、シャープでありながら流麗。緊張感のあるスリリングなパ・ド・ドゥでした。

【第2部】
『イニシャルR.B.M.E』第3楽章
振付:ジョン・クランコ 
音楽:ヨハネス・ブラームス
装置・衣裳:ユルゲン・ローゼ
アリシア・アマトリアン、フリーデマン・フォーゲル
エリザ・ギサルベルティ、アレクザンダー・マッゴーワン
エレナ・ブシュエヴァ、ジェイムズ・フィッシャー
アヤラ・イトゥリオス・リコ、タイトス・ジャンセン
アヌーク・ファン・デル・ヴァイデ、マテオ・クロッカード=ヴィラ
ジョアナ・ロマネイロ, マルティ・フェルナンデス・パシャ
フリア・ベルグア・オレロ、ファビオ・アドリジオ
ピアノ: マリア・キオショーヴァ

メインのカップルと、6組のカップル。「M」と題された第3楽章は、マリシア・ハイデのための楽章だそう。女性を頭上高くリフトした6組のカップルが上手から登場し、舞台中央に立つフォーゲルの両サイドを通り過ぎ、下手へと消えていきます。男性の頭上で女性が両腕を広げている姿は、まるでタンポポの綿毛のようで、風が綿毛を乗せてフォーゲルにそっと触れながら優しく通り過ぎるような、どこか懐かしくて美しい場面でした。それ以外でも、全体的に主演カップルとアンサンブルとの関わり方がとてもいいなと思いながら見ていました。
アマトリアンとフォーゲル、2人の親密で穏やかな関係に、なんだかジンとしました。そっと寄り添う2人。身長差があるので、アマトリアンはフォーゲルの胸の辺りにに額を寄せています。しばし寄り添った2人は、やがてゆっくりと見つめ合います。唇が触れそうなくらい近くで見つめ合う2人。そこには男女を超えた親愛がありました。
フォーゲルの板付きで始まるんですが、休憩前にも踊っていたので汗をかいてるのは仕方ないとしても、前髪が寝癖みたいにピンっとはねてるのが、なんともフォーゲルらしくて和みました(笑)。

『モペイ』
振付:マルコ・ゲッケ 
音楽:カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ
衣裳:マーク・ザッポーネ 
照明デザイン:ウド・ハバーラント
ロバート・ロビンソン

最初はビックリしたゲッケ作品だけど、すっかり馴染んでいる自分がいました。背中の雄弁さではフォーゲルに一票という感じでしたが、ロビンソンの人柄が感じられるような人間味のある『モペイ』で、とても面白かったです。

『ファンファーレLX』
振付・美術:ダグラス・リー
音楽:マイケル・ナイマン
アンナ・オサチェンコ、ジェイソン・レイリー

天井から吊るされた長い蛍光灯が灯る舞台。舞台中程よりも下まで下りてきていたと思います。なので、少し圧迫感のある空間。その下で、真っ赤な衣裳の2人が踊ります。ピアノの重低音と弦楽器のスリリングな響き(もしかしたらピアノじゃなくて大物系の弦楽器だったかも)。途中から管楽器も加わり、さらに緊張感のある響きに。見事なパートナーシップによるスリリングなパ・ド・ドゥで見応えがありました。

『魅惑』
振付:デミス・ヴォルピ 
音楽:ニーナ・シモン
ヒョ・ジョン・カン

ガラで女性のソロってちょっと珍しい。自らの手で身体をなぞり、美しいラインを強調してしっとりと踊る姿は、男性から見た色気という感じ。でも下品さはないし、女性から見ても美しい。

『じゃじゃ馬馴らし』よりパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ (シェイクスピアの原作に基づく)
音楽:ドメニコ・スカルラッティ 
編曲:クルト・ハインツ・シュトルツェ
装置・衣裳:エリザベス・ダルトン
エリサ・バデネス、ダニエル・カマルゴ

カマルゴ素敵〜♪♪ ザンレールの美しさに思わず拍手が。それ以外でも、ダイナミックな踊りに会場が沸きました。バデネスもキュートな乱暴者っぷりで憎めない。息もぴったり。最後、鼻をポンっと触ってヒシと抱き合う2人に、とっても幸せな気持ちになりました。是非彼らで全幕を見たくなった。

【第3部】
『伝説』
振付:ジョン・クランコ 
振付:ヘンリク・ヴィエニャフスキ
アリシア・アマトリアン、フリーデマン・フォーゲル

夏のバレエフェスでも踊られた作品。もう一度見たいと思っていたので、嬉しい。それぞれ両袖から登場して、舞台中央の円形の照明の周囲を対角線上に駆ける2人。なんとなく、引き寄せられた隕石が軌道に乗ったようなイメージ。深遠で、詩情溢れるノスタルジックな作品。やがて円形の照明を挟んで対峙すると、アマトリアンがフォーゲルに向って走っていってリフト。最後も同様のリフトで暗転。『イニシャルR.B.M.E』のときとは違い、終止笑顔の2人。舞台をゴロゴロ転がりながら、踊るアマトリアンを楽しげに見つめるフォーゲルが可愛い。カテコでアマトリアンの手にキス。で、おでこゴツンて、可愛すぎるでしょ(笑)。

『同じ大きさ?』
振付:ロマン・ノヴィツキー 
音楽:ハズマット・モディーン
マテオ・クロッカード=ヴィラ、ルイス・シュティンス、
アレクザンダー・マッゴーワン


緞帳が上がる前からドタバタと足音がして、スタッフの歩く音?と思ったら、それも演出でした。緞帳が上がると、一人ずつ四角い照明の中にいて、その場で駆け足をしています。3人は互いの様子を伺いながら、ときにヘコタレ、ときに追い越し追い越され、息を切らせながら縦横無尽に踊ります。その一生懸命でコミカルな様子に、会場も暖かい空気になる。まるで、若い3人のダンサーが互いに切磋琢磨しながらも楽しい日々を送っているような、そんな印象も抱きました。若者3人の愉快なパフォーマンスに大きな拍手。3人の中ではやや背の低いダンサーがちょっと気になるダンサーでした。たぶんルイス・シュティンスだと思うんだけど。

『ホルベアの時代より』
振付:ジョン・クランコ 
音楽:エドヴァルド・グリーグ
ミリアム・カセロヴァ、コンスタンティン・アレン

ブルーのグラデーションのシンプルなレオタード。アレンは腕が長いのかも。エレガントで美しい腕が印象的。細かな脚捌きも美しい。カセロヴァは可憐な雰囲気。瑞々しい2人による、爽やかで美しいパドドゥでした。

『モノ・リサ』
振付:イツィク・ガリリ
音楽コンセプト・作曲:トーマス・ヘフス、イツィク・ガリリ
装置:イツィク・ガリリ
衣裳:ナターシャ・ランセン
照明デザイン: イツィク・ガリリ
ヒョ・ジョン・カン、ジェイソン・レイリー

本来なら見えないはずの、照明を吊るしているバー(?)が、観客に見える位置まで下がってきている状態(4本)。そのため、舞台床面には光と影のボーダーが出現。レイリーが格好いい。カンもしなやかでクール。女性らしさもありよかった。途中でレイリーがおもむろに上半身を脱ぎ出して、脱いだ衣装をサッと投げ捨てるんですが、その瞬間が猛烈に格好いい。上半身を脱ぐのは、何か意味があるんだろうか。わからないけど、ただただ格好よかったです。

『ドン・キホーテ』よりパ・ド・ドゥ
振付:マキシミリアーノ・グエラ 
音楽:ルトヴィク・ミンクス
装置・衣裳:ラモン・B. イヴァルス
照明デザイン:オッリ=ペッカ・コイヴネン
エリサ・バデネス、ダニエル・カマルゴ

エネルギッシュで、実に堂々とした大人のドン・キで、とっても素敵でした。赤と黒の衣裳は、渋めの色合いの赤がとても素敵。女性は、赤いチュチュの裏(中?)が黒だったのも、私的にお気に入りでした。オケも大音量で盛り上げる。ラストのカマルゴのポーズの、なんとバジルらしくて様になることか。

指揮:ジェームズ・タグル、ヴォルフガング・ハインツ  
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
『リトル・モンスターズ』『バイト』『魅惑』『同じ大きさ?』『モノ・リサ』は特別録音による音源を使用
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2015年12月17日

<シルヴィ・ギエム ファイナル> 【相模大野】 12月10日

<シルヴィ・ギエム ファイナル> 【相模大野】
2015年12月10日(木)19:00 会場:相模女子大学グリーンホール

『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』
振付:ウィリアム・フォーサイス
音楽:トム・ウィレムス(レスリー・スタックとの共同制作)
演出・照明・衣裳:ウィリアム・フォーサイス
振付指導:キャサリン・ベネッツ

上野水香、奈良春夏、柄本弾
河合眞里、川淵瞳、入戸野伊織、二瓶可奈子、原田祥博、三雲友里加

『TWO』
振付:ラッセル・マリファント
音楽:アンディ・カウトン
照明デザイン:マイケル・ハルズ

シルヴィ・ギエム

『ドリーム・タイム』
振付:イリ・キリアン
音楽:武満徹 オーケストラのための『夢の時』(1981)
装置デザイン:ジョン・F.マクファーレン
衣裳デザイン:ジョン・F.マクファーレン
照明デザイン:イリ・キリアン(コンセプト)、ヨープ・ガボルト(製作)
技術監督、装置・照明改訂:ケース・チェッペス

吉川留衣、川島麻実子、政本絵美
松野乃知、岸本秀雄

東京公演を見に行く前に、とりあえずツイッター貼り付け感想です。そうでもしないと何もUPせずに終ってしまいそうで、、、。

【ツイッターより】

ギエム、相模大野公演終了。まだツアーの序盤だからかもしれないけど、爽やかな幕切れだった。あのいつものギエムの笑顔を見てたら、引退公演だけど「サヨナラ」じゃないなって気がしました。
大袈裟かもしれないけど、ギエムも私たちも、これからも人生は続いていくんだから、終わりだけど終わりじゃないなっていうか。彼女の力強い踊りと、力強い目が、常に前を向いているようで、上手い言葉が見付からないんだけど、なんか元気をもらった気がしました。
TWOもボレロも、踊りが身体に染み込んでいるように自然なのに、そこにはマンネリ感などは一切なくて、未だ細部に至るまで研ぎ澄まされた新鮮さに満ちていました。
TWOのあまりの完璧な格好よさに、久々にシビれた。初めて見たときの衝撃を思い出したりしました。あの時は、何が起こったのかわからないままあっという間終わってしまって、その面白さがわかったのは2回目以降だったような気がします。それ以外にも、なんか色々なことが頭を過ったなぁ。
そして、なんとも真っさらなボレロ。削ぎ落として削ぎ落として、シャープになったというよりはピュアになった。リズムとの一体感も最初からあって、とてもいい『ボレロ』でした。
梅澤さんがリズムのソリストを踊るの、久々に見た気がする。カテコで最っ高の笑顔をしてました♪
東バにとって『イン・ザ・ミドル』は初演、『ドリーム・タイム』は15年振りの上演。こういう、東バにとって挑戦となるようなコンテに挑んだときの、あのなんとも言えないフワッとした空気が漂う舞台は、なんだか懐かしくて新鮮でした。伝わりますかね〜、あのフワッとした感じ。
『イン・ザ・ミドル』、奈良さんが素敵♪ そして三雲さんと川淵さんも印象的。水香さんて、意外と無機質なタイプではないんだな〜、と。『ドリーム・タイム』は音楽、衣裳、装置、どれも素敵。筋はないけど不思議と筋が通っている不思議な夢を端から見てるような、美しく詩情ある作品。

昨日、ギエムの手を取る梅澤さんが、「光栄です!」みたにいに表情を輝かせていたのが印象的だったんだけど、そういえば梅澤さんがギエムの隣に並ぶことってあまりなかったのかも。
『ボレロ』のメロディとリズムが一体となって見えるときって(こちらのコンディションもあるのかもしれないけど)、自然とメロディとリズムが一緒に視界に入ってくるんですよね。それはオペラグラスでも同様で、ピントがどちらか片方に合っていたとしても、もう片方もフレームに入ってくるんです。
リズム越しのギエムとか、逆にリズムを見ているときでも、その向こうに確かにギエムが存在したり。昨日、オペラグラスでギエムにピントが合った瞬間、手前に梅澤さんが入り込んでいる構図がとても美しくて、こういうのいいなぁって、妙に思ったんです。
昨日の相模大野も2階席までスタンディングオベーション。最後の最後にギエムが手を振ると、観客も一斉に手を振ったので、拍手がフッとやんで、和やかな笑いが起こった。こうやってギエムは、これから各会場で満場のスタオベを受けるんだろうなぁと、思わず彼女の旅路に想いを馳せました。

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以下、少し補足。

というわけで、ツアー2日目。まだまだ序盤の相模大野公演でした。見る前は、少し感傷的になっていたんですが、なんとも爽やかで前向きな幕切れに感じました。カーテンコールでのギエムの、あの親密感のある笑顔は何度見ても素敵です。胸に手を当て、何度も何度も客席にお礼を言っていたギエム。私も、最後に心に浮かんだのは感謝の言葉でした。

『TWO』は短いながらもインパクトのある作品。でも、誰が踊ってもあれほどの印象を残すわけではないんだろうな。圧巻の後半は言うまでもなく、ゆっくりと踊る序盤も尋常でない吸引力があり、その一挙一動から目が離せない。まるで後半の展開を予測して、丁寧に身体の軌道を確認するかのように踊る前半はとても面白い。そして、光に進入した部分(手先、足先)だけをキラキラと閃かせ、鮮やかな残像を描いて踊る終盤は圧巻の一言。完璧にコントロールされたブレのない踊りは、それだけでも陶酔感があります。

初めてギエムの『ボレロ』を見たときは(私の場合は2003年のバレンボイムとの奇跡の響演でした)、まさに孤高のダンサーの佇まいで、近寄りがたい圧倒的なオーラを放っていたギエムでしたが、なんて近くに降りてきてくれたんだろう、と。一切の邪念のない、ピュアな佇まい。明確なメッセージがあるわけじゃなくても、丁寧に純粋に踊ることで、何か心に響くものがあるのではないか。自分をさらけ出すことで何か届くものがあるのではないか。それは、表現とはまた次元の違う境地のような気がして、すごい人だなぁと。
ソリストの最初の2人が立ち上がるところから、明確に左右の2人に視線を投げかけていたギエム。その後も、円卓の下のリズムたちとコンタクトを取りながら踊っていました。円卓の上のギエムと目が合うのって、どんな気分だろう。味わったことのあるダンサーは幸福だなぁ、などと思ってしまいました。
ラスト、前方に力強く腕を差し出すギエムの目は本当に真っ直ぐで、澄んだ美しさに溢れていて、胸がいっぱいになりました。

東バ初演の『イン・ザ・ミドル』。舞台の中空に何やら吊り下げられている。よく見ると金色のさくらんぼでした。不思議な緊張感と違和感と、あとちょっと可愛かった。ちょっと可愛いのは狙いなのか、それともさくらんぼに何か意味があるのか、そこまではわからず。プログラムに書いてあるかしら(まだ買ってない)。レッスンの延長のように、スッと素に戻って歩き出したりする。あの少し気だるい感じの歩き方なんかは、海外のダンサーのほうが様になってるかな〜と。私は最後のパ・ド・ドゥしか見たことがなく、全編を見るのは初めてだったのでなんとも言えないんですが、全体的に悪くなかったと思います。踊りこめば、もっとのびしろはあると思いました。入戸野さんが気を吐いてた。

『ドリーム・タイム』はとても美しい作品。舞台後方に吊るされた銀色っぽい紗幕が、3分の1くらい巻き上げられたところで静止。その向こうにも微妙な色合いの幕が下げられていて、照明も相まって美しい舞台空間を生み出していました。男性二人と女性一人で踊られるパ・ド・トロワがやはり印象的。川島さんが実に堂々としていて、真ん中オーラがまた少し増した気がする。それはカーテンコールでも同様。美佳さんと木村さんと梅澤さんの組み合わせが見られなかったら泣くな、、、。
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2015年10月15日

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』【静岡】10月10日(土)午後の部

東京バレエ団 子どもためのバレエ『ねむれる森の美女』【静岡】
2015年10月10日(土)15:00 静岡市民文化会館

【主な配役】

オーロラ姫:上野水香
デジレ王子:木村和夫
リラの精:二瓶加奈子
カラボス:川島麻実子
カタラビュット(式典長):氷室友
王さま:永田雄大
王妃さま:小川ふみ

<プロローグ・第1幕>
乳母:最上奈々
優しさの精:上田実歩
やんちゃの精:片岡千尋
気前よさの精:平松華子
のんきの精:松倉真玲
度胸の精:金子仁美
4人の王子:
  森川茉央、宮川新大、安田峻介、入戸野伊織
オーロラの友人:
  三雲友里加、加茂雅子、政本絵美、加藤くるみ

<第2幕>
フロリナ王女と青い鳥:金子仁美、岡崎隼也
白い猫と長靴をはいた猫:平松華子、吉田蓮
赤ずきんとおおかみ:松倉真玲、森川茉央
シンデレラとフォーチュン王子:加藤くるみ、宮川新大
白雪姫:政本絵美

東バ子ども『ねむり』静岡公演、午後の部は水香さんと木村さんです。

水香さんが子ども版を踊るという、珍しい公演(目黒の他、海外公演でも踊っているようですが)。しかし、もちろん私にとっては木村さんがデジレ王子を踊るという貴重な貴重な舞台でした。『眠り』のGPDDを踊る木村さんを見るのはこれが最後かもしれないと思ったら、ヴァリエーションの後、なんだか涙が出てきました。ご本人は、いたって楽しそうでしたが(♪)。
今回妙に感じたのは、これがプリンシパルってことなのかな〜ということです。水香さんも木村さんも、もうステージが違う。たくさんいる中でキラリと光るとか、頭一つ飛び出た感があるとかではなく、もう歴然と存在感が違います。流石の一言でした。

カタラビュットの氷室さんは、冒頭の解説も堂に入ったものです。初演時、3人のカタラビュットが演じたときには、それぞれに特徴があり、もうちょっとあれこれ喋ったと思うんですが、最近はほぼ同じ内容で整理されましたね。午後の部では、カタラビュットの「こんにちは〜!」に対する反応がこれまでになく薄くて、思わず氷室さんが「おぉっと」とコケる場面がありました。もしかしたら、水香さんや木村さんが踊るということで、普段よりも大人の観客が多かったのかな〜なんて思いました。目黒では脚立から落ちてしまった氷室さん。脚立に乗る姿が慎重に見えたのは気のせいでしょうか。

水香さんのオーロラの衣裳は、彼女仕様でしょうか。他のダンサーの子ども版とは違いました。全体は淡いピンクで、チュチュの縁はピンクベージュのレース。胸元からウエストにかけての刺繍は深めのブラウンと金糸という、なかなか可愛い衣裳でした。前髪を下ろしていなかったのが、私的にはポイントが高い。GPDDのときには、少しだけ前髪を作って、カールさせていました。
やっぱり華があるよな〜、と。踊りはもちろんなんですが、そのプリンシパルとしての存在感は流石でした。ローズアダージオで登場してすぐ、上手から下手へ舞台を斜めに踊るところで、ジュテを他のステップに変えて踊っていたのは、何か理由があったんでしょうか。どこか痛めてるのかな?と心配になったんですが、その後はいつもどおり問題なく踊っていたので、そういうわけではなさそうでした。

2幕から登場する木村さんを、なんとも言えない気持ちで待つ15分休憩でした。楽しみなような、寂しいような、、、。
狩りの場の紺の衣裳も素敵でした♪ 柔らかな物腰と、品のある佇まい。周囲を下がらせる態度にも、威圧的ではないけど説得力があり、高貴な身分が自然と窺えるよう。物思いに沈む姿が似合うな〜。そして、オーロラの幻影に魅せられ、道行きの狭いスペースを狭しと踊る。あの短い時間で、こちらのほうが胸がいっぱいになりましたよ。
「流れ」のようなものを感じました。踊りも芝居も、佇まいも、すべてが淀みなく圧倒的に説得力がある。すべてが分ち難く一体となって流れのように訴えかけてくる。それはときに心地よく、ときに心躍り、ときに切なく。それが、プリンシパルとして舞台に立ち続けてきた人の力なのかもしれないと思いました。
あの、GPDDのヴァリエーションの音楽に乗って、スパンスパン踊りを決めていく木村さんにウットリ♪ できればもっと広い舞台で踊らせてあげたかった〜。水香さんと2人、ラストに向けて高揚感を高めていく様子は流石でした。音楽が終わった瞬間に自然と拍手の手が持ち上がる、あの高揚感がなんとも言えないんです。
なんか、集中して見つめすぎて、あっという間に終わってしまった(苦笑)。ご本人が楽しそうなのが何よりでした。最後かもと覚悟はしているけど、またデジレ王子見たいなぁ、、、。

リラの精の二瓶さんは安定した踊りと佇まい。思ってたより身長あるかも。川島さんのカラボスが美しい。以前よりも胸を寄せて上げてたような?(午前の伝田さんも) 衣裳は変わってないと思うんだけど、この日はいつもより胸元に目がいきました。カラボスの女性らしさが出て、悪くないなぁと思ったんですが、気のせいかしら。川島さんはメイクも美しさを大事に。その美貌とエレガントな佇まいで周囲を圧倒していたカラボスが、リラの精が登場により動揺する。本当は自分に自信がないのかな〜って。仲間内で1・2を争う美人だったけど、そのキャラクターでリラの精のほうがみんなに愛されていて、 どうして彼女と同じ時代に生まれてしまったんだろうみたいな、勝手なサイドストーリーを想像してしまいました。それは、川島さんがやはりとても女性らしいカラボスだったからかもしれません。

新ソリストの宮川さんんが午後の部に登場。まずは1幕で4人の王子です。ああ、これは踊れるわ〜。登場一番、国王にレベランスする爪先が目を引く。柔らかくて綺麗な爪先。アントルシャのときの爪先なんて、クワガタみたいに内側にピキーンってなってました。丁寧で、広がりのあるいい踊りでした。技術もあると思うんですが、落ち着いた佇まいも印象的。慣れてるというか、自然で、存在感もあった。2幕のフォーチュン王子でも伸び伸び踊ってました。サポートも問題なさそう。背も高いし。これからどう起用されていくのか、気になるところです。

午後の部も、午前と同じくらいの客数だったと思います。通路より前はほぼ満席。通路より後ろは2〜3列は埋まっているものの、後方はガラガラ。水香さんが踊る午後のほうが埋まると思ったんですが、ほとんど変わりませんでした。静岡が出身地の川島さんは、午後の練り歩きでも大人気。またしてもなかなか退場できないことに。今度は後ろに木村さんと水香さんもいたので、3人とも退場できなくなってしまい、NBSの方が収拾に乗り出してなんとか退場していきました。
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2015年10月12日

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』【静岡】10月10日(土)午前の部

東京バレエ団、子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』静岡公演に行ってまいりました。午前・午後の部とも、とっても楽しかったです。全国公演だと東バの公式にキャスト表がUPされないので、自分のツイート貼り付けました。そのうちちゃんと書くかも(書かないかも)。あれこれ考えるとなかなか感想が進まないので、ツイッターでつぶやく気持ちで書いてみました〜。まずは午前の部だけ。

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』【静岡】
2015年10月10日(土)11:30/15:00 静岡市民文化会館

→ 主な配役

【午前の部】
午前の部は、マラーホフの『眠り』でも共演した川島さんと岸本さん。とっても素敵でした〜♪ 二人とも、もう安心して見ていられる感じ。ブルメイステル版の『白鳥』がますます楽しみになってきました。川島さんが少し痩せたようで、心配に、、、。GPDDの終盤、ややスタミナ切れした感じがしたのは気のせいでしょうか。ローズアダージオの登場してすぐの踊りで、川島さんのジュテの軽やかさにウットリ。同じところで、水香さんはジュテをしないで別のステップにしてたんだけど、何か理由があるのか、自分流に踊っただけなのか、ちょっと気になりました。プロムナードでは、最後の回転をする時間がなく、そのままフィニッシュ。落ち着いた踊りで、キラキラしてて、本当に素敵だった。
岸本さんはとってもノーブル。以前より舞台姿が大きく見えます。コンテもいいけど、古典の王子役でビシッときめてきた(髪形も)岸本さんも素敵です。妙な落ち着きがあるというか、不思議な包容力があります。弾さんはとても頼もしいけど、包容力とは少し違う気がする。跳躍はフワッと高くて柔らか、着地はしなやか。回転も安定。踊りも立ち居振舞いも、すべてがエレガントで、これ見よがしな空気が一切ない。GPDDでは、川島さんをサポートしながら、彼女の踊りに合わせて表情や顔の角度、視線の方向などを迷いなく変えていく岸本さんに感心しきり。視線を交わし、呼吸を合わせ、美しいユニゾンで踊る二人に胸がいっぱいになりました。
順々に時間をかけて、ついにここまで来た川島さん。マラーホフやルグリもその可能性に言及し、あっという間に期待に応えた岸本さん。二人ともこのままずっと応援していけるといいなぁと深く思いました。

伝田さんのカラボスが最高♪ もうなんか特殊メイクみたいになってた(笑)。眉毛はかなり上の方に描いて誇張され、遠目だと元の目がわからないくらいのアイメイク。キャラ立ってるな〜。王妃の榊さんは若いと思うんだけど、なかなか王妃がハマってたなぁ、と。若く美しい母親という感じで、『白鳥』の王妃とかも似合いそう(やってましたっけ?)。最近、若手の女の子たちの顔がなかなか判別できなくて、妖精たちを衣装の色で判別しようとするんだけど、踊っているうちに出てきた色の順番がわからなくなってしまい、結局誰が誰かわからなくなる、、、。やっと中川さんや安西さん、崔さん、川淵さんなどはわかるようになってきたんだけど。
フロリナ王女の中川さんが素敵。足が長いのか、腰の位置が高いのか、いずれにしても硬質な感じのする(踊りが硬いという意味ではありません)美しい脚が印象的。ポジションも綺麗。そして青い鳥の入戸野さんの着地音の無さ! 跳躍が綺麗ですね。長靴をはいた猫の野尻さんも着地音がしなくて驚いた。キャラも可愛い。杉山さんは髪切った? やっぱり杉山さんのフォーチュン王子はいいな〜。なんだろう、杉山さんが踊るとすごく幸福感があるんですよね。それも、どこか切ない幸福感。ふと思ったんだけど、心に何か満たされないものがある、埋めても埋めても埋まらない何かがある、そんな空気感のあるダンサーがフォーチュン王子には合ってるんじゃないか〜、と。やっとシンデレラに巡り会えた、その喜びがどうしようもなく溢れる気がするんです。

客席は、通路の前(20列目まで)はサイドまでほぼビッシリ埋まっていたんですが、通路より後ろは2〜3列は埋まっているものの、後方はガラガラ。たぶんですが、2階席は使っていなかったと思います。登場人物が客席を練り歩くフィナーレで、目黒では2階席に登場するカタラビュットが1階席に出てきていたし。静岡は川島さんの地元とのことで、練り歩きでも大人気♪ 中扉から退場しようにも、大人やら子どもやらに捕まってなかなか退場できない。全員退場しちゃっても岸本さんだけは最後まで付き合って、ちゃんと川島さんをエスコートして扉の向こうに消えていきました。姿が見えなくなるまで手を振る二人に、なんだか幸せな気持ちになりました。
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2015年09月27日

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』8月23日(日)13:00

だいぶ経ちましたが、東バ子ども版『ねむり』の感想です。ツイート張り付けがほとんどで、付け足しはちょこっとです。まとまってると、あとで自分が助かるので。私が見たのは13時の公演のみです〜。

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』
2015年8月23日(日)13:00 めぐろパーシモンホール

【主な配役】

オーロラ姫:河谷まりあ
デジレ王子:原田祥博
リラの精:政本絵美
カラボス:加茂雅子
カタラビュット(式典長):氷室友
王さま:永田雄大
王妃さま:小川ふみ

<プロローグ・第1幕>
乳母:最上奈々
優しさの精:上田実歩
やんちゃの精:片岡千尋
気前よさの精:平松華子
のんきの精:松倉真玲
度胸の精:金子仁美
4人の王子:森川茉央、安田峻介、宮崎大樹、入戸野伊織
オーロラの友人:伝田陽美、川淵瞳、二瓶加奈子、加藤くるみ

<第2幕>
フロリナ王女と青い鳥:金子仁美、岡崎隼也
白い猫と長靴をはいた猫:平松華子、吉田蓮
赤ずきんとおおかみ:松倉真玲、森川茉央
シンデレラとフォーチュン王子:加藤くるみ、安田峻介
白雪姫:二瓶加奈子

協力:東京バレエ学校/akiko ballet academy/アコバレエスタジオ/荒井文恵バレエ教室
祥子バレヱ研究所/STUDIO SD.S/服部彩子バレエクラス/バレエワークスR

【ツイッターより】

東京バレエ団<子どものための『ねむり』>、13時の回を見てきました。河谷まりあさんの、とっても素敵なオーロラデビューでした♪ 会場の「待ってました感」がとても高く、応援されてるんだなぁと感激。
河谷さんは、見ていると自然に笑顔になっしまうような幸福感溢れる踊り。軽やかなステップ、歌うようなアームス。16才の誕生日を迎えた少女の喜びと、踊ることへの彼女の喜びとが一つになったようなローズアダージオでした。
可憐なイメージのある河谷さんですが、甘やかなだけでなく、メリハリのある踊りをします。心地よい緩急がある。回転やバランスなど、テクニックも安定。でも何より、踊りの端々に意思を感じるから好きです。
デジレ王子の原田さんもとてもよかったです〜。思ったよりちゃんと王子さまでした。いついかなる時も、綺麗なポジションで立つことを心がける姿に感心。
原田さん、きっとまだ課題もあると思うんですが、なんていうか、自分の得意不得意をきちんと理解していて、バランスをとって上手く見せてくれたなという印象。落ち着きがあるというか。
課題はあるにせよ、サポートが上手だというのはかなりポイントが高い。ヒヤヒヤさせるようなことがなく、河谷さんを綺麗に踊らせてくれました。フィッシュダイブも安心。二人のユニゾンも揃っていて、そういう細かなところからも幸福感を生み出していたと思います。


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配られた配役表では、4人の王子とフォーチュン王子に和田康佑さんが配役されていたんですが、理由はわかりませんがキャスト変更があったようです。

待ちに待った河谷さんのオーロラデビューです。子ども版とはいえ、本当に嬉しい。ノイマイヤーの『ロミジュリ』を怪我で降板しなければならなかったことが、まだ昨日のことのように残念で仕方がありません。彼女の登場を迎える大きな拍手は、待っていた人の多さを実感させるものがありました。そんな彼女のデビューを支えた原田さん。彼自身も緊張のデビューのはずなんですが、丁寧に河谷さんを支える姿が印象的でした。河谷さんとの場面以外でも、常に王子たらんとする丁寧な姿に感心しました。配役が発表されたときには、王子キャラではないかな〜と思ったんですが、見事に裏切ってくれた。実に落ち着いていました。

リラの精の政本さんが美しかったです〜♪ スラリとした優雅な肢体。ゆったりとした、柔らかな踊り。なにものにも染まっていない、ピュアな存在感が印象的でした。カラボスの加茂さんもとてもよかったんだけど、これまでのカラボスたちに比べると、やや控えめだったかも。
白雪姫と小人の踊りで、カタラビュットが脚立に乗って小人たちの数を数える場面があるんですが、脚立がきちんと開いておらず、氷室さんが脚立もろとも後方に倒れるアクシデントがありました。すぐに脚立を持って袖に引っ込んだ氷室さん。このあと出てこなかったらどうしよう・・・と心配になったんですが、何事もなくいつも通りに最後まで演じていて、ホッとしました。
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2015年09月16日

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』8月22日(土)11:30

東京バレエ団<子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』>の感想です。ツイート貼り付けと、少し補足。私が見たのは11:30の公演のみです。たぶん、今後少しずつ整理・改良がなされるんじゃないかな〜と。『ねむり』もそうだったし。『ねむり』は衣裳も少しずつ新調されましたが、『ドン・キ』は通常版のものをそのまま使えるので、その辺は便利ですよね。

【ツイッターより】

東京バレエ団、子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』午前の公演終了。楽しかった〜! 初演のいい意味でのバタバタ感がまたいい♪
東バ『ドン・キ』、開演前に目黒区長の挨拶あり。終演は予定の10分押しの13:10。
ロシナンテ、可愛かったなぁ。中の人もカテコに出てきてくれました。しかし、カテコで急に陽気に踊りまくる木村キホーテに吹き出しそうに。キャラ崩壊(笑)。
沖さんと梅澤さん、二人の息はピッタリでいい雰囲気だし、踊りでも盛り上げてくれたし、本当に楽しかった。エスパーダがあそこまで活躍するなら、やっぱりパートナーのメルセデスもいたほうが華やかなのにな〜、と。踊りは少なくても、華やかだし舞台経験にもなるし(大きなお世話だと思いますが)。
楽しいはずの『ドン・キ』なのにときどき涙ぐむのは、東バが好きだからですかね(苦笑)。秋元さんの入団はもちろん楽しみだし、最初に何を踊ってくれるのかワクワクする部分もあるんですが、GPDDで涙ぐんだりはしないのかもな、と。
梅澤さんはまた一回り大きくなったような気がするな〜。存在感も踊りも。腕や脚が切り取る空間が、フワッと大きくて柔らかい。ジャンプも回転もより磨きがかかってるし。ここまできたんだから、本当、頑張ってほしい。応援してるので。
子ども『ねむり』の休憩への入りはよくできてるなぁといつも思うんだけど、『ドン・キ』もよかった。倒れているキホーテと途方に暮れるサンチョ。「水もない。誰もいない。せめて、せめて、せめて、、、15分の休憩があれば〜」って(笑)。途中からピンときて、吹き出しそうになりました。
闘牛士=ジプシーの6人。身長高め男子が増えたなぁ、と。一人見慣れない感じの人が古道さんだったんだな。ジプシーの踊り、こういう時に気を吐いているのは入戸野さん。そういえば、メルセデス、ドリアードの女王、ジプシーの娘と、女性の役柄をバッサリ切ったな(苦笑)。
人形劇は有り。キトリたちが変装するところをちゃんと見せてくれる。本来なら風車から落ちてくるキホーテ人形は、スタッフが袖からボトっと投げてました。袖から投げるなら、本人が倒れ込んでもよかったのでは(笑)。
キホーテ老人が、ドゥルシネアのヴァリエーション中に手を取るなどして絡む。三人、四人のドリアードは無し。代わり?じゃないけど、子役のキューピッドたちが登場。
ところが! 夢の場の最後に、馬のロシナンテが上手からパッカパッカ登場。えぇ!?と思ったのは観客もキホーテも同じ(笑)。「お、お前、どうしてここに!?」なキホーテ老人。
ドリアードたちとロシナンテを交互に見て、頭を抱えるキホーテ。ドリアードたちにウットリ〜♪……でも右を向くと馬! 夢と現実が交錯してました。


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あとは覚えている限り場面の進行を書いておこうかな、と。もうほとんど忘れかけてるけど、、、。

下手側の中扉から、サン・チョパンサと馬のロシナンテが登場。ロシナンテは2人のダンサーが入っています。ロシナンテ、階段どうするんだろうと思ったら、ちゃんと客席の間の階段を下りてきました。サン・チョパンサが物語の解説をしている間、舞台では実際にダンサーたちがプロローグの場面を再現しています。
サン・チョが客席に向って、
「この主人公の名前、知ってますか〜?」的なお決まりの質問をする。
もちろん子どもたちは、
「ドン・キホーテ〜」と元気よく答える(「オーロラ姫〜!」ほど元気はなかったけど)。
ところが予想外にも「ブッブー(不正解の音)」! 
正解は・・・忘れてしまったんですが、ウィキペディアで調べたところ、「アロンソ・キハーノ」。
とういわけで、舞台上の木村さんも白髪のドン・キホーテではなく、騎士道物語に魅せられたキハーノという設定。机いっぱいに本を積み、あっちの本、こっちの本という具合に読み漁り、感銘を受けます。ウィッグ無しの素の木村さんは、手当たり次第に本を読み胸を焦がしている様子がよく似合う。
通常のプロローグ(ワシーリエフ版)と同様、キハーノのもとには床屋のバジルと恋人のキトリが訪れていて、キューピッドも登場してキハーノに弓を放ち、キハーノが身支度を整えて旅に出るところまで、サン・チョパンサの解説で描かれます。
サン・チョとロシナンテも、舞台前面に設置されたスロープを使ってステージに上がります。旅立つキハーノと、サン・チョとロシナンテがどう絡んでいったのか、また絡まなかったのか、その辺の記憶は曖昧です、、、。
旅に出ることに消極的なロシナンテにサン・チョは、「お前さんにも良いことがあるかもしれないぞ」というようなことを言います。「お嫁さんが見つかるかも」とまで言ってたかな〜。そう言われたロシナンテは俄然やる気になって旅に出掛けていくのでした〜。

1幕1場。今回はメルセデスがいないので、彼女に関する場面はすべてカット。そのためか否か、酒場のシーンのエスパーダのソロが1幕1場で踊られます。慣れていないのでちょっと違和感。酒場のシーンはあるのに、どうしてここに持ってきたんだろうか。森川さんは、岩国公演の時にエスパーダを降板。バレエフェスの全幕特別プロは弾さんだったので、今回が初披露になるはず。雰囲気はバッチリだったんだけど、この日は踊りほうが時々いっぱいいっぱい。回転系がなかなかキレイに決まらない。それにしても、やはりあのエスパーダの酒場のソロを格好良く見せるのって、難しそうだな〜と。

ジプシーの夜営地。ジプシーたちの踊りに、エスパーダとバジルが加わるところ変わりなく。親方はいるけど、ジプシーの若い娘はいない。人形劇は有り。キトリやバジルが人形劇の衣裳に着替えるところを見えるようにして、説明がなくてもわかるようにしていました。嵐が来て、ドン・キホーテは風車に突進していきます。キホーテの身代わり人形は、スタッフが袖からポーンと投げ込んでました。いや、それなら木村さん本人がポーンと飛び出てくればよかったのに(笑)。
倒れたドン・キホーテを残して、サン・チョは人を呼びに、ロシナンテは水を探しに行きます。

夢の場。ドリアードの女王、3人・4人のドリアードは不在。キューピッドにはソロもありました。キホーテは時々ドゥルシネアの手を取り、場面に絡みます。ところが! 上でも書きましたが、ここにロシナンテが登場するんですよー。どうして〜(笑)。誰がこんなシュールなこと考えたの〜。突然の出来事に思わず口が開きっぱなしになりました。キホーテも、ドリアードたちとロシナンテを交互に見て、頭パニック(笑)。そうこうするうちにドリアードたちは消え、キホーテは現実に戻ってきます。ロシナンテの登場で夢から現実へ、うまいスライドと言えば言えなくもない(笑)。サン・チョが戻ってくる。人はいない、水もない。「ああ、せめて、せめて、せめて、、、せめて15分間の休憩があれば〜」には、笑わされました。

2幕、居酒屋。メルセデスはいないし、エスパーダのソロは1幕で踊っているので、ここはサクッと。狂言自殺を経て、2人の結婚式の最終場へ。2人のキトリの友人は1幕の衣裳のままで、ヴァリエーションも無し。メルセデスはいないけど、エスパーダの踊りはあり。

いや〜、ダメだ。全然覚えてない。もっとサン・チョとロシナンテがちょこちょこ登場したんですが、詳細が思い出せない、、、。確か、あれはジプシーの夜営地の前だったか、2人(1人と一匹)が焚き火をしているシーンもありました。足踏み式のポンプで空気を送って火をおこして、鶏を焼いて、その鶏をロシナンテに食べさせる(口のなかに突っ込む)と、骨になって出てくるとか。出発の場面で、ロシナンテの背中に荷物を乗せるんだけど、慌ただしく乗せたせいか、その荷物が落ちてしまうハプニングがあったり。風車に突進して倒れたキホーテの熱を、巨大な体温計で計ったり。ロシナンテのお嫁さんも見つかります。確か最後には、お嫁さん馬も頭に花か何か乗せて、花嫁になっていたような気がする。

色々忘れましたが、とにかくロシナンテが可愛かったんですよ〜。筋肉質で妙にリアルな胴体がまた可愛いかった♪

東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』
22015年8月22日(土)11:30 めぐろパーシモンホール

キトリ/ドゥルシネア姫:沖香菜子
バジル:梅澤紘貴
ドン・キホーテ:木村和夫
サンチョ・パンサ:氷室友
ガマーシュ:岡崎隼也
ロレンツォ:永田雄大
エスパーダ:森川茉央
キューピッド:松倉真玲
ロシナンテ(馬):上瀧達也、山田眞央
お嫁さん馬:中村瑛人、山本達史
二人のキトリの友人:金子仁美、中川美雪
闘牛士:
杉山優一、吉田蓮、松野乃知、和田康佑、入戸野伊織、古道貴大

協力:東京バレエ学校
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2015年09月14日

東京バレエ団<横浜ベイサイドバレエ>8月29日

Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2015
東京バレエ団 <横浜ベイサイドバレエ>
2015年8月29日(土)18:30 象の鼻パーク特設会場

3年に一度(今回初めて知った)のDance Dance Dance @ YOKOHAMA 、東京バレエ団の<横浜ベイサイドバレエ>に行ってまいりました。開催の可否が当日の午後3時に発表とあって、両日ともドキドキでした。初日は序盤に小雨が(私は行っていないのでツイッター情報です)、2日目は終盤に小雨が降りましたが、両日ともなんとか無事に開催されました。
野外公演は苦手なので、最初は行く予定ではありませんでした。前回の経験から、さほどロケーションにも興味がなかったし。ところが、下でも書きましたが、今回は野外の良さを味わうことができました。私の座席位置なのか、作品や出演ダンサーなのか、理由はわかりませんがとにかく堪能できました。見に行ってよかった!

主な配役は一番下に。私は29日(土)のみ鑑賞でしたが、両日記載してあります。とりあえず、ツイッター貼り付け感想です。最後に付け足しもあります〜。

【ツイッターより】

東京バレエ団〈横浜ベイサイドバレエ〉終了。「ボレロ」前の転換から霧雨が降りだして、無事に踊ることができるよう、祈るような気持ちに。メロディの弾さんが2度ほど「おっと」となったのは、濡れた円卓のせいかな。
カーテンコールのあんな弾さん、久しぶりに見た気がする。何て言うんでしょう、プレッシャーからの解放ではなく、新たな道のりの始まりとでも言うか。初めてロットバルトを踊ったときを妙に思い出した。「ここからが始まりだな」と。最後には笑顔になっててホッとした♪

というわけで、帰宅。野外は苦手だからとパスしないで本当によかった。どの作品も、漆黒の夜空に映えてとても美しかった。前回よりも断然ロケーションに感動した気がする。
「タムタム」、ソロの岸本さんがとってもよかった。柔らかさとキレのある、しなやかな踊り。ふんわり柔らかな跳躍。オープニング作品の冒頭のソロを踊るという重要な役割を見事に果たしていたと思います。夜景に舞う白いレオタードの岸本さんの丁寧で美しい踊りは、眩しく清々しかった。
「タムタム」、女性群舞で中心を踊っていたのは伝田さん。やっぱり彼女のコンテは好き。小川さんもキュートで目を引いた。野外でのパーカッションの生演奏は、空に抜けるような気持ちの良い音で、最高でした。
岸本さんのソロがとても素敵だったので、なんだか無性にもう一度、木村さんが白いレオタードで踊る姿を見たくなってしまった…。特に、最後全員が並んで踊る場面では、「あぁ、こういうときの木村さんは本当カッコいいんだよな〜」とか、思い出しちゃった、、、。
「ドン・キ」は1幕1場をフルで。予想していたよりも音楽のボリュームが大きかったのが私的にはよかった。赤、黄、オレンジの衣裳がまた、夜空に映えて綺麗!
奈良さんはやっぱり素敵〜♪ 森川エスパーダは、先週の〈子ども「ドン・キ」〉のときよりよかったかも。初役(確か)なのに、安田キホーテの落ち着きよう(笑)。夜空に舞うサン・チョ♪
木村さんのバジルは生き生きしてて、ご本人も楽しそうで、本当によかった。木村さんが腕を上げて踊るたびに、あの大きな手が夜空に映えてより美しく、さらに心を捉えます。キトリの踊りを盛り上げるときの、あの手拍子する姿も堪能♪
水香さんとの掛け合いもバッチリで、楽しげ。片手リフトはやらなかったけど、サポートはスマートで美しい♪ 友人役の留衣さんと絡む姿も見ていて楽しかった。
弾さんの「ボレロ」デビュー、もちろん課題はあると思うけど、とてもよかった。野外公演で、しかも霧雨が降りだして足場のコンディションも不安という難しい状況の中、冷静に、しかし熱を持って踊ってくれました。
弾さんはいつも課題をひとつひとつ丁寧に克服するかのように、見るたびに成長している人なので、次はまた違う姿を見せてくれると思います。そういう意味でも、今日のデビューは貴重だなと。彼が何かを見つけた場面に立ち会えたような気がした。
弾さんはいつも課題をひとつひとつ丁寧に克服するかのように、見るたびに成長している人なので、次はまた違う姿を見せてくれると思います。そういう意味でも、今日のデビューは貴重だなと。彼が何かを見つけた場面に立ち会えたような気がした。
弾さんらしい、飾らない、丁寧な踊りでした。こう見せようとか、ああ見せようとか、変な計算(演技)がなく、懸命にひたむきに表現していたと思います。終盤は、彼の持ち前のパワフルさが活かされ、踊りも熱を帯び、とても引き込まれた。
例えばギエムは、水香さんもそうたけど、まるで爪先に糸が付いていて、それを神様が上から引っ張っているんじゃないかと思うほど、事も無げにスッと顔のすぐ側まで脚を上げるけど、あの無重力感は弾さんにはなかったかもしれません。
今、世界にいるボレロ・ダンサーの中で、弾さんってかなり若いほうですよね。より長く、ボレロ・ダンサーとして踊っていくことになるのかもしれません。これから先が楽しみな今日のデビューでした。

前回の横浜ベイサイドバレエのとき、あまりロケーションに感動しなかったのは、前方席で少し見上げる感じで見ていたので、夜景が見えなかったというのもあるかも。真っ黒な空しか見えなくて、暗幕と変わらないな、と。今回は遠かったので、ステージと夜景と客席が見渡せて、野外の醍醐味を味わえた。


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なんといっても木村さんのバジルです。もう一度全幕で見ることは叶わないかもしれないけど、1幕1場をフルで見られただけで大感謝です。今回は片手リフトは省いていたけど、今でも誰よりも美しい踊り。綺麗な爪先、大きくて雄弁な手、高く、遠くへ上がる脚。木村さんの踊りが空間を切り取り、空気を動かし、ポール・ド・ブラは夜空に浮かび上がる。大袈裟かもしれないけど、吸引力ってこういうことかな、と。踊りだけでも存在感だけでも駄目で、その人が踊ると空気が動くというか、何かが動いて惹き付けずにはおかない。なーんて、ただ大好きなだけですけどね〜♪ 
プロローグは無しですが、プロローグの幕切れの音楽が始まりを告げる演出。いきなりバルセロナの広場の音楽から始まるよりも、雰囲気があってとてもよかった。プロローグの幕切れは冒険の始まりなので、ステージが始まるワクワク感にピッタリでした。
森川さんのエスパーダは、存在感や雰囲気、キザな芝居などはバッチリなんですが、踊りが少し不安な部分が残りますね〜。いや、悪くはないんですが、ときどきいっぱいいっぱい。でも、子ども『ドン・キ』のときよりはよかったかな。登場人物の数や、パートナー(メルセデス)の有無、場面の入れ替えなど、いくつか条件が異なるので、こちらのほうが踊りやすかったというのはあると思います。
キトリの友人は乾ー吉川という安定の2人。闘牛士ではやっぱり岸本さんを見てしまう自分。見慣れぬ顔は、子ども『ドン・キ』のときと同じく古道さんだろうか。なかなか顔を覚えられないもんで、、、。でもなんか、とても気になるというか、好きな感じなんですよね〜。

日が落ちても完全には暗転しないので、ダンサーがスタンバイする姿が薄っすらと見えます。初っ端の『タムタム』、白いレオタードの岸本さんが上手からスタスタと歩いてきて、中央で最初のポーズをとる。本来は見えないはずのものが見られるのって、なんだかワクワクするなぁ、と。岸本さんは、その本来は見えないはずの登場から、既に何かオーラを発していたような気がします(贔屓目かもしれませんが)。踊りはもちろん、すごくいい目をしていたのが印象的でした。
パ・ド・ドゥの吉川さんと梅澤さんのペア、久しぶりに見た気がする。パートナリングもいいし、詩情ある美しいパ・ド・ドゥでした。

『タムタム』同様、『ボレロ』の弾さんも、上手から現れて円卓にスッと上がるのがぼんやりと見える。いったい今どんな気持ちなんだろうと思うと、私のほうが勝手に緊張してしまった、、、。上でもあれこれ書いたので重複になるかもしれないけど、『ボレロ』はとても難しい作品なんだろうなぁと思います。もちろん、どんな作品だって難しいと思うけど。しかも、難しいだろうなぁと想像するだけで、私には未知の世界です。よく「差し出す」とかっていうけど、そんな感覚、なかなか私にはわかりません。でも、弾さんはいいスタートを切ったのではないかと思います。やや生真面目に感じるほどの、そこには真摯さがありました。彼はきちんと自分を捉えられる人だと思うんですよね。今自分にできる精一杯の、余計なもので飾らない姿を見せることができる。余計なものをつけないというのは、とても難しいことなんじゃないか、と。弾さんが目指す方向が感じられる、いいスタートだったと思います。
『ボレロ』って、淡々と見える前半が難しいのかもな〜と思いました。後半は群舞も加わり、音楽の盛り上がりとダンサー自身の身体的な限界が、背中を押してくれる気がします。

【主な配役】
「タムタム」
ソロ:入戸野伊織(28日)/岸本秀雄(29日)
パ・ド・ドゥ:渡辺理恵 - 松野乃知(28日)/吉川留衣 - 梅澤紘貴(29日)
パーカッション:ヴァンサン・バウアー
トムトム:アドリアーノ・ホセ・ドス・サントス・テノリオ
東京バレエ団

「ドン・キホーテ」第1幕より 
キトリ:沖香菜子(28日)/上野水香(29日)
バジル:梅澤紘貴(28日)/木村和夫(29日)
ドン・キホーテ:安田峻介
サンチョ・パンサ:氷室友
ガマーシュ:岡崎隼也
メルセデス:川島麻実子(28日)/奈良春夏(29日)
エスパーダ:森川茉央
2人のキトリの友人:岸本夏未 - 河谷まりあ(28日) / 乾友子 - 吉川留衣(29日)
ロレンツォ:永田雄大  
東京バレエ団、東京バレエ学校

「ボレロ」
上野水香(28日)/柄本弾(29日)
杉山優一、岸本秀雄、森川茉央、永田雄大
東京バレエ団

*「タムタム」を除いて、音楽は特別録音によるテープを使用します。

タムタム [20分]-(転換8分)-「ドン・キホーテ」第1幕より[37分]-(転換8分)-ボレロ[15分]
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2015年09月02日

第14回世界バレエフェスティバルBプログラム 8月11日

バレエ公演が目白押しの8月が終わりましたね。以前に比べたら鑑賞数はグッと減りましたが、私にとってはとてもいい夏でした。
今更感はありますが、バレエフェスの感想です。今回はBプロ1回のみでちょっと寂しかったんですが、その分、自分的な凝縮感はありました。やっぱりバレエフェスは楽しい。それに尽きるかな〜。当日の自分のツイートも貼り付けてます。斜体の文字がツイート貼り付け部分です。すみません、変なこと始めてしまって(苦笑)。
因みに、土・日とBプロで踊ったラドメーカーですが、この日から降板しています。

第14回 世界バレエフェスティバル  <Bプログラム>
2015年8月11日(火)18:00 東京文化会館

【第1部】
■ 「ディアナとアクテオン」 ヴァルデス/グオーネ
ヴァルデスといえば、2006年にフロメタとともに超絶技巧で沸かせた初登場が今でも印象深い。あの1回だけで二人の名前は強烈に印象付けられました。9年ぶりのヴァルデスは、やや落ち着いた印象ながら、長〜いバランス、腕のポーズを変えながらのフェッテなど、相変わらずのテクニック。ダブルで回転しながら、ディアナ特有の弓を射るような腕の動きを加えたフェッテでは、もう何がなんだか(笑)。それでも軸が全くぶれずスピードもあり、感心しながら笑ってしまいました。パートナーのグオーネも、褐色の肌が美しいしなやかな身体で、身体能力の高さと軸の安定感が印象的。ピルエットは一切ぶれません。ゆっくりと減速して、そのまま(踵を下ろさないまま)、片方の脚を後ろに上げてアチチュード(アラベスク?)。回転の後半で上体を大きく反らせたピルエットもすごい。あれだけ上体を反らせて天を仰いでいるのに、回転軸が全く揺らがないんです。でも、一番ホッとしたのは、二人とも高いテクニックを見せながら雑さがなかったことです。身体能力の高さに裏打ちされたとでも言いますか、落ち着きと丁寧さがありました。

■ 「シナトラ組曲」より"ワン・フォー・マイ・ベイビー"  ゼレンスキー
ゼレンスキー、素敵でした〜♪ もうその一言に尽きるというか。登場しただけで背負ってくる世界が違います。スリーピースのスーツで登場したゼレンスキーは、ジャケットを脱いで肩にかけ、何気ないステップを踏みます。あんまり素敵で、ちょっと泣きそうになった。その後はジャケットを置いて踊ります。テクニックの見せ場があるわけではなく、台詞というよりはニュアンスを語るような、大人の男のソロ。やっぱり格好いいです、ゼレンスキー。

■ 「ペール・ギュント」 ラウデール/レヴァツォフ
素肌にオレンジ色のオーバーオールを着たレヴァツォフ。プロフィールでよく見るブロンドはバッサリ。ほぼ坊主頭でした。下手奥に設置された簡素な階段から登場するラウデール。シンプルなワンピースに、頭にはすっぽりとストールを巻いています。ノイマイヤーらしい、叙情的で美しいパ・ド・ドゥ。物語に詳しくないので、どんな場面なのかはわからなかったんですが、あまりにドラマチックで、全幕で見たくなりました。

■ 「ライモンダ」より 幻想のアダージオ ロパートキナ/コルスンツェフ
幕が開いた瞬間、ポーズするロパートキナとコルスンツェフは絵のように美しかった。差し出したコルスンツェフの手を取るときの、ロパートキナの柔らかな手が印象的。本来よりも半テンポ遅く手を乗せているんじゃないかと思うほどの絶妙さ。
ラスト、向かい合ったコルスンツェフの肩の上にスッと腕を伸ばすと、最後の音で、コルスンツェフの髪にソッと触れるかのように手首を反したロパートキナ。あの瞬間が妙にグッときた。
 【ツイッターより】
コルスンツェフは白のマント付き。カーテンコールでもマント着用できてくれるあたりが真面目で好き。二人が踊ると別世界というか、言葉をなくす美しさで、ただただウットリと見つめて、あっという間に終わってしまいました。

■ 「椿姫」より第1幕のパ・ド・ドゥ アイシュヴァルト/リアブコ
アイシュヴァルトとリアブコの『椿姫』に滂沱。これまでに組んだことってあるのかな? 急遽とは思えない素晴らしさ。優美で繊細なアイシュヴァルト。リアブコの身の投げ出しっぷりのよさ。
リアブコは今、いや、もうしばらく前から、最高のダンサーの一人だと思います。
『椿姫』、ガラで踊られるパドドゥは紫、白、黒とあるわけだけど、私は紫に弱いのかもしれない。この幸福が長くは続かないことを、片方は知っていて、片方は知らない。だからこそ美しいし、だからこそ哀しいのかもしれない。
 【ツイッターより】
ノイマイヤーの振付の底知れぬ雄弁さ。そして、それを繊細に表現するアイシュヴァルト。あの爪先の表現は本当に驚きというか、マルグリットの感情が爪先から繊細にこぼれ落ちるんです。言葉のないバレエで、あれほどまでに繊細に感情を表現できるなんて。

【第2部】
■ 「眠れる森の美女」 コノヴァロワ/エイマン
コノヴァロワは降板したミリアムの代役です。そのせいか、衣裳の雰囲気がだいぶ違いました。エイマンはヌレエフ版のクリーム色で、コノヴァロワは純白。同じ白なので逆に気になったのかも。おそらくバカンスを返上して急遽来日してくれたのだから、そんなことを言っては申し訳ないのだけど、、。フィッシュダイブが少し不安定だったりと、急な組み合わせという雰囲気は感じたけど、二人とも丁寧でいい踊りでした。

■ 「ノー・マンズ・ランド」 コジョカル/コボー
プログラムによると、ノー・マンズ・ランド=無人地帯。戦いの最前線で命を落とす男性と、残された女性の切ないパ・ド・ドゥとのこと。中央に立つコジョカル。背景幕の間からコボーが登場。背後から照明を受けているので、コボーの影が徐々に大きくなって、コジョカルを飲み込んでいきます。彼が彼女に触れる。喜びの表情に変わり、振り返って男性を抱きしめようとするも、その腕は空を舞う…。前半は、一緒に踊っているけど彼女の目に彼の姿は映っていない様子。それが、後半になると互いの姿が見えているようでした。一緒に踊っていても姿が見えない前半も切ないと思ったんだけど、逆に、ここにいるはずのない男性の姿が見えている方が、漠然と「ああ、彼は命を落としたのかも」と思えて、悲しかった。

■ 「海賊」 ラム/ムンタギロフ
ラムが美しい〜♪ 彼女の清潔感のあるキリリとした踊りは好き。ムンタギロフはホンワカ。跳躍はどれも、空中での脚のポーズをアレンジしてたのか、少し違った趣でした。 【ツイッターより】

■ 「ヴァーティゴ」 ヴィシニョーワ/ゴメス
ヴィシとゴメスの『ヴァーティゴ』って、『カジミールの色』だったのね〜。2010年にビゴンゼッティが改作・改題したそうです。衣裳も、あの白・黒・黄みたいなのじゃなかった。ヴィシは本当にセクシー。ゴメスは本当にいいダンサー。 【ツイッターより】
ゴメスは、コンテンポラリー作品の中で時折見せる何気ないジャンプでも、ダイナミックなのにエレガント。そしてしなやかで着地音もしない。テクニックを見せる作品ではないのにもかかわらず、その上質な技術にハッとします。

■ 「ギリシャの踊り」 シャコン
今回、Bプロを選んだのは、シャコンが出演するから。『ギリシャの踊り』からソロを2つ繋ぎ合わせて踊ってくれました。清潔感と色気が同居した独特な存在感。飾らなくて真っ直ぐで、でもキラキラしてて。
シャコン、舞台の空気をスッと変えて、べジャールの世界観をまるで事も無げに体現して、颯爽と登場して颯爽と帰っていったような印象。彼の謙虚さも好き。
BBLからゲストを招いてべジャール・ガラとかやってくれないかな〜。もちろん、東バの男子にも踊ってほしいんだけど。
 【ツイッターより】
本当に、飾らないのに存在感があって、本人は至って謙虚で、カーテンコールでも爽やかに笑ってサッと引っ込んでしまう。素敵だな〜と思いました。

【第3部】
■ 「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ サレンコ/マックレー
『ロミジュル』のサレンコとマックレーは、二人とも身体能力が高いので、疾走感がよく出ていた。マックレーは小柄だけど、本当にサポート・リフトが上手い。 【ツイッターより】
体格的にも技術的にも合っているのかもしれないけど、「絶対にこの二人で全幕を見たい!」とまではいかないかもしれません〜。

■ 「伝説」 アマトリアン/フォーゲル
私的にとても気になった、クランコの『伝説』。クラシックの要素が多く、現代的過ぎず、物語のないパドドゥとは言え、とても叙情的で、どこかノスタルジック。
『伝説』、衣裳も現代的過ぎない。フォーゲルは白タイツに襟元ヒラヒラのブラウス。アマトリアンはピンクベージュのスカート付きレオタード。11月のシュツットガルトのガラの演目にも入っているので、もう一回見たいなぁ、と。
 【ツイッターより】
アマトリアンは初登場以来2度目なんですね。もっと参加しているような印象でした。二人のパートナーシップは文句なし。複雑なリフトもスムーズ。身体を横に真っ直ぐ伸ばした状態のアマトリアンを頭上高くリフトする体勢から始まり、最後も同じリフトをしてフェイドアウト。

■ 「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ ロホ/レンドルフ
『椿姫』のロホとレンドルフは熱演。どの作品でも、「これが私のすべてです」と言わんばかりのロホの、気迫漂う佇まいは好き。
黒髪をピッチリと結い上げて、自分にとてもよく似合うクラシックチュチュを着て、堂々たる古典を踊るロホも好きなんですよね〜。あれはいつかの『エスメラルダ』だったか、黒・緑・金のクラシックチュチュを着てタンバリンを打ち鳴らしていたロホが今でも印象深い。
 【ツイッターより】

■ 「レ・ブルジョワ」 シムキン
パートナーのコチェトコワが降板したための変更演目。
シムキンの『レ・ブルジョワ』、初めて見たときより男らしさが増したかも。困ったときの『レ・ブルジョワ』じゃないけど、彼の魅力が発揮されて、急遽でも完成度の高いものを見せられる作品だな、と。
 【ツイッターより】
以前は、パフォーマンスは素晴らしいし、彼のキャラクターにも合っているけど、シムキンの見た目年齢と役柄に少しギャップを感じていたんですが、そこが埋まってきた印象がありました。私としてはバランキエヴィチの格好良さも忘れがたい。

■ 「マノン」より第1幕のパ・ド・ドゥ デュポン/モロー
久々のモロー。やっぱり脚キレイ〜♪ オーレリの美しさも健在で、有無を言わせぬ佇まい。 【ツイッターより】
パートナーシップはもちろん素晴らしいし、二人の雰囲気もピッタリ。ただただ美しくて幸福そうな二人のパ・ド・ドゥにウットリでした。パリ・オペのダンサーって何が違うんだろうって考えたんだけど、そうだ、キラキラしてるんだなぁと、今回改めて実感。

【第4部】
■ 「シンデレラ」 サレンコ/マラーホフ
マラーホフは少し身体を絞ったような気がしました。高く持ち上げるのは余裕ではなさそうだったけど、サポートはやはり綺麗。でも、サレンコとマラーホフだと、もう子弟にしか見えないという(笑)。

■ 「瀕死の白鳥」 ロパートキナ
今回は少し遠くで見たんだけど、オペラグラス無しでもロパートキナの『瀕死の白鳥』は芸術品のようでした。むしろ、今まさに水辺で息絶えようとしている一羽の白鳥を、遠くから見つめている感覚に襲われた。オペラグラスで見ると人間なんだけど、外すと白鳥のような、不思議な感覚。 【ツイッターより】
装置も何もない、寄る辺のないステージで一人踊るロパートキナは、水辺でたった一羽、死と戦う白鳥の孤高の美しさと重なるようでした。

■ 「シルヴィア」 アッツォーニ/リアブコ
様々なダンサーがガラでノイマイヤーのパドドゥを踊るけど、アッツォーニとリアブコを見ると「あぁ、ノイマイヤーだなぁ」と思う。個性を消すわけではなく、ノイマイヤーを体現することが個性とでも言うか。捧げている感じがやはり強い。 【ツイッターより】
衣裳はパリ・オペ版よりも少し控えめな色使い。彼らは個々でもとても好きだけど、二人が一緒に踊るとやはり更に特別感が漂います。単に私が、二人のことが大好きなだけかな。

■ 「こうもり」よりパ・ド・ドゥ ゲラン/ルグリ
12年の引退期間があったなんて信じられないようなゲラン。復帰を勧めてくれたルグリに感謝です。チャーミングでエレガント。そして美しい脚! 舞台に登場しただけで空気が華やかに変わる。また日本でも踊ってくれないかしら。
そして、ルグリの美しく軽やかなステップも健在で、見事の一言。二人の息の合ったというか、気心の知れた雰囲気に、とても幸せな気分になりました。
 【ツイッターより】
メイド役として東バの矢島まいさんが出演。ゲランとの掛け合いもバッチリで、とても可愛かった。

■ 「ドン・キホーテ」 アレクサンドロワ/ラントラートフ
最後はアレクサンドロワ。もう大好き〜♪ 演技とも素ともつかない、愛嬌たっぷりのサービス精神。パートナーも観客をも巻き込む陽性のオーラ。ラントラートフも可愛い(アレクサンドロワとだからかな?)。きっといい人だ♪ とっても幸せなパドドゥでした。 【ツイッターより】
アレクサンドロワの舞台を見るとどうしてこんなに幸せな気持ちになるんだろうと、いつも思ってしまいます。衣裳の肩の辺りが乱れたのを、チョイチョイっと直す姿もチャーミング。普通なら、衣裳の乱れは直さずに踊り続けますよね。もちろん踊っているから直せないというのもあるけど、衣裳を直した瞬間だけ「役」ではなく「ダンサー」という現実を見せてしまうことにもなる。でも、今回衣裳を直したアレクサンドロワは、彼女のキトリならそうするだろうと思わせてしまう力がありました。アレクサンドロワは私が見る限り、いつも『ドン・キ』でのグラン・フェッテはオール・シングル。高速で回転しながら真っ直ぐに前進してくる姿は、彼女らしくて大好きです。
アレクサンドロワに対しては華奢かな?と思ったラントラートフでしたが、サポート・リフトはなんの不安要素もなく頼もしい限り♪ 二人の雰囲気もいい感じ。昨年のボリショイ来日公演での二人の『ドン・キ』を見なかったことが悔やまれます、、、。

■ 第1部 ■
「ディアナとアクテオン」
振付:アグリッピーナ・ワガノワ/音楽:チェーザレ・プーニ
   ヴィエングセイ・ヴァルデス、オシール・グネーオ
「シナトラ組曲」より"ワン・フォー・マイ・ベイビー"
振付:トワイラ・サープ/音楽:フランク・シナトラ
   イーゴリ・ゼレンスキー
「ペール・ギュント」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:アルフレット・シュニトケ
   アンナ・ラウデール、エドウィン・レヴァツォフ
「ライモンダ」より 幻想のアダージオ
振付:マリウス・プティパ/音楽:アレクサンドル・グラズノフ
   ウリヤーナ・ロパートキナ、ダニーラ・コルスンツェフ
「椿姫」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
   マリア・アイシュヴァルト、アレクサンドル・リアブコ
■ 第2部 ■
「眠れる森の美女」
振付:ルドルフ・ヌレエフ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
   リュドミラ・コノヴァロワ、マチアス・エイマン
「ノー・マンズ・ランド」
振付:リアム・スカーレット/音楽:フランツ・リスト
   アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー
「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
   サラ・ラム、ワディム・ムンタギロフ
「ヴァーティゴ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
   ディアナ・ヴィシニョーワ、マルセロ・ゴメス
「ギリシャの踊り」
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ミキス・テオドラキス
   オスカー・シャコン
■ 第3部 ■
「ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
   ヤーナ・サレンコ、スティーヴン・マックレー
「伝説」
振付:ジョン・クランコ/音楽:ヘンリク・ヴィエニャフスキ
   アリシア・アマトリアン、リーデマン・フォーゲル
「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
   タマラ・ロホ、アルバン・レンドルフ
「レ・ブルジョワ」
振付:ベン・ファン・コーウェンベルク /音楽:ジャック・ブレル
   ダニール・シムキン
「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
   オレリー・デュポン、エルヴェ・モロー
■ 第4部 ■
「シンデレラ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
   ヤーナ・サレンコ、ウラジーミル・マラーホフ
「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス
   ウリヤーナ・ロパートキナ
「シルヴィア」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:レオ・ドリーブ
   シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
「こうもり」よりパ・ド・ドゥ
振付:ローラン・プティ/音楽:ヨハン・シュトラウス2世
   イザベル・ゲラン 、ニュエル・ルグリ
「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
   マリーヤ・アレクサンドロワ、ウラディスラフ・ラントラートフ


指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス  
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル (「ノー・マンズ・ランド」、「椿姫」)
チェロ:遠藤真理、ハープ:田中資子(「瀕死の白鳥」)   
出演:矢島まい[東京バレエ団](「こうもり」)
posted by uno at 13:17| Comment(0) | バレエ公演2015 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする