2010年06月20日

英国ロイヤルバレエ団『リーズの結婚』6月19日マチネ

ロイヤル日本公演の幕開け、『リーズの結婚』マチネの公演に行ってまいりました。

英国ロイヤルバレエ団『リーズの結婚』全2幕
2010年6月19日(土)13:00 東京文化会館

振付:フレデリック・アシュトン
音楽:フェルディナン・エロール
編曲:ジョン・ランチベリー
美術・衣裳:オズバート・ランカスター

シモーヌ(裕福な農家の未亡人):フィリップ・モーズリー
リーズ(その娘):ロベルタ・マルケス
コーラス(若い農夫、リーズの恋人):スティーブン・マックレー
トーマス(金持ちのぶどう園主):ギャリー・エイヴィス
アラン(その息子):ルドヴィック・オンディヴィエラ

おんどり:ミハイル・ストイコ
めんどり:リャーン・コープ、イオーナ・ルーツ、エマ=ジェーン・マグワイア、ロマニー・パジャク
リーズの友人:タラ=ブリギット・バフナニ、クライレ・カルベルト、
フランチェスカ・フィルピ、ナタリー・ハリソン、ローラ・マッカロク、
ピエトラ・メロ=ピットマン、サイアン・マーフィー、サマンサ・レイン

村の公証人:トーマス・ホワイトヘッド
公証人の書記:ミハイル・ストイコ

その他、村人達、穫り入れをする人たち、馬丁たち:英国ロイヤル・バレエ団

指揮:ダニエル・キャップス
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団


とっても楽しかったです〜。リーズとコーラス、2人の恋人を中心とした、ドタバタ有りの他愛のない幸福なコメディ。難しいことは何も考えずに、ただただ楽しく見ることができました。しかも本物のポニー(名前はマイケル・オーウェンくん)も出てくるし、もう最高でした♪(馬、好きなんですよ〜)。

『リーズの結婚』を全幕で見るのは初めてでした。話はとっても簡単。リーズとコーラスは相思相愛の恋人同士。でも、リーズの母親シモーヌ(演じるのは男性)は、金持ちの息子アランと結婚させたい。いろいろあるけど、最後はめでたしめでたし、と。私的に後味がよかったのは、アランの描き方かもしれません。例えば、この間のモスクワ音楽劇場バレエの『エスメラルダ』みたいに、「カジモト〜、、、(泣)」な状態にはならなかったというか。『コッペリア』のコッペリウスの描き方とか。報われない思いをする者の描き方によっては、感情移入してしまう場合もあるんですが、アランならまた次の可愛い子に夢中になるかな〜、なんて。本人がメゲてない姿が可愛らしかったし、最後に大事な大事な赤い傘を捜しに戻ってくるところもよかったです。
コメディの度合いにしろ、アランの扱いにしろ、やり過ぎない調度良さが英国の、あるいはアシュトンの品の良さなのかな〜と思いました。

中幕や装置も牧歌的で可愛い。装置は豪華なんだけど、決してリアルではなくて、紙に書いたイラストをそのまま装置にしたような、漫画的なタッチが作品に合っていました。

何故か(?)毎回のようにロベルタ・マルケスの日のチケットを取っている私。前々回は『シンデレラ』、前回は『眠り』だったんですが、これはキャスト変更で見られませんでした。結果的に5年ぶりのマルケス。今日もとっても可愛かったです♪ 最初に彼女を見たとき、プロフィールの写真と実際のイメージが少し違うな〜と思いました。マルケスはブラジル出身。小柄で健康的な肌をした、よく踊れる感じの身体をしています。今回の場合は役柄もあるかもしれないけど、踊りも元気で小気味がいい。序盤は少しトウシューズの音が気になったり、跳躍はフワッと軽やかというほどではなかったけど、ポワントは安定感があってバランスも余裕だし、ポーズも美しい。細かなステップもうるさくない。

そして、とにかく晴れやかで可愛いんですよ〜。ちょっと幼さを残したマルケスのリーズは、素直で元気で、何事にもメゲないところが可愛い。お母さんにお尻をペンペンされても、一人ぼっちで仕事を言いつかっても、コーラスと引き離されても、とにかくメゲない。その屈託のない明るさは、見ているこちらが底から元気がわいてくるようです。
そして印象的だったのは、その瑞々しさです。元々とても綺麗なお顔立ちをしたマルケスですが、さらに華もプリンシパルとしての貫禄も増して、しかもその瑞々しさは失われていないんです。初めて見たときから既に5年が経っています。プロフィールを読む限り、キャリアもそれなりにあるはずなのに、とてもフレッシュなんですよね〜。同じくフレッシュなスティーヴン・マックレーと2人、なんとも可愛らしいカップルでした。マックレーも、こうしてロイヤルの中で見ると、やはり小柄なんだな〜と実感。小柄なマルケスとマックレーは身長差も踊りの息も合っていたし、とてもいい雰囲気でした。

マックレーを見るのは、おそらく2007年に東バに客演した『真夏の夜の夢』以来。あの頃はまだソリストだったんですよね。いやぁ、もうすっかりプリンシパルの佇まいでした! テクニックは安定しているし、すべてが軽やかで柔らか。回転系もよかったけど、バネのある跳躍が印象的。脚のラインが美しいんです。少し暗い眼差しが好きなところなんですが、今日は能天気なコーラスを好演していました。

マルケスのキュートなコメディエンヌっぷりが、なんだかとてもよかったんですよね〜。下品になるほどやり過ぎない。爆笑というほどではないけど、妙に可笑しくて可愛い、心くすぐる演技でした。コーラスが隠れて見ているとは知らずに、結婚生活を想像(妄想?)するリーズ。手で大きなお腹を表現して、「子どもは3人欲しい!」。「悪いことしたらお尻ペンペンだわ!」と一人で楽しそう。たまらずに飛び出してくるコーラス。「私ったら…もう最悪」と、自分にゲンナリするリーズ。コーラスのマックレーが、またいいんですよね〜。そんなリーズが可愛くて(ちょっと面白いし)仕方ないという感じで、わりと包容力もある。本当、いいカップルだったな〜、と。

男性のフィリップ・モーズリーが演じるシモーヌも面白かったです。気靴を履いたステップはブラボーでした。ちょっとお馬鹿なアランも可愛い。まさか1幕最後の嵐のシーンで宙吊りになるとは思わなかったけど(笑)。2幕の最後もアランだし、幕切れはどちらもアランが締めていたのが印象的でした。『リーズ』は初めてだったので、おんどりとめんどりの踊りも見るのは初めて。冒頭に出てくるんですね〜。夜明けの暗がりの中、小屋と思しき場所で静かに待機している姿が、なんとも可笑しくて可愛いかったです。
動物といえば、真っ白いポニーのマイケルくんです。バレエの舞台に本物の動物が出てくると、ワクワクするんですよね〜。しかも馬、好きなんですよ〜。車を引いて登場。リーズとシモーヌを乗せて引っ張っていきます。さらに幕前を通過して、麦畑まで2人を運んだら任務終了。とっても大人しくてお行儀がよくて、いい仕事してました。はぁ、可愛かった♪ マルケスがマイケルくんのお尻をちょっと撫でたんですよね。そういう決まりなのか、マルケスのアドリブなのかはわからないんですが、ちょっと印象的でした。
posted by uno at 01:41| Comment(2) | バレエ公演2010 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする