2018年08月29日

第15回世界バレエフェスティバル【Bプロ】8月9日<第3部・第4部>

バレエフェス、Bプロの<第3部>と<第4部>の感想を書きました。さらに記憶は遠のいていきます〜。

第15回 世界バレエフェスティバル【Bプログラム】
2018年8月9日(木)18:00 東京文化会館

<第1部>
「眠れる森の美女」
  オレシア・ノヴィコワ、デヴィッド・ホールバーグ
「ムニェコス(人形)」
  ヴィエングセイ・ヴァルデス、ダニエル・カマルゴ
「ソナチネ」
  レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ
「オルフェウス」
  シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
ローラン・プティの「コッペリア」
  アリーナ・コジョカル、セザール・コラレス

<第2部>
「シンデレラ」(ルドルフ・ヌレエフ)
  ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ
「HETのための2つの小品」
  タマラ・ロホ、イサック・エルナンデス
「白鳥の湖」より第3幕のパ・ド・ドゥ
  アシュレイ・ボーダー、レニード・サラファーノフ
「椿姫」より第2幕のパ・ド・ドゥ
  アリシア・アマトリアン、フリーデマン・フォーゲル

<第3部>
「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ (ケネス・マクミラン)
  メリッサ・ハミルトン、ロベルト・ボッレ
「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"
  ミリアム・ウルド=ブラーム、マチアス・エイマン
「マノン」より第3幕のパ・ド・ドゥ (ケネス・マクミラン)
  アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー
「アポロ」(ジョージ・バランシン)
  サラ・ラム、フェデリコ・ボネッリ
「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ(ジョン・ノイマイヤー)
  アンナ・ラウデール、エドウィン・レヴァツォフ

<第4部>
「じゃじゃ馬馴らし」(ジョン・クランコ)
  エリサ・バデネス、ダニエル・カマルゴ
「ヌレエフ」よりパ・ド・ドゥ(ユーリー・ポソホフ)
  マリーヤ・アレクサンドロワ、ウラディスラフ・ラントラートフ
「アダージェット」 (ジョン・ノイマイヤー)
  マリア・アイシュヴァルト、アレクサンドル・リアブコ
「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ(ジョン・クランコ)
  アレッサンドラ・フェリ、マルセロ・ゴメス
「ドン・キホーテ」
  マリア・コチェトコワ、ダニール・シムキン

指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル(「ソナチネ」「椿姫」)

<第3部>
「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
  メリッサ・ハミルトン、ロベルト・ボッレ

Aプロの「カラヴァッジオ」が素敵だった2人。「ロミジュリ」もよかったです〜。あまりボッレ・センサーのない私ですが(すみません)、「カラヴァッジオ」も、熱演のロミオも、とてもよかったです。最後、キスをしたあとに、客席の方を向いてウットリ〜な表情をするボッレも印象的。40オーバーとは思えない若々しさでした。ハミルトンの瑞々しいジュリエットも可愛かった〜。なんかこう、ポジティブなエネルギーがあって、生命力というか、そういうものが溢れていました。下手をするとモタモタしがちなリフトなども、彼女の身体能力の高さとボッレのサポートでスピードを失わず、風と一つになったよう。2人の恋が生まれて駆け出すのを感じるような、疾走感のあるPDDでした。ロミオが膝をついてジュリエットを持ち上げるリフトも、ふんわり軽々で素敵。カーテンコールで2度、ボッレがハミルトンの耳元にキスをしたのが印象的でした。何か言葉をかけていたのかも。とてもいい雰囲気でした。

「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
  ミリアム・ウルド=ブラーム、マチアス・エイマン

美しかったです〜。エレガントでゴージャス。今まで「ジュエルズ」のダイヤモンドには硬質な印象を持っていたんですが、ミリアムはどこか情熱的にすら感じました。彼女の吐息がフゥっと漏れるような瞬間があり、それがとても美しかったです。マチアスもよかったです。サポートがメインだとちょっと寂しいけど、何かこう、ミリアムを追い求めるような雰囲気もあって、素敵でした。

「マノン」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
音楽:シュール・マスネ
  アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー

沼地のパ・ド・ドゥを見るのは久しぶりだと思います。音楽が流れてきて、何かこう忘れていた感情が蘇ってくるようでした。そうそうこの感じ!と。ガラで見てもドラマチックだし、全幕で見ていても、この音楽が流れるといよいよ最後のクライマックスがくるという緊張感がありますよね。コジョカルは踊っているのか踊っていないのか(もちろん踊っているんだけど)というギリギリのところまでグイグイ持っていくな〜と。サポートするコボーとの信頼関係があってこそなんだろうなと思いました。最後のデ・グリューの慟哭は、やはりグッときます。2人のパートナーシップが見られてよかった。

「アポロ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
  サラ・ラム、フェデリコ・ボネッリ

すーごくよかったです〜。ボネッリ好きの私ですが、見るまではラム用の演目だろうな〜と思っていたんですが、違いました。いや、ラムが素敵なのは言うまでもなく(♪)。ボネッリのアポロが予想以上によかった。神秘的に神妙な表情で踊るというよりは(それはそれでもちろんいいんですが)、人間的というか、ときに情熱的に、ときに躍動的に、そしてときに笑顔すら見せながら踊るボネッリが、とても印象的でした。明るい神だった。美を堪能する演目なんだと思っていたんですが、2人にはドラマがあったような気がします。

「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン
  アンナ・ラウデール、エドウィン・レヴァツォフ

素敵でした〜。2人の生み出す世界に引き込まれました。昨年の日本公演のときに彼らの全幕は見逃しているので、見られて嬉しかったです。見事なパートナーシップによる磨き上げられたパ・ド・ドゥ。でも、磨き上げられてはいるけど、とても新鮮でもあるというか、今このときの感情がぶつかり合うような緊張感がありました。ラウデールのやつれ具合が痛々しいほど。ヴェールを脱いだ瞬間の華奢な肩回りは、マルグリットの病の重さを感じさせました。もともと細い人ではあるけど、やつれて見えることはないので、あれも演技の一つなのかと思うと、すごいなと。2人の息遣いが聞こえる情熱的なパ・ド・ドゥでした。
このときもおそらく袖の中でピアノを弾いているようで、盛り上がるところで音量が物足りないのが少し残念でした。こちらも素敵な演奏だったので。

<第4部>
「じゃじゃ馬馴らし」
振付:ジョン・クランコ
音楽:ドメニコ・スカルラッティ
編曲:クルト・ハインツ・シュトルツェ
  エリサ・バデネス、ダニエル・カマルゴ

楽しかった〜♪ 2016年のガラ公演<シュツットガルトの奇跡>でも、このパ・ド・ドゥを踊る2人を見ましたが、やっぱりいいですね! とにかく髭を付けたカマルゴのペトルーチオが素敵♪ この役を踊るときが一番、包容力が爆発しますよね〜。大人の男の余裕を感じさせます(カマルゴ比)。ストーリーは賛否両論あるようですが、カマルゴが格好いいからいいかな、と。ダイナミックな踊りも見事で、最初の跳躍で思わず拍手が起こるほど。喧嘩のような遣り取りも段取りがいっぱいで大変そうだけど、ペトルーチオは何気に踊りの見せ場も多い。息の合った遣り取りと、ダイナミックな踊りの両方を楽しむことができるのがいいよな〜と。バデネスも可愛かったです〜♪ 結構表情も崩してめちゃくちゃなじゃじゃ馬を演じているけど、下品じゃないのがいいなぁ、と。やさぐれたりする姿が、なんか可愛いんですよね〜。2人で全幕が見てみたいけど、カマルゴがオランダに行ってしまったので難しいですね、、。

「ヌレエフ」よりパ・ド・ドゥ
振付:ユーリー・ポソホフ
音楽:イリヤ・デムツキー
  マリーヤ・アレクサンドロワ、ウラディスラフ・ラントラートフ

素敵でした! どういう場面なのかはわからず、、。ラントラートフは確かタイツに、上はハイネックの長袖。アレクアンドロワも、上はレオタードで、同色(グレーっぽい)のロマンチックチュチュをはいている感じ。2人ともシンプルな衣裳だったので、ヌレエフと女性ダンサーが何かの作品を練習しているような場面なのかな?とかってに想像。2人のダイナミックで息の合った踊り、情熱的な表現にウットリでした。

「アダージェット」
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:グスタフ・マーラー
  マリア・アイシュヴァルト、アレクサンドル・リアブコ

マーラーの「アダージェット」にのせて、真っ白な衣裳のアイシュヴァルトとリアブコが踊るパ・ド・ドゥ。美しかったです、、、。アイシュヴァルトの美しさ。リアブコのダンスへの献身。物語はなくても物語以上の感情が漂う、あまりに深遠で美しいパ・ド・ドゥに涙が出ました。ノイマイヤーのシンフォニック・バレエにはストーリーはないはずなのに、そこには必ずと言っていい程「人間」がいて、「感情」があるんだなぁと思いました。マーラーの「アダージェット」を生のオーケストラで聴けたのも嬉しかったです。

「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
  アレッサンドラ・フェリ、マルセロ・ゴメス

すごかったです〜。圧巻でした。ただただ2人が生み出す世界に圧倒され、息を詰めて見入っていたらあっという間に終わってしまった感じ。とても濃密な時間でした。複雑で繊細な感情が振付の中に無数に込められていて、それを演じる側と見る側が共有することができる。だからこそ、ときには心が震えるほど感動することができるし、それこそがバレエの大きな魅力の一つなのかもしれません。バレエってすごいなと、改めて思いました。最後、オネーギンからの手紙を彼に突き返すタチヤーナ。その手紙を差し出したフェリの手が震えていたのが印象的でした。
両プロ1回ずつしか見てないんですが、私が見た限りでは初めて2回目のカーテンコールがありました。

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ
音楽:レオン・ミンクス
  マリア・コチェトコワ、ダニール・シムキン

盛り上げてくれました〜。2人ともコンパクトでなんだか可愛い。シムキンは相変わらず少年っぽいし、コチェトコワもキュート。シムキンは本当に無駄のない奇麗な踊りをするな〜という印象。力みがなくてフワッと軽いんですよね。余裕たっぷりの回転も奇麗だし、あとやはり背中の柔らかさは印象的。3回連続の540(ファイブフォーティー?)に、そりゃあ会場もどよめきます。コチェトコワはヴァリエーションで扇を持っていませんでした。フェッテは高速のオールシングル。フェッテの途中でピョンって跳ぶの、やるかと思ったら今回はやりませんでした。
因みに、このときもカーテンコールが2回だったんですが、スタッフさんがカーテンの隙間を閉じなかったので、そのまま拍手が続いてもう一度出てきたという感じでした。いや、彼らのパフォーマンスは2回に値するものだったと思いますが、それまでどんなに素晴らしくてもサクサクと1回で進行してきたので、カーテンを閉めなかったのがちょっと印象に残ったというだけの話なんですが。フィナーレの準備でもあったのかな〜と。
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2018年08月25日

第15回世界バレエフェスティバル【Bプロ】8月9日<第1部・第2部>

世界バレエフェス、Bプロの感想を<第1部>と<第2部>まで書きました。そろそろ記憶がなくなってきている、、、。

第15回 世界バレエフェスティバル【Bプログラム】
2018年8月9日(木)18:00 東京文化会館

<第1部>
「眠れる森の美女」
  オレシア・ノヴィコワ、デヴィッド・ホールバーグ
「ムニェコス(人形)」
  ヴィエングセイ・ヴァルデス、ダニエル・カマルゴ
「ソナチネ」
  レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ
「オルフェウス」
  シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
ローラン・プティの「コッペリア」
  アリーナ・コジョカル、セザール・コラレス

<第2部>
「シンデレラ」(ルドルフ・ヌレエフ)
  ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ
「HETのための2つの小品」
  タマラ・ロホ、イサック・エルナンデス
「白鳥の湖」より第3幕のパ・ド・ドゥ
  アシュレイ・ボーダー、レニード・サラファーノフ
「椿姫」より第2幕のパ・ド・ドゥ
  アリシア・アマトリアン、フリーデマン・フォーゲル

<第3部>
「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ (ケネス・マクミラン)
  メリッサ・ハミルトン、ロベルト・ボッレ
「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"
  ミリアム・ウルド=ブラーム、マチアス・エイマン
「マノン」より第3幕のパ・ド・ドゥ (ケネス・マクミラン)
  アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー
「アポロ」(ジョージ・バランシン)
  サラ・ラム、フェデリコ・ボネッリ
「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ(ジョン・ノイマイヤー)
  アンナ・ラウデール、エドウィン・レヴァツォフ

<第4部>
「じゃじゃ馬馴らし」(ジョン・クランコ)
  エリサ・バデネス、ダニエル・カマルゴ
「ヌレエフ」よりパ・ド・ドゥ(ユーリー・ポソホフ)
  マリーヤ・アレクサンドロワ、ウラディスラフ・ラントラートフ
「アダージェット」 (ジョン・ノイマイヤー)
  マリア・アイシュヴァルト、アレクサンドル・リアブコ
「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ(ジョン・クランコ)
  アレッサンドラ・フェリ、マルセロ・ゴメス
「ドン・キホーテ」
  マリア・コチェトコワ、ダニール・シムキン

指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル(「ソナチネ」「椿姫」)
  
当初はBプロしか見に行くつもりがなかったので、一番最初にチケットを取ったのがBプロでした。それも、発売日をだいぶ過ぎてから、、。その後、ダメもとで申し込んだガラの抽選が当たり、我慢できなくてAプロも追加。最初はAプロとBプロ、演目を見比べてBプロを選んだんですが、結局どちらも楽しかったです。
Bプロの楽しみは、なんといっても出演を決めてくれたセザール・コラレス。さらにAプロの(私的)ダークホースであるメリッサ・ハミルトン、Aプロで印象の変わった(良い方に)バデネスやノヴィコワ、久々のヴァルデスなど。もちろん、もともと大好きなダンサーは楽しみだし。結局全部楽しみってことか(苦笑)。演目はAプロより一つ少ないんですが、終演時間はほぼ同じでした。

<第1部>
「眠れる森の美女」
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
  オレシア・ノヴィコワ、デヴィッド・ホールバーグ

とってもよかったです〜♪ Aプロの「アポロ」がよかったので楽しみにしていたノヴィコワは、オーロラ姫も素晴らしかったです。もう文句のつけようのないヴァリエーション。最初のアティチュードでもう「わ♪」ってなりました。今までそれほど彼女に興味がなかったんですが(すみません)、今回で俄然見る目が変わりました。バランスのいいプロポーションと美しいラインを描く脚、柔らかなポール・ド・ブラ。生み出されるポーズの一つ一つが美しかったです。アティチュードやアラベスクのときに、ポワントで立ってからグッと体重を乗せる瞬間が印象的でした。ほんの一瞬なんですが、そこでキュッと美しいポーズが決まるんです。あの一瞬がなんだかとても奇麗でした。コーダの終盤では、サポートされて移動してから身体を倒すという動きを3回繰り返すところで(2人揃ってアラベスクで下がる直前のところです)、3回目だけ腕の動きをゆっくりにしていたんです。同じ動きでも緩急でアクセントをつけることでグッと豊かな表現になりますよね。そういう細やかな心遣いが素敵だな〜と。
ノヴィコワの衣裳がとても可愛かったです。レースがふんだんに使われたチュチュは少し短めで、ピンと張っているものではなく、フワッと少し下がっていました。チュチュの裾が丸いカットなのも可愛い。何て言うんだろ、雲みたいな、半円の連続したカット。しかも首には白いレースのチョーカー。本当に可愛かった〜♪
ホールバーグもよかったです。丁寧な踊り、優しいサポート、キラキラの佇まい。表情も穏やかでよかった。怪我で思うように踊れない時期もあったと思うので、本人が充実したような表情をしていたので、それがとても嬉しかったです。美しいマネージュと、その後半で風になびくブロンドの髪も印象的でした。
アダージオで連続のフィッシュダイブをやらなかったので、どちらかが不調なのか、そういうヴァージョンなのか気になっていたんですが(2人とも不調には見えなかった)、ツイッターのほうで、ロシアの『眠り』にはフィッシュダイブがないと教えて頂きました。そうなんだ〜。身体を斜めにスッと倒すヴァージョンなんだそう。いや、スッキリした上に一つ賢くなってすごく嬉しい♪ というか、いかに自分がぼ〜っと見てるかがわかってしまったな、と(苦笑)。
幕開きに相応しいパフォーマンスでした。

「ムニェコス(人形)」
振付:アルベルト・メンデス
音楽:レムベルト・エグエス
  ヴィエングセイ・ヴァルデス、ダニエル・カマルゴ

うつ伏せにパタンと倒れているヴァルデス。やがて人形振りで踊り出します。上手後方に立っているカマルゴは兵隊の人形。女の子の人形(ヴァルデス)が一生懸命アピールするも、つれない態度(踊り)。つれないというか、真面目な兵隊さんという感じなのかな? ヴァルデスのポワントの安定感は変わらず。しっかりと床を捉えたポワントで、まさに人形のようにクルクルと回転する様子は流石です。いつまでもつれない態度の兵隊さんに、ついに泣き出してしまうヴァルデス。その瞬間、いままで人形振りの直線的な動きだったカマルゴが、フワ〜ッと柔らかい動きに変わって、彼女のもとへ駆け寄ります。あの瞬間がとても素敵でした。
束の間の優しい時間を過ごす2人。しかし朝の訪れとともに、2人の身体に異変が、、。次第に動かなくなる身体に抗う2人。やがて2人とも動かなくなる切ない幕切れを迎えます。ちょっと不思議な世界観。最初は「これは際物か?」と思ったんですが、最後はちょっと切なかったです。ヴァルデスは表情豊かにキュートに演じていて可愛かったし、真面目な兵隊さんのカマルゴも素敵でした。
プログラムには、「朝一番に刺す太陽の光の中、人形の二人はついに死ぬ運命にある」とあるんですが、文字通りの死ではなく、人形に戻るだけで、夜になったらまた会えるのだと思いたいです。

「ソナチネ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:モーリス・ラヴェル
  レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ

舞台上にグランドピアノ。ルーヴェは美しい若者ですね〜。エレガントで流れるような踊り。華もあり、品もある。踊ると風に揺れる、フンワリお袖の衣裳が似合うな〜と。ソロになってからのジャンプも瞬発力があってよかった。ちょこっと民族舞踊っぽいステップが入るのがバランシンぽいな〜と。ピアニストとコンタクトをとるのも粋。何気に体力的にハードそうな男性パート。ルーヴェの息づかいが時折聞こえてきました。最後は逆回転マネージュでそのまま袖にアウト(だったはず)。クニッテルさんのピアノも、柔らかな音で素敵でした。

「オルフェウス」
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー、ハインリヒ・ビーバー、ピーター・プレグヴァト、アンディ・パートリッジ
  シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ

ちょっと震撼レベルのすごさでした(私的に)。始まってすぐ、「あ、これはヤバいな」と(いい意味で)。
ノイマイヤーの「オルフェウス」では、オルフェウスはヴァイオリンを携えたアーティストとして描かれています(プログラムより)。突然の事故で妻エウリディーチェを亡くし、冥界へと降りていく。燕尾服を着たリアブコが振り向くと、その手にはヴァイオリンが。ヴァイオリンを床に置くと音楽が始まります。リアブコのソロの後、背景の暗幕がスーっと半分くらいまで上がり、背中を向けたアッツォーニが現れます。アッツォーニは花柄のブルーのワンピース。ホリゾントは最初はオレンジ色で、その後、確か青やバイオレットなどに変わっていったと思います。彼女を見ないという状態をサングラスをかけて表現。サングラスのままでパ・ド・ドゥを踊ります。ついにサングラスを外して彼女を見た途端、彼女は彼女ではなくなったかのようになる。横たわったアッツォーニのギクシャクグニャともがく脚が印象的でした。
リアブコが振り向いたときから、いやもっと言えば背中を向けてたっているときから、何やらすごい世界が始まるような予感に緊張感が走りました。苦悩する芸術家を演じるリアブコも、どこまでもピュアな存在感のアッツォーニも、素晴らしかったです。初演は2009年。いつか全幕で見られるときが来るでしょうか、、、。

ローラン・プティの「コッペリア」
振付:ローラン・プティ
音楽:レオ・ドリーブ
  アリーナ・コジョカル、セザール・コラレス

怪我で全幕『ドン・キ』とAプロを降板したコラレスが無事に出演してくれました♪ やっぱりいいダンサーだ〜。人を引き付ける独特の空気感があります。何をやってくれるんだろうとワクワクするような勢いがありますよね。怪我から復帰したばかりとは思えないキレッキレの踊り。『海賊』のアリのときみたいに猛スピードで出てきたときには思わず嬉しくなりました(♪)。やはり、搭載しているエンジンが違うな〜という感じ。女性を上空に放り上げるリフトもバッチリでした。
ENBの『海賊』でアリを踊ったときは、もう「忍びの者」みたいというか、強い獣が息を潜めているような不敵な静けさがあって、それがコラレスのものなのか、アリという役柄上のものなのか、とても気になったんですが(因みにそのときの感想が→こちら)、今回は弾けるような踊りでパワフルな明るさがありました。あれは「アリ仕様」だったのか〜と思ったら、さらにいいダンサーだなと思ってしまいました。そういう意味では、ガラで踊る予定だったアルマンを彼がどんな風に演じるのか、見てみたかったです〜。単に明るさと言っても、何かこう他のダンサーとは違うんですよね。あれはやはりラテンの旋風(かぜ)なんでしょうか。加えて、彼独特の空気感もあり、やはり気になるダンサーだな、と。そのうち「セザール・コラレスとラテンの旋風(かぜ)」とかやってくれないだろうか(ホセ・カレーニョがやったやつ)。次のシーズンからロイヤルへの移籍が決まっているコラレス。来年の日本公演で『ドン・キホーテ』を踊ってくれるでしょうか。
プティ版のラブリーな衣裳のコジョカルも可愛かったです〜。ポワントの安定感は流石。プティらしい、肩をクルっと回す仕草も似合います。コジョカルはラブリーであって、コケティッシュではないよな〜と。どちらがプティ版の正解なのかはわからないけど。

<第2部>
「シンデレラ」
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
  ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ

ヌレエフの『シンデレラ』か〜、、と思っていたんですが、すみません、とってもよかったです。私的にはドロテとマチューはAプロの『マノン』より、こっちのほうがよかった。大人っぽい、素敵なパ・ド・ドゥ。2人とも映画スターの出で立ちが似合ってとても素敵でした。NBSのガラにしては珍しくセットもホリゾントの利用もなくて寂しいな〜と思ってたら、後半は背後に星空が広がり、床にも照明が落ちて明るくなって世界が変わった! そういう演出だったのか〜と。ラスト間際、下手の袖から白いストールが現れ、風になびきます。やがてそのストールを手に取り踊る2人。最後はマチューがドロテを頭上高くリフトし、彼女の手に持った白いストールが袖から送られる風になびく姿で幕となりました。
ヌレエフの『シンデレラ』は何度かガラで見たことがあったと思うんですが、「いつもストール出てきたっけ? というか、椅子は?」と思ったら、違うシーンでした。椅子が出てくるのは物語中盤のPDDで、今回踊られた場面は物語の最後の部分だったんですね〜。よくわかっていないもので、、、。

「HETのための2つの小品」
振付:ハンス・ファン・マーネン
音楽:エリッキ=スヴェン・トール、アルヴォ・ペルト 
  タマラ・ロホ、イサック・エルナンデス

2人とも肌の透ける黒の衣裳。下に最小限のレオタードを着て、その上にロホは黒の透けるワンピース、エルナンデスは同じく透ける全身タイツを着ている感じです。緊張感のあるパ・ド・ドゥ。前半はスリリングに、後半はややスローになり濃密なPDDが展開。ロホはいつも格好いい♪ エルネンデスもよかった。それにしても美しい筋肉(エルナンデス)。しかし、露出度ではかつてのボッレの『エクセルシオール』には負けます(ダンマガ買うの、ちょっと緊張ました・笑)。

「白鳥の湖」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
  アシュレイ・ボーダー、レニード・サラファーノフ

とってもよかったです〜♪ テクニシャンな2人なので、いかにも「ガラ用」みたいになるか思いきや、確かにテクニックでも盛り上げてくれたけど、ちゃんと物語を演じているのがよかった。全幕プロのバジルともAプロの「タランテラ」ともガラリと雰囲気を変えて、ちゃんと王子なサラファーノフ。髪型も七三くらいに綺麗にわけて、品のある佇まい。オディールに魅了され、追い求め、苦悩し、翻弄される姿が印象的でした。もちろん踊りも本当に丁寧でよかった。
ボーダーの強そうなオディールも素敵でした。グランフェッテでは、両腕を羽のように外向きに上げるダブルを披露(あのポール・ド・ブラはアロンジェというらしい)。何回転しようと、腕を上げようと、床に刺さったみたいに動かないポワントと、ビクともしない回転軸。さらに、ちょっとしたところでもポワントでスッと静止するんですが、あまりにも身体がビクともしないので、一瞬フッと時間が止まったような感覚すら覚えました。
サラファーノフの衣裳は自前でしょうか。繊細な装飾が施された美しい衣装で、ちょっと印象的。対してボーダーの衣裳がシンプルで、衣裳の雰囲気はちょっと違ったかも。ガラだし所属も違うし、仕方ないですよね。

「椿姫」より第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン
  アリシア・アマトリアン、フリーデマン・フォーゲル

これもよかった〜。そういえば、シュツットガルトで『椿姫』の全幕は見たことがないなぁと、ふと思ったり。なんにも知らないフォーゲルのアルマン、すべてを知っているのにどうしてそんなに無邪気に笑うの?というアマトリアンのマルグリット。あまりにピュアな時間が流れていて思わず落涙。アマトリアンの幼さの残る表情が印象的でした。
オケーストラピットが暗かったので、おそらく袖の中でピアノを弾いていたと思うんですが、少し音がこもってしまっていて勿体ないな〜と思いました。素敵な演奏だったので。
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2018年08月22日

牧阿佐美バレヱ団『くるみ割り人形』/スタダン『くるみ割り人形』 キャスト決定。

頭の中はまだバレエフェスなんですが、気になる公演情報を。牧阿佐美バレヱ団の『くるみ割り人形』の公演情報が出ていたんですが、何が気になるって、東バから移籍した山本達史さんが王子を踊るじゃないですか〜♪ すごい〜。そっかそっか〜。よかったなぁ〜、と。東バの『カブキ』と重なっていますが、、、。山本さんだけプロフィールが間に合っていないようです。

■ 牧阿佐美バレヱ団『くるみ割り人形』

12月15日(土)14:00
  金平糖の精:織山万梨子
  王子:清瀧千晴
  雪の女王:青山季可
12月15日(土)18:30
  金平糖の精:阿部裕恵
  王子:石田亮一
  雪の女王:日有梨
12月16日(日)14:00
  金平糖の精:太田朱音
  王子:山本達史
  雪の女王:中川郁

指揮:デヴィッド・ガルフォース
演奏;東京オーケストラMIRAI

会場:文京シビックホール
S席:18,000円 A席:8,000円 B席:5,000円
メール会員先行予約:8月23日(木)
一般発売:9月19日(水)


スタダンの『くるみ』もキャストが発表されました。

■ スターダンサーズ・バレエ団『くるみ割り人形』

12月8日(土)13:00
  クララ:西原友衣菜
  王子:林田翔平
12月8日(土)17:00
  クララ:塩谷綾菜
  王子:谷遼
12月9日(日)15:00
  クララ:渡辺恭子
  王子:池田武志

★リックスパフォーマンス はじめてのくるみ割り人形
12月9日(日)11:30
  クララ:荒蒔礼子
  王子:加藤大和

指揮:田中良和
管弦楽:テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ
コーラス:ゆりがおか児童合唱団

会場:テアトロ・ジーリオ・ショウワ
S席:9,500円 A席:6,500円 B席:3,000円
一般発売:8月30日(木)


ところで来年、ネザーランド・ダンス・シアターの日本公演があるという情報をツイッターのほうで知りました。なんと13年ぶりとのこと。それってもしかして、私が見に行ったとき以来か?と思って確認してみたら、やはりそうでした。あれ以来、来てなかったんだ〜。2019年6月〜7月にかけて、愛知県芸術劇場と神奈川県民ホールで開催予定だそうです(唐津絵里さんのツイートより)。
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2018年08月20日

大阪に行ってまいりました。

世界バレエフェスティバルの最終日、大阪の『ドン・キホーテ』を見てまいりました。も〜、楽しかったです! パワフルでエネルギッシュで太陽みたいに明るくてチャーミングでラブラブでエンターテイナーな2人の魅力がぎっしり詰まった舞台でした。幸せすぎて笑ったまま顔が固まってしまった(笑)。そしてやがて泣けてくるという。アレクサンドロワが好きすぎて、登場しただけで涙ぐむ始末(苦笑)。彼女の全幕を見る機会を設けてくれたことに感謝です。願わくば、また見たいけど、、、。

新しくなったフェスティバルホールに初めて行ったんですが、奇麗でした〜(当たり前)。以前の雰囲気を残してますよね。赤い絨毯とシャンデリアの灯りで、ゴージャスな仄暗い空間。以前のフェスティバルホールの、確か天井が低くて奥に長〜い喫茶スペースが印象的だったんですが、吹き抜けの開放的なホワイエに変わっていました。

全然日帰りできるのに無駄に一泊してきました。大阪、久しぶりだった〜。結構、大阪のあの辺り、好きなんです。しかも土日は比較的涼しくて、フェスティバルホールから大阪駅まで歩いても、汗一つかきませんでした。阪神百貨店が変わっていてびっくりしました。2021年の全面開業を目指し工事中で、現在は新たに完成した隣接のビルに移転して営業中でした(→こちらの記事)。でも、地下の食品フロアは以前のままだったんじゃないかな〜。新しくなったら行ってみたいな〜。その頃に何かバレエ公演ないかな。

遠征したらなるべくカレーを食べることにしています(一応ライトなカレー好きなので)。土曜日に2軒、行ってまいりました。昼は「旧ヤム邸」【中之島店】。夜は同じく「旧ヤム邸」【空堀店】。他にもいろいろ行きたいお店があったんですが、何やら周年記念イベントなどを開催していまして、あまり都合がよくなかったんです、私的に。というわけで、最近下北沢に進出して話題の「旧ヤム邸」さんに昼・夜お邪魔しました。これが大阪のスパイスカレーなのね〜と。日替わりカレーを食べたので、日によって違うと思いますが、今回私が食べたカレーは、辛い物が苦手な私でも全然OKな辛さでした。どちらも美味しかったです〜♪ カレー、最高♪

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2018年08月17日

<Sasaki Gala> とりあえずファニー・ガラ。


バレエフェスのガラ公演<Sasaki Gala>へ行ってまいりました。いや〜、楽しかったです♪ ダメもとで申し込んだチケットが当たったことに感謝です。恒例の手拭い投げは、上階席なので届かないし、15番の席でもなかったのでもらえませんでした。第15回のバレエフェスということで、1階15列より後ろの「15番」の席の方にロビーで手拭いがプレゼントされました。次回は16番の席を狙うか、と思ったんですが、フェスガラに座席を選ぶ余裕などない(苦笑)。

こちらも恒例のファニー・ガラは、終演後のロビーにキャスト表が貼り出されていました。写真、見づらくてすみません、、。大勢の人が撮影できるように何枚も貼り出してくれてました。毎回貼り出してたっけ?と思ったら、前回からではないかというコメントをいただきました。そういえば、前回は行ってないんですよね、、。チケ取りに参戦すらしなかったような気が、、。

Bプロの感想も、ガラの感想も書けていないんですが、とりあえずファニー・ガラの感想をちょこっと。
とにかくサラファーノフのジゼルが踊り、可愛らしさともに素晴らしかったです♪ 今回、全幕『ドン・キ』とBプロのジークフリートで(Aプロの「タランテラ」もよかったけど)かなりサラファーノフの印象がよくなったんですが、ファニー・ガラのジゼルで更に好きになりました。そして、ゴメスのオディールのポワント捌き! シングルーシングルーダブルでグランフェッテまで披露してくれました。カルメンのルーヴェも美しかった〜。今回も指揮者のオブジャニコフさんが参加してました。好きだな、絶対(笑)。

本編のオープニング映像の最後に、「第5部 ?!」の文字が。主催者側も楽しんでいるようで何よりです♪ 本編が終わってフィーナーレの演奏が始まると、緞帳の隙間からNBSの高橋さんが登場して演奏をストップ。オーケストラの皆さんはここで退場となり、大きな拍手が送られました。高橋さんのお話にもありましたが、以前は指揮者の方が演奏を止めて、「佐々木さーん」と呼ぶと、客席の通路を通って佐々木さんがステージに上がられたんですよね。私自身は1回か2回くらいしかその光景は目撃していなかったと思います。高橋さん曰く、ここでこうして喋るのはファニー・ガラの準備のための時間稼ぎとのこと(笑)。終盤には何やら中から漏れてきて、笑ってしまいました。

場面は『眠れる森の美女』のオーロラ姫とデジレ王子の結婚式の場。そこに様々な来客が、、、という設定でした。
最初にマチアス・エイマンと、セーラームーンのコスプレをしたシムキンとホールバーグが客席から登場。まさか自分のブログで「セーラームーン」という文字を打つ日が来るとは思いませんでしたよ。残念ながら上階席からは客席を練り歩く彼らの姿は見えませんでした。王をアッツォーニ、王妃をマチュー、そして式典長をオブジャニコフさんが担当。マラーホフ版『眠り』の衣装がここで役に立つとは。新たな登場人物が来るたびに式典長が杖(?)でドンドンと床を叩くんですが、ちゃっちい杖なので、ペシャペシャという頼りない音がして、そのたびに笑えます。

下手の玉座に王と王妃が、上手に式典長。キャラクターたちが行進して登場。あとはバラバラと舞台の両サイドに置かれたベンチに座って、自分の出番以外は思い思いに舞台を鑑賞。みんな仲良さそうで、楽しげでした。
黄色いドレスのアレクサンドロワと黄色い蝶ネクタイをしたラントラートフが踊った「佐々木さんのために」は、ちょっとコミカルに演じる部分もあったけど、とっても素敵なPDDでした。そのタイトルを後で知ったときには、ちょっと胸が熱くなったりして、、。音楽がジブリっぽいな〜と思ったら、「ハウルの動く城」のメインテーマだと教えて頂きました。バレエにもピッタリな音楽でとても素敵でした。
『ジゼル』は下手に家のセットまで登場する手の込みよう。ジゼルの登場シーンが演じられました。アルブレヒトはアイシュヴァルト。扉から登場したジゼルは、誰かと思ったらサラファーノフでした。ジゼルの振付を見事に踊り、喝采が。しかも可愛い! 仕草とか立ち居振る舞いが本当に可愛かったんです。で、ときどきガサツに振舞ってみたり。踊りは伸びやかだしステップは軽やかで跳躍はふんわり。花占いの場面も忠実に(ちょっとコミカルに)再現。アルブレヒトが帽子を脱ぐと頭のてっぺんがハゲていて、ジゼルがドン引きしたりと、笑わせてくれます。美しいアイシュヴァルトがハゲのカツラを被るなんて、、。そんなところが大好きだなと♪ 
やさぐれたカルメンのエルナンデスと、ポワント捌きもなかなかのルーヴェのカルメン。肌の透ける衣装にボブのウィッグをつけたルーヴェは、まるでギエムの「グラン・パ・クラシック」を真似したマラーホフのようでした。それにしてルーヴェ、美しかったです〜。
長靴をはいた猫をボラック。そして白い猫のフォーゲルは、巨大なキティちゃんの顔を付けていました。しかもなんか平べったい(笑)。被り物までしてたので、踊っているときは誰かわからず(苦笑)。サイズ感のおかしい猫が、いつも通りの振付を踊っているのが可笑しい♪
『ドン・キホーテ』より「パ・ド・トロワ」は、バジルとキトリの友人2人が踊る場面です。巨大なタンバリンを持ったロホのバジルと、セーラームーンの2人(シムキン、ホールバーグ)。ふざけた格好してるけど(セーラームーン)、踊るとキレッキレで格好いいのはズルい♪
「青い鳥」は、青い鳥をコチェトコワ。レヴァツォフがフロリナ王女の衣裳を来ていたので楽しみにしていたら、黒子で登場。照明を少し落として、黒子のレヴァツォフがコチェトコワをリフトすることで飛んでいるように見せるという演出でした。遠目で見ると、わりと効果ありました。その後は再びフロリナ王女の衣裳で出てきたので(カテコも)、何気に楽しんでるな、と。ブロンドにブルーの衣裳が美しかったので、そのまま踊るところも見たかったです。
「スパルタクス」はバデネスとカマルゴ。長い黒髪(ウィッグ)のカマルゴが腕を上げると脇に黒い毛が、、。いやご本人のものではなくて、たっぷりと偽物がついてました。いやいや、それはなんか気恥ずかしい〜。真面目な顔して踊るたびに見え隠れするのが可笑しかったです。ポワント捌きもなかなか上手でした。
3羽の白鳥はボッレ、ボネッリ、ラントラートフ。ボッレって、こういうことやってくれるのね〜。なんか意外で嬉しかったです。それにしても本当に「大きな」白鳥。踊りは柔らかくて美しい、大迫力の3羽の白鳥でした。
トリはドロテのジークフリートとゴメスのオディール。ゴメスのポワント捌きが本当にすごかった〜。まあでもグランフェッテはやらないだろうなと思っていたら、シングルーシングルーダブルのフェッテを披露。ダブルまでいれるとは。ドロテのマネージュも印象的でした。

久々のファニー・ガラだったので、なんだか楽しかったです。何が楽しかったかって、ダンサーたちの「本気度」ですよね。本気でやってくれているから楽しいんだと思いました。楽しいとは思いつつ、ニヤニヤするだけであまり笑うことはないんですが、サラファーノフのジゼルには流石に笑いました。
また行けたらいいな〜、と。3年後の自分は何をしてますかね、、。
とりあえず、明日の自分は大阪です!
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2018年08月14日

<Sasaki Gala>のプログラム決定/ミリアム降板、、、。

明日の<Sasaki Gala>の詳細が出ました。未定だった演目や出演者が決定した一方で、ミリアム・ウルド=ブラームの降板も発表されました。そっか〜。残念ですね、、。公演中に脚を痛めながら、なんとかBプロを踊りきってくれたそうです。そうだったんですね、、。ミリアムとマチアスが踊る予定だった「グラン・パ・クラシック」は、ドロテが代役を務め、予定通り上演してくれるそうです。ミリアムの降板は残念だけど、マチアスとドロテの組み合わせも楽しみです。
コラレスの降板でどうなるかと思っていたコジョカルとコボーの演目ですが、新たにホールバーグを迎え、予定通り「マルグリットとアルマン」を披露してくれるとのこと。コジョカルとホールバーグって一緒に踊ったことあるのかしら?と思ったら、ABTで共演しているとの情報がツイッターのほうにありました。ホールバーグのアルマン、楽しみ〜♪ 
ラドメーカーの降板で未定になっていたアイシュヴァルトのパートナーがボッレに決まったとのこと。たぶんリアブコだろうと思っていたので、ビックリしました〜。でもそういえば、リアブコのプティって想像つかないな。リアブコなら素晴らしく踊っちゃうと思うけど(♪)。アイシュヴァルトとボッレは一緒に踊ったことがあるんでしょうか。もうそういうの、全然わからない〜。私的には意外な組み合わせで、ちょっと楽しみです。
未定だったコチェトコワのソロは、マルコス・モラウ振付の「デグニーノ」に決まったとのこと。そして、ドロテとマチューが踊るティアゴ・ボアディンの新作のタイトルが「ワールウィンド・パ・ド・ドゥ」と判明。「ワールウィンド」は、旋風・竜巻という意味の英語で間違いないでしょうか。す、すごそう(笑)。楽しみです〜。
 
第15回世界バレエフェスティバル<ガラ−Sasaki Gala−>

「ローレンシア」(ヴァフタング・チャブキアーニ)
  マリア・アレクサンドロワ、ウラディスラフ・ラントラートフ
「モノ・リサ」(イツィク・ガリリ)
  アリシア・アマトリアン、フリーデマン・フォーゲル
「月に寄せる七つの俳句」よりパ・ド・トロワ(ジョン・ノイマイヤー)
  シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ、エドウィン・レヴァツォフ
「ライムライト」(カタジェナ・コジルスカ)
  エリサ・バデネス
「ドリーブ組曲」(ジョゼ・マルティネス)
  レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ
「マルグリットとアルマン」より(フレデリク・アシュトン)
  アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー
  セザール・コラレス → デヴィッド・ホールバーグ
「タイス」(ローラン・プティ)
  マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメーカー → ロベルト・ボッレ
「ウルフ・ワークス」(ウェイン・マクレガー)
  アレッサンドラ・フェリ、フェデリコ・ボネッリ
「ワールウィンド・パ・ド・ドゥ」(ディアゴ・ボアディン)
  ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ
「デグニーノ」(マルコス・モラウ)
  マリア・コチェコトワ
「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ(ケネス・マクミラン)
  サラ・ラム、マルセロ・ゴメス
「タチヤーナ」(ジョン・ノイマイヤー)
  アンナ・ラウデール、エドウィン・レヴァツォフ
「白鳥の湖」よりグラン・アダージオ(レフ・イワーノフ)
  オレシア・ノヴィコワ、デヴィッド・ホールバーグ
「グラン・パ・クラシック」 (ヴィクトル・グゾフスキー)
  ミリアウ・ウルド=ブラーム → ドロテ・ジルベール、マチアス・エイマン
「ドン・キホーテ」(マリウス・プティパ)
  タマラ・ロホ、イサック・エルナンデス
「アリシアのために―アリシア・アロンソに捧ぐ」(タニア・ヴェルガラ)
  ヴィエングセイ・ヴァルデス
「プルースト―失われた時を求めて」より"モレルとサン・ルー"(ローラン・プティ)
  ロベルト・ボッレ、マチュー・ガニオ
「アー・ユー・アズ・ビッグ・アズ・ミー?」(ロマン・ノヴィッキー)
  レオニード・サラファーノフ、ダニール・シムキン、ダニエル・カマルゴ
「リーフ(葉)」【世界初演】(大石裕香)
  ジル・ロマン
「ボレロ」(モーリス・ベジャール)
  上野水香、東京バレエ団

→ NBS
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青少年向けバレエ鑑賞事業にて、東京バレエ団による『白鳥の湖』『ボレロ』を上演【札幌】

札幌市民交流プラザのHPに、青少年向けバレエ鑑賞事業開催決定のお知らせが出ていました。東京バレエ団が『白鳥の湖』の第2幕と『ボレロ』を上演するようです。対象は札幌市内の中学2年生、約2,200名。いいな〜。私が中学生のときにもこういうのがあればよかったのに〜。劇団が小学校に来てくれて、体育館でお芝居を上演してくれたことはありましたね〜。最高に楽しかった。バレエを見るだけじゃなく、劇場に行くのも体験の一つですよね。今回の事業は株式会社ニトリの特別協賛により実施されるそうです。参加費無料、移動費自己負担とのこと。

■ 【札幌文化芸術劇場 hitaru】青少年向けバレエ鑑賞事業開催決定

2019年1月21日(月)14:00 予定上演時間100分(休憩含む)
会場:札幌文化芸術劇場 hitaru

【出演】
チャイコフスキー記念東京バレエ団
【上演作品】
『白鳥の湖』第2幕、『ボレロ』

【対象】
札幌市内の中学2年生 約2,200名

【主催】 札幌文化芸術劇場 hitaru(札幌市芸術文化財団)
【特別協賛】 株式会社ニトリ

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2018年08月12日

気になる公演をドバっと(ってほどでもない)。

ここ最近、自分がツイッターのほうでつぶやいた、気になる公演をいくつか。

これはもう1週間後の公演なので今更感が漂いますが、、。引退を発表しているKバレエの浅川紫織さんが、長野バレエ団の『眠り』にゲスト出演します。パートナーは宮尾俊太郎さん。2016年の『ドン・キ』にもお2人で出演されていますよね。浅川さんが長野バレエ団のご出身のよう。私がここで書くまでもなく、ファンの方はご存じできっと見に行かれると思うんですが、一応〜。

■ 長野バレエ団定期公演『眠れる森の美女』プロローグ付全3幕/他

2018年8月19日(日)14:00
会場:ホクト文化ホール(長野県県民文化会館)

第1部 オープニング 「アイレス・デ・アンダルシア」
第2部 『眠れる森の美女』
  主な出演:浅川紫織(K-Ballet Company プリンシパル)
        宮尾俊太郎(K-Ballet Company プリンシパル)
        倉島彩納(長野バレエ団)、齋藤愛里(長野バレエ団)
        堤淳・内村和真・福田建太・吉留諒・濱本泰然(東京シティバレエ団)、他


以前ツイッターのほうで教えて頂いた、日本バレエ協会主催の札幌公演『ドン・キホーテ』の詳細が出ていました。主演の酒井はなさん、福岡雄大さんに加え、エスパーダで輪島拓也さんが出演されます。チケットは7月14日から発売中です。

■ 第39回 全道バレエフェステイバル・イン・サッポロ『ドン・キホーテ』

2018年10月14日(日)16:00
会場:札幌文化芸術劇場hitaru

キトリ:酒井はな
バジル:福岡雄大
ドン・キホーテ:桝竹眞也
サンチョ・パンサ:木村仁秀
ロレンツォ:小原孝司
エスパーダ:輪島拓也
メルセデス:桝谷まい子

S席:8,000円 A席:7,000円 B席:6,000円


京都バレエ団の公演は、エリック・サティの音楽を使った『びょうぶ』という和風な作品のようです。山本隆之さん、佐々木大さんなどがゲスト出演。

■ 京都バレエ団公演

2018年11月3日(土・祝)15:00
会場:ロームシアター京都メインホール

【ゲスト】
山本隆之(新国立劇場バレエ団)
佐々木大(佐々木美智子バレエ団)
光永百花(牧阿佐美バレエ団)

【演目】
『びょうぶ』新演出・新振付 音楽:エリック・サティ
『京の四季』初演

一般発売:8月23日(木)


そして、沖縄で『ジゼル』全幕の公演があります。沖縄タイムス創刊70周年記念事業とのこと。ロイスに吉瀬智弘さん、三木雄馬さんがゲスト出演します。他に谷桃子バレエ団の齊藤拓さんがヒラリオンで両日ゲスト出演。豪華ですよね〜。

■ 沖縄タイムス創刊70周年記念事業『ジゼル』全幕

2018年
11月17日(土)19:00
  ジゼル:下地麻衣子
  ロイス:吉瀬智弘(フリー)
11月18日(日)14:00
  ジゼル:前田奈美甫
  ロイス:三木雄馬(谷桃子バレエ団)

会場:沖縄市民会館大ホール
全席自由:前売3,500円(当日4,000円)

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2018年08月10日

第15回世界バレエフェスティバル【Aプロ】8月2日 <第3部・第4部>

バレエフェスAプロ、後半の<第3部>と<第4部>の感想を書きました。

第15回 世界バレエフェスティバル【Aプログラム】
2018年8月2日(木)18:00 東京文化会館

<第1部>
「ディアナとアクテオン」
  エリサ・バデネス、ダニエル・カマルゴ
「ソナタ」
  マリア・アイシュヴァルト、アレクサンドル・リアブコ
「ジゼル」より第2幕のパ・ド・ドゥ
  マリア・コチェコトワ、ダニール・シムキン
「アポロ」
  オレシア・ノヴィコワ、デヴィッド・ホールバーグ
「コッペリア」
  サラ・ラム、フェデリコ・ボネッリ

<第2部>
「瀕死の白鳥」
  ヤーナ・サレンコ
「カラヴァッジオ」
  メリッサ・ハミルトン、ロベルト・ボッレ
「くるみ割り人形」
  レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ
「・・・アンド・キャロライン」
  オレリー・デュポン、ダニエル・プロイエット
「ファラオの娘」
  マリア・アレクサンドロワ、ウラディスラフ・ラントラートフ

<第3部>
「カルメン」
  タマラ・ロホ、イサック・エルナンデス
「ルナ」
  エリザベット・ロス
「アンナ・カレーニナ」
  アンナ・ラウデール、エドウィン・レヴァツォフ
「タランテラ」
  アシュレイ・ボーダー、レオニード・サラファーノフ
「アフター・ザ・レイン」
  アレッサンドラ・フェリ、マルセロ・ゴメス

<第4部>
「ドン・ジュアン」
  シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
「シェエラザード・パ・ド・ドゥ」
  アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー
「ヘルマン・シュメルマン」
  ポリーナ・セミオノワ、フリーデマン・フォーゲル
「マノン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
  ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ
「ドン・キホーテ」
  ミリアウ・ウルド=ブラーム、マチアス・エイマン

指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
チェロ:伊藤悠貴(「瀕死の白鳥」)
ピアノ:原久美子(「瀕死の白鳥」、「タランテラ」)

<第3部>
「カルメン」
振付:アルベルト・アロンソ
音楽:ジョルジュ・ビゼー
  タマラ・ロホ、イサック・エルナンデス

ロホにカルメンはピッタリな演目だなぁと。セクシーには違いないんだけど、でもなんだか可愛いと思ってしまった。ロホの意志的な眼差しが好きなんですが、カルメンというキャラクターにも合っていて、とてもよかったです。プティ版よりアロンソ版を踊るロホのほうが好きかも。幕開きの音楽と、ポーズを決めて立つロホに、がっしりと心を掴まれてしまいました。あの登場一番の瞬間が大事ですよね〜。ロホは私にとって「もうその存在が好き」なダンサーの一人なので、より心を掴まれたのかもしれません。エルナンデスも素敵でした〜。ソフトなラテン系の甘いマスクと、長身のスタイル。ダイナミックな踊りには甘やかさもあり、ロホの情熱に真っすぐに応えようとする姿は好感度が高いです。ホセのソロは木村さんを思い出してしまったりして、ちょっとじんわりと、、、。あの音楽はグッときます。エルナンデス、腰に手拭い下げてるの?と思ったら、サッシュベルトでした。柄が(苦笑)。

「ルナ」
振付:モーリス・ベジャール
音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
  エリザベット・ロス

これを見られてよかった、、、。全身を包む真っ白なレオタードのロスが正面を向いて歩いてくる姿に、冒頭から心掴まれます。ロスの一挙手一投足を見逃したくなくて、食い入るように見つめてしまいました。静謐で、神聖な時間が流れていました。ロスが踊ると、ベジャール作品が正しくベジャール作品に見える気がします。正しくベジャール作品であると当時に、ロスが踊るベジャールとして確立しているような気もします。もう、彼女の「中に」ベジャールさんはいるんだな、と。ベジャール作品で見かける、背中が大きく開いたレオタードは、背中の表情や美しさが際立って素敵です。そしてロスは本当にあのレオタードが似合う。

「アンナ・カレーニナ」
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
  アンナ・ラウデール、エドウィン・レヴァツォフ

すーごくよかったです〜。テーブルに腰掛け、ワインを飲みながら読書に耽るラウデール。そんな彼女の注意を自分に向けさせようとするレヴァツォフ。しばしのパ・ド・ドゥの後、再び読書に戻ろうとする彼女の手から本を取り、テーブルの向こうにスパーンと落としてしまいます。踊りはもちろんなんですが、何気ない仕草や日常の動作からも、2人の関係性や、繊細な心の遣り取りが伝わってきます。神話や文学作品を時代を置き換えて描くノイマイヤーの手腕が、この短い場面からも伝わってくるようなパ・ド・ドゥでした。物語性に加え、ますます洗練されていく印象のある近年の作品。このパ・ド・ドゥにも繊細で澄んだ空気が漂い、ノイマイヤーの才能がますます研ぎ澄まされていくのを感じずにはいられませんでした。そしてノイマイヤーのもとには、それを体現するダンサーたちがいます。ラウデールもレヴァツォフも脂が乗っているというか、今本当に充実しているんだなぁと思わせるパフォーマンスでした。
キャスト表には出ていなかったんですが、途中から息子役のダンサーが登場します。東京バレエ団の山下湧吾さんが演じていたそうです。緑のTシャツにグレーの膝丈のズボン。おもちゃの汽車を床に走らせて遊びます。遊んでいるのが後の悲劇を連想させる汽車というのが憎い演出。少し一緒に踊る場面などもあり、とても大事な役どころでした。きっと素晴らしい経験になったんじゃないかな〜と(上から目線ですみません)。とても雰囲気のある人で、表情にも知性があり、素敵でした。
ラウデールのワンピースがとても可愛くて印象的。ピンク地に、ところどころに横に走る赤いライン。裾だけクリーム色になっています。リフトされたときに見えたんですが、同じ布のパンツをはいていたんです。可愛かった〜。
ガラで抜粋を見ると必ずと言っていいほど全幕が見たくなるノイマイヤー作品ですが、この「アンナ・カレーニナ」も猛烈に全幕が見てみたくなりました。

「タランテラ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ルイス・モロー・ゴットシャルク
  アシュレイ・ボーダー、レオニード・サラファーノフ

一気に底抜けに明るい「タランテラ」へ。ただただ軽快で爽快で楽しい。サラファーノフの軽やかな踊り。ボーダーは弾むような踊り。アシュレイ・ボーダーも久々に見たんですが、ちょっと逞しい(すみません)踊れそうな身体は健在ですね〜。明るくて強そうなボーダーは、結構好きです。

「アフター・ザ・レイン」
振付:クリストファー・ウィールドン
音楽:アルヴォ・ペルト
  アレッサンドラ・フェリ、マルセロ・ゴメス

ひたすらに美しかったです。冒頭、下手に並んで立つ2人が、左右にゆっくりを身体を揺らします。ただそれだけなのに、妙に心に沁みました。長い髪をおろした小柄なフェリは、シンプルなレオタードに素足。その飾らない美しさが印象的でした。年齢に抗うのではなく、年齢に相応しい女性になることが、本当の美しさなのかな〜なんて。とはいえ、今でもどこか少女のようなフェリです。フェリの裸足の爪先が本当に美しくて、思わず見入ってしまいました。そして、ゴメス。フェリと踊ることが光栄であると言わんばかりのサポートに、こういうゴメスがやっぱり好きだな〜と。サポートに徹していたとしても、「ゴメスが勿体ない」と思わせるどころか、「これぞ男性ダンサーの鑑」と思わせるゴメスは、やっぱり素敵です。それにしても、美しい身体で奇麗に踊る人だな〜と。ラスト、ゴメスの脚の上に乗ったフェリが、斜め上空にスーっと身体を伸ばしたポーズで終わります。高みへと向かうような美しいラストでした。
音楽のアルヴォ・ペルトといえば、私にとってはマロリー・ゴディオン振付の「アベルはかつて…」を思い出してしまいます。ちょうど自分がバレエを見始めたころに何度か上演されていたんですよね。懐かしい。

<第4部>
「ドン・ジュアン」
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:クリストフ・ウィリバルド・グルック、トマル・ルイス・デ・ヴィクトリア、
  シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ

近年の作品とはドラマチックのテイストがすこし違う感じがする「ドン・ジュアン」は1972年初演とのこと。かなり初期の作品なんですね。浮気者や放蕩者のイメージなんて微塵もないリアブコですが、表情や髪を撫で付ける仕草に醸し出される色男ぶりに、ちょっとドキッとする色気があります。白いフワッとしたドレスにフワフワのブロンドをなびかせるアッツォーニ演じる謎めいた女性。ドン・ジュアンは彼女を追うも、いつも逃げられてしまう(プログラムより)。彼の誘惑になびかないこの女性に翻弄され、やがて破滅に向かう男をリアブコが熱演。壊れていく男が似合います。後半に髪を撫で付ける仕草は、必死に自らを保とうとしているように見え、彼の心の揺れがこちらにも伝わってくるようでした。中盤にはアカデミックなソロもあり、リアブコの高い技術と端正な踊りも堪能。アッツォーニは出で立ちからして天使のよう。しかしどこか捉えどころがなく、特に後半の死のイメージは印象的。可憐なイメージのアッツォーニですが、この「ドン・ジュアン」や「椿姫」のマノンなどの、相手を導いていくような強い役も素晴らしいんですよね。
プログラムにも写真が使われているんですが、真っ直ぐに横たわったアッツォーニを腕一本で支える印象的なリフトがあります。よく見たらアッツォーニがリアブコの肩に掴まっているんですが、それにしても魔法みたいに浮遊感のある不思議な場面でした。
最高のパートナーシップで、ガラということを忘れさせる素晴らしい踊りを見せてくれた2人。最近でも全幕で上演されているんでしょうか? これもまた全体像が気になる作品でした。


「シェエラザード・パ・ド・ドゥ」
振付:リアム・スカーレット
音楽:リムスキー・コルサコフ
  アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー

リアム・スカーレット振付の新作。コジョカルが本当に踊りやすそうで、やはり彼女のサポートをさせたらコボーの右に出るものはいないな、と。淀みなく滑らかで、どこにも力みを感じさせないサポート、リフトは流石です。コジョカルがなんとも幸せそうで、慈愛すら感じさせていて、衣裳もブルーのシンプルなものだったし、それほどゾベイダと金の奴隷っぽくないな〜と思いながら見ていたんですが、もしかしたら内面のゾベイダと金の奴隷なんでしょうか。身分や立場や外見など、装飾的なものを一切排除して、惹かれ合う純粋な心を描いたのかな〜と。しかし、Twitterのほうでコメントを頂きまして、シャリアール王とシェエラザード(あるいはゾベイダ)の可能性もないだろうか、と。それだ! そっちだ〜。確かに、コボーはシャリアール王だと思ったほうが断然しっくりきます。コジョカルは閉ざした王の心を溶かす存在だったのかもしれないと思うと、素敵だな〜と。「シェエラザード・パ・ド・ドゥ」の“シェエラザード”は作品名ではなく、人名だったのか、と。
それにしてもコボーのスキンヘッドが気になってしまって(苦笑)。自前なのかウィッグなのか、オペラグラスでガン見してもわかりませんでした。

「ヘルマン・シュメルマン」
振付:ウィリアム・フォーサイス
音楽:トム・ウィレス
  ポリーナ・セミオノワ、フリーデマン・フォーゲル

男前なポリーナが格好よかったです〜。細いんだけど逞しいんですよね。上半身の肌の透ける黒い衣裳は、中に肌色のインナーを着ていました。フォーゲルが黒のゆるっとした上下を着ていて、つまんなーいと思ったら、後半は黄色いスカート一枚に。見たことあるはずなんですけど、忘れてました。緊張感が漂いつつも、なんだか楽しそうな2人が印象的。ただなんとなく、本当になんとなくなんですが、2人はもう違う道を歩んでいるんだな〜と思ったりもしました。決して相性が悪いわけではないし、雰囲気もよかったんだけど、2人で踊る演目を想像すると、限られてくるような気がしたというか。

「マノン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネ
  ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ

ドロテが可愛かったです。衣裳も髪型も似合う♪ 表現力も伸びやかな踊りも、エトワールとしての充実を感じさせました。マチューもよかったと思います〜。すみません、あまりマチュー・センサーがないのかも、、。すごくよかったんだけど、何故かそれほど2人の間に愛を感じなかったかも、、。
ところで、様々な舞台装置を駆使してガラ公演を華やかに演出してくれるNBSですが、東バのレパートリーにないのにどうして『マノン』のセットはあるんだろう? いつも登場するベッドとテーブルです。上演機会が多いから作ってしまったのか、何か他の作品のセットなのか、ガラ公演の度に海外のカンパニーから借りるのか、そんなことが気になってしまいました。そういえば、昔からNBSのガラで登場する『ロミジュリ』のバルコニーもどうしてあるんだろう? あの岩造りのやつ。変なことが気になります。

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ
音楽:レオン・ミンクス
  ミリアウ・ウルド=ブラーム、マチアス・エイマン

黒一色のキトリの衣裳はちょっと珍しい気がしたけど、素敵でした。チュチュの部分に赤い大きな花が一つ。髪にも赤い花。ミリアムが華やかなので、黒い衣裳も有りだな、と。あまり詳しくないんですが、黒いキトリはパリ・オペ仕様ではないですよね? ミリアムの自前なのかしら。艶があってエレガントな『ドン・キ』でした。なんていうか、自分たちの踊りをしたな〜という印象で、清々しかったです。マチアスの長い腕が印象的。ミリアムはキリリとしつつもエレガントなキトリ。フワフワして可愛い印象だったミリアムが、なんだか大人っぽくなったな〜と(しばらく見ていなかったので)。今でももちろん可愛いけど、貫禄が増した印象がありました。『くるみ』ほどには「ヌレエフ(の振付)って、、、」と思わなかった気がします。

フィナーレの演奏がいつもより少しゆっくりだった気がするんですが、出演者が多いから合わせていたんでしょうか? 上手の一番端にいるラントラートフがあんまり前に出てこなくて、後ろのほうで大きく腕を振っているのが可愛かったです。
posted by uno at 21:50| Comment(0) | バレエ公演2018 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月07日

第15回世界バレエフェスティバル【Aプロ】8月2日 <第1部・第2部>

バレエフェスAプロ、<第1部>と<第2部>の感想を書きました〜。

第15回 世界バレエフェスティバル【Aプログラム】
2018年8月2日(木)18:00 東京文化会館

<第1部>
「ディアナとアクテオン」
  エリサ・バデネス、ダニエル・カマルゴ
「ソナタ」
  マリア・アイシュヴァルト、アレクサンドル・リアブコ
「ジゼル」より第2幕のパ・ド・ドゥ
  マリア・コチェコトワ、ダニール・シムキン
「アポロ」
  オレシア・ノヴィコワ、デヴィッド・ホールバーグ
「コッペリア」
  サラ・ラム、フェデリコ・ボネッリ

<第2部>
「瀕死の白鳥」
  ヤーナ・サレンコ
「カラヴァッジオ」
  メリッサ・ハミルトン、ロベルト・ボッレ
「くるみ割り人形」
  レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ
「・・・アンド・キャロライン」
  オレリー・デュポン、ダニエル・プロイエット
「ファラオの娘」
  マリア・アレクサンドロワ、ウラディスラフ・ラントラートフ

<第3部>
「カルメン」
  タマラ・ロホ、イサック・エルナンデス
「ルナ」
  エリザベット・ロス
「アンナ・カレーニナ」
  アンナ・ラウデール、エドウィン・レヴァツォフ
「タランテラ」
  アシュレイ・ボーダー、レオニード・サラファーノフ
「アフター・ザ・レイン」
  アレッサンドラ・フェリ、マルセロ・ゴメス

<第4部>
「ドン・ジュアン」
  シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
「シェエラザード・パ・ド・ドゥ」
  アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー
「ヘルマン・シュメルマン」
  ポリーナ・セミオノワ、フリーデマン・フォーゲル
「マノン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
  ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ
「ドン・キホーテ」
  ミリアウ・ウルド=ブラーム、マチアス・エイマン

指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
チェロ:伊藤悠貴(「瀕死の白鳥」)
ピアノ:原久美子(「瀕死の白鳥」、「タランテラ」)

第15回バレエフェスティバルのAプログラムを見てまいりました。なんだかんだ言って、結局やっぱり楽しかったです〜♪ このダンサーならこの演目じゃなくても…とか、約4時間半は長いぜ…とか、見る前は色々思わなくもなかったんですが、ボリューミーだけど最後まで飽きることなく、あっと言う間の4時間半でした(帰宅は午前様だけど、、)。コンテと古典、モダンにシンフォニックにドラマチックバレエと、とてもバランスのいい上演だったのではないか、と。でも何より満足感を与えてくれたのは、ダンサーたちの心身共に充実したパフォーマンスだったと思います。好みの度合いはあれ、総じて大満足の公演でした。
休憩時間が短いので、お手洗いの心配はあります、、、。初日に【10分−15分−10分】だった休憩は、2日めから【15分−15分−10分】になりました。さらに休日は【15分−15分−15分】になってます。この日は平日で、初日でもないせいか、それほどお手洗いの列は戦々恐々とはしていませんでした。
カーテンコールがすべて終わって席を立ったのが22:30でした。

「ディアナとアクテオン」
振付:アグリッピーナ・ワガノワ
音楽:チェーザレ・プーニ
  エリサ・バデネス、ダニエル・カマルゴ

とってもよかったです〜。幕開きに相応しく、清々しいパフォーマンス。そういえば前回の幕開きも「ディアナとアクテオン」だったな〜と。ロスの「ルナ」とかハンブルク組とかアイシュヴァルトの「ソナタ」とか、自分の中で別格はあるけど、何気にこの「ディアナとアクテオン」がすごく印象に残ってます。実は今までそれほど興味がなかったバデネスですが(すみません)、すごくよかったです。ソフトなポワントワークと、柔らかく伸びやかで、それでいて力強さもある、明るい踊り。最初のアラベスクの美しさに心掴まれました。カマルゴの理想的なアクテオン体型に惚れ惚れ〜。美しいアクテオンでした。ダイナミックでありながらとても丁寧に踊っているのが感じられて、彼の真面目さがにじみ出ているようなパフォーマンス。生真面目なアクテオン、嫌いじゃないです。アクテオンの象徴的なジャンプも、体がよくしなっていて、フォルムも奇麗でした。

「ソナタ」
振付:ウヴェ・ショルツ
音楽:セルゲイ・ラフマニノフ
  マリア・アイシュヴァルト、アレクサンドル・リアブコ

美しかったです〜。ラドメーカーの降板は残念だけど、これを見られたことに感謝。アイシュヴァルトはほんのり淡いピンクの衣裳。リアブコは白。冒頭、一筋の照明の中を2人が歩いてくる、ただそれだけなのに泣きそうに、、、。アイシュヴァルトはやっぱりとても好き。詩情豊かで知的な佇まい。無駄のない、完璧に自らの身体をコントロールしているかのような踊りは、それでいて歌うように自然です。本当に美しい人だな〜と。そして、表情、佇まい、踊り、そのすべてで、あらゆる言葉にできない感情を紡ぎ出すリアブコ。前回のバレエフェスでも、ラドメーカーの途中降板のため「椿姫」の第1幕のパ・ド・ドゥを急遽一緒に踊ったアイシュヴァルトとリアブコ。この2人の組み合わせもとても好きです。

「ジゼル」より第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー
音楽:アドルフ・アダン
  マリア・コチェトコワ、ダニール・シムキン

背景とお墓のセット有り。東バの装置があるので、NBSのガラは演目ごとに雰囲気があっていいですよね〜。コチェトコワは「ジゼル」じゃなくても、、、と思っていたんですが、すみません、とてもよかったです。やはりいいダンサーなんだな、と。身体能力が高くテクニックもあるので、浮遊感は流石。生気はないのにキビキビと踊る様子は、まさに死の舞踏という感じがして印象的でした。終盤の連続アントルシャのところで、両腕を下ろしているのも印象的。シムキン自前の衣裳は腕に刺繍のある凝ったデザイン。タイツも少し光沢のある錆銅色というのか、ちょっと珍しい感じでした。隅々まで無駄のない美しい踊りをするシムキン。着地や回転の前後、パとパの繋ぎなど、そういう部分に余計なステップが入らないんですよね。「おっとっと、、」ということがほとんどない。テクニックがあるって、そういうことなのかなと思ったりしました。体格的にも2人はバランスがよく、シムキンのサポートも浮遊感があってとてもよかったです。最後、コチェトコワをリフトしたまま袖に消えるんですが、助走があるとはいえ、ジゼルがそのままスーッと飛んでいきそうなサポートは見事でした。

「アポロ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
  オレシア・ノヴィコワ、デヴィッド・ホールバーグ

ノヴィコワは、痩せすぎずキュッと引き締まった、それでいて女性らしさもあるバレリーナだな〜と。あと、可愛い。コントロールのきいた弾むような踊りは、無駄がなくクリアでとてもよかった。ホールバーグ、久しぶりに見た〜。元気そうで何よりです。長い脚、麗しい佇まいを堪能。本人が楽しそうで生き生きしていたのでよかったな、と。私としてはもっと陰のある役も見たいけど。これはもう、アポロ役のダンサーを堪能する演目だな、と(違う)。重なり合った2人が身体を反らすラストのポーズが美しかったです。

「コッペリア」
振付:アルチュール・サン・レオン
音楽:レオ・ドリーブ
  サラ・ラム、フェデリコ・ボネッリ

ラブリーな衣裳のサラ・ラムが可愛い〜♪ もう見ているだけで幸せ。彼女は本当に細くて、でも頼りなくはなくて、シャープな踊りが本当に美しくて格好よくて素敵。ポワントでのバランスキープは絶好調ではなかったようだけど、グラン・フェッテでは片腕を上げるダブルを入れて。ボネッリもよかったです〜。超絶技巧タイプの人ではないけど、ヴァリエーションすごくよかった。頑張りすぎると失敗しそうで、変な心配をしてしまった(苦笑)。ラムと一緒に踊っているときの嬉しそうな顔♪ ボネッリ好きの私としては、もうボネッリが嬉しそうならそれで幸せ♪な気分でした。

<第2部>
「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン
音楽:カミーユ・サン=サーンス

マックレーに続きコラレスも降板となり、ソロを踊ることになったサレンコ。サレンコなら「瀕死」じゃなくても、、、とか思ってたんですが、すみません、予想外によかったです。最初に表情が見えた瞬間の、艶のある美しさが印象的。まだ息絶えそうではないのに、身体は悲鳴を上げている。彼女の体の中で生と死がせめぎ合っているようでした。そして、まるで生き物のような腕も印象的でした。あの滑らかな動きは、誰でもできるわけではないんでしょうか。息絶える間際、後方にスッと腕を伸ばした瞬間に、サレンコの「ハッ」という息遣いが静まりかえった会場に響き渡ったのが印象的でした。
音楽は舞台上でピアノとチェロの生演奏。素敵でした。

「カラヴァッジオ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ
音楽:ブルーノ・モレッティ(クラウディオ・モンテヴェルディより)
  メリッサ・ハミルトン、ロベルト・ボッレ

これもよかったです〜。絶対に「ボッレ用」だと思ってたら、メリッサ・ハミルトンがすごくよかった。強くしなやかな身体、美しい筋肉に魅せられてしまった。ボッレに負けないどころか、踊りも存在感も美しさも拮抗していて見応えがありました。彫刻のように美しい横顔のラインも印象的。俄然、Bプロのジュリエットが楽しみになりました。もちろんボッレもよかったです〜。

「くるみ割り人形」
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
  レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ

最近パリ・オペ関連の公演をあまり見に行っていないので、ボラックもルーヴェのたぶん初見。2人ともキラキラしてて素敵でした〜。背景幕とシャンデリアの装置もキラキラで豪華。しかし、どうしても「ヌレエフ(の振付)って、、」というほうに気が行ってしまう部分もあり、、。通常版ならもっと余裕があったのではないかと思ってしまうんですが、パリ・オペの一員としてヌレエフ版を踊ることが誇りなのかもしれないな〜と。複雑な振付を涼しい顔して踊るボラックは、愛らしい雰囲気だけど意志が強そうで、嫌いじゃない。エレガントでおっとりした雰囲気のルーヴェも素敵。なんだかんだ言って、結局ニヤニヤしながら見てました。リフトでちょっと失敗したかな?という箇所有り。3段階くらいに分けてリフトしていくところで、最後の体勢がちょっと決まっていなかったのではないかと思います。が、正解を知らないので何とも言えません。

「・・・アンド・キャロライン」
振付:アラン・ルシアン・オイエン
音楽:トーマス・ニューマン
  オレリー・デュポン、ダニエル・プロイエット

これも面白かったです〜。オレリーが自然で素敵。衣裳も可愛かった。首回りが大きく開いた長袖のTシャツ(ベージュ?)に、赤い模様(花?)が描かれたピンクのスカート。そして真っ赤なブーツ。こういうオレリーがもっと見たいなぁと思いました。そう思うってことは、今の彼女に合っているんだろうな、きっと。ダニエル・プロイエットは思ってたより小柄なダンサー。踊り出したら空気が変わった! バリバリのコンテの名手という感じで、猛烈に格好よかったです。いや、バレエダンサーが踊るコンテも好きなんですけど、思わず「本職」だなと思ってしまったというか。衣裳は白のパンツにボーダーのTシャツ。勝手にアウトサイダーなイメージを抱いていたんですが、カーテンコールのプロイエットは常にニコニコしていてなんだか可愛かったです。
作品は、映画『アメリカン・ビューティー』(1999年)に想を得て振付されたとのこと。初演は2008年2月。ダニエル・プロイエットは初演ダンサーだそうです。

「ファラオの娘」
振付:ピエール・ラコット(マリウス・プティパに基づく)
音楽:チェーザレ・プーニ
  マリヤ・アレクサンドロワ、ウラディスラフ・ラントラートフ

アレクサンドロワの貫禄! でも、どこまでもキュートな人です。もうその存在が好き。派手なパ・ド・ドゥではないけど、アレクサンドロワが踊るといいな〜と。「なんとなくエジプト」なブルーの衣装も似合う。2人が視線を合わせながらゆったりと歩くだけで、なんだか幸せ。ラントラートフとの愛のあるアダージオにウットリでした。カテコでの投げキッスも健在♪ 胸に両手を当ててパタパタする、あのアクションも可愛い。ラントラートフの育ちのよさそうなサービス精神も好き。今回唯一ラントラートフがカーテンコールにジャンプして登場してくれました。楽しませようという気持ちが嬉しいし、「僕も楽しんでますよ」という感じが伝わってきて、なんだか好感度が高かったです。

<第2部>が終わった時点で、「こんなに楽しかったのに、これで半分なんだ〜」と、まだ折り返し地点であることにちょっとビックリしました。そして感想も、結構頑張ったんだけどまだ半分か〜と(苦笑)。とりあえず前半だけでも残しておきます〜。
posted by uno at 17:19| Comment(0) | バレエ公演2018 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする