2016年12月01日

東京バレエ団『ザ・カブキ』10月16日

東バ『カブキ』、16日の感想です。どんどん記憶が薄れてしまっているので、もう本当にサクっと、、、。

佐々木忠次追悼公演
モーリス・ベジャール振付『ザ・カブキ』(全2幕)
2016年10月16日(日)14:00 新国立劇場 中劇場

由良之助:柄本弾
直義:森川茉央
塩冶判官:岸本秀雄
顔世御前:奈良春夏
力弥:井福俊太郎
高師直:木村和夫
伴内:岡崎隼也
勘平:松野乃知
おかる:吉川留衣
現代の勘平:和田康佑
現代のおかる:岸本夏未
石堂:宮崎大樹
薬師寺:永田雄大
定九郎:杉山優一
遊女:三雲友里加
与市兵衛:山田眞央
おかや:伝田陽美
お才:矢島まい
ヴァリエーション1:杉山優一
ヴァリエーション2:入戸野伊織

この日も含め、私が通った3日間とも、熱のこもったいい舞台でした。今回、弾さんはこの役を自分のものにしたなという感じを強く受けました。本懐を遂げ、切腹をしたあとの最初のカーテンコールで、ピラミッドの頂点に立っていた弾さんは、間違いなく由良之助でした。
1幕ラストのソロは、14日のほうがスタミナは持続してたかもしれません。まあ、4日間で3回踊ってますから、、。しかし、討ち入りはこの日のほうが勢いがあったような気がします。「もう転んでもいい!」くらいの気迫がありました。そういうときって、限界まで身体を使って踊っている感じがして、ダンサーの肉体がものすごい力を宿しているのを感じます。少し踊りが乱れたり、バランスを崩したとしても、何かが守っている感じがして、絶対に失敗はしないなっていう確信が見る側にもあります。ときどき言われる「降りてきてる」という感じって、この守られている感じに近いのかなぁ、なんて。そういうとき、ベジャールさんはダンサーの中に「光」を見ていたのかもしれないなと、思ったりしました。

そしてなんと言っても奈良さんの顔世です。よかったな〜。奈良さんの顔世が一番女性らしくて人間らしい気がします。討ち入りの前、波と流されていく場面は胸に迫り、込み上げるものがありました。あの場面がいいと、続く討ち入りがより強く胸に響きます。見る側の集中が途切れずに、高まった気持ちのまま討ち入りへと雪崩れ込むことができる。意味があって繋がってるんだなぁと感じる瞬間でもあります。

今回も3日間、本当に楽しくて、好きなバレエ団があるというのは幸せなことだなぁと、またいつものように思ってしまいました。そして、この『カブキ』はやはり踊り継いでいってほしいなと、強く感じました。もうほとんどがベジャールさんに直接指導を受けたことのないダンサーになっているわけですが、例えば高橋慈生さんが伴内を踊りたいと思っていたというのを知ったりすると、若いダンサーにとっても魅力的な作品・役柄であるということは嬉しいことだなと思いました。時代が変わって、踊るダンサーが変われば、作品の空気感が変わることもあるかもしれないけど、この作品の面白さはきっと変わらないと思います。
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2016年11月29日

東京バレエ団『くるみ割り人形』主な配役決定。

東バ『くるみ』の主な配役が発表されました。少し前(11月18日)にアッサンブレのメールマガジンでお知らせが届いたんですが、変更が生じているとのこと。確認したところ、クララの母の矢島まいさんが降板して、3日間とも奈良春夏さんになっています。それに伴い、初日のスペインが奈良さんから二瓶さんに変更。ん〜、それは残念すぎる・・・。もちろん二瓶さんのスペインは楽しみなんですが、奈良さんが母だけになってしまうのは残念だなぁ、と。それから、17日と18日のフランスに配役されていた森田理紗さんが降板。両日とも中川美雪さんに変更になっています。たぶんそれだけだと思うんだけどな〜。全国公演の配役も出してほしいけど、無理ですかね、、。というか、ドロッセルマイヤーが知りたいだけなんだけど、、、。私は18日は見に行かないので、岸本さんのスペインとか、政本さんのアラビアとかが見られないのが残念です。

東京バレエ団『くるみ割り人形』主な配役

12月16日(金)19:00

クララ:沖香菜子
くるみ割り王子:ダニール・シムキン

クララの父:永田雄大
クララの母:矢島まい → 奈良春夏
兄フリッツ:岸本夏未
くるみ割り人形:中村祐司
ピエロ:山本達史
コロンビーヌ:金子仁美
ムーア人:吉田蓮
ねずみの王様:森川茉央
ドロッセルマイヤー:木村和夫

スペイン:奈良春夏二瓶加奈子、宮川新大
アラビア:崔美実、ブラウリオ・アルバレス
中国:中川美雪、岡崎隼也
ロシア:伝田陽美、入戸野伊織
フランス:秋山瑛、金子仁美、岸本秀雄
花のワルツ(ソリスト)
  吉川留衣、二瓶加奈子加藤くるみ、三雲友里加、政本絵美
  森川茉央、杉山優一、松野乃知、永田雄大

12月17日(土)14:00

クララ:川島麻実子
くるみ割り王子:秋元康臣

クララの父:森川茉央
クララの母:奈良春夏
兄フリッツ:吉川留衣
くるみ割り人形:高橋慈生
ピエロ:樋口祐輝
コロンビーヌ:中川美雪
ムーア人:井福俊太郎
ねずみの王様:永田雄大
ドロッセルマイヤー:柄本弾

スペイン:秋山瑛、入戸野伊織
アラビア:三雲友里加、松野乃知
中国:岸本夏未、吉田蓮
ロシア:二瓶加奈子、宮川新大
フランス:足立真里亜、森田理紗中川美雪、山本達史
花のワルツ(ソリスト)
  川淵瞳、伝田陽美、小川ふみ、崔美実
  ブラウリオ・アルバレス、杉山優一、和田康佑、岸本秀雄

12月18日(日)14:00

クララ:沖香菜子
くるみ割り王子:ダニール・シムキン

クララの父:永田雄大
クララの母:矢島まい → 奈良春夏
兄フリッツ:岸本夏未
くるみ割り人形:中村祐司
ピエロ:河上知輝
コロンビーヌ:中島理子
ムーア人:吉田蓮
ねずみの王様:森川茉央
ドロッセルマイヤー:木村和夫

スペイン:二瓶加奈子、岸本秀雄
アラビア:政本絵美、森川茉央
中国:金子仁美、高橋慈生
ロシア:伝田陽美、入戸野伊織
フランス:足立真里亜、森田理紗中川美雪、山本達史
花のワルツ(ソリスト)
  吉川留衣、加藤くるみ、小川ふみ、崔美実
  ブラウリオ・アルバレス、杉山優一、松野乃知、永田雄大

→ 東京バレエ団

崔さんとアルバレスのアラビアとか、楽しみですね〜♪ そのアルバレスですが、セカンドソリストとしての入団になったようです。入戸野さんはロシアは踊ったことあるけど、スペインは初めてですよね。とても楽しみ♪ 8月の<夏祭りガラ>の『パキータ』でヴァリエーションを踊った秋山瑛さんがスペインとフランスを踊りますね。期待されてるのかしら。「いいな」と思ったのは覚えてるんですが、まだはっきりとお顔が浮かぶほど認識できていない、、、。『白鳥』の道化に抜擢された山本さんが、ここのところあまり出てこないな〜と思っていたので、今回は配役されていてホッとしました。初役じゃないけど伝田さんのロシアはとても楽しみです♪
できれば私が見に行く柏崎公演で奈良さんのスペインと木村さんのドロッセルマイヤーが見られたら嬉しいんだけど、矢島さんが怪我などで降板だとしたら、やはり奈良さんが母なんだろうな、と。矢島さんも森田さんも降板の理由がわからないんですが、大事無いといいなと思います。

延期になっていたベルギーでの『第九交響曲』のお知らせも出ましたね。現在BBLで活動する吉岡さんも参加するそうです。新しいキャストも組まれているようですが、なかなか日本で上演することはないだろうな〜、、、。

→ 東京バレエ団第31次海外公演 ベルギー『第九交響曲』
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2016年11月25日

日本バレエ協会 神奈川ブロック第33回自主公演『コッペリア』全幕/関西支部

日本バレエ協会関東支部神奈川ブロックの、第33回自主公演の詳細が出ていました。演目は『コッペリア』全幕と、『ライモンダ』3幕より祝典の場。『ライモンダ』の演出・振付は堀内充さん、『コッペリア』の演出・振付は石井竜一さんです。ゲストの中には元東バの平野玲さんや宮本祐宜さんのお名前もあります〜。

■ (公社)本バレエ協会関東支部神奈川ブロック第33回自主公演
  『ライモンダ』3幕より祝典の場/『コッペリア』全幕

2017年1月8日(日)16:00
会場:神奈川県民ホール 大ホール

『ライモンダ』3幕より祝典の場
音楽:アレクサンドル・グラズノフ
演出・振付:堀内充

  ライモンダ:大滝よう
  ジャン・ド・ブリエンヌ:清水健太

『コッペリア』全幕
音楽:レオ・ドリーブ
原振付:サン・レオン
再演出・再振付:石井竜一

  スワニルダ:佐藤愛香
  フランツ:浅田良和
  コッペリウス:丸岡浩 

指揮:御法川雄矢
演奏:俊友会管弦楽団

SS席:8,000円 S席:7,000円 A席:6,000円 B席:5,000円 C自由席:3,000円
一般発売:発売中

→ 神奈川県民ホール


そして、関西支部の公演情報もフェスティバルホールのサイトに出ています。まだフェスティバルホールのサイトにはキャストは出ていません。演目は『海賊』。チラシの画像はあるんですが(→これとか)、文字まではっきりと読めるものがなくて、自信を持って書けません、、、。

■ (公社)日本バレエ協会関西支部 関西バレエカンパニー公演
  第44回バレエ芸術劇場 『海賊』

2017年1月28日(土)18:00
会場:フェスティバルホール

管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団

S席:10,000円 A席:8,000円 B席:6,000円 C席:4,000円 BOX席:13,000円
一般発売:発売中

→ フェスティバルホール
posted by uno at 11:23| Comment(0) | バレエ日記2016 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月22日

ジェンヌバレエYOKOHAMA 設立。/他

横浜バレエフェスティバルのサイトで、「ジェンヌバレエYOKOHAMA」の設立が発表されました。横浜バレエフェスティバルが力を注いできた<次世代育成>をさらに加速させるために設立されるもので、プロデューサーに吉田智大さん、芸術監督に遠藤康行さん、バレエマスターに高岸直樹さんという布陣で、10名前後の10歳以上20歳以下のダンサーを選抜するとのこと。来年の第3回横浜バレエフェスティバル(2017年6月9日、10日)に初参加するそうです。第3回横浜バレエフェスティバルのオーディション参加者と、前回の第2回のオーディション参加者も選抜対象になるとのこと。
なんだかちょっとワクワクしますね♪

→ ジェンヌバレエYOKOHAMA(JBY)設立

■ 第3回 横浜バレエフェスティバル

【2017年】
6月9日(金)夜公演 Aプログラム
6月10日(土)昼公演 Bプログラム


そして、振替公演が検討されていた東バ『くるみ』の倉吉公演ですが、年度内での調整がつかず、公演開催が見込めないため、正式に中止が発表されました。残念ですね、、。チケットの払い戻し方法については、各プレイガイドごとに詳しく紹介してくれています。

→ 倉吉未来中心
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2016年11月19日

NBAバレエ団『ロミオとジュリエット』キャスト詳細/WEBマガ

NBAバレエ団『ロミオとジュリエット』のキャスト詳細が出ました。りょ、両日シクリャローフじゃなかったのね〜。既にチケットの発売は始まってるし、シクリャローフが見たかったのに別の日を取っちゃったという方がもしかしたらいるんじゃないかと、少々心配になってしまいました、、。

NBAバレエ団のサイトでは、WEBマガというものが始まっています。第1号は、振付家のダレル・グランド・ムールトリーについて。最新の第2号は平山素子さん。どちらもとても面白く読みました。ブログも結構面白いんですよね〜。

■ NBAバレエ団『ロミオとジュリエット』

【2017年】
2月25日(土)18:00
  ロミオ:ウラジーミル・シクリャローフ
  ジュリエット:峰岸千晶
  マキューシオ:大森康正
  ベンボリオ:森田維央
  パリス:米倉祐飛
  ティボルト:三船元維
2月26日(日)14:00
  ロミオ:宮内浩之
  ジュリエット:竹内碧
  マキューシオ:高橋真之
  ベンボリオ:清水勇志レイ
  パリス:森田維央
  ティボルト:土橋冬夢

指揮:冨田実里
管弦楽:ロイヤルチェンバーオーケストラ

振付:マーティン・フリードマン
芸術監督・演出:久保紘一

→ NBAバレエ団 『ロミオとジュリエット』
→ NBAバレエ団 WEBマガ
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2016年11月18日

『ニーナ・アナニアシヴィリの軌跡』、ゲスト決定。

来年3月のニーナの公演、『ニーナ・アナニアシヴィリの軌跡〜最後のクラシック・ガラ』のゲストが発表されました。ニーナのパートナーを務めるのは、マルセロ・ゴメスとアレクサンドル・ヴォルチコフです。2人とも全公演に出演するそうです。
そして、いつの間にかBプロの演目が増えているような気が? 「薔薇の精」と「ゼンツァーノの花祭り」、「小さな死」が追加されたと思います。流石にこれはニーナが全部踊るという意味ではないですよね?

■ 『ニーナ・アナニアシヴィリの軌跡〜最後のクラシック・ガラ』

【2017年】
3月16日(木)19:00 Aプログラム
3月18日(土)15:00 Aプログラム
  「白鳥の湖」より第2幕・4幕
  「セレナーデ」
  「眠れる森の美女」より

3月19日(日)14:00 Bプログラム
3月20日(月・祝)14:00 Bプログラム
  「薔薇の精」
  「ゼンツァーノの花祭り」パ・ド・ドゥ
  「タイス」パ・ド・ドゥ
  「小さな死」
  「モーツァルティアーナ」
  「ドン・キホーテ」より 

【出演】
ニーナ・アナニアシヴィリ
マルセロ・ゴメス
アレクサンドル・ヴォルチコフ
ジョージア国立バレエ団

管弦楽:シアターオーケストラトーキョー

会場:東京文化会館 大ホール
S席:18,000円 A席:14,000円 B席:11,000円 
C席:8,000円 D席:5,000円

→ TBS 『ニーナ・アナニアシヴィリの軌跡〜最後のクラシック・ガラ』
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2016年11月16日

東京バレエ団『ザ・カブキ』10月15日

佐々木忠次追悼公演
モーリス・ベジャール振付『ザ・カブキ』全2幕
2016年10月15日(土)14:00 新国立劇場 中劇場

由良之助:秋元康臣
直義:永田雄大
塩冶判官:松野乃知
顔世御前:渡辺理恵
力弥:中村瑛人
高師直:森川茉央
伴内:高橋慈生
勘平:入戸野伊織
おかる:沖香菜子
現代の勘平:樋口祐輝
現代のおかる:三雲友里加
石堂:古道貴大
薬師寺:安田峻介
定九郎:吉田 蓮
遊女:吉川留衣
与市兵衛:山田眞央
おかや:伝田陽美
お才:政本絵美
ヴァリエーション1:岡崎隼也
ヴァリエーション2:宮川新大

15日(土)の感想です。一つ前の記事に14日(金)の感想もUPしてあります。16日(日)まで一気にUPしようと思ったんですが、志半ばで挫折、、。そのうちUPするかも、です。どんどん記憶が薄れて、日を追う毎に感想が短くなってます(苦笑)。


この日は秋元さんの「第7代目 由良之助」のデビューでした。いやいや、やってくれるだろうとは思ってましたけど、これほど完璧な由良之助デビューになるとは思いませんでした。いや、完璧は言い過ぎかもしれません。まだまだ細かな拾える部分はあったと思うし、これから踊り込めば、さらに「由良之助」になっていくだろうと思います。
それにしても、あんなにスタミナの切れない1幕ラストのソロは初めて見たかも。それでも後半、照明が赤くなるあたりから、少し口が開いてきたり、フッと漏れる息が聞こえたりして、そこがまたなんかグッときたりしました。やっぱり、生身の人間を感じられる瞬間は面白い。
秋元さんは初めからリーダーの風格を感じさせる由良之助で、やはりどちらかというと高岸さんタイプなのかな、と。夏に『スプリング・アンド・フォール』を見たときに、ふと高岸さんが重なる瞬間があったんですよね。そのときは単純にシルエットとか雰囲気だったと思うんですが、もしかしたらご本人のポジティブな内面性が出ているのかもしれません。いや、ポジティブだというのは単なる想像ですが。
最初のソロからフルスロットルな踊りで格好良かったです。失礼ながら初めて、秋元さんてハンサムなのね〜(♪)と思いました。ただ、本当に素敵だったし踊りも素晴らしかったんだけど、どこか少し違うものになっていたような気もします。それは、変な言い方かもしれないけど、あまりにも踊れているからなのかなぁと思ったりもしました。秋元さんの踊りは本当に流麗で美しくて、コントロール力があるので無駄がなく、細部まで神経の行き届いた丁寧な踊りです。本当に、惚れ惚れと感心しながら見てしまいます。でも、たとえ完璧に踊ったとして、それがイコール由良之助ではないのかもしれません。単にまだベジャール作品が馴染んでいないだけなのかもしれないですね。これが初ベジャールなわけですから、当たり前なのかもしれません。
最初は未完成だったかもしれないけど、由良之助とともに成長してきた弾さんと違い、秋元さんのように遜色なく踊れるところから由良之助にどう変貌していくか、そういう挑戦もあるんだ、と。

渡辺さんの顔世もよかったです。静の存在感というか。桜の枝を持って舞台を横切る、ただそれだけだから難しいと想像するんですが、きちんと重みがありました。友佳理さんや美佳さんが演じていたときのような、ちょっと怖さのある、あの少し異様な空気に近づいていたような気がします。弾さんも理恵さんも、回数を重ねて確実に進化しているんだな、と。

判官の松野さんは、あの困り顔のせいかやっぱりちょっとナヨっとしてるんだけど、でもシュっともしてるんですよね。スタイルがいいし踊りが綺麗で清潔感もあるので、とてもスマートな判官でした。切腹の場面では、照明の効果もあるのか、目の下に暗い影ができて、悲壮感や絶望が滲み出ているようで印象的でした。それにしても、松野さんが着るとあのスウェットが一瞬オシャレに見えるから不思議だ(笑)。

高橋慈生さんの伴内は初役でした。とってもよかったです〜。気合の入った初役というのは見ていて清々しいです。ご本人のインスタグラムによると、伴内はずっとやりたかった役だそうで、なるほどな、と。まさにそんな気合の入りようでした。「やってやるぞ」と「踊ってて(演じてて)幸せ」という気持ちが混在して、存在感を放っていました。踊りもよかった。
そして、高橋さんは摺り足が上手だったような気がします。実は、「現代の東京」のラストで、由良之助が刀を持って下手に退場する場面で、秋元さんの摺り足がちょっと微妙だったんですよね、、。そこから摺り足が気になってしまったんですが、高橋さんは上手に見えた。正しい摺り足はよくわからないんですが、上手だなと思う人は、爪先があまり上がっていなかったような気がします。

沖さんのおかるがよかったな〜。これまでおかるを演じてきたダンサーに多かった、可愛らしい系列にはいるんだけど、不思議と何とも言えない色気がありました。なんか、上手く言えないんだけど、格好いいなって思ってしまった。
入戸野さんの勘平もよかったです。精悍さと頼りなさがいい感じに混在。おかるの故郷に落ちてからの、絶望感や無力感の漂う姿も印象的でした。

中村瑛人さんの力弥は可愛くて一生懸命で完全応援モード♪ 一力茶屋での踊りもよかったです。政本さんのお才も美しかった♪ ヴァリエーション2の宮川さんは爽快。ヴァリエーション1の岡崎さんは、目がすごくよかった。1はなかなか波に乗るのが難しそうだな、やっぱり。岡崎さんは今回とてもいい目をしていたのが印象的でした。こういうときにもっと何か踊らせてあげたいなぁ、と。

駄目ですね〜。やっぱり。1ヶ月以上も経つと、どんどん記憶が薄れてしまいますね。結局、Twitterでつぶやいたことを膨らませた程度の感想になってしまいました。

私的に2日目だったこの日、妙に感じたのは、「やっぱりベジャールってすごい」ということでした。いや、いまさら何をっていう感じですが、やっぱりすごいなって。ダンサーたちもみんなすごくよかったけど、ベジャールのすごさを改めて感じた公演でした。
posted by uno at 13:49| Comment(0) | バレエ公演2016 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

東京バレエ団『ザ・カブキ』10月14日

佐々木忠次追悼公演
モーリス・ベジャール振付 『ザ・カブキ』全2幕
2016年10月14日(金)19:00 新国立劇場 中劇場

由良之助:柄本弾
直義:森川茉央
塩冶判官:岸本秀雄
顔世御前:上野水香
力弥:井福俊太郎
高師直:木村和夫
伴内:岡崎隼也
勘平:宮川新大
おかる:川島麻実子
現代の勘平:和田康佑
現代のおかる:岸本夏未
石堂:宮崎大樹
薬師寺:永田雄大
定九郎:杉山優一
遊女:吉川留衣
与市兵衛:山田眞央
おかや:伝田陽美
お才:矢島まい
ヴァリエーション1:杉山優一
ヴァリエーション2:入戸野伊織

東京バレエ団『ザ・カブキ』の感想を書きました。私は10月14日(金)・15日(土)・16日(日)と鑑賞。3日間ともとってもいい公演で、カーテンコールも毎回熱気がありました。秋元さんのデビューには大きな拍手が送られたし、弾さんはすっかり認められたなという感じを受けました。もう、「よくぞやってくれた!」という感じではなく、期待を受ける立場にあって期待に応える、堂々たる佇まいでした。

とりあえず14日(金)の感想を。

由良之助の弾さんがすごくよかったです。「現代の東京」で踊り始めた瞬間、思わずハッとするほどの存在感を放っていました。踊りは完全に弾さんと一体化しているようで、振付を踊っているという感覚ではなく、まるで自然に動いているようでした。ああ、ついに踊り始めると空気が変わるということろまできたんだなぁ、と。まだどの作品でもそうとは限らないかもしれません。でも、由良之助に関しては、そのステージへ上がったような気がします。
今回、不思議と軽やかさが印象的でした。もちろん、力強くて伸びやかでもあるんですが、以前よりも軽やかな印象を受けたんです。それは、何か余計なものが取り払われて、心も身体もクリアで自信に満ちていたからではないでしょうか。弾さんは弾さんの由良之助を見つけたのではないかと思いました。

高岸さんは最初からリーダー然とした由良之助だったし、後藤さんは迷いや不安を持ったナイーヴな若者でした。弾さんの由良之助は、その両方を持ち合わせているような気がします。高岸さんのように最初からリーダーではないけど、一目は置かれている若者で、後藤さんのような繊細さを持ちながらも、それには気付かないようにしている。ある意味、正しく「現代の若者」だったような気がします。

そして、とても説得力のある由良之助でした。現代の若者がひょんなことからタイムスリップをし、様々な出来事や人物に出会い共感していく中で、徐々に由良之助と重なっていく。そういった過程にとても説得力があったんです。

踊りは力強く伸びやか。最後まで集中が途切れず、無駄のない、クリアで研ぎ澄まされた踊りでした。もともと身体は柔らかいほうではないと思うんですが、見せ方も上手くなったんだと思います。もちろん鍛錬もあると思いますが。体格も恵まれてるし、パワフルな踊りは男らしいんですが、とても柔らかで繊細な面もあるんです。弾さんの持つ内面の柔らかさとか優しさとか、そういうものが関係あるのかな〜と思ったりしました。
でも、ただ上手に踊れば感動するというわけではなくて、踊る弾さんは間違いなく由良之助だったし、そこで由良之助が踊ることに説得力がありました。

「現代の東京」、上手で踊られる幕開きのソロは、伴内のキャストが交代で担当。14日・16日は高橋慈生さん、15日は岡崎さんでした。そして、判官の亡霊は今回も出番のない由良之助が担当。まだ秋元さんの佇まいに慣れていないので迷ったんですが(お面をつけているので顔はわからない)、秋元さんだったはずです。
いつも思うんですが、「兜納め」の幕開きで最初に踊る直義って、すごく難しいんじゃないかなぁ、と。過去の人間としてあの衣裳で最初に踊る役なんですよね。世界観を作るのが難しそうです。そして、踊るというより歩く、いる、というのがほとんどなので、難しい役だよなぁ、と。

誤解を恐れずに言えば、顔世の水香さんはいい意味でいつもより存在感がなかった。終ってから考えてみたら、水香さんのこういうところちょっと苦手だなという部分が印象に残らなかったので、私にとっては本当にいい意味なんですが。「何を踊っても水香さん」という主張が控えめで、抑えた表情など、とてもよかったと思います。

岡崎さんの伴内がすごくよかったです〜♪ 初役ではないんですが、今回はとても印象的でした。なんと言っても色気があって格好よかった♪ そして、要所要所でちゃんと舞台を締めていました。おかると勘平が故郷に落ちていく場面で、踊り終えた伴内が、はだけた襟をスッと直してから客席の方を見るところがあるんですが、これが格好いいんですよ〜♪ 岡崎さんには、また定九郎も踊ってほしいです。

これまで、おかる役は小柄だったり、どちらかというと可愛らしい雰囲気の女性が演じることが多かったので、大人っぽい綺麗タイプの川島さんのおかるは新鮮でした。これも有りだなぁ、と。艶っぽくてよかったです。初役とは思えない堂に入ったところは本当に流石です。
宮川さんの勘平は悪くはなかったんだけど、なんとなくちょっと違うかな〜という気がしてしまった、、、。どこがどうとは言えないんだけど、本当になんとなく、、、。単にベジャールに慣れていないだかなのかぁ。「山崎街道」での脱け殻っぷりはよかったです。
発表されたときは意外だったんですが、杉山さんの定九郎もよかったです〜。岸本さんと2人で「爽やか」を担当することもある杉山さんですが、やはりちょっとダークサイドの役が来るのね〜、と。大御所の飯田さんや松下さんの好演を思うと、「頑張れ〜」と応援したくなる感じもありましたが、とてもよかったと思います。でも、こちらを極めるのもいいけど、勘平とかも踊ってほしい気もします。いや、いっそのことダークサイドの師直を踊ってみてほしい気もする。

木村さんの師直は、もう最高でした〜♪。はぁ〜格好よかったー。また見ることができて本当に感謝です。もう今後、木村さん以上の師直は現れないんじゃないかと思ってしまったのは、ファンの贔屓目でしょうか。当たり前かもしれないけど、木村さん一人、格というか、次元が違いました。踊りのキレや美しさ、存在感はもちろんなんですが、役柄の解釈や浸透力は圧倒的です。そして、木村さんの目も印象的でした。目が語る、語る。師直という人物の考えていることや感情が、雄弁に語られていました。そういえば、ロットバルトや中国の役人など、どちらかというとダークサイドの役って、視線の演技が重要だったりしますよね。でも、誰がやっても同じように印象に残るわけではないんですよね。そこに感情が息づいているからこそ、惹きつけられるのだと思います。様々な、本当に様々なものが積み重なって作り上げられた存在感の厚さは圧倒的でした。

岸本さんの塩冶判官もよかったです。切腹の場面は狂気には寄らずに、抑えた表現をしていたと思います。平野さんの怪演(褒めてます)が強烈だったので、抑えた表現に見えてしまうのかも(苦笑)。いや、どうしてもあれを思い出してしまうんですよね〜。岸本さんは本当に真っ直ぐでいい目をしてるなぁ、と。佇まいは柔らかいけど、彼は男らしいんですよね〜。そのギャップがまた素敵なのかもしれない。真っ直ぐで男らしい、いい塩冶判官でした。
切腹の場面で、「由良之助はまだか」と力弥に尋ねる判官。2度目に力弥が首を横に振った後、覚悟を決めたかのように目が据わったのが印象的でした。三方を掴み、スッと自分の身体の下に持っていく動作の静けさが強い意思を感じさせて印象的でした。

吉川さんの遊女は美しかったし、現代のおかると勘平もよかった。和田さん、素敵。和田さん目掛けてダイブする、岸本(夏)さんの飛び込みっぷりの良さ。伝田さんのおかやの、容赦ない老けメイク(笑)。矢島さんのお才の、人生の経験値の高そうな女将感。そして、毎度のことながら猪が可愛い。あのチープさがいいんですよね〜。歌舞伎の舞台でもあんな感じの猪が出てくるのかな? 勘平が切腹したあと、他の登場人物たちと一緒にストップモーションしてるのがまた可愛い♪

そして、やっぱり討ち入りのシーンは何度見てもワクワクします。音楽もすごいし、終幕に向けて畳み掛けるベールの振付もすごい。弾さんの、気迫漲る由良之助然とした佇まいも立派でした。最近思うんですが、ヴァリエーション1はもしかしたら難しいんじゃないかなぁ、と。2のほうが跳躍が多かったりしてテクニックがはっきりしているような気がします。そのヴァリエーション2を気合たっぷりに踊る入戸野さん。そういうところ、嫌いじゃないです。

由良之助が首を持って登場すると、出口を求める魂のように狂おしく飛び跳ねていた四十七士は鎮まり、判官の亡霊が首をスッと受け取るのと同時に、解放されていきます。その解放されていく彼らと、始まる涅槃の音楽が相まって、それまで緊張と高揚で満たされていた私の心もスーっと解放されていくのを感じます。そして、由良之助のソロから始まる美しい涅槃の場面が、じんわりと浸透してくる。解放されていくとき、岸本さんがいい表情をしていたのが印象的でした。

スッと手のひらで目を隠す、あの由良之助の振付から始まる涅槃の場面は本当に美しくて、それまでの緊張が一気に解放されたこともあり、やや恍惚というか、こちらまで何か浄化されたような心地で見つめてしまいます。弾さんの、横に広げたときの柔らかな腕も印象的でした。舞台をUの字に囲んだ四十七士たちが、2人、3人と加わり、徐々に踊りが広がっていく様子に、ちょっと『ボレロ』を思い出しました。ある程度の群舞が加わってきた辺りから、美しさに力強さが加わって格好いい。そして、手前両サイドの2人が客席に背を向けて、つまり中央の由良之助のほうを見る形で加わるところが、また格好よくて好きなんです。最後に由良之助を囲んで円を作って踊るところで、さらに2人加わったと思います。

そして、新入団のアルバレスですが、やはり気になって探しちゃいました。冒頭の現代の東京、血判、討ち入りと、各場面に出演していましたね〜。全然違和感ない(笑)。髪の色が違和感ないからなのか、本当に馴染んでてちょっと笑っちゃいました。いや、もしかしたら外見的なことではなく、彼が真摯に取り組んでいたからこそ馴染んでいたのかもしれませんね。背も高いし綺麗なお顔をしてるし、何よりいい目をしていたので、先が楽しみになりました。彼にとって、東バでの最初の作品が日本を題材にした、東バにしか上演できない『カブキ』だったというのは、よかったんじゃないかな〜と思いました。縁はないけど大好きだという日本に来て、東バ初の外国人ダンサーとして踏む最初の舞台。今どんな気持ちなんだろうな〜なんて、思いながら見ていました。
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2016年11月11日

アリシア・アロンソのドキュメンタリー映画『ホライズン』

以前Twitterのほうでつぶやいたんですが(→これ)、アリシア・アロンソのドキュメンタリー映画『ホライズン』が、11月12日(土)より公開となります。世界バレエフェスティバルにも出演したヴィエングセイ・ヴァルデスの名前もあります。

■ ドキュメンタリー映画『ホライズン』 (原題 「Horizontes」)

2015年/スイス、キューバ/スペイン語/71分

監督:アイリーン・ホーファー

出演:
アリシア・アロンソ
ヴィエングセイ・ヴァルデス
アマンダ・ペレス

キューバ国立バレエ団
フェルナンド・アロンソ国立バレエ学校

日本語字幕:杉田洋子

【上映スケジュール】
2016年11月12日(土)より
角川シネマ新宿(東京・新宿)
東京都写真美術館ホール(東京:恵比寿)

2017年1月7日(土)より
名演小劇場(名古屋)

2017年1月21日(土)より
中州大洋映画劇場(福岡)

2017年2月予定
シネ・リーブル梅田(大阪)

他、全国順次公開

→ 映画『ホライズン』公式サイト
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2016年11月08日

BALLET NEXT 『シンデレラ』公演情報

BALLET NEXT『シンデレラ』(市川透版)のキャストが出ていました。HPになかなかキャストが出ないのでずっと気になっていたんですが、ブログのほうでとっくに発表されていました、、。主演は元Kバレエの佐々部佳代さんと、同じく元Kバレエで現在はロサンゼルス・バレエでゲスト・プリンシパルを務める清水健太さんです。道化に新国の八幡顕光さんのお名前もありますね。
BALLET NEXTさんは、公演ごとのオーディションで選出されたダンサー達による「登録制カンパニー」とのこと。きっと、主演はオーディションではなく、出演依頼をした「ゲスト」ですよね。その辺がいつも気になってしまいます、、。

■ BALLET NEXT 『シンデレラ』 全3幕

2017年1月6日(金)19:00
会場:刈谷市総合文化センター大ホール

演出・振付:市川透

主演:佐々部佳代、清水健太
出演:バレエネクスト 
   1stメンバー&シーズンメンバー

→ BALLET NEXT
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