2010年11月08日

<奇跡の響演>2日目

<奇跡の響演>2日目の公演に行ってまいりました。奮発して両日S席で見てきました。そんなに稼ぎの良い人間ではないので、他の事をものすごい我慢してます(苦笑)。「春の祭典」の女性群舞は、上から見た方が綺麗なんですよね〜。植物や花に見えるんです。しかし、BBLのダンサーは間近に見ると迫力があるなぁ、と。<響演>2公演が終わり、岩国が終わったらまたしばらく彼らを見られないのかと思うと、まだ本公演も始まっていないのに既に寂しくなっております…。

2日目の「ペトルーシュカ」は長瀬&佐伯組。平野さんが怪我で降板のため、木村さんが友人を両日踊りました。2人との年齢差が気になっていたんですが、思いのほか気にならなくてビックリ。石巻で佐伯ジゼルと後藤ヒラリオンを見たときには、ちょっと笑えるくらい怪しかったので(後藤さんが)、木村さんならさぞかし…と楽しみに、いや心配していたんですが、案外大丈夫だったのでガッカリ、いやホッとしました。
長瀬さんの青年はいいですね〜♪ 初役のときは見逃しているので、初めて見たんですが、予想通りハマってました。線が細いのが気になることもある長瀬さんですが、この青年役ならそれが良い方向に働くかもしれない。長瀬さんのいいところは、踊っている本人が楽しそうなところではないか、と。この作品が踊りたい、踊れることが幸せ、そういう気持ちがバシバシと伝わってくる。彼の存在が踊る喜びに満たされているのを見ることで、その快感を少しだけお裾分けしてもらっているような感じがするんです。とにかく、イッちゃった目がすごい。迷宮から帰ってきたときの目が、尋常じゃなかったです〜。完全に、焦点が合っていない。あれ、どうやってやるんだろう、と思ってしまいました。
2日目もとっても楽しそうな木村さん♪ かなり弾けて思いっきり踊っていたけど、踊りはすべて綺麗です。終盤、群舞を背負って先頭で踊るところが、やっぱり素敵だよな〜、と。ソロもパ・ド・ドゥも素敵だけど、あの瞬間も最も輝く場面の一つです。
一つだけ、2日間ともヒヤヒヤした場面が、、。後半、群舞が舞台をグルリと囲んで座り、真ん中で踊るダンサーにかけ声をかける場面があるんですが、そのかけ声が何度も途切れそうになり、ヒヤヒヤしてしまいました(苦笑)。やっぱり、日本人はああいうの苦手なのかな〜、と。頑張ってくれてる人もいたんですけどね〜。その囲みの場面で、上手の端(一番舞台寄り)に友人の木村さんが座ります。その隣に松下さん。木村さんの絡みに、松下さんが本当によく応えてくれるんですよ〜。感激しました。

2日目もやはり「愛が私に語りかけるもの」に陶酔…。久々のBBLの面々や、念願の演目の一つということもあって、初日は最初の第4楽章で感極まったんですが、2日目は第6楽章でヒタヒタと押し寄せるような感動に襲われました。次々に登場するダンサーたちは、肌色のレオタードを着ただけの出で立ち。男性はショートパンツのみ。男女とも、ところどころ穴が開いていて、肌が見えるようになっています。装飾を一切排除したダンサーたちは、その存在だけで美しく、生きていれば誰でもが経験するであろう人との交わりを、美しく狂おしく表現する様は、非常に感動的でした。
ジュリアンの美しい上半身は、なんていうか、説得力があるなと思いました。とても多くのことを語るかと思えば、語ることなんて何も必要がないというくらい、ただその存在が美しかったり。舞台に横たわるだけで、ただその背中や胸がそこにあるだけで、なんとも詩情がありました。ジュリアンがひざまずいて胸を反らせ、その胸にロスが手を置いてポワントで踊るところが好きでした。

「春の祭典」、前半の男性パートの迫力に、息が吐けませんでした。もうだって、頑張らないと圧倒されてしまいそうなほど、イスラエル・フィルの演奏は迫力があって、混合キャストの群舞が負けじと迫ってくる。一筋の光に向かって一列に退場していくまで、本当に緊張の連続でした。その、一筋の光に向かって袖に消えていく場面に、いつも以上にドラマを感じました。光の方向に何かを見つける。「おい、あれを見ろ」と。最初に一人が偵察に行って、「大丈夫だ、みんな行くぞ」みたいな。それがわかりやすくて面白かった。先頭を切って進んでいくのが、2人の若い男の一人。初日は那須野さん、2日目は同じ位置に松下さんでした。先頭の若者が回転したとき、汗が下向きの放射線状にバッと飛び散るのが照明に光って見えるのが、すごく好きなんです。
クピンスキーのリーダーが面白かった〜(褒めてます)。生贄をイジメる姿が、妙に生き生きとして見える(笑)。相棒の武尊さんもよかったんだけど、相手がクピンスキーでは分が悪いな、と。身体の柔らかいクピンスキーに対して、武尊はそれほど柔らかい印象の人ではないし。もっと伸び伸びと踊れればよかったな〜と、ちょっと歯がゆかったです。松下さんがすごくよかった。彼は伸び伸びと本領を発揮してましたね〜♪ 流石だな、と。その相棒のマルコ・メレンダは、今回初めて見るダンサー。小柄で、松下さんとのバランスもよかったかも。私的に、目が気になるダンサーなんですよね〜。「愛が私に〜」、「春の祭典」と見ているうちに、メレンダが「80分間世界一周」の旅人を踊ってくれたら嬉しいな〜と思うようになっていたんですが、さっき発表された「80分間」初日のキャストを見たら、メレンダが旅人になっていたのですごく嬉しかった。映像ではエティエンヌ・ベシャールが踊っていて、ベシャールは「ヘヴン・フォー・エヴリワン」を踊っているダンサーなので、私にとっては大事な位置なんです。いや、旅人は誰が見ても大事な位置なわけですが。
オスカー・シャコンの生贄がすごくよかったです。男性の生贄は、弱い者が選ばれます。確かにシャコンの生贄はそうやって選ばれたんだけど、彼の持つ身体的な美しさとダンサーとしての輝き、そういう抗えない魅力と、生贄の弱さが入り混じったような、独特の存在感がありました。その周りとは違う異質性が、彼の生贄としての存在感なのかもしれないと思いました。
井脇さんの生贄が、少し変わったような気がしました。凛とした美しさや、女性たちのリーダーのような存在感に加え、内から湧き起こる強さがあった。隙のない、清潔感のある美しさから、生命としての野性味が出たというか。井脇さんも、まだ新しいステージがあるのかもしれないと思って、ちょっとワクワクしました。一時は第一線から離れた井脇さんですが、最近はほとんどの公演に出てくれるようになったので、本当に嬉しいです。まだまだ踊り続けてほしい。


<奇跡の響演>
2010年11月4日(木)19:00 東京文化会館

振付:モーリス・ベジャール

『ペトルーシュカ』
東京バレエ団
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー

青年:長瀬直義
若い娘:佐伯知香
友人:木村和夫
魔術師:柄本武尊
3つの影: 高橋竜太、氷室友、小笠原亮
4人の男: 松下裕次、梅澤紘貴、井上良太、岡崎隼也
4人の若い娘:高村順子、森志織、村上美香、吉川留衣


『愛が私に語りかけるもの』
モーリス・ベジャール・バレエ団
音楽:グスタフ・マーラー(「交響曲第3番」より第4,5,6楽章)

彼:ジュリアン・ファヴロー
彼女:エリザベット・ロス
子ども:大貫真幹
子どもたち:ローレンス・ダグラス・リグ、ウィンテン・ギリアムス、ヘベルス・リアスコス、
ダニエル・サラビア・オケンド、エクトール・ナヴァロ、アドリアン・シセロン
オアナ・コジョカル、フロランス・ルルー=コルノ、キアラ・パペリーニ、
ジャスミン・カマロタ、コジマ・ムノス
大人たち: ダリア・イワノワ、ガブリエル・アレナス・ルイーズ、ヴァランタン・ルヴラン
マルコ・メレンダ、キャサリーン・ティエルヘルム、那須野圭右
ダヴィッド・クピンスキー、ルイザ・ディアス=ゴンザレス、ティエリー・デバル、
ポール・クノブロック、ポリーヌ・ヴォワザール、オスカー・シャコン


『春の祭典』
モーリス・ベジャール・バレエ団、東京バレエ団
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー

生贄:オスカー・シャコン
2人のリーダー:デヴィッド・クピンスキー、柄本武尊
2人の若い男:松下裕次、マルコ・メレンダ
生贄:井脇幸江
4人の若い娘:
キャサリーン・ティエルヘルム、フロランス・ルルー=コルノ、小出領子、吉川留衣


指揮:ズービン・メータ
演奏:イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
ピアノ:ラハヴ・シャニ(「ペトルーシュカ」)
メゾ・ソプラノ:藤村実穂子(「愛が私に語りかけるもの」)
合唱:栗友会合唱団(「愛が私に語りかけるもの」)
児童合唱:東京少年少女合唱隊(「愛が私に語りかけるもの」)
posted by uno at 14:42| Comment(0) | バレエ公演2010 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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