2006年04月26日

パリ・オペラ座バレエ団『白鳥の湖』4月24日

パリ・オペラ座バレエ団『白鳥の湖』
2006年4月24日(月)18:30東京文化会館


という訳で、昨日の日記にも書きましたし、既に話題になっていますが、24日の『白鳥の湖』はジロが降板し、エミリー・コゼットがオデット/オディールを踊りました。

恥ずかしながら、2幕終了後の幕間に芸術監督のルフェーブルから説明があるまで、すっかりジロだと思い込んで見ておりました…。「おかしいなぁ、おかしいなぁ」と思いながら。オペラグラスで見ても、どうしてもジロの顔に見えなかったんですよね〜。さらに、トウで立ってもジョゼより全然小さいので、案外ジロって大きくないのね〜と思って見てました。
そして何よりも、こう言っては急遽踊ってくれたコゼットに申し訳ないのですが、オーラが無かったんですよ…。最近のジロは、エトワールの風格も華も増して、輝いてるじゃないですか。それが感じられなくて、「もしかしてジロはオデットは駄目なのかなぁ…」と少し不安になってたんです。ジョゼとの相性もあまり良いとは思えなくて、でも二人の間に優しい空気が流れていたので、まあ悪くはないな〜くらいに思っていたんですが、あの空気は「この舞台をいいものにしよう」という二人の気持ちの表れでもあったんでしょうね。

ジョゼとコゼットは初顔合わせだそうで、やっぱり少々見ていて不安なところや、もたついてるところもありました。ロットバルトが加わって3人で踊る時も、スムーズさに欠ける場面も有り…。でも、初めて組んで踊ってあれだけのものを見せてくれるって、すごいことですよね〜。私はダンサーではないので実際のところは分からないわけですが、頑張っているコゼットにも、それを優しくフォローしているジョゼにも、そしてパケットにも、感動してしまいました。

コゼットは、オデットの方が私は良かったと思います。大きくてゆったりとした踊りで、派手さはないけど優しい踊りだなぁと思って見ていました。オディールはちょっと上品さに欠けるというか、なんと言うか…。高貴なルテステュのオディールを見てしまった後なので、、。グラン・フェッテはシングルのみ。軸がズレなくて、足は90度に保って綺麗に回っていたので好印象。ただ、後半はややスタミナ切れ?足も落ちてしまったし、スピードが全然無くなってしまった…。それともゆっくり回る方が難しいのかしら?よく分かりませんでした。会場からは大きな拍手が起こっていたので、あれで良かったのかもしれない。確かに派手さはないけど、ポワントの位置が一点からずれないのは格好よかった。

そして、ジョゼ・マルティネス!!
素敵でしたー。もう、ジョゼの全幕を見ることができて本当に幸せでしたよ。確かにちょっと若者のジークフリートではなかったけど、そんなことは気になりませんでした。踊りもとても綺麗で丁寧で好いんだけど、何よりもあの包容力のある優しげな雰囲気が最高です。なんかオットリしちゃってるけど、そこはかとなく男らしくて頼りがいがある。
忘れられないのは2幕の幕切れ、ジークフリートが自分の過ちに気が付いて嘆く場面です。オロオロしたり、大袈裟な表情を作ったりしないの。周りのコールドが騒然としている中、舞台中央でこちらを向いて呆然と空を見つめます。でも、茫然自失とはちょっと違う。もっと深い悲しみ、自分が犯したあまりに大きな過ちに対する恐怖にも似た悔恨を表現していたと思います。そして右手で、二本の指を立てた誓いのマイムをします。それはかつてオデットに示した真の誓いであると同時に、故意ではないにしろ今まさにオデットを裏切ってしまったポーズでもあります。それを左手で握り締め、その場に膝を付いて崩れ落ちます。ジークフリートの深い悲しみが伝わってきて、ジーンとしてしまいました。いやもちろん、オロオロ系のニコラもとっても可愛くて好かったんですが、、。

この日の驚きは、カール・パケットのロットバルトです。
はっきり言って、格好よすぎました!パケットはロモリなどに比べれば若いからパワーもあるだろうし、顔も素敵なので、「まあ、様にはなるだろうなぁ。そつなくこなすだろうなぁ。でも、ベテランの貫禄には敵わないだろうなぁ。」くらいに思っていたんですが、とんでもない!!登場からオーラもバッチリ。しかも格好いい。パケットのヴォルフガング/ロットバルトを見てしまったら、ロモリの方がよっぽどシンプルで淡白なロットバルトに思えてきました。いや、ロモリもとても好かったんですよ。
3幕のグラン・パ・ド・ドゥの時、サポートの邪魔にならないようマントを腕に巻き付けるんだけど、「バサァッ」っと音を立てて派手に格好よくやるんですよ〜。それがもう本当に素敵でした。って、格好いいとか素敵とかそればっかりですね、、。でも、こんなにパケットを素敵だと思ったのは実は初めてなんです。確かに素敵だけど、何か物足りない…と思っていたんですが、今日から変われそう♪ 是非このまま重宝がられるだけで終わってほしくないですね。

アクシデント発生の混乱は、やっぱり全体にも影響するんでしょうか?この日はこけちゃったダンサーが二人いました。2幕で白鳥が1羽、3幕でマズルカの男性が一人。

この日の王妃はナタリー・オーバン。21日の王妃ミュリエル・アレに比べると、結構年が上のようでした。とても美しくて厳しいお母様という感じ。あれならジークフリートは躾のいい、大人びた青年に育つよなぁ。いかにもお年寄りに優しそうなジョゼのジークフリートと、とてもよく雰囲気が合っていたと思います。ミュリエル・アレは、若くて美しいお母様。あれじゃあジークフリートは甘えん坊のマザコンに育つよなぁ。オロオロ系の可愛いニコラのジークフリートとよく合っていました。

パリ・オペラ座バレエ団『白鳥の湖』
2006年4月24日(月)18:30東京文化会館


青字はエミリー・コゼットの代役です
オデット/オディール:エミリー・コゼット
ジークフリート王子:ジョゼ・マルティネス
家庭教師ヴォルフガング/ロットバルト:
カール・パケット

<第1幕>
パ・ド・トロワ
ノルウェン・ダニエル、ドロテ・ジルベール
エマニュエル・ティボー
<第2幕>
4羽の大きい白
ヴァネッサ・ルガシィ、ローラ・エッケ
ローレンス・ラフォン、マリ=ソレーヌ・ブレ
4羽の小さい白鳥
ファニー・フィアット、マチルド・フルステー
ミュリエル・ズスペルギー、アレクサンドラ・カルディナル
<第3幕>
チャルダッシュ
ノルウェン・ダニエル、ブリュノ・ブシェ
スペインの踊り
ミュリエル・アレ、ローレンス・ラフォン
クリストフ・デュケーヌ、ローラン・ノヴィ
ナポリの踊り
メラニー・ユレル、マロリー・ゴディオン
posted by uno at 01:47| Comment(2) | TrackBack(0) | バレエ公演2006 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
unoさん、お疲れ様です。
私も土曜日の公演で、ジョゼの魅力を再認識しました。
あの優しいオーラは、そんじょそこらに転がってませんよね。
そして、パケットを見直したのも同じです。
映像などでは、綺麗なお顔なんだけど、踊りは重い?と思ってたんですが
いえいえ、とっても素晴らしかったです。
イヤミなまでのマントさばきも含めて。(笑)
いろいろあって、完璧とは言えない舞台だったようですが、
ジョゼとパケットの魅力あふれる舞台だったようで、ホッとしました。
Posted by JOLLY at 2006年04月27日 19:11
JOLLYさん、こんにちは。
私も、ジョゼの魅力を再認識した公演でした!本当に、そんじょそこらには転がってません(笑)。
確かに、パケットの踊りって重たい印象の時がありますよね。ハンサムなお顔のわりに、結構マッチョ? でも、今回でかなり好きになりました〜。巷でも話題のマントさばき、最高でした!
Posted by uno at 2006年04月28日 14:41
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