昨日はカブキ2日目の感想を書きながら、途中で爆睡。起きたら、いつも起きる時間の30分前でした。もちろん、あと30分寝た(もう起きたらいいのにね…)。
で、『ザ・カブキ』の2日目です。とっても楽しかったです〜♪ 昨日はセンターの席で見ていたので、視界は良好、死角もなく。初日に見られなかった切腹のシーンも、ちゃんと見ることができました。やっぱり平野さんの塩冶判官、好きだな〜。切腹のときの気迫がすごいです。そして、目尻の赤が妙にセクシー。あのシーンは衣裳が真っ白だし、照明もかなり明るいので、目尻の赤がポンっと映えるんですよね。四方をむんずと掴むと、グワっと後方に回して自分の身体を支えます。そこからの勢いと気迫は尋常でなく、このたった数十秒間のためにすべてがあったのではないかと思うほどのエネルギー。衣裳と照明のせいもあるだろうけど、まるで平野さんの周囲だけ発光しているかのようで、脳裏に焼きついています。平野さんの気迫と形相があまりにすごいので、判官の無念を託された青年が、これを境に由良之助と重なっていくように、見ている私のほうまで判官と由良之助の想いに支配されていくような感覚に襲われるんです。
因みに2日目の力弥は井上良太さん。初々しかったです〜♪ なんか一生懸命な力弥で好かった。でも、切腹の場面ではどうしても判官を見てしまうので、なかなか力弥に集中できないんですよね。力弥だけ抜いた映像とかあったら見てみたい(絶対にないけど)。しかし、切腹場面での妙な存在感(褒めてます)と一力茶屋での踊りのキレは、初日の大槻さんに一票でした。いや本当、格好良かったんです。
冒頭の「現代の東京」、2日目も最初のソロは氷室さんでした。舞台中央でこちらを見据える後藤さんは、やはり高岸さんよりもナイーブなイメージ。彼が無気力に振舞っているのは、何も心を沸かすものがないから…。どこか、若さ特有の諦観のようなものが漂っていて、後藤さんの青年役は好きなんです。後藤さんは、終幕に向けてだんだん調子が良くなっていった感じ。胸の血痕が消えた後のソロが、一番よかったかもしれません。後藤さんは、もっと何かが降りているときがあるので、昨日はそれほど降りていなかったような気がします。太鼓を叩きながら前進してくるところとか、もっとゾクゾクするほど空気が総毛立っているときもあるんですよね、、、。いや、由良之助は間違いなく後藤さんの辺り役の一つだし、この日もすごく好かったんですよ〜。
勘平の長瀬さんは、初日よりさらに好かったです。踊りがというよりは、演技が馴染んだように感じました。演技が馴染めば、当然踊りにも良い影響をもたらすわけで、勘平というキャラクターがこちらに届きやすくなります。「殿中松の間」で、上手から走りこんできて中央で踊る長瀬さんが好かった。やっぱり、苦悩する姿が似合うかも〜。「山崎街道」での進退きわまる長瀬さんも好かった。なんかもう、駄目な人なのよね…。でも憎めないというか、可哀相になってしまいます。自分の空っぽの手の平を虚しく見つめる姿は、なんかもう悲壮。おかるがその手を取るんですが、いたたまれなくて走って行ってしまいます…。
そしてやっぱり猪は可愛い。
松下さんの定九郎もすごく好かったです〜。あの不敵な顔つきがいい。2年前の初役のときも好かったけど、さらに踊りの安定感が増したし(討ち入りの場面なども含め)、何より存在感が格段に増しました。さらに六法が似合う男になったなぁ、と感激。たんかもう頼もしくて、嬉しくなってしまいました。
コロコロコロと、由良之助の足元まで転がる血判状。あれって、曲がっちゃうことはないんでしょうか?由良之助の足元から大きく外れたらどうしよう…と、一人でヒヤヒヤしてます。
切腹した勘平の手を取って、由良之助が血判を押してあげるのがいいですよね。初日の高岸さんは、わかりやすくギュッギュッギュッと押していました。その後、由良之助の1幕ラストのソロに入ります。それまで舞台にいた登場人物たちが、薄暗がりの中、ゆっくりと左右の袖にハケていく。この、登場人物がゆっくり退場したり登場したりする場面転換って、ベジャール作品に多いですよね?ベジャールが最初に始めたやり方かどうかはわからないんですが、私にとってはベジャールらしいと思う瞬間の一つです。暗転や入退場がただの場面転換に留まらず、世界や次元がスーッと入れ替わる瞬間だったり、人々が消えた後もその想いが舞台に残ったりする。その中で、ゆっくりとソロの出だしの地点に歩いていく由良之助の後藤さん。そこには心地良い緊張感が漂っていました。
1幕ラストの由良之助のソロは、ここに来てそこまでやるか、、、という長いソロ。しかも後半に爆発的なエネルギーを発しなくてはなりません。初日の高岸さんもでしたが、やはり後藤さんも終盤には疲れが見え始めます。極限状態まで踊って、スパンっと暗転して1幕が終わるところが結構好きです。
初日に気になった赤ふん部隊をチェックしてきました。下手から、宮本祐宜、森川茉央(今回の由良之助のアンダースタディ)、柄本武尊、安田峻介(自信ない…)、中谷広貴、周藤壱、不明…、梅澤紘貴、だったと思います。「ア゛ー」という顔も好きなんだけど、さいごの「ふんぬ」という顔を作るところも面白い。「ア゛ー」は中谷さん、「ふんぬ」は梅澤さんが好かった。って、なんの感想なんだ、、、。武尊さんは背も高いし、良い身体だなぁ、と。しかも、目が色気があって好いんです。11月の『くるみ』でも目が好いなぁと思ったんだけど、今回も由良之助の首に手を伸ばすところで同じように感じました。とは言っても、ここでは平野さんの目がすごいんですけどね(〜♪)。
討ち入りのシーン。ピラミッドの左右には、松下さん(下手)と高橋さん(上手)。というわけで、上手は伴内のダブルキャストが入っていました。高橋さんは見事なバク宙を披露。格好良かったです〜♪ 両日バク転を披露していたのが誰だかわからなくて気になりました。初日、由良之助以下6人と書いたんですが、ソリストは5人でした。2日目は、平野、松下、長瀬、野辺、宮本。横内さんのヴァリエーション2もとても好かったです。何かのインタビューで、初めて一人でヴァリエーションを踊るので緊張したと語っていたんですが、この日の横内さんはそんな不安は感じさせませんでした。
というわけで、2日目の雑感も中途半端にぶった切ります〜。キャストを載せておきます。
東京バレエ団 モーリス・ベジャール振付『ザ・カブキ』全2幕
2008年12月14日(日)15:00 東京文化会館
由良之助:後藤晴雄
直義:横内国弘
塩冶判官:平野玲
顔世御前:吉岡美佳
力弥:井上良太
高師直:木村和夫
伴内:中島周
勘平:長瀬直義
おかる:佐伯知香
現代の勘平:梅澤紘貴
現代のおかる:高村順子
石堂:宮本祐宜
薬師寺:野辺誠治
定九郎:松下裕次
遊女:井脇幸江
与市兵衛:横内国弘
おかや:坂井直子
お才:西村真由美
ヴァリエーション1:松下裕次
ヴァリエーション2:横内国弘
2008年12月16日
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