2007年12月12日

ギエム、東京終了。

昨日はギエムのBプロ2日目の公演へ行ってまいりました。東京はこれで終了。ツアーはこの後、札幌へ行ってから神奈川に戻ってきて、翌日には新潟を皮切りに全国へ出発です。

昨日も良い公演でした。楽しみにしていた木村さんのホセは素〜敵だったし、上野さんも可愛かった。そしてカーテンコールでの2人もなかなか良い雰囲気で楽しかったです。木村さんの、帽子ポトっ…にやられた(♪)。

ただ、既に多くの方がご存知だと思いますが、アクシデントもありました。あまりにショックなのでもう少し書くのは止めようかと思ったんですが、アクセス数がいつもより伸びておりまして、おそらく皆さん大嶋さんのことが心配なのだろうと思い、少しでも書いておこうかと…。
『シンフォニー・イン・D』の中盤で大嶋さんに異変が起こったのはすぐにわかりました。状況は厳しそうに見えたので、もう頭の中が真っ白になりました。次の暗転までの少しの間、無人の舞台が続き、次のシーンは途中まで男性が一人不在のまま進行。その後すぐに小笠原さんが代役に入りました。小笠原さんと、最後まで笑顔で踊ってくれたダンサーたちに感謝を。そして、大嶋さんの怪我が大事ではなく、一日も早く心身ともに元気になってくれることを祈るばかりです。
今はこれだけ…。すみません。
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2007年12月11日

Bプロ初日。

昨日はBプロの初日でした。とっても楽しかったです〜♪

予定終演時間は21:05でしたが、カーテンコールを最後まで見て会場を出たときには、21:30を少し過ぎていたと思います。カーテンコールは盛り上がりましたよ〜。良いプログラムでしたね。『カルメン』も好かったし(大嶋さんのホセ!!)、2部の3演目も盛り上がったし、その勢いのまま『Push』、そしてカーテンコールへと良い流れで進みました。Aプロの『ステッピング.ストーンズ』より、今日の『シンフォニー・イン・D』の方が大勢に受け入れられ易かったと思います。私は『ステッピング・ストーンズ』も面白かったけど、私の隣の方は寝てたし…。

ニコラがね〜♪ なんて嬉しそうに笑うんでしょう! よく考えたらニコラの出番は『椿姫』だけで、Aプロより少ないんですよね。でも満足度は高い。もうカーテンコールでのニコラが嬉しそうで、嬉しそうで、見ている私まで満面の笑みになってしまいました。ニコラは、今日も昨日も一昨日も、ギエムの手にキスをしていました。

そして今日もやっぱり印象的なのは、カーテンコールのギエムです。『TWO』の熱狂的なカーテンコールに応えるギエムは、とても嬉しそうに笑っていました。あの笑顔は本物だと思いたいな。澄んだ瞳と、親しみのある清々しい笑顔は、いつも印象的に心に残ります。会場を見渡して、小さく頷くのがまた素敵です。
『PUSH』のカーテンコールでは、必ずマリファントと抱き合うのが素敵。Bプロ初日の昨日はスタンディングオベーションのカーテンコールになりました。ギエムの笑った顔が本当に可愛かった。今回のウィッグはやっぱり好いですね。以前使っていたのは個性的なカットだったんだけど、今回のは自然なショートカット。ちょっとボーイッシュで可愛いんです。人懐っこい笑顔を見せるギエムは、なんだか子どものように純真なイメージでした。

Bプロの雑感を簡単に。

大嶋さんのホセがすごく好かったです。そこはかとなくウェットで色気がある。最近の大嶋さんの初役の完成度の高さは、特筆すべきものがあります。斎藤さんのカルメンはやっぱり好き。踊りは前回より少しキレがない感じがしたけど。最後、ホセを許すシーンは何度見ても好い。やっぱり神奈川のチケット、手放さなくて良かった。高岸さんがやや不調。奈良さんの運命はとっても好かったんだけど、高岸さんとの絡みが上手くいっていなくて残念。後藤さんのツニガが最高です。調子良さそう♪ 今日のエスカミリオが楽しみです。

黒タイツのニコラの脚が、真っ直ぐで綺麗でした。あの2人にしては、ややモタついている感があったかなぁ…。前回はもっとスムーズだった気がするんだけど、、、。ギエムのポワントワークにも、いつもより少し乱れがあったような気が…。まあ、あまりに完全無敵のマルグリットよりも、少しくらい乱れている方が人間味があって良いかも、なんて思いましたが。

『シンフォニー・イン・D』が楽しかったです!作品も面白いし、東バの面々が本当によく踊っていました。そしてみんな楽しそう♪ 井脇さんが両日踊ってくれるのが嬉しいです。平野さんの表情が面白すぎ。西村さんはコケティッシュでチャーミング。意外にコメディ路線も行ける中島さん。高橋さん、古川さんが、生っき生きしてました。芸達者であることは、コンテンポラリーでも活かされる要素なんですね。

ギエムの『TWO』はやっぱり格好良い! 何度も見て、どんな作品が知っているのに、見ているとどんどんドキドキしてくるんです。あの格好良さはズルイわ〜。『TWO』ではカーテンコールが何回も続きました。まだ2部の終わりなんだけど、スタンディングで拍手を送る人もチラホラ。

『Push』は見る度に面白くなっていく作品だなぁと。見る前は、「これを4日間見るのかぁ…そのうち飽きちゃうかな、、、」と思っていたんですが、そんなことはなかった。いや、寝不足で見るのはキツイですけどね、、、。

昨日は『コッペリア』の会場優先予約の用紙は配られませんでした。予定枚数に達したということか。少し会場に早く着いたので、あまり人がいないうちに、もう一回ベジャールの写真を撮っておきました。何枚も撮っても仕方ないんだけどさ…。
さて、今日は木村さんのホセです(♪)。水香さんとの相性はどうかな〜。
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2007年12月10日

今日からBプロ。

今日からギエムのBプロです。NBSでキャストも発表されていました。今日は何と言っても久しぶりの斎藤さんのカルメンと、大嶋さんのホセ初役が楽しみです。ギエムは『TWO』が一番楽しみ。Bプロは『Push』を最初に上演して、『椿姫』をラストに持ってきてくれると変化があって良かったと思うんですが、まあマリファントをゲストに呼んでいるのが目玉だろうから、やっぱり最後なんでしょうね。いや、違うか。『カルメン』のセットが大掛かりだから、最初か最後に持ってくるのがベストなんだな。あとはギエムの体力的な負担を考えた上でのプログラムということでしょうか。となると、やっぱりこの順番がベストか〜。
NBS

会場ではBRB『コッペリア』追加公演の会場優先予約を受け付けていました。枚数限定受付のため、予定枚数に達し次第終了だそうです。昨日まではまた用紙が配られていたけど、今日はどうだろう。eプラスのプレオーダーは終わってしまいましたが、ぴあのプレリザーブはまだ受付中です。

■バーミンガム・ロイヤル・バレエ団『コッペリア』
追加公演1月14日(月・祝)
プレリザーブ受付中〜12月11日(火)09:00

迷っている間にレニ国『バヤデルカ』のS席優待券(ぴあ)は完売していました…。eプラスで得チケが始まったようだけど、『バヤデルカ』の扱いは今のところ無し。S席が8,000円です。

■レニングラード国立バレエ 【得チケ】
→ 『くるみ割り人形』12月28日(金)
→ 『白鳥の湖』

そして、気になるのはK-BALLET COMPANYの新作『ベートーヴェン 第9(合唱付き)』です。演出・振付は熊川さん。カンパニー総出演だそうですが、熊川さんの出演は怪我の回復次第のようです。赤坂ACTシアターのプレミアム・オープニングの一環とのこと。25,000円のプレミアムシートはオードブル・飲み物つき。<終演後に「プレミアム・ラウンジ」にてオードブルやお飲み物をご用意しております。>だそうです。赤坂ACTシアターのHPによると、E列まではステージの予定で、プレミアムシートはF列〜J列まで。一般発売は12月23日(日)です。どんな作品になるのか見てみたい気はするけど、一番安くてもA席18,000円となると、考えちゃいますね…。

■K-BALLET COMPANY『新作バレエ ベートーヴェン第9(合唱付き)』

2008年3月14日(金)〜3月20日(木・祝)
会場:赤坂ACTシアター
一般発売:2007年12月23日(日)

プレリザーブ受付中〜12月14日(金)09:00
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『シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2007』Aプロ 12月8日/9日

<シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2007>東京バレエ団全国縦断公演
『シルヴィ・ギエム、進化する伝説』 Aプログラム

2007年12月8日(土)14:00
2007年12月9日(日)14:00
東京文化会館

『白鳥の湖』第2幕より
振付:
マリウス・プティパ、レフ・イワーノフ
アレクサンドル・ゴールスキー、イーゴリ・スミルノフ
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー

オデット:シルヴィ・ギエム
ジークフリート王子:ニコラ・ル・リッシュ
四羽の白鳥:
佐伯知香、森志織、福田ゆかり、阪井麻美(8日)
森志織、村上美香、岸本夏未、河合眞里(9日)
三羽の白鳥:
西村真由美、高木綾、奈良春夏(8日)
西村真由美、乾友子、田中結子(9日)
ほか、東京バレエ団

幕が上がると、コール・ドの白鳥たちが綺麗なフォーメーションを組んでいます。なかなか良い幕開き。上手から王子のニコラ・ル・リッシュが登場。久しぶりに見たけど、やっぱり素敵です。髪がいつも王子っぽくないのは、もう気になりません。そしてギエムのオデットが登場。「アダージオとコーダ」と発表されていた通り、本当にアダージオとコーダのみ。三羽と四羽の白鳥も踊らなくて残念だと思ったのは、東バのファンだけかな?時間にして20分と、本当に短くアッという間に終わってしまいました。
ギエムのオデットはとても綺麗でした。ゆっくりと丁寧で、余計なものが削ぎ落とされた、揺るぎない踊り。思わずその軌跡を追いかけてしまいそうな腕。肩から二の腕にかけての筋肉がたくましかったけど、私はあまり気になりませんでした。そしてやっぱり脚が綺麗。踊っているときだけでなく、止まったときの真っ直ぐな脚も印象的でした。感情表現は控えめで、ほんのり悲しげな表情をしています。悲しげというか、少し諦めの境地に見える。既に半ば自分の運命を諦めていたのに、そこへ王子が出現し、戸惑いを覚えているようなオデット。ときどき王子を見上げる眼差しは、それでも「もしかして」と期待してしまう気持ちが感じられて切ないです。
初めからわかっていたけど、ニコラはサポートのみで見せ場がないのが残念。でも素敵なんですよね、やっぱり。とてもとても丁寧に優しくギエムをサポートする姿にウットリします。王子がオデットを見つめているように、ニコラもギエムをずっと見つめているんですよね。それは、瞳も心もです。ギエムがスッと伸ばした腕に、ピッタリと合わせて腕を伸ばすニコラが素敵でした。サポートは初日の方が良かったかも。2日目は、ギエムが少し傾くのをグッと戻す瞬間が何度か見られました。それはどちらの調子が悪いのか、私にはわからないんですが、、、。

コール・ドも三羽も四羽も、ほとんど踊らず。初日は2階席で見ていたので、いつもとフォーメーションの印象が違いました。やっぱり西村さんの白鳥が素敵。一緒に踊っている他のダンサーの方がスタイル的には綺麗なのかもしれないけど、西村さんの白鳥は全身から醸し出す空気が違います。

『ステッピング・ストーンズ』
振付:イリ・キリアン
音楽:ジョン・ケージ、アントン・ウェーベルン

井脇幸江-小出領子-長谷川智佳子-奈良春夏(8日)
木村和夫-後藤晴雄-中島周-平野玲(8日)

佐伯知香-高木綾-田中結子-吉川留衣(9日)
大嶋正樹-松下裕次-長瀬直義-横内国弘(9日)

世界初演は1991年、シュツットガルト・バレエ団。東京バレエ団による初演は、1994年です。私はもちろん見るのは初めて。すごく面白かったです。ただ、この手の作品が苦手だったり、さらにダンサーに興味がなかったりすると、辛いかもしれない(何でもそうか…)。ピンと張った空気と、悠久のように緩やかに流れる時間が同時に存在する、独特の緊張感が面白い。踊りも面白かったし、ダンサーも好かったし、オブジェも照明も効果的で、とにかく格好良かったです。

舞台の下手奥には、全身、半身、胸から上の3体の猫の彫像。エジプトの神々の一つだと思われます(すみません、名前がわからない…)。天上からは、中央に丸い穴の開いた巨大な三角形の平板オブジェが吊るされています。その三角形オブジェは上下移動、反転もできて、作品中にゆっくりと動き出すのが格好良い。そして照明と絡んで効果的。反転した三角オブジェに、大きな照明が下りてきて、中央の穴から舞台を照らすのが格好良かったなぁ〜。ダンサーたちは全員が一つずつオブジェを持っています。踊るときは持っていないけど、ときどき持って踊ったりもしてました。あまりよく見えなかったんですが、何かマスクや壷のようなものが象られていたようです。

初日がファーストキャスト、2日目はほとんどが若手というキャストでした。初日のキャストは流石の出来。でも、若手もすごく頑張っていたし、若々しい鋭さがあるのが好かったです。
最初に男女のデュオ。下手にはオブジェを手に直立する男女2人。照明はオブジェにだけ当たっています。上手の奥に横たわる残りの4人。初日、最初のデュオは長谷川さんと後藤さん。長谷川さんがすごくいい動きをしていて驚きました。ノイマイヤーの『スプリング・アンド・フォール』を踊る長谷川さんも素敵だけど、キリアンも良いかも。素人の私には、振付言語とかってよくわからないんです。「あ、キリアンっぽい」とか、「この動き印象的だな」とか思う程度。振付が活きてる人、いい動きをしている人、空気に乗っている人を、私なりに感じることしかできません。後藤さんがですね、これまたすごく格好良かったです。2日目は同じ位置に松下裕次さんがいたんですが、かなり違う印象。後藤さんは良い重力感があって(踊りが重いという意味ではありません)、落ち着いた大人の踊り。フォルムの細部まで神経を行き渡らせる余裕があるので、独特のフォルムがちゃんと印象的に映ります。松下さんは、「やるぞ」っていう意気込みすら感じる出だしの回転からして、とってもシャープ。軽やかで、良い意味で気持ちが前のめりな踊りが好かったです。流石に後藤さんに一票。

舞台に女性が一人だけになる場面があります。初日の奈良さんは、ギュッと空気を締めてくれました。2日目の高木さんも好かったんだけど、ちょっと空気が優しかったな〜と。
初日、バーっと走りこんできて短いソロを踊った中島さんが、ものすごく格好良かった。本当に中島さん?と、気持ち的に身を乗り出すほど力強い踊り。舞台の空気を思いっきり動かしてくれました。2日目は大嶋さん。調子は悪くなさそうだったけど、中島さんの突き抜けた踊りの方が印象が強かったです。とは言っても、2日目のキャスト陣の中では大嶋さんが別格の安定感と存在感でした。冒頭、オブジェを手に立っている大嶋さんが、暗くてよく見えないけどそこはかとなく色気がありました。
男性が4人で踊るところは、初日の4人が流石の迫力で格好良い。入れ替わるように女性3人が登場して、順に短いソロを踊ります。初日の井脇さんが、踊りも存在感も別格。彼女が踊り始めると、空気がガラッと変わるのを感じました。そして、その踊りの鮮烈なこと。振付言語に疎い私でも、「これなのか!?」と。
その井脇さんと木村さんが2人で踊る場面があります。いやぁ、もう楽しかった。真剣な顔して踊る木村さんが相当素敵でした。そして、男性陣はショートパンツのみなので、その脚とか腹筋とかを堪能。今回の木村さんは大人の男の踊り。そして、端正なキリアン。なんだそれって感じですが、ん〜、やっぱり端正なキリアンでした。格好良かった〜(♪)。
最後は全員登場。オブジェを足元に置いて、等間隔に立ちます。男女が1組ずつ順に踊る。4組が踊り終わると、三角オブジェがゆっくりと下がる中、全員が基本のバーレッスンのような腕の動きをします。徐々に照明が落ちて、終わり。

ベテラン勢のファーストキャストと若手のセカンドキャストではこうも違うか、、、と思った2日間でした。若手も好かったんだけど、どうしても少し一生懸命感が出てしまったり、キリアンっぽくなくなってしまう瞬間があったと思います。でも、若手も結構良い完成度だったんじゃないかな。

『優しい嘘』
振付:イリ・キリアン
音楽:クラウディオ・モンテヴェルディ、カルロ・ジェズアルド、グレゴリオ聖歌

シルヴィ・ギエム、ニコラ・ル・リッシュ

確か前々回のバレエフェス以来、久しぶりに見ました。何度見ても格好良い。けど、何度見ても短い…。本当にアッという間に終わります。紫のトゲトゲの付いた衣裳が可愛いくて好きです。ニコラの衣裳は紫の透ける素材。胸筋がすーごかった。休憩を挟んで第2部はキリアン2作品の上演だったわけですが、東バのキリアンの後にギエムが踊ると、歴然と動きの鮮烈さが違う。東バは東バで好かったんだけど、ギエムの動きはやはり鮮やかでした。ギエムの腕や脚が鮮やかに空間を切り取るのが、残像を伴って目に飛び込んでくる瞬間の気持ち良さ。そして、ニコラとの揺るぎないパートナーシップがあってこその高みなのだと思います。

『Push』
振付:ラッセル・マリファント
音楽:アンディ・カウトン

シルヴィ・ギエム、ラッセル・マリファント

前回はマッシモ・ムッルと踊った『Push』を、今回は振付家本人のマリファントが踊るというのが、公演の売りの一つでした。ムッルと踊った『Push』とは、だいぶ違う作品になっていたような気がします。どちらが良い悪いということではなくて。ムッルのときは色気があって、後半どんどん2人の間に緊張感が生まれていく様がスリリングだったんですが、今回はそうではなかった。後半のギエムの動きも、前回の方がシャープで、やや挑戦的な感じがしたんだけど、今回はもう少し緩やかな連続性がありました。振付家本人のマリファントと踊っているのだから、今回の踊り方が本来のものなのかなと思ったりしました。
マリファントは大きなオーラのある不思議な人。「大らか」とか「優しげ」とはちょっと違う、包み込むというよりは乗っかることのできる安心感のある人でした。マリファントと踊ると、ギエムがちょっと可愛く見えてくるのが不思議。リフトなどに関しては、ムッルの方が安定感があったかもしれません。
『Push』は結構好きな作品です。寝不足で見るのは辛いけど。スローモーションのようにゆっくりとした動き。まるで重力なんて存在しないかのようなリフト。どうしてその体勢でゆっくり動けるんだと感心してしまいます。あまりに事も無げに踊るので、その大変さに一瞬気が付かないんです。でも、よく考えたらすごい動きだよなぁと思うと、もう目が離せなくなってしまうんです。
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2007年12月08日

東京バレエ団2008年ラインナップ&第21回バレエの祭典ラインナップ【訂正】

『シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2007』Aプロ初日へ行ってまいりました。楽しかったですよ〜。『白鳥』はアダージオとコーダのみ。3羽・4羽の踊りもオデットのヴァリエーションもないので、ちょっと短くて残念でしたけど…。もともと「第2幕よりアダージオとコーダ」と発表されていたのでわかっていたとは言え、やはり短い。ということは、神奈川の「第2幕より」は今日と少し違うのかもしれない。まあでも、ロットバルトはいないだろうな…。『ステッピング・ストーンズ』も面白かったです。今日がファースト・キャストですね。井脇さんが抜群に格好良かったです。『優しい嘘』を久しぶりに見られて嬉しかった。ニコラ・ル・リッシュの胸筋がすーごい格好良かったです。それにしても、『優しい嘘』は短いですね、、、。『PUSH』は振付家ご本人のラッセル・マリファントがパートナー。なんだか大きなオーラのある素敵な人でした。ギエムのウィッグが前と違うように見えました。今日のウィッグの方が自然で可愛かった。『PUSH』はやっぱり面白いです。当たり前だけど、3つのコンテンポラリーの中では一番「新しいな」という感じがしました。あのゆったりとした動きから目が離せなくなります。『TWO』と同じアンディー・カウトンの音楽がすごく格好良い。
そしていつも印象的なのは、カーテンコールでのギエムの笑顔。孤高の人というイメージのあるギエムですが、カーテンコールで見せる笑顔はいつも可愛らしくて爽やかで、とても親しみがあります。

『白鳥』 【休憩15分】 『ステッピング』『優しい嘘』 【休憩20分】 『PUSH』の順で上演。予定終演時間の15:55を少し過ぎて終わりました。会場を出たのが16:15くらいだったかな。明日も見に行きます。

会場で、第21回バレエの祭典会員募集のチラシをもらいました。ラインナップが判明。そして、東京バレエ団新規団員募集のチラシに、2008年の東バの公演予定が載っていました。

【第21回 バレエの祭典 2008年6月〜2009年8月 シリーズ・ラインナップ】

2008年6月 モーリス・ベジャール・バレエ団『ダンサーの人生』『ボレロ』/『バレエ・フォー・ライフ』
2008年8月 ポリーナ・セミオノワ主演『ドン・キホーテ』(東京バレエ団)
2008年9月 マニュエル・ルグリ/ウラジーミル・マラーホフ主演『ジゼル』(東京バレエ団)
2008年11月 シュツットガルト・バレエ団『眠れる森の美女』『オネーギン』
2009年4月 パリ・オペラ座バレエ学校『青春の罪』『スカラムーシュ』『ヨンダーリング』
2009年5月 デンマーク・ロイヤル・バレエ団『ナポリ』『ロミオとジュリエット』
2009年7〜8月 第12回世界バレエフェスティバル Aプロ/Bプロ/全幕特別プロ

S会員:1口=205,000円
A会員:1口=179,000円
B会員:1口=153,000円

2008年1月21日(月)より新規会員受付開始だそうです。今回の入会特典は、「マニュエル・ルグリのスーパーバレエレッスンにもれなくご招待!」。2008年9月の『ジゼル』公演期間中に、ルグリが東京バレエ団のダンサーに舞台上でリハーサルを行うそうです。作品は未定。延期になったマラーホフのプレミアムレッスンが『ジゼル』ですから、ルグリは別の演目になるのかもしれないですね。

気になるのはポリーナの『ドン・キ』のパートナーと、ルグリ&マラーホフの『ジゼル』のパートナーです。ポリーナと東バの男性陣が踊るとは考え難いので、バジルもゲストかも。高岸・木村ってことは…なさそうですよね。フォーゲルかなぁ。ルグリとマラーホフのパートナーは東バの女性でしょうか。マラーホフは吉岡さん、ルグリは斎藤さん? ルグリと小出さんも良いと思うな〜。もしくは、また小出&後藤でアッサンブレ公演をやってほしい。それにしても、ルグリとマラーホフが一緒にゲストって、豪華ですよね♪ BBL、シュツットガルト、パリ・オペラ座バレエ学校の情報は既出。デンマーク・ロイヤル・バレエ団の来日も楽しみです。『ナポリ』も見てみたかったし、何よりノイマイヤーの『ロミオとジュリエット』を持ってきてくれるのが嬉しい! もう次の世界バレエフェスか〜。早いですね、本当に。とりあえず、ジル・ロマンが参加するかどうかが一番気になります。

【東京バレエ団 2008年公演予定】

2月  『牧神の午後』『パキータ』(『マラーホフの贈り物』)
3月  ノイマイヤー・プロ『時節の色』『スプリング・アンド・フォール』
4月  『ドナウの娘』全幕
5月  ベジャール・プロ『ギリシャの踊り』『火の鳥』『春の祭典』
第23次海外公演
8月  『ドン・キホーテ』全幕
9月  『ジゼル』全幕
11月 ベジャール振付『くるみ割り人形』
12月 ベジャール振付『ザ・カブキ』

お〜!『ドナウの娘』再演!大阪国際フェスティバルだけの上演じゃなかったんですね。賛否両論あるでしょうが(「賛」はあったのか?)、私はとても楽しみです。木村さんのルドルフが見られると良いな〜(♪)。そして、今度こそ大嶋さんの男爵が見たい。踊ってくれるといいな。 ←【訂正】4月の『ドナウ』は大阪公演という意味ですね、きっと。ラインナップは全て東京公演だと思い込んでしまいました…。うぅぅ、残念…。そして今年も『くるみ』はベジャール!ありがとう〜。去年がベジャール版だったので、本来なら通常版を上演するはずだったんじゃないかしら。通常版の『くるみ』も久しぶりに見たいんですが、今年はベジャールが見たい。ベジャールの『くるみ』は大好きな作品なので、本当に嬉しいです。12月には『ザ・カブキ』を上演。ベジャールが亡くなったので『くるみ』はベジャール版だろうと思ったんだけど、まさか『ザ・カブキ』まで上演してくれるとは。佐々木さんと東京バレエ団の、ベジャールに対する気持ちが感じれて、なんだか嬉しくなりました。『くるみ』も『カブキ』も、おそらくキャストはあまり変わらないでしょうね。記憶が薄れないうちにもう一度見られるというのが嬉しいです。平野さんの塩冶判官がまた見られる〜(♪)。

今日、東京文化会館のロビーには、ベジャールの大きな写真が飾られていました。子猫を2匹抱き上げているベジャールの写真。そして隣には、ベジャールが最晩年に好んで口ずさんでいたというボードレールの詩「旅」の一節がありました。

 おお、「死」よ、老船長よ、
 時は来た!
 錨をあげよう!

井脇さんの日記によると、ベジャールの危篤を聞いて佐々木さんと飯田さんはすぐにローザンヌへ駆けつけたそうです。残念ながら間に合わなかったとのこと…。今日もロビーで佐々木さんをお見かけしました。佐々木さんも想い深いものがあるのだろうなと思うと、また少し寂しさが込み上げました。
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2007年12月07日

フィリップ・ジャンティ・カンパニー『世界の涯て LANDS END』11月26日

フィリップ・ジャンティ・カンパニー『世界の涯てLANDS END』を見てまいりました。パルコ劇場、久しぶりだった〜。バレエで大きな会場に慣れてしまうと、あのこじんまり感は久々で心地良い。「こじんまり」というか、凝縮感がありますよね。なんだろう?上手く言えないけど、後方の傾斜角度と絨毯や客席の赤い色のせいでしょうか?

フィリップ・ジャンティ・カンパニーを見るのは初めて。1988年の来日以来、2004年までに11回もの来日公演を行っています。ん〜、今まで知らなかった自分を恥ずかしく思いました。きっとどこかでチラシを目にしたこともあったんだろうなぁ…。

フィリップ・ジャンティ・カンパニー『世界の涯てLANDS END』
2007年11月26日(月)19:00 パルコ劇場

作:フィリップ・ジャンティ
演出:フィリップ・ジャンティ、メアリー・アンダーウッド

キャスト:
アマンダ・バルテール
マージョリー・カレンティ
セバスチャン・レンテリック
ピエリック・マルブランシュ
ローラン・ロール
ナンシー・ルセック
サイモン・T・ラン

とても不思議で面白いものを見てしまいました。言葉で言えばキリがないくらいの、様々な表現方法と豊かなイメージ。そして、プロフェッショナルな仕事にも感心しました。最前列で見ても幻滅しないトリックの数々、小道具・中道具・大道具に至るまで丁寧に作られた質感。マジックだけど、マジックじゃない。それは観客をアッと驚かせるためにあるのではなくて、摩訶不思議な世界に連れて行ってくれるための入口なのだと思います。

冒頭、オフィスデスクで受け取った手紙を読む男性。コートに帽子、トランクを持って旅に出る。全てはそこから始まります。ブルーグレーのコートに、手紙は白。出会うのは赤い服の女…。赤、青、白、黒(シルエット)の4色で統一された舞台は、とても美しく幻想的でした。

舞台は、手前1メートルくらいを残して、一段高く作られています。そこにも様々な仕掛けや種が仕込まれているようでしたが、最前列で見ていた私には、その一段高い舞台面は見えませんでした。赤いワンピースの女が、男からトランクを奪う(トランクをめぐる遣り取りはダンスになっています)。そのトランクを舞台に置くと、トランクの蓋が開いて男が出てきます。仕組みはすぐにわかるけど、目に飛び込んでくる景色の何とも不思議なこと。床に置かれたトランクから、男の上半身が出てきているんですから。トリックは他愛もないものなんですが、その不思議な景色が面白いんです。

上手く全体の世界観を書けそうにないので、印象的だった場面を書いていこうと思います。

なんと言っても素晴らしいのは、人形の造型と質感、そしてその動きの面白さです。可愛いものもあれば、ちょっとグロテスクだけど可笑しくて仕方がないものまで、リアルとはちょっと違うけど生き生きとした人形たちが最高。人形を操るのは出演者たちなんですが、これがまた上手いんです。完璧な連係プレーで笑わせてくれるんだけど、もちろん彼らの顔は真剣そのもの。
最初に登場したのは、巨大な男の子と女の子の人形。柔らかそうなムチムチした質感のが妙に可愛いです。男の子は男性が4人で、女の子は女性が3人で操ります。ここはちょっとセクシャルなユーモアがあって、会場からは最初はクスクスと抑えた笑いが起こっていたんですが、最後にはドカッと笑いを取っていました。女の子に圧し掛かって、その脚を乱暴にもぎ取ってしまう男の子。すると女の子の下半身は巨大なハサミに変身。男の子の股間から覗いていたアヒルをハサミでチョッキーンと切り落とします(ここでドカッと笑い)。股間にアヒルって…発祥の地は何処なんでしょうか?ここでお目にかかるとは思ってもみませんでしたよ…。
もう一つ面白かったのは、おじさんの顔をした蚊のような虫の人形です。水色のモスキートは、何故か顔だけリアルなおじさん。暗闇に飛ぶ水色のモスキート…。長い棒で4人の男性が操ります。そして、赤ワンピースの女とダンス。妙に下心のあるモスキートでした。その動きと、かしげた首の無表情がなんとも言えず可笑しい。そして、一番面白かったのは羽です。電動で小刻みにブーンと振動するんですが、そのタイミングが何とも上手い。会場はもちろん大笑い。あまり笑わない私も、流石にニヤリとしました。

やはり一番印象的だったのは、巨大な半透明のバルーンです。ときにはそのバルーンが舞台空間を全部埋め尽くしたり、中に人が入ってパフォーマンスしたり。ビニールがガサガサいう音がするのがちょっと残念でしたが、そのイメージはとても幻想的。大きなバルーンを上空にフワッと上げると、まるで生き物のように空中でゆったりと揺らめきます。水の中を浮遊するクラゲみたいな動きをするんです。ゆっくり下りてきて、コートの男にポスっと落ちる。中に空気が入っているだけで、あんなに幻想的な動きをするんでしょうか?もしかしたら、床下か舞台袖から空気を送っていたのかなぁ?

真っ赤な照明の中、赤いワンピースの女が手に持っていた白い便箋が、扇風機の風に煽られてバーっと舞い上がる。大小の白いミニチュアの家が、舞台をスルスルと移動して、床に吸い込まれていく。床はまるで生きているみたいに、白い家を飲み込みます。青く光る不思議な植物の群生が、舞台に出現する。舞台が青くキラキラしているな〜と思ったら、ニョキニョキ、ニョキニョキと不思議な青く光るものが生えてきました。不思議な夢を見ているような、とても綺麗な場面。豊かなイメージと、鮮やかで美しい色彩を堪能しました。

私はバレエ/ダンスのファンなので、期待していたほどダンスのシーンはなくて少し残念だったんですが、それをわかった上で見に行けばダンスシーンが物足りないと思うこともなかったと思います。摩訶不思議で幻想的で、ときにはニヤリとするユーモアと、徹底した色彩の世界観に浸ることができる舞台でした。
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2007年12月05日

英国ロイヤル・バレエ団 来日情報

先日のスタダンの会場で、来年のロイヤルのチラシをもらいました。発表されたのは大まかな日程と来日予定ダンサーだけですが、楽しみですね。

■英国ロイヤル・バレエ団 200年 日本公演
『眠れる森の美女』プロローグ付全3幕   『シルヴィア』全3幕

2008年7月2日(水)〜7月14日(月) 会場:東京文化会館

2008年1月下旬〜2月上旬前売開始予定

<来日が予定されるプリンシパル・ダンサー>
アリーナ・コジョカル
サラ・ラム
ロベルタ・マルケス
マリアネラ・ヌニェス
タマラ・ロホ
ゼナイダ・ヤノウスキー

フェデリコ・ボネッリ
ヨハン・コボー
デヴィッド・マッカテリ
イヴァン・プトロフ
ヴァチェスラフ・サモドゥーロフ
エドワード・ワトソン
ルパート・ペネファーザー

ABTの来日と重ならなくて良かったなぁと。私としては、佐多達枝さんの公演と重なっているのがちょっと気になるんですけど。バーミンガム・ロイヤルに吉田都さんがゲスト出演という予想外の展開があったので、もしかしてロイヤルにも?と思ったんですが、どうやらそれはないようですね…。さて、誰を見に行こうかな〜と、今から考えてしまいます。ロホはとりあえず見たいけど、サラ・ラムやヤノウスキーも見てみたい。コジョカルやロホはロイヤルの来日公演じゃなくても見る機会はあると思うんですが、他のプリンシパルはなかなか日本では見られないし。前回ロベルタ・マルケスを見に行った私としては、彼女の成長を見届けに行きたい気もする。おそらく女性ダンサーを中心に選ぶことになりそうです。

6月に来日するBBLより先に、7月のロイヤルの情報が出ましたね。BBLは来期の祭典演目で、ロイヤルは今期の演目だからかな?来期の募集とともにBBLの詳細が出るのかもしれないですね。早く詳細が知りたい。2演目とは別に、またベジャール・ガラとかやってくれないですかね〜。


日本文化財団からピナ・バウシュのDMが届かないとボヤいていたんですが、発売日の前日に(つまり昨日)届きました。FAX用紙が同封されていて、発売日より前に申し込めたみたいです。遅いよ…。とりあえず発売日の今日、FAXしてみました。セット券は1枚につき500円引き、2枚で25,000円です。席の指定はできないけど、希望を書く欄があったので一応書いてみました。
 →電子チケットぴあ
 →eプラス

NBSからバーミンガム・ロイヤルの祭典チケットが届きました。前過ぎず、後ろ過ぎず、程よく真ん中。悪くない席だと思います。
今日はスタダンの感想も↓下に↓アップしておりますので、よろしければどうぞ〜。
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スターダンサーズ・バレエ団12月公演<祝 太刀川瑠璃子80歳バースデー>

スターダンサーズ・バレエ団の12月公演に行ってまいりました。同バレエ団の設立者、太刀川瑠璃子さんの80歳のお誕生日を祝う公演でもあります。ロビーには太刀川さんのバレエ人生を綴る写真が飾られていて、開演前の時間にはご本人も車椅子でロビーにいらっしゃり、お祝いの雰囲気に満ちていました。

既にあちこちで話題になっていますが、残念なことに吉田都さんが怪我のため降板…。テューズリーと踊るはずだった「ロミオとジュリエット」バルコニーのパ・ド・ドゥは上演されませんでした。開演前にバレエ団代表の小山久美さんから説明がありました。続いて都さんとテューズリーも登場。都さんからも挨拶があり、テューズリーからのメッセージも彼女が伝えてくれました。今週の火曜日のリハーサル中に、着地の際に足を痛めてしまったんだそうです。2日間は様子を見て、なんとか踊ろうと懸命に努力をされたそうですが、やっと松葉杖を使わずに済むようになった状態で、やはり踊るのはとても無理だったようです。直前のアクシデントだったこともあり、対応は間に合わなかったようです。初日に行かれた方は、さぞ驚かれたのではないでしょうか。私も夜中に個人の方のブログで読んで度肝を抜かれました。せめてバレエ団のサイトに出せなかったものかと思いますが、出してくれたところで私は見ていなかったと思います。

小山さんの説明によると、都さんの代役を考えたりもしたが、自分のために躍ると言ってくれた都さんの代役を考えることはできないと(確かそんな感じ)太刀川さんが仰ったそうで、止むを得ず上演中止となったそうです。都さんはテューズリーに添われて、ゆっくりと登場。お詫びの言葉はなんだか痛々しくて、登場させるのはちょっと可哀想でした。でも、それだけスターだってことですよね。怪我をしたときに、バレエ団の皆が本当によくしてくれて、慰められたと仰ってました。本当に良いバレエ団だと思ったし、それも太刀川さんのお人柄の賜物だと思います、というようなコメントだったと思います。お見せするはずだった作品を踊ることができず申し訳ないというテューズリーからの伝言に、彼は何も悪くないのに、、、と都さんが言ったのが印象的でした。休憩時間には、テューズリーと一緒にロビーに出てきてくれましたが、あまりの人だかりに私は見ることができず、、、。

正直、夜中に知った時点で、もう見に行くのやめようかな…と思ったのは事実です。でも、見に行って良かった。どれも初めて見る作品で、なかなか面白かったです。

スターダンサーズ・バレエ団 12月公演<祝 太刀川瑠璃子80歳バースデー>
2007年12月2日(日)14:00 ゆうぽうとホール

「アレグロヴィーヴォ」
振付:小山久美
音楽:ジョルジュ・ビゼー「交響曲第1番ハ長調第1楽章」
「ゼファー」
振付:佐々保樹
音楽:フランツ・リスト、トム・コンスタンティン
ピアノ演奏:吉田育英
「陽炎」
振付:関直人
音楽:ヤン・シベリウス「トゥオネラの白鳥」
装置・衣裳:末松正樹のオリジナルに基づく
  【休憩】
「火の鳥」
振付:遠藤善久/追加振付:遠藤康行
音楽:イゴール・ストラヴィンスキー
舞台構成:ドナルド・リチー

指揮:田中良和
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

「アレグロヴィーヴォ」
小平浩子、丸山香織、上之恵民、厚木彩、新井千佳、佐藤万里絵
中里みゆき、荒原愛、木奈津子、糸井千加子、荻野曰子、樺澤真悠子

小山久美さんの振付作品。今回の公演のために制作したようです。「大好きなアレグロを選び、白いイメージで作りました」とのこと。シンプルな白のレオタードの女性12人によって踊られます。明るく軽快で、とても見易い綺麗な作品でした。ダンサーたちも、よく踊っていたと思います。ちょっとバタバタしている場面もあったけど…。「おぉ!」という驚きのある振付ではなかったけど、クラシック・バレエの基本的な動きの連続は見ていて気持ちが良いです。その中に、ときどき印象的なニュアンスもありました。12人を上手く使っていて、飽きなかったし、良かったのではないかと思います。

開演前の小山さんの挨拶の中で、チラシには掲載されていませんが「アレグロヴィーヴォ」を上演します云々・・・という説明があったので、都さん降板を受けてのフォローのように聞こえたんですが、プログラムには「アレグロヴィーヴォ」も「ロミジュリ」も両方掲載されているので、もともと決まっていたんだと思います。

「ゼファー」
黒田美菜子、久保田小百合、福原大介、大野大輔

演奏は舞台上のピアノのみ。“ゼファー”は、そよかぜ・微風の意味。初演はジュリー・ケントらABTのダンサーによって踊られたそうです。今回の公演のために新たに手が加えられたとのこと。
2組のカップル=計4人の作品です。最初に黒田&福原のパ・ド・ドゥ、入れ替わるように久保田&大野のパ・ド・ドゥ。続いて女性がそれぞれヴァリエーションを踊り、男性は2人で踊ります。そして最後は4人。女性をリフトして順に退場していきます。
黄緑の紗の衣裳がヒラヒラと揺れ、正にゼファー=そよ風を感じさせます。女性の衣裳はチャイパドみたいな、胸に切り替えしのあるデザインです。
とても爽やかで綺麗な作品でした。風と戯れるような、爽やかで若々しいパ・ド・ドゥ、そして軽やかな女性たちのヴァリエーション。若々しいと思ったのは、ダンサーたちが若かったかもしれません。初めて見る作品なので何とも言えないんですが、もう少し情感があっても素敵だったかもしれない。彼らはひたすら爽やかでした。いや、そういう作品なのかもしれないけど、、、。
1組目のパ・ド・ドゥの黒田美菜子さんは、ほっそりした手足が風に揺れるようで、とても綺麗。ただ、ちょっとポワントが弱くて気になりました。よく見るとプルプルしてるの。福原さんは前回(1年前)見たときも思ったんだけど、ノーブルだし踊れているし2枚目(だと思われます)なんだけど、私的には印象が薄い。特に悪いところはないんですけど。もっと吸引力が出れば素敵だろうなと思います。
2組目の女性、久保田小百合さんはもう少し健康的な感じの女の子。表現する力強さは彼女の方があったかも。雰囲気は黒田さんの方があったかも。あくまで私の印象ですが。
黒田さんのヴァリエーションになると、音楽は映画音楽のような感じになります。この辺りがトム・コンスタンティンだったのかな?黒田さんは軽やかで透明感のあるヴァリエーション。続く久保田さんは、音楽も少し艶が増し、情感のあるヴァリエーション。どちらも良かったです。

「陽炎」
小池知子、橋口晋策

背景には岩場のようなセット。その影から、炎か波のように腕を揺らめかせ、女性が一瞬姿を現します(×2回)。そして男性が女性をリフトして登場。衣裳は渋い水色のレオタードです。スローで暗く、どこか哀しげな音楽は、遠くからひたひたと押し寄せるような秘めたエネルギーがあります。終始ゆっくりとした動きの、コンテンポラリー(モダンかな?)のパ・ド・ドゥ。前半ではこの作品が一番興味深かったです。初演が1976年なので、それなりに昔のコンテという感じなんですが、古臭くはない。作品も面白かったんですが、何に一番惹かれたかと言えば、小池知子さんの雄弁な身体です。『リラの園』でカロラインを踊る小池さんを見たときも、その詩情のある身体のラインが素敵だと思ったんですが、今回もそれは健在でした。肌が露出しているせいかもしれませんが、特に綺麗なのは首から肩、腕にかけての語るようなラインです。パートナーの橋口さんもレオタードがきちんと似合う体型で、サポートも問題なく、素敵でした。ユニゾンもよく揃っていたし。とてもよく雰囲気が出ていたと思います。

余談ですが、「トゥオネラの白鳥」は山岸凉子さんのマンガ「テレプシコーラ」の中で、主人公の六花ちゃんが振付をした音楽ですよね。こんな暗い音楽で振付けたのか〜と思ってしまいました。六花ちゃんの夢の中で、姉の千花ちゃんはトゥオネラ(「あの世とこの世の境を流れる川」だそうです)で踊っています。山岸さんが描いた岩場を流れるトゥオネラは、今回の『陽炎』の岩場の装置と妙に重なって映りました。

「火の鳥」
火の鳥:林ゆりえ
王子イワン:新村純一
ツァレブナ姫:松坂理里子
魔王カスチュイ:東秀昭

スターダンサーズ・バレエ団による遠藤善久さん振付の『火の鳥』初演は1982年。今回は、遠藤さんの息子さんでいらっしゃる遠藤康行さんが追加振付を行い、改訂版としての上演です。今回の上演のために、装置・衣裳も全て新しく製作したとのこと。

火の鳥の林ゆりえさんは、この作品の中で唯一クラシック・チュチュとトウシューズの出で立ち。というか、この日唯一のクラシック・チュチュだったので、なんだかホッとしてしまった。真っ赤な衣裳がよく似合っていました。彼女は人を惹き付ける魅力がありますね。安定したテクニックがあり、破綻なく踊ってくれてとても好かったんだけど、もう一つグッと迫るものがないのが惜しいところ。まだ若いからな、、、。伸びやかでハッキリした踊りは、見ていて気持ちが良いです。確かまだ19歳ですから、これから先が楽しみです。
新村純一さんがやっぱり素敵でした。冒頭、霧深い森で道に迷い、不気味な空気に辺りを見渡し彷徨うイワン。当然、音楽は「火の鳥」のあの不気味なメロディです。新村さんは歩くだけでも雰囲気があるし、ちゃんと物語を感じさせます。彼は踊りも立ち居振る舞いも、とても丁寧で優雅。滑らかだけど力強い、意思のある踊りが好きです。まず火の鳥とパ・ド・ドゥを、続いてツァレブナ姫とパ・ド・ドゥを踊ります。
ツァレブナ姫と12人の姫たちは全員バレエシューズ。膝下丈のワンピースです。黄色、山吹色、オレンジ色と、少しずつ色合いの違う衣裳の女性たちがスカートを揺らめかせて踊る様は、とても華やかで綺麗でした。ツァレブナ姫だけ水色の衣裳です。松坂理里子さんはとても小柄な女性。テクニックは安定していて、とてもハキハキと踊ります。小回りのきく踊りは、忙しさがないのが良いです。
出会った瞬間、恋に落ちるイワンとツァレブナ。言葉を発することもできず、距離を置いたまま見つめ合います。女性たちが消えると、2人のパ・ド・ドゥ。無邪気に戯れるような、可愛らしいパ・ド・ドゥでした。

この辺までは「へぇ〜」と面白く見ていたんですが、その後がちょっと私的に乗れなかったかなぁと…。まず、魔王カスチュイと妖怪たちの衣裳とメイクが、急に安っぽい。一昔前の近未来ものの悪者みたいと言いますか、、、。カスチュイは髪を逆立て、黒の皮パンに黒のロングコート(しかも襟はシルバー…)。妖怪たちは黒のダボダボ・ズルズルした衣裳。これは後に、ひっくり返して白い衣裳になるので、ダボダボしてるのは仕方ないんですが。ん〜、一昔前の近未来ものに出てくる…。
妖怪たちにワラワラと囲まれるイワンとツァレブナ。彼女を庇い守ろうとするイワン。火の鳥からもらった羽を思い出し、助けを求めて火の鳥を呼びます。最後は火の鳥が勝利するわけですが、この戦いの場面がいまいち緊張感がない気が…。ゴチャゴチャと人がいっぱいいて、時間がかかってるわりにはあまり変化がないし。
最後の大団円もちょっと盛り上がりに欠けました。あくまで私は、ですが。妖怪たちは黒い衣裳をひっくり返して、白い姿に。囚われの身だった12人の姫たちも登場。イワンとツァレブナの結婚を祝福するわけですが、全員が機械的な笑みで機械的に行進する様は、なんだかひたすら淡々。厳かと言えば言えなくもないんですけどね、、、。
最後は、男性が2人で火の鳥の林さんを高々とリフト。その前にイワンとツァレブナ。左右にズラッとコール・ドという形で幕が下ります。

ちょっと後半を悪く書いてしまいました…。突っ込みつつも、全体的には楽しかったんですよ。眠くならなかったし。作品自体にも興味が出たので、他の演出も見てみたいなと思いました。

カーテンコールが終わると、もう一度「火の鳥」のクライマックスが演奏され、ロビーでは車椅子だった太刀川瑠璃子さんが、ご自分の足で立ってステージに登場されました。ダンサーたちが真っ赤な薔薇で花道を作り、そこをゆっくりと小山さんに支えられて歩く太刀川さん。合計して10歩も歩いていないと思うんですが、こういう場面はジ〜ンとしてしまいますね。姿勢もまだ比較的良く、とても上品な女性でした。
太刀川さんは1927年12月2日生まれ。ベジャールと同じだったんですね。ベジャールは1927年1月1日生まれなので、ほぼ1年の差がありますが。ベジャールも元気だったら、去年の生誕80年記念公演のステージにこうして登場してくれたんだろうなと思うと、一人違う感慨に浸ってしまいました…。東京バレエ団のダンサーたちがきっと花を持ってさ、、、。やっぱり、早すぎましたよね。もう一度、ステージで優しい笑顔を見せるベジャールをこの目で見たかったです。話が逸れてしまってすみません。
posted by uno at 14:29| Comment(4) | TrackBack(0) | バレエ公演2007 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月04日

ピナ・バウシュ発売日/他

明日はピナ・バウシュ・ヴッパタール舞踊団の発売です。おかしいなぁ…。日本文化財団のHPから申し込んだはずのDMが届きませんでした。申込みに失敗したのかしら?日本文化財団でのみセット券を発売するということだったので、多少は安くなるのかしらと思ったんですが、その辺の情報も得られず、、、。ん〜、まあ仕方がない。明日、財団にTELして取るか、電子チケットぴあで取るか、どちらにしようかな〜。

ピナ・バウシュ・ヴッパタール舞踊団 【東京公演】

Aプログラム「パレルモ、パレルモ」
3月20日(木・祝)14:00
3月21日(金)19:00
3月22日(土)14:00
3月23日(日)14:00
会場:テアトロジーリオショウワ

Bプログラム「フルムーン」
3月27日(木)19:00
3月28日(金)19:00
3月29日(土)14:00
3月30日(日)14:00
会場:新宿文化センター大ホール

12月5日(水)前売開始

 →電子チケットぴあ
 →eプラス
 →日本文化財団

牧阿佐美バレヱ団『白鳥の湖』の一般発売も明日のようです。私が言うまでもなく皆さん既にご存知だと思いますが一応。キャストは伊藤友季子&京當侑一籠、青山季可&逸見智彦。指揮がアニハーノフさんなんですね〜。いいなぁ。前回レニ国を見に行ったときには彼に当たらなかったので、久しぶりに聴きたい。

■牧阿佐美バレヱ団『白鳥の湖』

3月8日(土)15:00 伊藤友季子&京當侑一籠
3月9日(日)14:00 青山季可&逸見智彦
会場:ゆうぽうとホール

12月5日(水)前売開始

 →電子チケットぴあ
 →eプラス
 →牧阿佐美バレヱ団

ピナの大津公演は現在プレリザーブ受付中。そして、BRB『コッペリア』追加公演のプレリザーブ/プレオーダーが12月6日(木)からです。迷ったけど、都さんの追加公演は祭典で申し込みませんでした。1回で我慢です。そろそろBRBの祭典チケットが届く頃ですかね〜。
posted by uno at 17:23| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ日記2007 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月02日

東京バレエ団、ベジャール追悼公演決定

東京バレエ団による、モーリス・ベジャール追悼公演が行われるようです。NBSのトップページの「What's New」ではなく、「Schedule」の方にいつの間にやらアップされています。私は全く気が付いていなくて、今日「Ballet一色」のほみさんのところで知りました(ありがとうございます〜♪)。

 →NBS

追悼という言葉は口にするのが辛い、とても悲しい響きなんですが、ベジャール作品を見られるのはやはり嬉しいです。しかも久々の『火の鳥』。そして火の鳥は両日とも木村さんです。うぅ、ありがとう。

<モーリス・ベジャール追悼特別公演>
「ギリシャの踊り」「火の鳥」「春の祭典」


2008年
5月10日(土)15:00
5月11日(日)15:00
会場:東京文化会館

S席:10,000円 A席:8,000円 B席:6,000円 C席:5,000円
D席:4,000円 E席:3,000円 

一般発売:2008年1月19日(土)

『ギリシャの踊り』
ソロ:後藤晴雄(10日)/中島周(11日)
2人の若者:長瀬直義-横内国弘(10日)/高橋竜太-小笠原亮
パ・ド・ドゥ:小出領子-松下裕次(10日)/吉岡美佳-平野玲(11日)
ハサピコ:上野水香-高岸直樹(10日/11日)

『火の鳥』
火の鳥:木村和夫(10日/11日)
フェニックス:高岸直樹(10日)/後藤晴雄(11日)

『春の祭典』
生贄:吉岡美佳-中島周(10日)/井脇幸江-長瀬直義(11日)


なかなか面白いキャストです。そして一番気になるのは、大嶋正樹さんのお名前がないこと。大嶋さんは『ギリシャ』のソロも『春の祭典』の生贄もレパートリーに入っています。2005年の『ギエム最後のボレロ』ツアーのときに初めて踊っているはす。どちらもとても良くて、これからどんどん踊って深めていってほしいと思ったものです。プリンシパルにもなったことだし、ここで大嶋さんがキャスティングされないのは違和感が満載。気になる、気になるよ〜。大嶋-古川の若者のパ・ド・ドゥが見られないのは、かなり残念です。

後藤晴雄さんの『ギリシャ』のソロは、おそらく初役。これは楽しみです。私はまだ後藤和雄さんの『ギリシャ』が忘れられないけど…(いい加減しつこい)。小出-松下のペアは新しいですね。想像がつかないところが、また何とも楽しみです。井脇-木村のハサピコが見たかった…。上野さんのハサピコはまだ見たことないです。長谷川さんにもパ・ド・ドゥかハサピコを踊ってほしかったな、、、。
やっと木村さんの火の鳥を見ることができます。しかも今の木村さんで見られるというのは、とても良い時期なんじゃないかという気がする。
長瀬さんの生贄は大抜擢ですね。もしかして海外ツアーで踊っているのかな?ちょっとわからないんですが、とりあえず楽しみです。化けるかどうかは、まだわからないですね。
私としては、平野さんに『ギリシャ』のソロか生贄を踊ってほしかったです。どっちも行けると思うんだよな〜。


小林十市さんの日記に、2004年にベジャールと一緒に撮った写真が掲載されています。穏やかで良い表情。良い写真ですね。十市さんは『魔笛』を舞台では踊っていないんだけど、リハーサルではモノスタトスのソロを踊ったんだそうです。十市さんのモノスタトス!それは見てみたい。ベジャールの『魔笛』はとても好きな作品の一つです。また見たいなぁ。

 →小林十市Website
posted by uno at 00:59| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ日記2007 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする