2019年10月23日

<フェリ、ボッレ&フレンズ>Bプログラム 8月3日

8月、『フェリ、ボッレ&フレンズ』のBプログラムを見ました。今更ですが、雑感を。

<フェリ、ボッレ&フレンズ>【Bプログラム】
2019年8月3日(土)18:00 文京シビックホール

ー第1部ー

『バーンスタイン組曲』
振付・装置デザイン:ジョン・ノイマイヤー
音楽:レナード・バーンスタイン
(ラインハルト・ヴォルフによるニューヨークの写真、
ケン・ヘイマン、ルース・オーキン、ホワイトストーンによるポートレイトを使用)
衣装:ジョルジオ・アルマーニ

  「ア・リトル・ビット・イン・ラヴ」
  シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・トルーシュ、カーステン・ユング、

  「ロング・ノート・ラグ」
  アレクサンドル・トルーシュ、カーステン・ユング

  「ロンリー・タウン」
  アレッサンドラ・フェリ、マルク・フベーテ、アレクサンドル・リアブコ

  「シンプル・ソング」
  アレクサンドル・リアブコ、アレクサンドル・トルーシュ

『リベルタンゴ』
振付:高岸直樹
音楽:アストル・ピアソラ

  上野水香、マルセロ・ゴメス

『オルフェウス』よりパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
   ハインリヒ・ビーバー、ピーター・プレグヴァド、アンディ・パートリッジ

  シルヴィア・アッツォーニ、ロベルト・ボッレ

※作中のモノローグはライナー・マリア・リルケの詩編"Orpheus. Euridice. Hermes"による

ー第2部ー

『TWO』
振付:ラッセル・マリファント
音楽:アンディ・カウトン
照明デザイン:マイケル・ハルウ

  ロベルト・ボッレ

『アモローサ』
振付:リカルド・グラツィアーノ
音楽:アントニオ・ヴィヴァルディ

  シルヴィア・アッツォーニ、マルセロ・ゴメス

『作品100〜モーリスのために』
振付・演出:ジョン・ノイマイヤー
音楽:サイモン&ガーファンクル

  ロベルト・ボッレ、アレクサンドル・リアブコ

ー第3部ー

『フラトレス』(『ドゥーゼ』より)
振付・装置・照明・衣装:ジョン・ノイマイヤー
音楽:アルヴォ・ペルト

  アレッサンドラ・フェリ
  アレクサンドル・トルーシュ、カレン・アザチャン
  マルク・フベーテ、カーステン・ユング

何気に”ノイマイヤー・ガラ”だったな、と。作品はもちろん、カンパニーの来日公演でしか見られないようなハンブルクのダンサーを見られたのも、とても嬉しかったです。「フラトレス」のカーテンコールにはノイマイヤーも登場。「フラトレス」は45分間、たっぷりと見せてくれました。ガラ向きの作品かと問われれば、そうではないかもしれないけど、私としては非常に興味深く、大満足でした。

幕開きから『バーンスタイン組曲』で、アッツォーニ、リアブコ、そして日本ではなかなかお目にかかれないユング、トルーシュ、『ニジンスキー』の黄金の奴隷の記憶も新しいマルク・フベーテなど、ハンブルクの面々が登場して、テンションが上がりました。フェリも相変わらず美しい。
何故か『リベルタンゴ』だけ、上演前に2人のリハーサルの様子を映したモノクロの紹介映像が流れました。タンゴを踊るゴメスはセクシーで、ステップも鮮やかで、超絶格好いい♪
『オルフェウス』は、バレエ・フェスでアッツォーニとリアブコが踊ったのを見たんですが、まるで別の作品のようでした。リアブコは苦悩する芸術家。ボッレはもっとピュアなイメージ。どちらが良い、悪いということではなく、本当に違う作品のような印象でした。私としてはリアブコが好みだけど、それは単に私がリアブコを好き過ぎるのかもしれません(苦笑)。でも、ノイマイヤーはこのオルフェウスをボッレに振り付けているので、ボッレのイメージが正解なんだろうな〜とか、あれこれ考えてしまいました。

ギエムのイメージが強烈な(というか日本ではギエムしか踊ってないはず?)、マリファント振付の『TWO』。これまたどちらが正解かはわからないんだけど、やはりギエムのパフォーマンスが強烈としか言いようがない。というか、ギエムがどうしても作品を自分のほうに引き寄せてしまうのかもしれません。ひたすらシャープで格闘家か修行僧のようにストイックなギエムに対して、ボッレはもっと柔らかで大らかなイメージ。どちらが良い、悪いというわけではなく、これもまた個性だな、と。
『アモローサ』。アッツォーニもゴメスも、ともに誰とでもいい踊りを見せることができるダンサーだと思っているんですが、その2人が一緒に踊るのはとても新鮮でした。
『作品100〜モーリスのために』。これはもう駄目です。泣きます。ボッレの屈託のなさが胸を打った。リアブコが素晴らしいのは言うまでもなく。これ、BBLでもレパートリーにしてくれないかしら。

そして『フラトレス』。あまりの深遠さに言葉を失いました。深い水の中をどこまでもどこまで降りていくように、ゆっくりと心の奥深くまで辿り着かんとするような作品。音楽は鳴っているのに、私の感覚は、水の中で音が籠って聞こえないみたいに、不思議な静寂に包まれていました。まるで、「シーン」という効果音が聞こえてくるかのよう。ノイマイヤーによると、「時間もない肉体もない世界」を表現しているとのこと。ああ、あの不思議な感覚はそれだったのか、と。時間も空気も止まっていて、まるで精神だけが漂っているような実体のなさ。身体表現であるバレエが、その身体の表現によって実体を感じさせないって、もうどんだけすごいの、、、、。いつもは走ることによって空気を動かし、感情を動かすノイマイヤーですが、「フラトレス」においては走っても走ってもリアルではないというか、彼らがどこの地平、どこの時空を走っているのかわからないような、そんな不思議な世界観でした。
リフトされるフェリの美しいこと。そして、4人のノイマイヤー・ダンサーの熱演も素晴らしかったです。ガラ向きではないかもしれないけど、日本にこの作品を持ってきてくれたことに感謝です。
posted by uno at 15:28| Comment(0) | バレエ公演2019 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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