2019年12月29日

東京バレエ団×勅使川原三郎『雲のなごり』/『セレナーデ』『春の祭典』10月27日

引き続き、駆け込み感想UPです。10月の東バのトリプル・ビル、2日目の感想をごく簡単ですが、、。

東京バレエ団創立55周年記念委嘱作品 世界初演『雲のなごり』
『セレナーデ』『春の祭典』
2019年10月27日(土)14:00 東京文化会館

『セレナーデ』
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー

沖香菜子、金子仁美、秋山瑛
宮川新大、ブラウリオ・アルバレス

三雲友里加、政本絵美、加藤くるみ、足立真里亜
伝田陽美、岸本夏未、涌田美紀、上田実歩、浦由美子、安西くるみ
榊優美枝、最上奈々、中沢恵理子、鈴木理央、菊池彩美、工桃子、長谷川琴音
和田康佑、岡ア司、鳥海創、南江祐生

『雲のなごり』
演出・振付・照明・美術:勅使川原三郎
音楽:武満徹
   「地平線のドーリア」
   「ノスタルジア ーアンドレイ・タルコフスキーの追想にー」
演出助手:佐東利穂子

沖香菜子、三雲友里加
柄本弾、秋元康臣、池本祥真、岡崎隼也
佐東利穂子(KARAS)

ソロ・ヴァイオリン:戸澤哲夫

『春の祭典』
振付:モーリス・ベジャール
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー

生贄:秋元康臣
2人のリーダー:森川茉央、ブラウリオ・アルバレス
2人の若者:岡崎隼也、海田一成
生贄:奈良春夏
4人の若い娘:沖香菜子、岸本夏未、金子仁美、秋山瑛

指揮:ベンジャミン・ポープ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

まずは何と言っても、この3演目を生オケで見られる贅沢さに感動した2日間でした。

『セレナーデ』

全員が音楽! なんとも心地よい時間でした。初演からずっとシングル・キャストで上演されていましたが、今回初めてセカンド・キャストが披露されました。沖さん、金子さん、秋山さんという、大好きな3人! 楽しくないわけがない♪ 伸びやかで清廉な沖さん。秘めた情熱の発露が美しく感動的な金子さん。チャーミングで、音楽を上手くとらえる秋山さん。3人ともとってもよかったです。ただ、こうして見てみると、ファースト・キャストの女性陣が本当に個性が違う3人であることに改めて気づかされます。いや、今回の3人が似ているというわけではないんです。ちょっとサイズ感は似てるけど、個性は全然違います。でも、それでもなお、ファースト・キャストの個性の違いに驚くし、改めて配役の妙というものを感じたりしました。
宮川さんも美しい踊りでとってもよかったし、アルバレスは固定なのが頷ける安定感のある佇まいでした。

『雲のなごり』

2回目になると、見るほうも少し落ち着くというか、見る姿勢が整うみたいなところがあるな〜と思いました。それが良いのか悪いのかはわかりませんが、増える楽しみは確かにあります。

この日もプレトークがありました。舞踊評論家の岡見さえさんのお話はとても面白かったんですが、内容とは別に、思ったことがありました。岡見さんは、用意してきた原稿(メモ?)を見ながらお話されてたんですが、ちょっと何と言うか、淡々と「読んでる」感があって、そうすると、なかなかこちらの心には「入って」こないものだな〜と思ってしまいました。いや、だから悪いというわけではないんです。緊張して話せないこともあるだろうし、年代や作品名など、間違えちゃいけないこともあるし。私なんて、学生時代、教室でクラスメイトの前で発表するだけで声が震えてた女なので、偉そうなことは言えないです。まあ、単位落としてたので、クラスメイトと言っても2学年下の子たちですが、、、。それに、私とは逆に、そのほうが頭に入ってくるという人もいるのかもしれませんよね。
人に伝えるということについても考えさせられた2日間でした。

『春の祭典』

秋元さんはやっぱりすごいな〜と。今回、3演目全てに出演したわけですが、どれを見ても思わず「やっぱりすごい」と思ってしまいます。どちらかというとクラシック作品のイメージが強いんですが、「雲のなごり」で生き生きとしていた姿も印象的だったし、生贄もすごくよかったです。
私の中で、秋元さんにあまり弱いイメージがないので、生贄はどうかな〜と思っていたんですが、そんな心配は無用でした。逞しい身体と抜群の踊り。そこに生贄の痛々しさが加わって、本当に見事でした。というか、秋元さんだけ違う次元にいるんじゃないかというくらい熱量が半端なく、振り切ってました。まるで制御不能のように振り切っているけど、高い身体能力と技術で抜群に制御されている。コントロールできなくて踊りが乱れるのではなく、コントロールされたうえでの揺らぎというか。例えば少し乱れたり、表情が歪んだときに、どこまでが素で、どこまでが確信犯なのか、その境界線をわからなくさせるような、見事な踊りでした。格好いい役を踊る秋元さんはもちろんだけど、格好つけない秋元さんも格好いいなと思ってしまいました。あんなに自分を投げ出して踊る姿、初めて見たかもしれません。次に踊るときは、もっとすごいんだろうな〜。

そして、奈良さんの生贄はやっぱりとても好きです。強さや優しさ、弱さや恐れ、そして背負うものの覚悟や葛藤、あらゆるものを内に秘めた美しさがあります。それなのに、余計なものは何もなくてシンプル。いや、だからこそフラットになれるのかなと思ったりしました。
posted by uno at 14:13| Comment(0) | バレエ公演2019 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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